フェリー標準運送約款のポイントは自動車航送!運転手と車は1セット!

※本ページは広告が含まれています。
※本ページは広告が含まれています。
フェリー標準運送約款のポイントは自動車航送!運転手と車は1セット! 総合・国内旅行業務取扱管理者

総合旅行業務取扱管理者の試験勉強をしてるけど、フェリーの運送約款の問題が出てきた。車ごとフェリーに乗る時の運賃計算がよくわからないな。どうやって計算するんだろう。

この記事は、そんな疑問に答えます。

本記事の内容
  • フェリー標準運送約款のポイントまとめ

こんにちは、ツバサです。

総合旅行業務取扱管理者の試験勉強をしているとフェリーの運送約款について出題されることがあります。

フェリーの運送約款のポイントは自動車航送です。

自動車航送をおさえておけば、フェリーの運賃計算問題も解けるでしょう!

この記事では、フェリーの運送約款のポイントを詳細にまとめたいと思います。

参考資料:国土交通省 標準運送約款

フェリー運送約款:年齢区分

運送約款では、年齢区分について次のように定められています。

2 この運送約款で「大人」とは、12歳以上の者(小学生(小学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条の小学校、義務教育学校の前期課程及び特別支援学校の小学部並びに同法第134条第1項の各種学校の小学部に類するものをいう。以下同じ。)に就学する児童をいう。以下同じ。)を除く。)をいいます。
3 この運送約款で「小児」とは、12歳未満の者及び12歳以上の小学生をいいます。

つまり、大人は小学生以外の12歳以上の者(小学生を除く)子供は12歳未満の者及び小学生であれば12歳以上でもOKということになります。

また、幼児や乳児の規定はありません。

フェリー運送約款:手回り品

手回り品とは、旅客が自ら携帯又は同伴して船室に持ち込む物のことをいいます。

手回り品に該当するものは次の通りです。

手回り品
  1. 3辺の長さの和が2メートル以下で、かつ、重量が30キロ以下の物品
    ※無料は20キロまで
  2. 車いす(旅客が使用するものに限る。)
  3. 身体障害者補助犬

フェリー運送約款:運送の引き受け

次のような場合は運送契約の申込みを拒否したり、すでに申込済みの運送契約を拒否する場合があります。

運送の拒否
  • 泥酔者
  • 薬品中毒者
  • 感染症患者
  • 重症病者
  • 小学校に就学していない小児で付添人のいない者
  • 他の乗船者に迷惑となるおそれのある者

ここで注意しておきたいポイントは、幼児のみでの乗船はできないということです。

フェリー運送約款:手回り品の持ち込み

手回り品を持ち込む際、次の規定が定められています。

  • 手回り品の持ち込みは1人2個まで。
  • ただし、旅客が使用する車いす及び身体障碍者補助犬は除く

手回り品については自己責任において保管する必要があります。

2個以上荷物がある場合もあるかもしれません。その場合について運送約款には次の条文があります。

ただし、手回り品の大きさ、乗船する船舶の輸送力等を勘案し、当社が支障がないと認めたときは、2個を超えて持ち込むことができます。

これはつまり、船内がガラガラだったり、スペースがある場合は荷物をもっと持ち込んでもいいよという意味となります。

手回り品について何でも持ち込めるのかというとそうではありません。次のようなものを持ち込む際は拒否する場合があります。

手回り品の拒否
  • 臭気を発するもの
  • 不潔なもの
  • 鉄砲
  • 刀剣
  • 爆発物
  • 遺体
  • 生動物(身体障害者補助犬を除く)
  • その他運送に不適当と認められるもの

また、これらのいずれかに該当する疑いがある場合は、旅客又は第三者立会いのもと手回り品を点検する場合があります。

フェリー運送約款:特殊手荷物

運送約款では特殊手荷物について規定があります。

第2条 この運送約款で「特殊手荷物」とは、旅客がその乗船区間について運送を委託する物であって次に掲げるもの及びその積載物品をいいます。
(1) 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車であつて、二輪のもの
(2) 道路運送車両法第2条第3項に規定する原動機付自転車
(3) 自転車、乳母車又は荷車その他の道路運送車両法第2条第4項に規定する軽車両であって、人力により移動するもの(手回り品及び受託手荷物として取り扱われるものを除く。)

つまり、二輪のもの(原動付自転車を含む)が特殊手荷物に該当します。

例えば、普通の自転車の場合は特殊手荷物、折り畳み自転車の場合で3辺の長さの和が2メートル以下で重量が30キログラム以下であれば手回り品となります。

フェリー運送約款:運賃及び料金

運送約款について、まず大事なことは運賃や料金について届け出をしなければなりません。

届出先に注意が必要で旅行業のように国土交通省や都道府県知事ではなく、運送の運賃や料金は「地方運輸局長」に届出をしなければなりません。

運賃や料金については次のように定められています。

運賃及び料金
  • 運賃及び料金には食事は含まれない
  • 1歳未満の小児は無料
  • 大人に同伴されて乗船する1歳以上の小学校に就学していない小児は大人1人につき1人まで無料。ただし、指定席や寝台席を1人で使用する場合は小児運賃及び料金が必要。
  • 重量の和が20キロ以下の手回り品の料金は無料。
  • 旅客が使用する車いす及び身体障碍者補助犬の料金は無料。

フェリー運送約款:自動車航送

運送約款で一番大事なポイントが「自動車航送」です。

自動車航送とは何かというと、自動車ごとフェリーで運んでもらうことです。

俗に言うカーフェリーです。

自動車航送の運賃について次のように定められています。

運賃には、自動車の運転者1名が2等船室に乗船する場合の当該運転者の運送の運賃が含まれています。

つまり、自動車航送運賃には自動車と運転手1名分が含まれているということです。

具体的に例を挙げながら見ていきましょう。

フェリーの運賃体系が次のようなものと仮定します。
自動車航送運賃:20000円
大人2等船室運賃:8000円
小児2等船室運賃:4000円

運送約款 フェリー

この場合、お父さんの運賃は自動車航送運賃に含まれるため、次のような計算となります。

自動車航送運賃20000円+大人8000円+小児8000円(4000円x2人)=36000円

運送約款 フェリー

これは応用編になりますが、この場合に注意すべきことは次の3つです。

注意点
  • 自動車航送運賃には運転者1名(大人)の運賃が含まれている。
  • 大人に同伴されて乗船する1歳以上の小学校に就学していない小児は大人1人につき1人まで無料。
  • 12歳未満の者は小児となる。

これを踏まえて運賃の計算をすると次のようになります。

自動車航送運賃20000円+小児4000円=24000円

自動車航送運賃には自動車と大人1名分が含まれていますが、幼児は同伴する大人1人に対して1名無料となります。そのため、残りの幼児1名に対して小児運賃がかかるということになります。

フェリー運送約款:乗船券の有効期間(通用期間)

フェリーの乗車券にはJRの乗車券のように有効期間が定められています。

距離 有効期間
100キロメートル未満 発売当日限り
~200キロメートル未満 発売当日を含めて2日間
~400キロメートル未満 発売当日を含めて4日間
400キロ以上 発売当日を含めて7日間
  • 往復乗車券の場合は片道の乗車距離の区分に応じて、それぞれの区分の2倍の期間となる。
  • 回数券発売日を含めて2カ月の有効期間となる。
  • 病気等により乗船ができなくなった場合は7日間の通用期間を延長できる。

フェリー運送約款:乗車区間等の変更

通用期間の終了前の変更
(出発前)
1回に限り変更ができる。
※不足額があれば支払い、過剰額は払戻し。
指定便の発航後の変更
(乗り遅れ)
券面記載の乗船日に発航する他の船便の
2等船室へ変更が可能
例)1等船室の券面であった場合は2等船室になってしまう。
乗船後の変更
(出発後の変更)
さらに先の目的地へ行く乗越し又は上位の等級
もしくは船室への変更の場合に限り変更が可能。
※変更後の運賃及び料金の差額を支払う。

フェリー運送約款:払戻し及び払戻し手数料

フェリーの運送約款では払戻し及び払戻し手数料について、次のように定めています。

特別急行料金又は急行料金を収受する船便(以下「急行便」という。)が、当該急行便の所定の所要時間以内の時間で当社が定める時間以上遅延して到着した場合において、当該急行便の旅客が払戻しの請求をしたとき。収受した特別急行料金又は急行料金の額。

これは、遅延しても電車と同じで移動した距離にかかる運賃は支払わなければならず、サービスにかかる料金については払い戻すということです。

ただし、遅延の時間に関しては海の航路ということもあり、一律には決まっておらず、各フェリー会社ごとにその時間を定めています

券種 払戻時点 払戻手数料
無予約券 通用期間内 200円
予約券 7日前まで 200円
6日前~2日前まで 10%(最低200円)
前日~出航時刻まで 30%(最低200円)

フェリー運送約款:賠償責任

フェリーの運送約款で定められている賠償責任については、どのタイミングから賠償責任が発生し、どのタイミングで賠償責任を終えるのかを覚えなければなりません。

実際にフェリーに乗った時点から降りた時点までと思われがちですが、次のように定められています。

  • 乗船港の「乗降施設」に達した時から下船港の「乗降施設」を離れた時まで

この間においては、生命又は身体を害した損害において賠償責任が発生するということになります。

以上となります。

フェリーの運送約款は自動車航送の運賃計算を覚えておけばよいでしょう!

それでは、良い一日を!