この記事は、令和5年度・総合旅行業務取扱管理者試験の法令の問題について解説します。
ツナグ旅では令和5年度の総合旅行業務取扱管理者試験の問題解説を8記事にわたって解説しています。
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務(国内観光地理)
- 国内旅行実務(宿泊料金計算、JR運賃計算、国内航空運賃、貸切バス運賃計算)
- 海外旅行実務(国際航空運賃)
- 海外旅行実務(旅券法、出入国法令)
- 海外旅行実務(英語)
- 海外旅行実務(海外観光地理)
この記事では(1)を解説しています。
こんにちは、ツバサです。
好評の過去問解説シリーズです!
今回は、令和5年度に実施された総合旅行業務取扱管理者試験に出題された法令の過去問解説していきます。
年々、試験の難易度が上がっている法令の試験問題は、解説をしっかりと理解しながら進めると理解度がとても上がります。
過去問にチャレンジしている人や問題の解き方を知りたい人は必見です!
ブログ運営者のツバサです。総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者共に全科目受験で同年に1発合格。国内旅行業務取扱管理者の試験は90%の正答率、総合旅行業務取扱管理者の試験では85%の正答率でした。格段にレベルが上がったと言われている2020年度の総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務では200点満点中、自己採点で175点を獲得。
- 総合旅行業務取扱管理者の過去問解説:法令編
- 法令の問題➀:旅行業の登録業務範囲
- 法令の問題②:旅行業者又は旅行業者代理業者の登録の拒否事由
- 法令の問題➂:旅行業務取扱管理者
- 法令の問題④:取引条件説明書面
- 法令の問題⑤:契約書面
- 法令の問題⑥:旅行業務取扱管理者証と外務員証
- 法令の問題⑦:企画旅行の広告
- 法令の問題⑧:標識
- 法令の問題⑨:旅行サービス手配業
- 法令の問題⑩:旅行業協会
- 法令の問題⑪:旅行業法の目的
- 法令の問題⑫:旅行業の登録
- 法令の問題⑬:旅行業の登録
- 法令の問題⑭:営業保証金
- 法令の問題⑮:旅行業務取扱管理者
- 法令の問題⑯:旅行業務取扱料金
- 法令の問題⑰:旅行業約款
- 法令の問題⑱:旅行業約款
- 法令の問題⑲:誇大広告の禁止
- 法令の問題⑳:旅程管理
- 法令の問題㉑:禁止行為
- 法令の問題㉒:受託契約
- 法令の問題㉓:旅行業者代理業
- 法令の問題㉔:業務改善命令
- 法令の問題㉕:登録の取消し
総合旅行業務取扱管理者の過去問解説:法令編
令和5年度の総合旅行業務取扱管理者試験の法令の科目は、25問の問題から構成されています。
法令:100点満点(合格点は60点以上)
- 法令:4点x25問=100点
法令の問題は年々難易度が上がっていて、その理由の1つが「全部選べ問題」が多いことです。
令和5年度の試験では25問中15問が全部選べ問題でした。
それでは、過去問の解説をしていきます。
法令の問題➀:旅行業の登録業務範囲
登録業務範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 第1種旅行業者は、すべての旅行業務を取り扱うことができる。
- 第2種旅行業者は、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)を実施することができない。
- 第3種旅行業者は、本邦外のすべての旅行業務を取り扱うことができない。
- 地域限定旅行業者は、一の企画旅行ごとに一の自らの営業所の存する市町村(特別区を含む。)の区域、これに隣接する市町村の区域及び観光庁長官の定める区域内についてのみ企画旅行を実施することができる。
解答:c
選択肢cは、第3種旅行業者は受注型企画旅行や手配旅行の海外旅行の取扱いができるため、誤り。
法令の問題②:旅行業者又は旅行業者代理業者の登録の拒否事由
次の記述のうち、旅行業又は旅行業者代理業の登録の拒否事由に該当しないものはどれか。
- 個人情報の保護に関する法律に違反して罰金の刑に処せられ、その執行が終わった日から5年を経過していない者
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員がその事業活動を支配する者
- 営業所ごとに法の定める要件を満たす旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者
- 地域限定旅行業を営もうとする者であって、登録の申請にあたって、100万円以上の基準資産額を有しない者
解答:a
選択肢aは、罰金刑に処せられて、その執行が終わった日から5年を経過していない者が登録の拒否事由になる場合は、旅行業法違反による罰金刑のみのため、誤り。
法令の問題➂:旅行業務取扱管理者
旅行業務取扱管理者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所においては、国内旅行業務取扱管理者試験又は地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格した者で、法第6条第1項第1号から第6号までのいずれにも該当しない者を旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。
- 旅行業者等は、その営業所において選任している旅行業務取扱管理者について、5年ごとに、登録研修機関が実施する研修を受けさせなければならない。
- 複数の営業所を通じて1人の旅行業務取扱管理者を選任することができるのは、地域限定旅行業者又は地域限定旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者であって、国土交通省令で定める要件を満たす場合に限られる。
- 旅行業務を取り扱う者が1人である営業所については、旅行業務取扱管理者の選任を要しない。
解答:c
選択肢aは、本邦内の旅行のみを取り扱う営業所では総合旅行業務取扱管理者の選任でもOKなため、誤り。
選択肢bは、旅行業務取扱管理者の5年ごとの研修は旅行業協会が実施する研修のため、誤り。
選択肢dは、営業所ごとに選任が必要なため、誤り。(地域限定旅行業者の場合に特例あり)
法令の問題④:取引条件説明書面
取引条件の説明及び取引条件の説明をする際に交付する国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 旅行業者は、旅行に関する相談に応ずる行為に係る旅行業務について契約を締結しようとするときは、旅行者に契約の申込方法及び契約の成立に関する事項を説明しなければならない。
- 旅行業者等は、企画旅行契約を締結しようとするときは、書面に当該契約に係る旅程管理業務を行う者の氏名を記載しなければならない。
- 旅行業者等は、書面の交付に代えて、当該書面に記載すべき事項を国土交通省令・内閣府令で定める情報通信の技術を利用する方法により提供するときは、あらかじめ旅行者の承諾を得ることを要しない。
- 旅行業者等は、旅行者に対して対価と引換えに法第12条の5に規定するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合は、旅行者に対し取引条件の説明の際の書面は交付を要しない。
解答:d
選択肢aは、旅行相談業務の取引条件説明書面に記載事項は、支払うべき対価及び収受の方法と対価によって提供を受けることができるサービスの内容の2つのため、誤り。
選択肢bは、旅程管理業務を行う者の氏名の記載は不要なため、誤り。
選択肢cは、取引条件説明書面を情報通信の技術を利用する方法(メールなど)により提供する場合は、旅行者の承諾を得る必要があるため、誤り。
法令の問題⑤:契約書面
旅行業務に関し契約を締結したときに交付する国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 旅行業者等は、旅行業務に関し取引をする者(旅行者を除く。)と旅行業務に関し契約を締結したときは、国土交通省令で定める場合を除き、当該契約に係る責任及び免責に関する事項を書面に記載しなければならない。
- 旅行業者は、旅行に関する相談に応ずる行為に係る旅行業務について、旅行者と契約を締結した場合は、書面の交付を要しない。
- 旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約を締結した場合であって、当該旅行に旅程管理業務を行う者が同行しないときは、旅行地における企画者との連絡方法を書面に記載しなければならない。
- 旅行業者等は、企画旅行契約を締結した場合は、契約締結の年月日を書面に記載しなければならない。
解答:a
選択肢aは、事業者に対して発行する契約書面には契約に係る責任や免責に関する事項を記載する必要はないため、誤り。
この問題の選択肢aは難しいため、選択肢b、c、dを確認して消去法で選択肢aと答えることができれば正答できます。
法令の問題⑥:旅行業務取扱管理者証と外務員証
旅行業務取扱管理者の証明書の提示及び外務員の証明書の携帯等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 旅行業務取扱管理者は、旅行者から請求があったときは、国土交通省令で定める様式による旅行業務取扱管理者の証明書を提示しなければならない。
- 旅行業者等は、外務員の証明書を携帯させた者でなければ、外務員としての業務に従事させてはならない。
- 外務員は、旅行者が悪意であったときを除き、その所属する旅行業者等に代わって、旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなす。
- 旅行業者代理業者の旅行業務取扱管理者の証明書は、その所属旅行業者が発行しなければならない。
解答:d
選択肢dは、旅行業務取扱管理者証は各旅行業者で発行が必要となるため、所属旅行業者が発行するは誤り。
法令の問題⑦:企画旅行の広告
企画旅行に参加する旅行者を募集するための広告に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 広告には、企画旅行の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは、その旨及び当該人員数を表示しなければならない。
- 広告において、企画者以外の者の氏名又は名称を表示する場合は、文字の大きさ等に留意して、企画者の氏名又は名称の明確性を確保しなければならない。
- 地域限定旅行業者及び旅行業者代理業者も、広告を行うことができる。
- 広告には、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価が出発日により異なる場合は、その最低額のみを表示することで足りる。
解答:d
選択肢dは、企画旅行の広告では旅行代金が出発日によって異なる場合、その最低額と最高額の両方を表示しなければならないため、誤り。
法令の問題⑧:標識
標識に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 旅行業者等は、営業所において、国土交通省令で定める様式の標識を、公衆に見やすいように掲示しなければならない。
- 標識には旅行業者等が法人である場合には、その代表者の氏名を記載しなければならない。
- 旅行業者等以外の者は、国土交通省令で定める様式の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
- 旅行業者代理業者の標識には、所属旅行業者の登録番号及び氏名又は名称を記載しなければならない。
解答:b
選択肢bは、標識に記載する氏名は法人の代表者名ではなく、旅行業務取扱管理者の氏名を記載するため、誤り。
法令の問題⑨:旅行サービス手配業
旅行サービス手配業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 旅行サービス手配業者は、その営業所において選任している旅行サービス手配業務取扱管理者について、5年ごとに、登録研修機関が実施する研修を受けさせなければならない。
- 旅行サービス手配業を営もうとする者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に、新規登録申請書を提出しなければならない。
- 旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務を他人に委託する場合においては、他の旅行サービス手配業者又は旅行業者に委託しなければならない。
- 旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務に関し取引をする者と旅行サービス手配業務に関し契約を締結したときは、いかなる場合も、遅滞なく、当該取引をする者に対し、国土交通省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
解答:d
選択肢dは、国土交通省令で定める場合を除き、遅滞なく、取引をする者に対して書面を交付しなければならないため、いかなる場合もの記載が誤り。
この問題は難問のため、選択肢a、b、cを消去法で消すことができれば、選択肢dを解答することができる。
法令の問題⑩:旅行業協会
旅行業協会が行う苦情の解決に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 旅行業協会は、旅行業務又は旅行サービス手配業務に関する苦情について解決の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について社員及び社員以外の旅行業者等に周知させなければならない。
- 旅行業協会は、旅行者から申出のあった旅行業者が取り扱った旅行業務に関する苦情の解決について必要があると認めるときは、当該旅行業者の営業所に立ち入って調査することができる。
- 旅行業協会は、旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業務に関する苦情の解決の申出については、社員が取り扱ったものに限り、その相談に応じなければならない。
- 社員は、旅行業協会から苦情の解決について、必要な資料の提出を求められたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
解答:d
選択肢aは、周知する対象は社員のみとなるため、誤り。
選択肢bは、文書や口頭による説明を求め、または資料の提出を求めることができるが、立ち入り調査はできないため、誤り。
選択肢cは、旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者から旅行業者等又は旅行サービス手配業者が取り扱つた旅行業務又は旅行サービス手配業務に関する苦情の相談に応じるため、社員が取扱ったものに限りは誤り。
法令の問題⑪:旅行業法の目的
次の記述から、「法第1条(目的)」に定められているものをすべて選びなさい。
- 旅行の安全の確保
- 旅行業務に関する取引の公正の維持
- 旅行業等を営む者について研修制度を実施
- 旅行者の利便の増進
解答:a, b, d
旅行業法の目的は6つ。
【旅行者のための目的】
1:取引の公正の維持
2:旅行の安全の確保
3:旅行者の利便の増進
【旅行業者のための目的】
4:登録制度
5:業務の適正な運営の確保
6:団体活動の促進
以上から、選択肢cは誤り。
法令の問題⑫:旅行業の登録
報酬を得て、次の行為を事業として行う場合、旅行業の登録を受けなければならないものをすべて選びなさい。
- 鉄道事業者が、自社の鉄道を利用して、ウォーキングと昼食をセットにした日帰りツアーを自ら企画し販売する行為
- コンビニエンスストアを営む者が、観劇やイベント等の入場券のみを販売する行為
- 会員制リゾートホテル事業を営む者が、会員を対象に、他人の経営する貸切バスを使用して、昼食付の日帰りツアーを自ら企画し販売する行為
- 登山用品の専門店を営む者が、他人の経営する宿泊サービスとトレッキングをセットにしたツアーを自ら企画し販売する行為
解答:c, d
旅行業登録が必要かどうかを見分ける方法は、「旅行者」に対して「運送または宿泊」の手配を行っているかどうか、また「旅行者」に対して「旅行相談業務」を行っているかどうか。
選択肢aは、自社の鉄道とウォーキング、ランチを手配した日帰りツアーのため、旅行業登録は不要。
選択肢bは、観劇やイベントの入場券の販売のため、旅行業登録は不要。
選択肢cは、会員(旅行者)に対して、他社のバス(運送)を手配し、ランチ付きの日帰りツアーを手配して販売しているため、旅行業登録が必要。
選択肢dは、(旅行者に対して)他人の経営する宿(宿泊)とトレッキングをセットにしたツアーを販売しているため、旅行業登録が必要。
法令の問題⑬:旅行業の登録
旅行業又は旅行業者代理業の登録に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 旅行業者が有効期間の更新の登録の申請をしようとするときは、有効期間の満了の日の2月前までに、登録行政庁に更新登録申請書を提出しなければならない。
- 旅行業者代理業者が、新たに地域限定旅行業を営もうとするときは、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
- 法人である第1種旅行業者の代表者の氏名に変更があったときは、その日から30日以内に観光庁長官の行う変更登録を受けなければならない。
- 旅行業の登録の有効期間は、登録の日の翌日から起算して5年である。
解答:a, b
選択肢cは、代表者の氏名に変更があった場合は登録行政庁(第1種旅行業者であれば観光庁長官)に「変更の届出」を行わなければならないため、変更登録の文言は誤り。
選択肢dは、旅行業の登録の有効期間は、「登録の日から起算して5年」のため、登録の日の翌日から起算して5年は誤り。
法令の問題⑭:営業保証金
営業保証金制度に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 変更登録を受けた旅行業者が、その登録を受けた事業年度に供託すべき営業保証金の額は、前事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引の額に応じて、業務の範囲の別ごとに、国土交通省令で定めるところにより算定した額である。
- 営業保証金は、特別の法律により法人が発行する債券をもって、これに充てることができる。
- 旅行業者代理業者が供託すべき営業保証金の額は、その所属する旅行業者の登録業務の範囲の別ごとに、国土交通省令で定めるところにより算定した額である。
- 旅行業者等との旅行業務に関する取引によって生じた債権に関し、旅行業者が供託している営業保証金について、その債権の弁済を受ける権利を有する者は、旅行者に限られる。
解答:b, d
選択肢aは、変更登録を受けた旅行業者はその登録を受けた事業年度に供託すべき営業保証金の額は、前事業年度における旅行業務に関する旅行者との「年間取引見込額」に応じて、業務の範囲の別ごとに、国土交通省令で定めるところにより算定した額であるため、誤り。
選択肢cは、旅行業者代理業者は営業保証金が不要のため、誤り。
法令の問題⑮:旅行業務取扱管理者
次の記述のうち、旅行業務取扱管理者が管理及び監督しなければならない職務として定められているものをすべて選びなさい。
- 法第12条の7及び法第12条の8の規定による広告に関する事項
- 法第10条の規定による前事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引の額の報告に関する事項
- 法第12条の10の規定による企画旅行の円滑な実施のための措置に関する事項
- 契約締結の年月日、契約の相手方その他の旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者と締結した契約の内容に係る重要な事項についての明確な記録又は関係書類の保管に関する事項
解答:a, c, d
旅行業務取扱管理者の職務は10個。
1:旅行に関する計画の作成
2:取扱料金の掲示
3:約款の掲示および備置き
4:取引条件の説明
5:書面の交付
6:広告の実施
7:企画旅行の円滑な実施のための措置(旅程管理)
8:苦情の処理
9:旅行者または旅行サービス提供者と締結した契約内容に係わる重要な事項についての明確な記録または関係書類の保管
10:取引の公正、旅行の安全および旅行者の利便を確保するための必要な事項(旅行業法の目的)
以上から、選択肢bは誤り。
法令の問題⑯:旅行業務取扱料金
旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 旅行業務の取扱いの料金は、契約の種類及び内容に応じて定率、定額その他の方法により定められ、旅行者にとって明確なものでなければならない。
- 旅行業者は、事業の開始前に、旅行業務の取扱いの料金を定め、登録行政庁に届け出なければならない。
- 旅行業者は、旅行業務の取扱いの料金を変更したときは、登録行政庁に届け出ることを要しない。
- 旅行業者は、旅行業務の取扱いの料金をその営業所において、旅行者が閲覧することができるよう備え置かなければならない。
解答:a, c
選択肢bは、旅行業務取扱料金は認可や届出等の登録行政庁に対しての手続きは不要なため、誤り。
選択肢dは、旅行業務取扱料金は営業所にて旅行者に見やすいように「必ず掲示」しなければならないため、旅行者が閲覧できるように備え置くは誤り。
法令の問題⑰:旅行業約款
旅行業約款に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 保証社員でない旅行業者の旅行業約款にあっては、営業保証金を供託している供託所の所在地の変更をしようとするときは、登録行政庁の認可を受けることを要しない。
- 登録行政庁が旅行業約款を認可するときの基準の一つとして、旅行者の正当な利益を害するおそれがないものであることが定められている。
- 旅行業者が現に定めている旅行業約款を標準旅行業約款と同一のものに変更しようとするときは、旅行業約款変更認可申請書を登録行政庁に提出し、認可を受けなければならない。
- 旅行業者代理業者は、その営業所において、自ら定めた旅行業約款を旅行者に見やすいように掲示し、又は閲覧することができるように備え置かなければならない。
解答:a, b
選択肢cは、標準旅行業約款と同一のものに変更しようとするときは民家を受けたものとみなされ、手続きは不要となるため、誤り。
選択肢dは、旅行業者代理業者は、営業所において「所属旅行業者」が定めた旅行業約款を旅行者に見やすいように掲示または閲覧できるように備え置かなければならないため、誤り。
法令の問題⑱:旅行業約款
次の記述のうち、旅行業約款に記載しなければならない事項として定められているものをすべて選びなさい。
- 登録番号及び登録年月日
- 旅行業務の取扱いの料金その他の旅行者との取引に係る金銭の収受に関する事項
- 法第 12 条のの規定により運送、宿泊その他の旅行に関するサービスの提供について旅行者に対して交付する書面の種類及びその表示する権利の内容
- 旅行中の損害の補償に関する事項
解答:b, c, d
旅行業約款に記載する事項で覚えるのは7個。
1:旅行者との取引に係る金銭の収受
2:運送、宿泊その他の旅行に関するサービスの提供について旅行者に対して交付する書面の種類およびその表示する権利の内容
3:契約の変更および解除
4:責任および免責
5:旅行中の損害の補償
6:保証社員である旅行業者の場合
・旅行業協会の名称および所在地
・弁済業務保証金から弁済を受けることができること
・弁済業務保証金からの弁済限度額
・営業保証金を供託していないこと
7:保証社員でない旅行業者の場合
・供託所の名称および所在地
・営業保証金から弁済を受けることができること
以上から、選択肢aの登録番号および登録年月日の記載は不要のため、誤り。
法令の問題⑲:誇大広告の禁止
誇大広告の禁止に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 旅行者に対する損害の補償に関する事項は、誇大表示をしてはならない事項として定められていない。
- 旅行業者等は、旅行業務について広告をするときは、国土交通省令・内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
- 旅行地における旅行者の安全の確保に関する事項は、誇大表示をしてはならない事項として定められている。
- 旅行に関するサービスの品質その他の内容に関する事項は、誇大表示をしてはならない事項として定められていない。
解答:b, c
誇大広告の禁止事項は8個。
1:サービスの品質
2:旅行者の安全の確保
3:感染症、衛生
4:旅行地の景観、環境
5:対価(旅行代金)
6:旅行中の旅行者の負担
7:損害の補償
8:旅行業者等の業務の範囲、資力、信用
選択肢aと選択肢dは、「定められていない」が誤り。
選択肢bは事実と異なるものや誤認させるような表示は広告の表示における基本的なことになるため、正しい。
法令の問題⑳:旅程管理
企画旅行の円滑な実施のための措置に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 旅行業者は、旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置を講じなければならない。
- 法の規定に適合する者の指導による旅程管理業務に相当する実務の研修を受けた経験は、当該研修を受けた地域を目的地とする旅行に係る旅程管理業務に従事した経験とみなされる。
- 旅行業者は、参加する旅行者の募集をすることにより実施する企画旅行についてのみ、旅程管理のための措置を講じなければならない。
- 本邦外の旅行に参加する旅行者に同行して、旅程管理業務を行う者のうち主任の者が有していなければならない実務の経験には、本邦内の旅行に関する旅程管理業務に従事したものも含まれる。
解答:a, b
選択肢cは、募集型企画旅行のみ旅程管理が必要と述べているため、誤り。受注型企画旅行でも旅程管理は必要となる。
選択肢dは、本邦外の旅行(海外旅行)の旅程管理主任者になるためには海外の実務研修が必要なため、誤り。
法令の問題㉑:禁止行為
旅行業者等がしてはならない行為に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 旅行業者等が旅行者に対し、旅行地において特定のサービスの提供を受けること又は特定の物品を購入することを強要する行為は、禁止行為に該当する。
- 旅行業者等が、あらかじめ書面により旅行者に通知し、承諾を得た場合は、掲示した旅行業務の取扱いの料金を超えて料金を収受する行為は禁止行為に該当しない。
- 旅行業者等は、その名義を他人に旅行業又は旅行業者代理業のために利用させてはならない。
- 旅行業者等が、旅行業務に関し取引をする者に対し、その取引に関する重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為は禁止行為に該当する。
解答:a, c, d
選択肢bは、旅行業務取扱料金はいかなる場合も料金を超えて収受することは禁止のため、誤り。
法令の問題㉒:受託契約
受託契約に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 第1種旅行業者は、地域限定旅行業者を委託旅行業者とする受託契約を締結することができる。
- 受託契約においては、委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる受託旅行業者又はその受託旅行業者代理業者の営業所を定めることを要しない。
- 受託旅行業者は、受託契約に基づく業務を他の旅行業者に再委託することはできない。
- 旅行業者は、受託契約を締結したときは、遅滞なく、登録行政庁に届け出なければならない。
解答:a, c
選択肢bは、指定された受託旅行業者の営業所または受託旅行業者代理業者の営業所でのみ販売ができるため、定めることを要しないは誤り。
選択肢dは、旅行業者は受託契約を締結した場合は旅行業者代理業者の登録は受けなくてもよいため、誤り。
法令の問題㉓:旅行業者代理業
旅行業者代理業に関する次の記述のうち、誤っているものをすべて選びなさい。
- 旅行業者代理業者は、その所属旅行業者の許諾を得れば、委託旅行業者と直接受託契約を締結することができる。
- 旅行業者代理業を営もうとする者の新規登録にあっては、その財産的基礎については、登録の拒否事由とはならない。
- 所属旅行業者が旅行業の登録を抹消されたときは、旅行業者代理業の登録はその効力を失う。
- 所属旅行業者は、いかなる場合も旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償しなければならない。
解答:a, d
選択肢aは、旅行業者代理業者は自らが直接、受託契約を締結することはできないため、誤り。
選択肢dは、所属旅行業者は、旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責に任ずるが、所属旅行業者が旅行業者代理業者への委託につき、相当の注意をし、かつ、損害の発生の防止に努めた時はその限りではないため、誤り。
法令の問題㉔:業務改善命令
次の記述のうち、登録行政庁が旅行業者等に命ずることができる措置(業務改善命令)として定められているものをすべて選びなさい。
- 旅行業約款を変更すること。
- 業務の運営の改善に必要な措置をとること。
- 旅行者に生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結すること。
- 旅行業務取扱管理者を解任すること。
解答:a, b, c, d
業務改善命令で覚えることは6個。
1:旅行業務取扱管理者の解任
2:取扱料金・対価の変更
3:旅行業約款の変更
4:旅程管理(企画旅行の円滑な実施のための措置を確実にする)
5:旅行者のための損害賠償の為の保険契約の締結
6:業務の改善に必要な措置
以上から、全ての選択肢が業務改善命令に定めれている。
法令の問題㉕:登録の取消し
次の記述のうち、登録の取消しの事由に該当するものをすべて選びなさい。
- 旅行業者等が、登録を受けてから1年以内に事業を開始していないと認められるとき。
- 旅行サービス手配業者が、旅行業法若しくは旅行業法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
- 旅行業者が、不正の手段により変更登録を受けたとき。
- 旅行サービス手配業者が、引き続き1年以上事業を行っていないと認められるとき。
解答:a, b, c, d
全ての選択肢が登録の取消し事由に該当する。