令和4年度に実施された国内旅行業務取扱管理者試験の法令の問題がとても難しかった。過去問の解説がないから、誰か詳しく教えてくれないかな。
この記事は、そんな疑問に答えます。
ツナグ旅では令和4年度の国内旅行業務取扱管理者試験の問題解説を4記事にわたって解説しています。
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務(宿泊料金計算、JR運賃計算、国内航空運賃、貸切バス運賃計算)
- 国内旅行実務(国内観光地理)
この記事では(1)を解説しています。
こんにちは、ツバサです。
国内旅行業務取扱管理者試験の科目の中で、一番最初に出題されるのが「法令」の問題になります。
問題数は25問、1問4点で100点満点になります。
過去問にチャレンジしても解説がなく解答しかないため、どこが間違っているかわからないことがよくあります。
この記事では、令和4年度の国内旅行業務取扱管理者試験の法令の問題の過去問解説をします。
過去問にチャレンジしている受験生は必見です!
ブログ運営者のツバサです。総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者共に全科目受験で同年に1発合格。国内旅行業務取扱管理者の試験は90%の正答率、総合旅行業務取扱管理者の試験では85%の正答率でした。格段にレベルが上がったと言われている2020年度の総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務では200点満点中、自己採点で175点を獲得。
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- 国内旅行業務取扱管理者試験の解説:法令編
- 法令の問題①:旅行業法の目的
- 法令の問題②:旅行業登録
- 法令の問題③:旅行業登録
- 法令の問題④:旅行業の登録業務範囲
- 法令の問題⑤:登録の拒否事由
- 法令の問題⑥:旅行業の変更登録
- 法令の問題⑦:営業保証金
- 法令の問題⑧:旅行業務取扱管理者
- 法令の問題⑨:旅行業務取扱管理者
- 法令の問題⑩:旅行業務取扱料金
- 法令の問題⑪:旅行業約款
- 法令の問題⑫:取引条件説明書面
- 法令の問題⑬:取引条件説明書面
- 法令の問題⑭:契約書面
- 法令の問題⑮:外務員証
- 法令の問題⑯:企画旅行の広告
- 法令の問題⑰:標識
- 法令の問題⑱:旅程管理
- 法令の問題⑲:旅程管理業務
- 法令の問題⑳:禁止行為
- 法令の問題㉑:受託契約
- 法令の問題㉒:旅行業者代理業者
- 法令の問題㉓:旅行サービス手配業
- 法令の問題㉔:旅行業協会
- 法令の問題㉕:弁済業務保証金制度
国内旅行業務取扱管理者試験の解説:法令編
令和4年度の国内旅行業務取扱管理者試験の法令の問題は、数問だけ細かい内容まで問われた印象でした。
しかし、ストレートに聞いてくる問題も多かったため、合格点の60点は十分に狙えます。
それでは、法令の問題について解説していきます。
法令の問題①:旅行業法の目的
(1) 次の記述のうち、法第1条「目的」に定められているものはどれか。
ァ: 旅行業等を営む者の利便の増進
イ: 旅行業等を営む者の業務の公正な競争の確保
ウ: 旅行に関する需要の拡大
エ: 旅行業等を営む者の組織する団体の適正な活動の促進
答え:エ
旅行業法の目的は全部で6個あります。旅行者のための目的と旅行業者のための目的を分けて覚えましょう。
【旅行者のための目的】
① 取引の公正の維持
② 旅行の安全の確保
③ 旅行者の利便の増進
【旅行業者の目的】
④ 登録制度
⑤ 業務の適正な運営の確保
⑥ 団体活動の促進
以上から、選択肢「エ」が正解。
法令の問題②:旅行業登録
(2) 報酬を得て、次の行為を事業として行う場合、旅行業の登録を受けなければならないものはどれか。
ア: 旅行者から依頼を受けて、スポーツ観戦チケットや観劇などの入場券のみを販売する行為
イ: 旅行に関する相談に応ずる行為
ウ: 旅行業者から依頼を受けて、旅行者のために査証の取得の手続を代行する行為
エ: 観光タクシー会社が自ら所有するタクシーを使い、旅行者のために観光施設の入場と昼食をセットにした日帰り旅行を販売する行為
答え:イ
旅行業とは「旅行者」と「運送または宿泊サービス提供者」の間に入って両者を結びつける行為。選択肢「ウ」は旅行業者からの依頼となっているため誤り、選択肢「ア」と「エ」は入場券や昼食の手配となり、運送または宿泊サービスの手配ではないため誤りとなります。正解は選択肢「イ」となります。旅行相談業務は運送または宿泊サービスの手配はありませんが、旅行相談業務は旅行業の1つとなり、旅行業登録が必要となります。
補足:選択肢「エ」のタクシーを使うと書いているため、送迎の手配と思うかもしれませんが、タクシー会社がタクシーを使うことは事業範囲内のため、問題ありません。もし日帰り旅行が宿泊を伴う旅行であった場合は旅行業登録が必要となります。
法令の問題③:旅行業登録
(3) 旅行業及び旅行業者代理業の登録に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア: 旅行業者代理業を営もうとする者は、所属旅行業者を第1種旅行業者とする場合であっても、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
イ: 地域限定旅行業を営もうとする者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
ウ: 旅行業の登録の有効期間満了の後、引き続き旅行業を営もうとする者は、有効期間の満了の日の2月前までに更新登録申請書を登録行政庁に提出しなければならない。
エ: 第2種旅行業の有効期間の更新の登録がなされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日から起算する。
答え:エ
旅行業の更新の登録がされた場合、新たな登録は従前の登録の満了の日の「翌日」から起算します。そのため、選択肢「エ」の満了日から起算するは誤り。
法令の問題④:旅行業の登録業務範囲
(4) 登録業務範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか(いずれも総合旅行業務取扱管理
者を選任しているものとする。)。
ア: 第1種旅行業者は、すべての旅行業務を取り扱うことができる。
イ: 第2種旅行業者は、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の実施に係る旅行業務を取り扱うことはできない。
ウ: 第3種旅行業者は、本邦外のすべての旅行業務を取り扱うことはできない。
エ: 地域限定旅行業者は、一の企画旅行ごとに一の自らの営業所の存する市町村(特別区を含む。)の区域、これに隣接する市町村の区域及び観光庁長官の定める区域についてのみ、企画旅行を実施することができる。
答え:ウ
第3種旅行業者は、受注型企画旅行および手配旅行については全ての旅行業務を取り扱うことができますが、募集型企画旅行については、海外旅行は取扱い不可、また国内旅行は拠点区域内であれば実施できますが、それ以外は不可となります。そのため、選択肢「ウ」が誤りとなります。
法令の問題⑤:登録の拒否事由
(5) 次の記述のうち、旅行業又は旅行業者代理業の登録の拒否事由に該当しないものはどれか。
ア: 公職選挙法に違反して禁錮2年の刑に処せられて、その刑の執行が終わった日から5年を経過した者
イ: 申請前5年以内に旅行業務に関し不正な行為をした者
ウ: 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
エ: 営業所ごとに法第11条の2の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者
答え:ア
禁固刑以上、または旅行業法違反による罰金刑に処せられて、その刑の執行がなくなった日から5年を経過していない者は旅行業の登録の拒否事由に該当しますが、5年を経過すれば登録が可能になります。そのため、選択肢「ア」が誤りとなります。
法令の問題⑥:旅行業の変更登録
(6) 変更登録等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア: 第2種旅行業者が法人である場合、その名称について変更があったときは、その日から30日以内にその主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に登録事項変更届出書を提出しなければならない。
イ: 旅行業者代理業者が主たる営業所の所在地について変更(都道府県の区域を異にする所在地の変更に限る。)があったときは、その日から30日以内に変更後の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に登録事項変更届出書を提出しなければならない。
ウ: 第3種旅行業者は、第1種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、観光庁長官に変更登録申請書を提出しなければならない。
エ: 旅行業者等は、選任している旅行業務取扱管理者の氏名について変更があったときは、その日から30日以内に登録行政庁に変更登録申請書を提出しなければならない。
答え:エ
変更登録に関して覚えることは3つです。
① 変更の届出:各称、商号、代表者の氏名、本社およびその他の営業所の名称、所在地、旅行業者の場合の代理業者の名称について変更する時に使う。登録行政庁に提出する。
② 変更登録:旅行業の業務の範囲を変更するときに使う。変更後の登録行政庁に提出する。
③ 新規登録:代理業者の場合の所属旅行業者の名称を変更するときに使う。登録行政庁に提出する。
上記から、選択肢「エ」の旅行業務取扱管理者の氏名の変更については、登録行政庁に変更の届出を申請する必要はありません。
補足:選択肢「エ」の中で使われている「変更登録申請書」は業務の範囲を変更するときに使う文言になります。
法令の問題⑦:営業保証金
(7) 営業保証金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア: 旅行業者は、毎事業年度終了後において、その供託している営業保証金の額が所定の額に不足することとなるときは、その不足額を毎事業年度終了後において、その終了の日の翌日から100日以内に追加して供託しなければならない。
イ: 旅行業者は、営業保証金を供託し、供託所から供託物受入れの記載のある供託書の受領後、直ちにその事業を開始することができる。
ウ: 第2種旅行業の新規登録を受けた者が供託すべき営業保証金の額は、登録の申請時に添付した書類に記載した旅行業務に関する旅行者との年間取引見込額が400万円未満の場合にあっては、1,100万円である。
エ: 営業保証金は、旅行業者の主たる営業所の最寄りの供託所に国債証券、地方債証券その他の国土交通省令で定める有価証券をもって、供託することができる。
答え:イ
旅行業者の事業の開始時期は、登録申請を行い、登録の通知を受け取り、主たる営業所の最寄りの供託所に営業保証金の供託を行い、供託した旨の届出を行えば、旅行業を開始できます。
そのため、選択肢「イ」の供託書の受領後に直ちに開始できるは誤り。
法令の問題⑧:旅行業務取扱管理者
(8) 旅行業務取扱管理者の選任に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア: 第3種旅行業者の複数の営業所が近接し(営業所間の距離の合計が40キロメートル以下)、併せて当該複数の営業所の前事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引の額の合計額が1億円以下の場合、旅行業務取扱管理者は、その複数の営業所を通じて1人で足りる。
イ: 旅行業者等は、旅行業務取扱管理者について、5年ごとに旅行業務に関する法令、旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため、旅行業協会又は旅程管理研修業務を行う登録研修機関(旅行業協会を除く。)が実施する研修を受けさせなければならない。
ウ:旅行業者は、拠点区域内のもののみについて旅行業務を取り扱う営業所にあっては、地域限定旅行業務取扱管理者試験(当該営業所の所在する地域に係るものに限る。)に合格した者を当該営業所の旅行業務取扱管理者として選任することができる。
エ:旅行業者等は、旅行業務に従事した経験が5年未満である者を、旅行業務取扱管理者として選任することはできない。
答え:ウ
選択肢「ア」は、営業所間の距離の合計が40キロメートル以下、複数の営業所の前業年度の旅行者との取引額の合計額が1億円以下の場合に旅行業務取扱管理者の兼任が可能なのは、地域限定旅行業者のみとなります。第3種旅行業者は兼任不可となります。
選択肢「イ」は、旅行業務取扱管理者の研修を行うのは旅行業協会となります。登録研修期間が研修を行えるのは旅行サービス手配業務取扱管理者の研修となります。
選択肢「エ」は、旅行業務取扱管理者の選任にあたって旅行業務に従事した経験年数の条件はありません。
上記から選択肢「ウ」が正解。
法令の問題⑨:旅行業務取扱管理者
(9) 次の記述のうち、旅行業務取扱管理者の職務として定められていないものはどれか。
ア: 法第12条の9の規定による標識の掲示に関する事項
イ: 旅行に関する計画の作成に関する事項
ウ: 法第12条の4の規定による取引条件の説明に関する事項
エ: 契約締結の年月日、契約の相手方その他の旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者と締結
した契約の内容に係る重要な事項についての明確な記録又は関係書類の保管に関する事項
答え:ア
旅行業務取扱管理者の職務は全部で10個です。
① 旅行に関する計画の作成
② 取扱料金の掲示
③ 約款の掲示および備置き
④ 取引条件の説明
⑤ 書面の交付
⑥ 広告の実施
⑦ 企画旅行の円滑な実施のための措置(旅程管理)
⑧ 苦情の処理
⑨ 旅行者または旅行サービス提供者と締結した契約内容に係わる重要な事項についての明確な記録または関係書類の保管
⑩ 取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するための必要な事項(旅行業法の目的)
以上から、選択肢「ア」が誤り。
法令の問題⑩:旅行業務取扱料金
(10) 旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)に関する次の記述の
うち、正しいものはどれか。
ア: 旅行業者等は、旅行業務の取扱いの料金をそれぞれの営業所において旅行者が閲覧することができるように備え置くことで足りる。
イ: 旅行業者は、事業の開始前に、旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金を定め、登録行政庁の認可を受けなければならない。
ウ: 旅行業者は、旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金の額を変更したときは、遅滞なくその旨を登録行政庁に届け出なければならない。
エ: 旅行業務の取扱いの料金は、契約の種類及び内容に応じて定率、定額その他の方法により定められ、旅行者にとって明確でなければならない。
答え:エ
選択肢「ア」は、旅行業者は旅行業務取扱料金を営業所において旅行者に見やすいように必ず「掲示」しなければならないため、据え置くという表現は誤り。
選択肢「イ」と「ウ」は、旅行業務取扱料金は登録行政庁の認可を受ける必要がありません。また、変更した場合も届出や認可の必要はありません。
以上から、選択肢「エ」が正解。
法令の問題⑪:旅行業約款
(11) 旅行業約款に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア: 旅行業者が現に認可を受けている旅行業約款について、契約の変更及び解除に関する事項を変更しようとするときは、登録行政庁の認可を受けなければならない。
イ: 旅行業者が、観光庁長官及び消費者庁長官が定めて公示した標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めたときは、その旅行業約款については、登録行政庁による認可を受けたものとみなされる。
ウ: 委託旅行業者と受託旅行業者が標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めているときは、当該委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結する受託旅行業者の営業所には、当該受託旅行業者の旅行業約款を備え置くことで足りる。
エ: 保証社員である旅行業者の旅行業約款にあって、その所属する旅行業協会の所在地を変更しようとするときは、登録行政庁の認可を受けることを要しない。
答え:ウ
選択肢「ウ」は、受託旅行業者は委託旅行業者の定めた約款を掲示または閲覧できるように備え置かなければならないため、受託旅行業者の営業所に当該受託旅行業者の旅行業約款を備え置くことで足りるは誤り。
法令の問題⑫:取引条件説明書面
(12) 次の記述のうち、旅行業者等が企画旅行契約を締結しようとする場合にあって、その取引の条件について旅行者に説明しなければならない事項として定められていないものはどれか。
ア: 旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては、旅行地における企画者との連絡方法
イ: 旅行に参加する資格を定める場合にあっては、その旨及び当該資格
ウ: 旅行の目的地を勘案して、旅行者が取得することが望ましい安全及び衛生に関する情報がある場合にあっては、その旨及び当該情報
エ: 旅行中の損害の補償に関する事項
答え:ア
取引条件説明書面と契約書面の記載事項についての覚え方は、どの旅行のパターンの時にそれぞれの書面にのみ記載しなければならない項目を覚えることです。
今回の問題では選択肢「ア」の旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては旅行地における企画者との連絡方法を記載しなければならないのは、企画旅行の契約書面のみとなります。取引条件説明書面に記載する必要はないため、誤りとなります。
法令の問題⑬:取引条件説明書面
(13) 旅行業者等が旅行業務に関し旅行者と契約を締結しようとするときに、取引条件の説明にあたって旅行者に交付する書面に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア: 旅行業者等は、書面の交付に代えて政令で定めるところにより、旅行者の承諾を得て、書面に記載すべき事項を国土交通省令・内閣府令で定める情報通信の技術を利用する方法により提供することができる。この場合において、当該旅行業者等は、当該書面を交付したものとみなす。
イ: 旅行業者等は、対価と引換えに法第12条の5に規定するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合であっても、旅行者に対して書面を交付しなければならない。
ウ: 旅行業者は、旅行に関する相談に応ずる行為に係る旅行業務について契約を締結しようとする場合にあっては、旅行者が旅行業者に支払うべき対価及びその収受の方法、並びにその対価によって提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容を書面に記載しなければならない。
エ: 旅行業者等は、企画旅行契約を締結しようとする場合は、当該契約に係る旅行業務取扱管理者の氏名及び旅行者の依頼があれば当該契約に係る旅行業務取扱管理者が最終的には説明を行う旨を、書面に記載しなければならない。
答え:イ
選択肢「イ」は、対価と引き換えにサービスの提供を受ける権利を表示した書面、例えば、航空券や乗車券を交付した場合は、取引条件説明書面を交付しなくてもよいため、誤りとなります。
法令の問題⑭:契約書面
(14) 次の記述から、旅行業者等が旅行者と企画旅行契約を締結したときに交付する書面の記載事項として定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a: 契約申込の年月日及び契約の成立に関する事項
b: 責任及び免責に関する事項
c: 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に含まれていない旅行に関する経費であって旅行者が通常必要とするもの
d: 企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは、その旨及び当該人員数
ア: a,d イ: b,c ウ: b,c,d エ: a,b,c,d
答え:ウ
選択肢「a」の「契約申込の年月日及び契約の成立に関する事項」は、取引条件説明書面にのみ記載する事項のため、誤り。
補足:選択肢「d」は最少催行人員のことを言います。最少催行人員は企画旅行の取引条件説明書面及び契約書面に記載をします。
法令の問題⑮:外務員証
(15) 旅行業務取扱管理者の証明書の提示、外務員の証明書携帯等に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a: 旅行業務取扱管理者は、旅行者から請求があったときは、国土交通省令で定める様式による旅行業務取扱管理者の証明書を提示しなければならない。
b: 外務員とは、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、旅行業者等のために営業所以外の場所で旅行業務について取引を行う使用人のことで、役員は除かれる。
c: 第1種旅行業者以外の旅行業者等の外務員の証明書は、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事が発行する。
d: 外務員は、その業務を行うときは、旅行者からの請求の有無にかかわらず、外務員の証明書を提示しなければならない。
ア: a,d イ: b,c ウ: a,c,d エ: a,b,c,d
答え:ア
選択肢「b」は、外務員は営業所以外の場所で旅行業務の取引を行う者で代表者や役員も含まれるため、誤り。
選択肢「c」は、外務員証の発行はその外務員が務めている会社で発行するため、都道府県知事が発行するは誤り。
法令の問題⑯:企画旅行の広告
(16) 次の記述のうち、企画旅行に参加する旅行者を募集するための広告の表示事項として定められていないものはどれか。
ア: 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価
イ: 全国通訳案内士又は地域通訳案内士の同行の有無
ウ: 企画者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
エ: 旅程管理業務を行う者の同行の有無
答え:イ
企画旅行の広告で覚えなければならない項目は8個です。
① 企画者の氏名、名称、住所、登録番号
② 目的地、日程
③ 運送、宿泊、食事のサービス内容
④ 対価(旅行代金)
⑤ 旅程管理業務を行う者の同行の有無
⑥ 最少催行人員
⑦ 旅行者が取得することが望ましい輸送の安全に関する情報
⑧ 取引条件の説明を行う旨
以上から、選択肢「イ」が誤り。
法令の問題⑰:標識
(17) 標識に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア: 旅行業者等の標識には、営業所において選任された旅行業務取扱管理者及び旅程管理業務を行う者のうち主任の者の氏名を記載しなければならない。
イ: 旅行業者等は、営業所において、国土交通省令で定める様式の標識を公衆に見やすいように掲示しなければならない。
ウ: 旅行業者等の標識には、当該旅行業者等が法人である場合にあっては、営業所の名称及びその代者の氏名を記載しなければならない。
エ: 旅行業者代理業者の標識には、登録番号、登録年月日、所属旅行業者の登録の有効期間を記載しなければならない。
答え:イ
選択肢「ア」は、標識に記載するのは旅行業務取扱管理者の氏名で旅程管理業務を行う者の氏名は不要となるため、誤り。
選択肢「ウ」は、標識に記載するのは営業所の名称となり、その代表者の氏名の記載は不要となるため、誤り。
選択肢「エ」は、旅行業者代理業者の標識には所属旅行業者の登録番号とその氏名または名称の記載が必要となり、所属旅行業者の登録の有効期間の記載は不要となるため、誤り。
法令の問題⑱:旅程管理
(18) 企画旅行の円滑な実施のための措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア: 旅行業者は、旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置を講じなければならない。
イ: 旅行業者は、本邦外の旅行にあっては、旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合は、代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続きの実施その他の措置を講じなければならない。
ウ: 旅行業者は、本邦内の旅行を実施する場合にあっては、旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置について、契約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明すれば、旅程管理業務を行わなくてもよい。
エ: 旅行業者は、旅行に関する計画における2人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するために必要な集合時刻、集合場所その他の事項に関する指示を行わなければならない。
答え:ウ
選択肢「ウ」は、本邦内の旅行(国内旅行)でサービスの提供を受ける権利を表示した書面、例えば、航空券や乗車券を交付して事前に説明をすれば、旅行地においての必要な手続きや代替えサービスの手配、サービスを受けるための必要な手続きの旅程管理業務が不要となるため、契約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明すれば、旅程管理業務を行わなくてもよいというのは、誤り。
法令の問題⑲:旅程管理業務
(19) 旅程管理業務を行う者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア: 企画旅行に参加する旅行者に同行して、旅程管理業務を行う者として旅行業者によって選任される者が複数の場合は、当該同行する者のすべてが旅程管理業務を行う主任の者の資格要件を満たす者でなければならない。
イ: 国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験とは、登録研修機関が実施する旅程管理研修の課程を修了した日の前後3年以内に2回以上の旅程管理業務に従事した経験をいう。
ウ: 旅行業者は、いかなる場合も未成年者を旅程管理業務を行う主任の者として選任することができない。
エ: 旅行業者によって選任された旅程管理業務を行う主任の者の指導による旅程管理業務に相当する実務の研修を受けた経験は、当該研修を受けた地域を目的地とする旅行に係る旅程管理業務に従事した経験とみなされる。
答え:エ
選択肢「ア」は、旅程管理業務を行う者が複数の場合、1人が主任の者の資格要件を満たせばよいので、すべてがというところが誤り。
選択肢「イ」は、研修修了日の前後1年以内に1回以上または修了後3年以内に2回以上となるため、前後3年以内に2回以上というところが誤り。
選択肢「ウ」は、旅程管理主任者に年齢の条件はなく、未成年者でも選任することができるため、誤り。
法令の問題⑳:禁止行為
(20) 法第13条禁止行為及び第14条名義利用等の禁止に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a: 旅行業者等の従業者は、旅行者に対し、旅行地において特定のサービスの提供を受けることを強要する行為をしてはならない。
b: 旅行業者等は、営業の貸渡しその他いかなる方法をもってするかを問わず、旅行業又は旅行業者代理業を他人にその名において経営させてはならない。
c: 旅行業者等が旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反するサービスの提供をあっせんする旨の広告を掲載しても、便宜を供与しなければ禁止行為には該当しない。
d: 旅行業者等は、旅行業務に関し取引をする者に対し、その取引に関する重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
ア: a,b イ: a,c ウ: b,d エ: a,b,d
答え:エ
選択肢「c」は、旅行地において施行されている法令に違反するサービスの提供をあっせんする旨の広告を掲載すること自体が禁止行為になるため、誤り。
法令の問題㉑:受託契約
(21) 受託契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア: 地域限定旅行業者は、第1種旅行業者を委託旅行業者とする受託契約を締結することができない。
イ: 旅行業者代理業者は、所属旅行業者の事前の承諾があれば、自ら直接、他の旅行業者と受託契約を締結することができる。
ウ: 旅行業者は、複数の他の旅行業者と受託契約を締結することができる。
エ: 委託旅行業者及び受託旅行業者は、受託契約において、委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる受託旅行業者の営業所を定めておく必要はない。
答え:ウ
選択肢「ア」は、委託旅行業者の業務の範囲によって受託契約の範囲も限定されますが受託契約はできるため、誤り。
選択肢「イ」は、旅行業者代理業者は他の旅行業者と直接受託契約を結ぶことができないため、誤り。
選択肢「エ」は、受託契約は指定された営業所または受託旅行業者代理業者の営業所でのみ販売ができるため、誤り。
法令の問題㉒:旅行業者代理業者
(22) 旅行業者代理業者に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a: 旅行業者代理業を営もうとする者は、地域限定旅行業者を所属旅行業者とすることはできない。
b: 所属旅行業者は、いかなる場合であっても、旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責めに任ずる。
c: 旅行業者代理業者は、受託旅行業者代理業者として委託旅行業者を代理して企画旅行契約(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)を締結する場合を除き、所属旅行業者以外の旅行業者のために旅行業務を取り扱ってはならない。
d: 旅行業者代理業者は、その行う営業が旅行業であると誤認させ、又は所属旅行業者を誤認させるような表示、広告その他の行為をしてはならない。
ア: a,b イ: c,d ウ: a,b,c エ: b,c,d
答え:イ
選択肢「a」は、旅行業者代理業者は旅行業者を所属旅行業者とするため、誤り。
選択肢「b」は、所属旅行会社が旅行業者代理業者への委託につき、相当の注意をし、かつ、損害の発生の防止に努めた時はその限りではないため、いかなる場合であってもは誤り。
法令の問題㉓:旅行サービス手配業
(23) 旅行サービス手配業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア: 旅行サービス手配業の登録の有効期間は、定められていない。
イ: 旅行サービス手配業者は、第2種旅行業者の営業所において選任されている旅行業務取扱管理者を、自らの営業所における旅行サービス手配業務取扱管理者として選任し、兼任させることができる。
ウ: 旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務を他人に委託する場合においては、他の旅行サービス手配業者又は旅行業者に委託しなければならない。
エ: 旅行サービス手配業者は、運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し、輸送の安全の確保を不当に阻害する行為をしてはならない。
答え:イ
選択肢「イ」は、旅行業者取扱管理者も旅行サービス手配業務取扱管理者共に兼任不可のため、誤り。
法令の問題㉔:旅行業協会
(24) 次の記述のうち、旅行業協会が適正かつ確実に実施しなければならない業務として定められていないものはどれか。
ア: 旅行に関するサービスを提供する者に対する研修
イ: 旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する指導
ウ: 旅行業務及び旅行サービス手配業務に関する取引の公正の確保又は旅行業、旅行業者代理業及び旅行サービス手配業の健全な発達を図るための調査、研究及び広報
エ: 旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業者等又は旅行サービス手配業者の取り扱った旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決
答え:ア
旅行業協会の業務は5個あります。
① 旅行者、旅行サービス提供者からの苦情の解決
② 旅行業者または旅行サービス手配業者の従業員に対する研修
③ 旅行者への弁済業務
④ 旅行業者等または旅行サービス手配業者への指導
⑤ 取引の公正の確保、健全な発展を図るための調査、研究、広報
以上から、選択肢「ア」が誤り。
法令の問題㉕:弁済業務保証金制度
(25) 弁済業務保証金制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア: 旅行業協会に加入しようとする旅行業者は、その加入しようとする日までに、所定の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
イ: 保証社員と旅行業務に関し取引をした旅行者及び当該保証社員から手配を依頼された旅行サービス手配業者は、その取引によって生じた債権に関し、旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
ウ: 旅行業協会が供託している弁済業務保証金から債権の弁済を受ける権利を有する者は、その権利を実行しようとするとき、その債権について登録行政庁の認証を受けなければならない。
エ: 旅行業協会は、保証社員から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、これを保証社員の主たる営業所の最寄りの供託所に弁済業務保証金として供託しなければならない。
答え:ア
選択肢「イ」は、弁済を受けることができる対象は旅行者のみとなるため、誤り。
選択肢「ウ」は、弁済を受ける権利を有する旅行者が債権についての認証を受けなければならないのは旅行業協会となるため、誤り。
選択肢「エ」は、旅行業協会が旅行業者から弁済業務保証金分担金を受けたときは、旅行業協会の最寄りの供託所へ供託するため、誤り。
- Q令和4年度の国内旅行業務取扱管理者試験の法令の問題では、どんな問題が出題されましたか?
- A
法令の問題は25問出題されました。(4点x25問=100点)
出題内容は次の通りです。
法令の問題①:旅行業法の目的
法令の問題②:旅行業登録
法令の問題③:旅行業登録
法令の問題④:旅行業の登録業務範囲
法令の問題⑤:登録の拒否事由
法令の問題⑥:旅行業の変更登録
法令の問題⑦:営業保証金
法令の問題⑧:旅行業務取扱管理者
法令の問題⑨:旅行業務取扱管理者
法令の問題⑩:旅行業務取扱料金
法令の問題⑪:旅行業約款
法令の問題⑫:取引条件説明書面
法令の問題⑬:取引条件説明書面
法令の問題⑭:契約書面
法令の問題⑮:外務員証
法令の問題⑯:企画旅行の広告
法令の問題⑰:標識
法令の問題⑱:旅程管理
法令の問題⑲:旅程管理業務
法令の問題⑳:禁止行為
法令の問題㉑:受託契約
法令の問題㉒:旅行業者代理業者
法令の問題㉓:旅行サービス手配業
法令の問題㉔:旅行業協会
法令の問題㉕:弁済業務保証金制度
- Q国内旅行業務取扱管理者試験の法令の試験勉強のコツは何ですか?
- A
法令の試験勉強のコツは、旅行業法の条文を読むことです。
- Q国内旅行業務取扱管理者試験の科目合格点は何点ですか?
- A
100点満点中、60点以上が科目合格になります。