【令和5年度】国内旅行業務取扱管理者試験の過去問を解説・法令編

※本ページは広告が含まれています。
※本ページは広告が含まれています。
国内旅行業務取扱管理者 過去問 総合・国内旅行業務取扱管理者

この記事は、令和5年度・国内旅行業務取扱管理者試験の法令の問題について解説します。

本記事の内容

ツナグ旅では令和5年度の国内旅行業務取扱管理者試験の問題解説を4記事にわたって解説しています。

  1. 旅行業法及びこれに基づく命令
  2. 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
  3. 国内旅行実務(宿泊料金計算、JR運賃計算、国内航空運賃、貸切バス運賃計算)
  4. 国内旅行実務(国内観光地理)

この記事では(1)を解説しています。

こんにちは、ツバサです。

好評の過去問解説シリーズです!

今回は、令和5年度に実施された国内旅行業務取扱管理者試験に出題された法令の過去問解説していきます。

過去問にチャレンジしている人や問題の解き方を知りたい人は必見です!

この記事を書いている人

ブログ運営者のツバサです。総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者共に全科目受験で同年に1発合格。国内旅行業務取扱管理者の試験は90%の正答率、総合旅行業務取扱管理者の試験では85%の正答率でした。格段にレベルが上がったと言われている2020年度の総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務では200点満点中、自己採点で175点を獲得。

☆令和5年度版☆
☆合格者が作ったツナグ旅オリジナル☆
☆直前対策向け教材&問題集☆
累計販売数1,000部突破

合格者のツバサ自身が試験勉強をもとに
ポイントまとめや問題集を作りました

<合格者の声>
こちらから

【国内地理オリジナル問題集】
購入はこちらから

【法令・約款ポイントまとめ】
購入はこちらから

【海外地理オリジナル問題集】
購入はこちらから

【JR運賃計算オリジナル問題集】
購入はこちらから

★ツナグ旅大学インスタグラム★
フォローするだけで
総合・国内旅行業務取扱管理者の問題を
ストーリーのクイズで勉強ができます

ツナグ旅大学をフォローする

令和5年度・国内旅行業務取扱管理者試験の解説:法令編

令和5年度に実施された国内旅行業務取扱管理者試験の法令の過去問を解説していきます。

※引用:一般社団法人 全国旅行業協会

法令の問題 (1):旅行業法の目的

(1) 次の記述から、法第1条「目的」に定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a:旅行業等を営む者の業務の適正な運営の確保
b:旅行業等を営む者を通じた訪日外国人旅行の誘致と国際交流の促進
c:旅行者の利便の増進
d:旅行業務に関する取引の公正の維持

ア:a,b イ:a,c,d ウ:b,c,d エ:a,b,c,d

答え:イ

問題(1)の解説

旅行業の目的は6つあります。旅行者のための目的と旅行業者のための目的を分けて覚えましょう。

【旅行者のための目的】
1:取引の公正の維持
2:旅行の安全の確保
3:旅行者の利便の増進

【旅行業者のための目的】
4:登録制度
5:業務の適正な運営の確保
6:団体活動の促進

上記から選択肢イの「旅行業等を営む者を通じた訪日外国人旅行の誘致と国際交流の促進」は誤り。

法令の問題 (2):旅行業の登録

(2) 報酬を得て、次の行為を事業として行う場合、旅行業の登録を要しないものはどれか。

ア:宿泊事業者が、徒歩のみの日帰り花見ハイキングツアーを販売する行為
イ:観光協会が、旅行者からの依頼を受けて他人の経営する旅館を手配する行為
ウ:コンビニエンスストアが、旅行に関する相談に応ずる行為
エ:全国通訳案内士が、旅行者からの依頼に基づき、新幹線の乗車券類を手配する行為

答え:ア

問題(2)の解説

旅行業とみなされる行為は「旅行者」に対して「運送または宿泊サービスを手配すること」です。

上記から選択肢アの宿泊事業者が徒歩のみの日帰り花見ハイキングツアーを販売する行為は旅行業に該当しません。

選択肢イは旅行者に旅館を手配、選択肢ウは旅行相談業務は旅行業に当たる、選択肢エは旅行者からの依頼で乗車券類を手配、つまり全て旅行業に該当します。

選択肢エがもし運送機関の乗車券類の「代理販売」であれば、旅行業に該当しません。

法令の問題 (3):登録業務範囲

(3) 登録業務範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか(いずれも総合旅行業務取扱管理者を選任しているものとする。)。

ア:第2種旅行業者は、本邦外の企画旅行(旅行者からの依頼により旅行に関する計画を作成し、これにより実施するものに限る。)を実施することができない。
イ:第3種旅行業者は、本邦内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものであって、一の企画旅行ごとに一の拠点区域内において実施されるものに限る。)を実施することができる。
ウ:地域限定旅行業者は、訪日外国人旅行者を対象とした本邦内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものであって、一の企画旅行ごとに一の拠点区域内において実施されるものに限る。)を実施することができる。
エ:地域限定旅行業者は、法第14条の2第1項の規定により、第1種旅行業者が実施する本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、当該第1種旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる。

答え:ア

問題(3)の解説

選択肢アは、第2種旅行業者の場合、募集型企画旅行は国内のみ可能、受注型企画旅行は海外、国内共に可能、手配旅行は海外、国内共に可能となるため、本邦外(海外)の受注型企画旅行(選択肢内の説明は受注型企画旅行)を実施できないは誤りとなります。

法令の問題 (4):登録の拒否事由

(4) 次の記述のうち、旅行業又は旅行業者代理業の登録の拒否事由に該当しないものはどれか。

ア:刑法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり5年を経過していない者
イ:暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者
ウ:申請前5年以内に旅行業務に関し不正な行為をした者
エ:旅行業者代理業を営もうとする者であって、その代理する旅行業を営む者が2以上であるもの

答え:ア

問題(4)の解説

登録の拒否事由は全部で11個あります。

1:旅行業等の登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者(法人の場合は役員も含む)
2:禁錮以上の刑、または旅行業法違反による罰金刑に処せられて、執行がなくなった日から5年を経過していない者

3:暴力団員等

4:申請前5年以内に旅行業務または旅行サービス手配業務に関して不正な行為をした者

5:営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者(未婚の未成年者)が登録を申請する場合で、その法定代理人(親)が①~④及び⑦のいずれかに該当している場合

6:心身の故障により旅行業等を適正に遂行することができない者として、国土交通省令で定める者、また、破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者

7:法人であって、その役員が①②③④⑥のいずれかに該当している場合

8:暴力団員等がその事業活動を支配する者

9:営業所ごとに旅行業務取扱管理者を確実に選任できない場合

10:旅行業を営もうとする場合で財産的基礎を有しない者

11:代理業の場合で、その代理する旅行業者が2以上ある場合

上記から選択肢アの「刑法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり5年を経過していない者」は、刑法の規定による罰金刑となっているため、禁固刑以上でないことから登録の拒否事由にはなりません。

もし旅行業法違反により罰金刑に処せられ、その執行を終わり5年を経過していない者であれば、登録の拒否事由となります。

法令の問題 (5):

(5) 変更登録等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者等は、法人である場合であって、その代表者の氏名に変更があったときは、その日から30日以内に、登録行政庁に変更登録申請書を提出しなければならない。
イ:旅行業者代理業者が地域限定旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。
ウ:第2種旅行業者は、主たる営業所の名称及び所在地について変更があったときは、その日から30日以内に、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。
エ:第3種旅行業者が第種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、観光庁長官に変更登録申請書を提出しなければならない。

答え:エ

問題(5)の解説

選択肢アは「変更登録申請書」ではなく「登録事項変更届出書」が必要となります。(変更登録ではなく、変更届出の言葉が正しい)
選択肢イは旅行業者代理業者が旅行業登録(1種、2種、3種、地域限定)を受けようとするときは、新規登録の申請が必要に名rます。
選択肢ウは選択肢アと同じで「変更登録申請書」ではなく「登録事項変更届出書」が必要となります。(変更登録ではなく、変更届出の言葉が正しい)

変更登録の言葉を使うのは、業務の範囲の変更(1種から2種へ変更など)の場合となります。

上記から選択肢エが正しいとなります。

法令の問題 (6):営業保証金

(6) 営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者は、営業保証金を供託し、供託物受入れの記載のある供託書を受領したときは、直ちにその事業を開始することができる。
イ:旅行業者が新たに営業所を設置したときは、その日から14日以内に営業保証金を追加して供託しなければならない。
ウ:地域限定旅行業者が新規登録を受けたことにより営業保証金を供託する場合、国債証券について、その額面金額をもって、営業保証金に充てることができる。
エ:旅行業者代理業者は、所属旅行業者の主たる営業所の最寄りの供託所に営業保証金を供託しなければならない。

答え:ウ

問題(6)の解説

選択肢アは供託書を受領したときに直ちに事業を開始することができるのではなく、供託した旨の届出をしたときに事業を開始することができる。
選択肢イは旅行業者は新しく営業所を設置したとしても追加供託の必要はありません。
選択肢エは旅行業者代理業者は営業保証金は不要となります。

上記から選択肢ウが正しいとなります。

補足として営業保証金の追加供託は4つあります。
1:省令の改正:3カ月以内
2:旅行者との年度取引額:100日以内
3:変更登録:変更後の業務範囲に係わる業務を開始する日まで
4:還付:還付の通知の日から14日以内

法令の問題 (7):旅行業務取扱管理者の選任

(7) 旅行業務取扱管理者の選任に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者等は、訪日外国人旅行者の本邦内の旅行のみを取り扱う営業所においては、総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者を旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。
イ:旅行業者等は、本邦外の旅行について旅行業務を取り扱う営業所においては、総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者を旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。
ウ:第3種旅行業者は、拠点区域内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)のみを取り扱う営業所においては、地域限定旅行業務取扱管理者試験(当該営業所の所在する地域に係るものに限る。)に合格した者を旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。
エ:旅行業者等は、旅行業務に従事した経験が1年未満である者を旅行業務取扱管理者として選任することはできない。

答え:イ

問題(7)の解説

選択肢アは本邦内の旅行のみを取り扱う場合は国内旅行業務取扱管理者の選任も可能となります。
選択肢ウは第3種旅行業者が拠点区域内の企画旅行を取り扱う場合は国内旅行業務取扱管理者の選任が必要となります。
選択肢エは旅行業務取扱管理者の選任については旅行業務の経験年数の条件はありません。

上記から選択肢イが正しいとなります。

法令の問題 (8):旅行業務取扱管理者の職務

(8) 次の記述から、旅行業務取扱管理者の職務として定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a:法第12条の7及び法第12条の8の規定による広告に関する事項
b:法第6条の4第3項の規定による登録事項の変更の届出に関する事項
c:法第12条の4の規定による取引条件の説明に関する事項
d:法第12条の10の規定による企画旅行の円滑な実施のための措置に関する事項

ア:a,b イ:a,c,d ウ:b,c,d エ:a,b,c,d

答え:イ

問題(8)の解説

旅行業務取扱管理者の職務は10個あります。

1:旅行に関する計画の作成
2:取扱料金の掲示
3:約款の掲示及び備置き
4:取引条件の説明
5:書面の交付
6:広告の実施
7:企画旅行の円滑な実施のための措置(旅程管理)
8:苦情の処理
9:旅行者または旅行サービス提供者と締結した契約内容に係わる重要な事項についての明確な記録または関係書類の保管
10:取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するための必要な事項(旅行業法の目的)

上記から選択肢bの登録事項の変更の届出は職務にはないため、選択肢イが正しいとなります。

法令の問題 (9):旅行業務取扱料金

(9) 旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者は、事業の開始後速やかに、旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金を定め、これをその営業所において旅行者に見やすいように掲示しなければならない。
イ:旅行業者代理業者は、その営業所において、自ら定めた旅行業務の取扱いの料金を旅行者に見やすいように掲示しなければならない。
ウ:旅行業者は、旅行業務の取扱いの料金を変更しようとするときは、登録行政庁の認可を受けなければならない。
エ:旅行業務の取扱いの料金は、契約の種類及び内容に応じて定率、定額その他の方法により定められ、旅行者にとって明確でなければならない。

答え:エ

問題(9)の解説

選択肢アは旅行業務取扱料金は事業の開始後ではなく開始前に定める必要があります。
選択肢イは旅行業者代理業者は旅行業務取扱料金を自ら定めることはできず、所属旅行業者の定めた料金を旅行者に見やすいように掲示しなければなりません。
選択肢ウは旅行業務取扱料金を変更する場合でも登録行政庁に認可を受ける必要はありません。

上記から選択肢エが正しいとなります。

法令の問題 (10):旅行業約款

(10) 旅行業約款に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者が、観光庁長官及び消費者庁長官が定めて公示した標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めたときは、その旨を登録行政庁に届け出なければならない。
イ:旅行業者等は、旅行業約款をその営業所において、旅行者に見やすいように掲示し、旅行業務に関し契約を締結しようとするときは、旅行業約款の写しを旅行者に交付しなければならない。
ウ:旅行業者は、旅行業約款について国土交通省令・内閣府令で定める軽微な変更をしようとするときは、登録行政庁の認可を受けることを要しない。
エ:旅行業者が、観光庁長官及び消費者庁長官が定めて公示した標準旅行業約款よりも旅行者に有利な旅行業約款を定めたときは、当該旅行業約款については、登録行政庁の認可を受けることを要しない。

答え:ウ

問題(10)の解説

選択肢アは標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めた場合は認可を受けたものとみなされます。
選択肢イは旅行業務に関し契約を締結しようとするときに旅行業約款の写しを旅行者に交付する必要はありません。
選択肢エは旅行業約款は軽微な変更以外の変更は登録行政庁の認可が必要になります。

補足として軽微な変更は3つあります。
1:供託所の所在地の変更
2:(旅行業協会の社員の場合)協会の所在地の変更
3:(旅行業協会の社員の場合)弁済業務保証金からの弁済限度額の変更

法令の問題 (11):取引条件説明書面

(11) 旅行業者等が旅行業務に関し旅行者と企画旅行契約を締結しようとするときの取引条件の説明及び取引条件の説明をするときに交付する書面に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア:旅行業者等は、旅行者と契約を締結しようとするときは、旅行者が依頼しようとする旅行業務の内容を確認した上、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、その取引の条件について旅行者に説明しなければならない。
イ:旅行業者等は、旅行者と契約を締結しようとするときは、当該契約に係る旅行業務取扱管理者の氏名及び旅行者の依頼があれば当該旅行業務取扱管理者が最終的には説明を行う旨を、書面に記載しなければならない。
ウ:旅行業者等は、旅行者に対し取引条件の説明をするときは、対価と引換えに法第12条の5に規定するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合であっても、国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
エ:旅行業者等は、旅行者と契約を締結しようとするときは、旅行の目的地を勘案して、旅行者が取得することが望ましい安全及び衛生に関する情報がある場合にあっては、その旨及び当該情報を書面に記載しなければならない。

答え:ウ

問題(11)の解説

選択肢ウは対価と引き換えにサービスの提供を受ける権利を表示した書面(航空券や乗車券)を交付する場合、取引条件説明書面の交付は不要となるため、誤りとなります。

補足として、取引条件説明書面の交付をしなくてもよい場合は2つあります。
1:取引条件の説明の書面の交付をしなくてもよい場合①対価と引き換えにサービスの提供を受ける権利を表示した書面(航空券や乗車券)を交付する。
2:旅行者の承諾を得て、書面に記載すべき事項について電子情報処理組織を使用して提供する。

法令の問題 (12):契約書面

(12) 次の記述から、旅行業者等が旅行者と企画旅行契約を締結したときに交付する書面の記載事項として、定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a:契約の変更及び解除に関する事項
b:企画者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
c:旅行に参加する資格を定める場合にあっては、その旨及び当該資格
d:旅行者の損害の補償に関する事項

ア:a,b イ:c,d ウ:b,c,d エ:a,b,c,d

答え:エ

問題(12)の解説

企画旅行の契約書面の記載事項に全て定められているため、選択肢エが正しいとなります。

法令の問題 (13):旅行業務取扱管理者証&外務員証

(13) 旅行業務取扱管理者の証明書の提示、外務員の証明書携帯等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者代理業者の外務員の証明書は、必ず当該旅行業者代理業者の所属旅行業者が発行しなければならない。
イ:旅行業務取扱管理者が、旅行業務について旅行者と契約を締結しようとするときは、旅行者に対し、国土交通省令で定める様式による旅行業務取扱管理者の証明書を必ず提示しなければならない。
ウ:外務員とは、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、旅行業者等の役員又は使用人のうち、その営業所以外の場所でその旅行業者等のために旅行業務について取引を行う者をいう。
エ:外務員は、いかなる場合においても、その所属する旅行業者等に代わって、旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなされる。

答え:ウ

問題(13)の解説

選択肢アは外務員証の発行はその外務員が勤めている会社で発行するため、旅行業者代理業者の場合でも所属旅行会社ではなく、その旅行業者代理業者で発行します。
選択肢イは旅行業務取扱管理者証は必ず提示ではなく、請求があれば提示しなければなりません。
選択肢エは外務員のみなし権限は旅行者が悪意でない場合は旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなされます。(悪意である場合は権限を有するとみなされません。)

上記から選択肢ウが正しいとなります。

法令の問題 (14):企画旅行の広告

(14) 企画旅行に参加する旅行者を募集するための広告に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア:企画旅行の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは、広告にその旨及び当該人員数を表示しなければならない。
イ:広告には、旅行業務取扱管理者の氏名及び旅行者の依頼があれば当該旅行業務取扱管理者が最終的には説明を行う旨を表示しなければならない。
ウ:広告において、企画者以外の者の氏名又は名称を表示する場合にあっては、文字の大きさ等に留意して、企画者の氏名又は名称の明確性を確保しなければならない。
エ:広告には、旅行者が提供を受けることができる運送、宿泊又は食事のサービスの内容に関する事項を表示しなければならない。

答え:イ

問題(14)の解説

選択肢イは旅行者の依頼があれば当該旅行業務取扱管理者が最終的には説明を行う旨の表示は必要になりますが、旅行業務取扱管理者の氏名の表示は不要のため、誤りとなります。

補足として、企画旅行の広告の表示事項は8個あります。
1:企画者の氏名、名称、住所、登録番号
2:目的地、日程

3:運送、宿泊、食事のサービスの内容

4:対価(旅行代金)

5:旅程管理業務を行う者の同行の有無(氏名は不要)

6:最少催行人員(募集人員は間違い)

7:旅行者が取得することが望ましい輸送の安全に関する情報

8:取引条件の説明を行う旨

法令の問題 (15):誇大広告の禁止

(15) 次の記述から、旅行業者等が旅行業務について広告するとき、誇大表示をしてはならない事項として定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a:旅行業者等の業務の範囲、資力又は信用に関する事項
b:旅行地の景観、環境その他の状況に関する事項
c:旅行に関するサービスの品質その他の内容に関する事項
d:旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項

ア:a,c イ:a,b,d ウ:b,c,d エ:a,b,c,d

答え:エ

問題(15)の解説

誇大広告の禁止事項にすべて該当するため、選択肢エが正しいとなります。

補足として、誇大広告の禁止事項は8個あります。
1:サービスの品質

2:旅行者の安全の確保

3:感染症、衛生

4:旅行地の景観、環境

5:対価(旅行代金)

6:旅行中の旅行者の負担

7:損害の補償

8:旅行業者等の業務の範囲、資力、信用

法令の問題 (16):標識

(16) 標識に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア:旅行業者代理業者は、営業所において、所属旅行業者の標識を公衆に見やすいように掲示しなければならない。
イ:旅行業者等以外の者は、国土交通省令で定める様式の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
ウ:旅行業者の標識には、登録番号、登録年月日及び登録の有効期間が記載事項として定められている。
エ:標識の受託取扱企画旅行の欄は、取り扱っている企画旅行の企画者が明確となるよう記載しなければならない。

答え:ア

問題(16)の解説

選択肢アは旅行業者代理業者は標識に所属旅行業者の登録番号及び氏名及び名称を記載しなければならないため、所属旅行業者の標識を掲示するは誤りとなります。

法令の問題 (17):旅程管理

(17) 企画旅行の円滑な実施のための措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者は、旅行者からの依頼により旅行に関する計画を作成し、これにより実施する企画旅行については、旅行に関する計画における2人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するために必要な集合時刻、集合場所その他の事項に関する指示を行うことを要しない。
イ:旅行業者は、本邦内の旅行であって、契約の締結の前に旅行者に対し、旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置を講じない旨を説明すれば、当該措置を講じることを要しない。
ウ:旅行業者は、旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合においては、その事由が旅行業者の関与し得ないものであるときを除き、代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置を講じなければならない。
エ:旅行業者は、旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置を講じなければならない。

答え:エ

問題(17)の解説

選択肢アは2人以上の旅行者が参加している場合は集合時刻および集合場所の指示が必要となるため、誤り。
選択肢イは国内旅行において、旅行地においての必要な手続きや代替サービスの手配、サービスを受けるための必要な手続きを必要としない条件として、サービス提供を受ける権利を表示した書面を交付して事前に説明する必要があるため、誤り。
選択肢ウは旅行業者の関与し得ないものであるときを除きは誤り。
上記から選択肢エが正しいとなる。

法令の問題 (18):旅程管理主任者

(18) 旅程管理業務を行う者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者は、道路交通法違反により罰金刑に処せられ、その執行を受けることがなくなった日から3年しか経過していない者を、旅程管理業務を行う主任の者として選任することはできない。
イ:国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験は、登録研修機関が実施する旅程管理研修の課程を修了した日から1年以内に1回以上又は当該研修の課程を修了した日の前後3年以内に2回以上の旅程管理業務に従事した経験に限られる。
ウ:企画旅行に参加する旅行者に同行して旅程管理業務を行う者として旅行業者によって選任される者が複数の場合において、当該旅程管理業務を行う者のうち主任の者は、旅程管理業務を行う主任の者の資格要件を満たすものでなければならない。
エ:旅程管理業務を行う主任の者の指導による本邦内における旅程管理業務に相当する実務の研修を受けた経験に限り、国土交通省令で定める旅程管理業務に従事した経験とみなす。

答え:ウ

問題(18)の解説

選択肢アは旅行業法以外の罰金刑は旅程管理主任者の選任の拒否事由とはなりません。
選択肢イは旅程管理主任者の実務経験は研修修了日の前後1年以内に1回以上または修了後3年以内に2回以上となります。
選択肢エは国内の旅程管理主任者の実務経験は海外または国内のいずれかの経験で良い。
上記から選択肢ウが正しいとなる。

法令の問題 (19):禁止行為

(19) 法第13条「禁止行為」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア:旅行業者等は、宿泊のサービスを提供する者(旅館業法第3条の2第1項に規定する営業者を除く。)と取引を行う際に、当該者が住宅宿泊事業法第3条第1項の届出をした者であるかどうかの確認を怠る行為をしてはならない。
イ:旅行業者等は、旅行業務に関し取引をした者に対し、その取引によって生じた債務の履行をいかなる場合も遅延する行為をしてはならない。
ウ:旅行業者等は、運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し、輸送の安全の確保を不当に阻害する行為を行ってはならない。
エ:旅行業者等は、旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反するサービスの提供を受けることをあっせんし、又はその提供を受けることに関し便宜を供与してはならない。

答え:イ

問題(19)の解説

選択肢イは債務の履行を不当に遅延することはできませんが、正当な理由があれば債務の履行を遅延することは許されているため、誤り。

法令の問題 (20):受託契約

(20) 受託契約に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア:旅行業者は、受託契約を締結したときは、法第3条の規定にかかわらず、旅行業者代理業の登録を受けなくても、他の旅行業者が実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、当該他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる。
イ:第1種旅行業者は、地域限定旅行業者を委託旅行業者とする受託契約を締結することができる。
ウ:旅行業者が受託契約を締結したときは、受託業務の取扱いを開始しようとする日までに、登録行政庁にその旨を届け出なければならない。
エ:委託旅行業者及び受託旅行業者は、受託契約において、委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる受託旅行業者又はその受託旅行業者代理業者の営業所を定めておかなければならない。

答え:ウ

問題(20)の解説

選択肢ウは受託契約については登録行政庁にその旨を届け出る必要はないため、誤り。

法令の問題 (21):旅行業者代理業者

(21) 旅行業者代理業者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業者代理業の登録は、当該旅行業者代理業者が所属旅行業者のために旅行業務を取り扱うことを内容とする契約が効力を失ったときは、その効力を失う。
イ:旅行業者代理業者は、所属旅行業者の登録の有効期間満了の後、引き続き旅行業者代理業を営もうとするときは、登録行政庁の行う有効期間の更新の登録を受けなければならない。
ウ:旅行業者代理業者は、旅行業務に関し取引をしようとするときは、旅行業者代理業者である旨を取引の相手方に明示すれば、所属旅行業者の氏名又は名称を明示することを要しない。
エ:所属旅行業者が、受託契約において受託旅行業者代理業者を定めたときは、当該受託旅行業者代理業者は、所属旅行業者に加え、委託旅行業者のためにすべての旅行業務を取り扱うことができる。

答え:ア

問題(21)の解説

選択肢イは所属旅行業者の登録の有効期間が満了した場合、旅行業者代理業者の登録の効力も失うため、誤り。(旅行業者代理業者に有効期間はありません)
選択肢ウは旅行業者代理業者は所属旅行業者の氏名または名称、および旅行業者代理業者である旨を明示する必要があるため、誤り。
選択肢エは受託契約により、受託販売できるのは募集型企画旅行のみとなるため、誤り。

法令の問題 (22):業務改善命令

(22) 次の記述から、法第18条の3「業務改善命令」として、定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a:企画旅行に関し旅行者から収受する対価を変更すること。
b:旅行者に生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結すること。
c:企画旅行の円滑な実施のための措置を確実に実施すること。
d:旅行業務取扱管理者を解任すること。

ア:a,b,c イ:a,c,d ウ:b,c,d エ:a,b,c,d

答え:エ

問題(22)の解説

全て業務改善命令に該当するため、選択肢エは正しいとなる。

補足として、業務改善命令は6個あります。
1:旅行業務取扱管理者の解任

2:取扱料金・対価の変更

3:旅行業約款の変更

4:旅程管理(企画旅行の円滑な実施のための措置を確実にする)

5:旅行者のための損害賠償の為の保険契約の締結

6:業務の改善に必要な措置

法令の問題 (23):旅行サービス手配業

(23) 旅行サービス手配業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア:旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務に関し取引をする者と旅行サービス手配業務に関し契約を締結したときに、当該取引をする者に対し交付する書面に、旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容を記載しなければならない。
イ:旅行サービス手配業者は、営業所において、国土交通省令で定める様式の標識を、公衆に見やすいように掲示しなければならない。
ウ:旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務を取り扱う者が1人である営業所についても旅行サービス手配業務取扱管理者を選任しなければならないが、本邦内の旅行のみについて旅行サービス手配業務を取り扱う営業所にあっては、総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者を選任することができる。
エ:旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務に関し取引をする者に対し、その取引に関する重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。

答え:イ

問題(23)の解説

選択肢イは旅行サービス手配業においては標識の規定はないため、誤りとなります。

補足として、旅行サービス手配業は旅行者との直接のやり取りがないため、有効期間、営業保証金、標識、広告等の規定がありません。

法令の問題 (24):旅行業協会

(24) 次の記述のうち、旅行業協会が適正かつ確実に実施しなければならない業務として定められていないものはどれか。

ア:社員である旅行業者からの手配依頼により、当該旅行業者と取引をした旅行に関するサービスを提供する者に対し、その取引によって生じた債権に関し弁済をする業務
イ:旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業者等又は旅行サービス手配業者の取り扱った旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決
ウ:旅行業務及び旅行サービス手配業務に関する取引の公正の確保又は旅行業、旅行業者代理業及び旅行サービス手配業の健全な発達を図るための調査、研究及び広報
エ:旅行業務又は旅行サービス手配業務の取扱いに従事する者に対する研修

答え:ア

問題(24)の解説

選択肢アは弁済業務は旅行者への弁済業務となるため、旅行業者や旅行サービス提供者への弁済業務は誤りとなります。

補足として、旅行業協会の業務は5個あります。
1:旅行者、旅行サービス提供者からの苦情の解決

2:旅行業者または旅行サービス手配業者の従業員に対する研修

3:旅行者への弁済業務

4:旅行業者等または旅行サービス手配業者への指導

5: 取引の公正の確保、健全な発展を図るための調査、研究、広報

法令の問題 (25):弁済業務保証金

(25) 弁済業務保証金制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

ア:旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を実行しようとする者は、その債権について登録行政庁の認証を受けなければならない。
イ:旅行業協会の保証社員である旅行業者の弁済限度額は、当該旅行業者が営業保証金の供託の免除の規定の適用がないとしたならば当該旅行業者が供託すべきこととなる営業保証金の額を下ることができない。
ウ:旅行業協会は、弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、直ちに、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を旅行業協会の住所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
エ:旅行業協会に加入しようとする旅行業者は、登録行政庁から新規登録を受けた旨の通知を受けた日から7日以内に、旅行業協会に弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。

答え:イ

問題(25)の解説

選択肢アは弁済業務保証金から弁済を受ける権利を実行しようとする者(旅行者)は旅行業協会の認証を受けなければならないため、登録行政庁の認証は誤り。
選択肢ウは旅行業協会は弁済業務保証分担金の納付を受けた日から7日以内に旅行業協会の最寄りの供託所へ供託しなければならいため、直ちにという表現は誤り。

選択肢エは旅行業者は旅行業協会に加入しようとする日までに弁済業務保証分担金を旅行業協会へ納付しなければならないため、新規登録を受けた旨の通知を受けた日から7日以内は誤り。

上記から選択肢イが正しいとなります。