総合旅行業務取扱管理者の資格試験に出題されるJRの運賃計算がとっても難しいよ。いろんなルールがあってなかなか覚えることができない。覚えるべきポイントなど教えてほしいな。
この記事は、そんな疑問に答えます。
- 運賃や料金の定義、年齢、路線、専門用語
- 運賃計算の基本ルール
- 境界駅
- 特急料金、グリーン料金、寝台料金
- 往復割引、学生割引、有効期間、特定都区市内
- 払い戻し、乗継割引、連絡会社線
- 新幹線のルール
- グランクラス
- 山形&秋田新幹線の注意点
この記事では(1)を解説しています。
こんにちは、ツバサです。
総合旅行業務取扱管理者の資格試験で鬼門の1つとも言うべき内容が「JRの運賃計算」です。
僕自身も航空券の料金計算は得意なんですが、JRの運賃計算はなかなか覚えることができませんでした。
自由席や指定席、本州と本州以外のところの運賃計算など、本当複雑でいろんなパターンを覚えなければなりません!
この記事では、JRの運賃計算を覚える上での大事なポイントをまとめていきます。
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総合旅行業務取扱管理者:JR運賃計算編①
JRの運賃計算と言っても、単純な計算ばかりではありません。
運賃計算に関連した専門用語やルールを同時に覚えていかなければなりません。
運賃と料金の定義
JRの運賃計算では「運賃」と「料金」は全くの別物として扱います。
これを覚えておかないと運賃計算をする上で理解ができなくなってしまうため、それぞれの定義を必ず覚えましょう。
乗車券はどの電車に乗っても必要となりますが、乗車券以外に必要な料金がかかる電車は次の通りです。
普通電車 | 乗車券のみ。 グリーン車がある場合はグリーン券が必要。 |
快速電車 | 基本的に乗車券のみ。 指定席がある場合は座席指定席券が必要。 グリーン車がある場合はグリーン券が必要。 |
特急電車 | 自由席の場合は自由席特急券が必要。 指定席の場合は(指定席)特急券が必要。 |
新幹線 | 自由席の場合は自由席特急券が必要。 指定席の場合は(指定席)特急券が必要。 グリーン車の場合は特急券+グリーン券が必要。 グランクラスの場合は特急券+グリーン券が必要。 |
寝台列車 | 特急券+寝台券が必要。 |
「普通列車のグリーン車」ってなんだと思った人もいるかもしれません。
例えば、普通列車のグリーン車があるのは宇都宮から小田原まで行く湘南新宿ラインです。
湘南新宿ラインは普通列車ですが、4号車と5号車はグリーン車となっており、グリーン車を利用する場合はグリーン券を別途購入する必要があります。
JR運賃計算における年齢の区分
航空券の運賃計算に大人料金、子供料金、幼児料金があるように、JRの運賃計算においても大人料金、小児料金、幼児料金があります。
大事なポイントはそれぞれの年齢区分と計算方法です。
年齢区分 | |
大人 | 12歳以上(中学生以上) ※12歳でも小学生の場合は小児扱いとなる。 |
小児 | 6歳以上から12歳未満(小学生) ※6歳でも小学校入学前は幼児扱いとなる。 |
幼児 | 1歳以上から6歳未満 |
乳児 | 1歳未満(0歳児) |
運賃計算方法 | |
大人 | 大人運賃 |
小児 | 大人運賃の半額(10円未満は切り捨てる) |
幼児 | 大人または小児1人につき幼児2名まで無料 |
乳児 | 何人でも無賃 |
これらは暗記するしかありません。
ポイントは次の通りです。
- 6歳と12歳は小学生かどうかが重要
- 座席なしの幼児、乳児は基本的に無賃
- 座席を使う幼児、乳児は小児運賃がかかる(幼児、乳児運賃がないため)
- 幼児のみで電車に乗る場合、小児運賃がかかる(幼児、乳児運賃がないため)
ここでさらなるポイントは「幼児、乳児運賃がない」ということです。
例えば、次のようなケースの運賃計算には注意しましょう。
①大人1人+幼児3人の場合
⇒大人1人につき、幼児2人まで無賃となるため、運賃計算は大人1名+小児1名分の運賃が必要。
幼児運賃がないため、大人1名+幼児1名分とはならない。
②小児1人+幼児3人の場合
⇒小児1人につき、幼児2人まで無賃となるため、運賃計算は小児2名分の運賃が必要。
幼児運賃がないため、小児1名+幼児1名分とはならない。
JR(旅客鉄道会社)の種類
JRは全部で6つの会社に分かれています。
- JR北海道
- JR東日本
- JR東海
- JR西日本
- JR四国
- JR九州
この6つの内、JR東日本、JR東海、JR西日本の3つのことを「本州3社」と呼びます。
運賃計算をする際、料金表に「本州3社」の言葉が頻繁に出てくるため、必ず覚えましょう。
JRの路線の種類
JRの路線の種類は大きく分けて3種類あります。
- 新幹線
- 在来線(新幹線以外):幹線(主要都市路線)
- 在来線(新幹線以外):地方交通線(地方のローカル路線)
「幹線」と「地方交通線」の言葉は運賃料金表に出てくるため、必ず覚えましょう。
また、「地方交通線」はイメージとして、「田舎町の電車だから乗車人数も少ないため、経営が大変で赤字になりかねない。だから運賃をちょっと高くしよう」というイメージを持っておくと覚えやすいです。
JRのキロ数を表示する専門用語
JRの運賃計算をする際、キロ数を表す専門用語が4つあります。
営業キロ | 駅と駅の実際の距離。 |
換算キロ | 本州3社内及び北海道内の地方交通線に存在するキロ。 (営業キロとは別に存在しています) |
擬制キロ | 四国内及び九州内の地方交通線に存在するキロ。 (営業キロとは別に存在しています) |
運賃計算キロ | 幹線の営業キロ+地方交通線の換算キロ、 あるいは幹線の営業キロ+四国及び九州の擬制キロ |
言葉だけ聞いてもよくわからないと思うので、それぞれ例を挙げながら、図で解説します。
幹線と地方交通線の違いは、幹線は営業キロのみとなり、地方交通線は本州3社及び北海道の場合は営業キロと換算キロ、四国と九州の場合は営業キロと擬制キロになります。
ポイントは幹線の場合は、キロの書き方が基本1段となっており、地方交通線の場合はキロのところが2段になっているので、万が一、幹線や地方交通線の文言が書かれていなくても、キロの表示が1段であれば幹線、2段であれば地方交通線と判断ができます。
次に例えば、幹線と地方交通線の両方を含む乗車パターンの場合は次のようになります。
この図を覚えておけば、運賃計算の理解がぐんと上がります。
運賃計算を行う際の金額や距離の端数
運賃計算の際に端数を切り上げたり、切り捨てたりするルールがあります。
そのルールがあるのは次の2つです。
- 金額:10円未満の端数は切り捨てる
- 距離:1キロ未満の端数は1キロに切り上げる
覚え方は簡単です!
「JRは子供には優しく、距離には厳しい」です。
金額で端数が出る時は主に小児料金の計算をする時です。
例えば、次のようなパターンです。
大人運賃750円の時の小児料金の運賃は大人運賃の50%となるため、750円÷2=375円⇒10円未満は切り捨てのため370円となります。
営業キロが355.2km⇒1キロ未満は切り上げのため356kmとなります。
以上となります。
JR運賃計算編①では、運賃計算前の予備知識を解説しました。
JR運賃計算編②では、実際に運賃計算の解説をしていきます。
それでは、良い一日を!
電車に乗ると必ずかかるもので乗車券がそれに当たります。
「料金」
乗車券に付帯するサービスに対しての対価となります。例えば、特急電車に乗るための特急券、新幹線に乗るための自由席特急券、グリーン車に乗るためのグリーン券などがそれに当たります。