【JR運賃計算編⑤】総合旅行業務取扱管理者の合格への道!

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【JR運賃計算編⑤】総合旅行業務取扱管理者の合格への道! 総合・国内旅行業務取扱管理者

JR運賃計算の往復割引や学生割引について詳しく知りたいな。また、特定都区市内の運賃計算についても知りたい。総合旅行業務取扱管理者の試験に出題される可能性あるし、きちんと覚えておきたいな。

この記事は、そんな疑問に答えます。

本記事の内容

ツナグ旅ではJR運賃計算を9記事にわたって解説しています。

  1. 運賃や料金の定義、年齢、路線、専門用語
  2. 運賃計算の基本ルール
  3. 境界駅
  4. 特急料金、グリーン料金、寝台料金
  5. 往復割引、学生割引、有効期間、特定都区市内
  6. 払い戻し、乗継割引、連絡会社線
  7. 新幹線のルール
  8. グランクラス
  9. 山形&秋田新幹線の注意点

この記事では(5)を解説しています。

こんにちは、ツバサです。

総合旅行業務取扱管理者のJR運賃計算で意外と間違えやすい項目が「往復割引」や「学生割引」、乗車券の有効期間特定都区市内になります。

JR運賃計算編①、②、③、④ですでにたくさんのルールや言葉を覚えてきたと思いますが、まだまだルールがあります。

焦らず、少しずつ覚えて、過去問題等を通して反復練習をして完璧に覚えていきましょう。

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総合旅行業務取扱管者:JR運賃計算編⑤

JR運賃にはいくつかの割引運賃があります。

まずは往復割引や学生割引を見ていきましょう。

JR運賃計算:往復割引

往復割引の条件や割引率は次の通りです。

往復割引 ・往復同一区間及び同一路線
片道の営業キロが「600」キロを超えること(601キロ以上
例)新大阪⇒博多:営業キロ622.3km
割引率 往路1割引き、復路1割引き
*注意:往復を足してから2割引きは間違い

大人運賃の往復割引

例)東京⇒広島:営業キロ894.2km(端数を切り上げ895km)

本州3社の幹線の運賃表にて、881km~920kmの運賃は11,880円。

往復割引適用の場合は、

往路:11,880円x(1ー0.1)=10,692円(端数を切り捨て10,690円)

復路:11,880円x(1ー0.1)=10,692円(端数を切り捨て10,690円)

合計:往路10,690円+復路10,690円=往復21,380円

小児運賃の往復割引

例)東京⇒広島:営業キロ894.2km(端数を切り上げ895km)

本州3社の幹線の運賃表にて、881km~920kmの運賃は11,880円。

小児運賃は大人の半額となるため、

11,880円÷2=片道5,940円。

往復割引適用の場合は、

往路:5,940円x(1ー0.1)=5,346円(端数を切り捨て5,340円)

復路:5,940円x(1ー0.1)=5,346円(端数を切り捨て5,340円)

合計:往路5,340円+復路5,340円=往復10,680円

JR運賃計算:学生割引

学生割引の条件や割引率は次の通りです。

学生割引
中学生以上の学生(学生生徒旅客運賃割引証が必要)
※中学生以上ということは大人運賃を適用する学生ということ。
・片道でも適用可能
片道の営業キロが100キロを超えること(101キロ以上
例)東京⇒熱海:営業キロ104.6km
割引率 2割引き

例)東京⇒熱海:営業キロ104.6km(端数を切り上げ105km)

本州3社の幹線の運賃表にて、101km~120kmの運賃は1,980円。

学生割引適用の場合は、

1,980円x(1ー0.2)=1,584円(端数を切り捨て1,580円

JR運賃計算:往復割引と学生割引の併用(重複割引)

往復割引と学生割引は併用することが可能です。

2つの割引を提要するための条件は次の通りです。

重複割引 ・中学生以上の学生
(学生生徒旅客運賃割引証が必要)
・往復同一区間及び同一路線
・片道601キロ以上

例)岡山⇒東京:営業キロ732.9km(端数を切り上げ733km)

本州3社の幹線の運賃表にて、721km~760kmの運賃は10,670円。

往復割引から適用し(1割引き)、

片道:10,670円x(1ー0.1)=9,603円(端数を切り捨て9,600円)

続いて、学生割引適用し(2割引き)、

9,600円x(1ー0.2)=7,680円

往路7,680円+復路7,680円=往復15,360円 

JR運賃計算:乗車券の有効期間

JRの乗車券には必ず有効期間があります。

その有効期間は営業キロの距離によって決まっています。

営業キロ 有効期間
~100km 1日
~200km 2日
~400km 3日
~600km 4日
~800km 5日
~1000km 6日

上記から、101キロでも199キロでも有効期間は2日間、401キロでも600キロでも有効期間は4日間となります。

有効期間の使い方の具体的例を挙げると、東京から大阪の営業キロは556.4kmとなりますが、その場合は有効期間が4日間となります。

東京から大阪に出張に行く際、名古屋に立ち寄りたい場合は次のような切符の買い方ができます。

乗車券:東京から大阪までの乗車券を1枚

新幹線自由席特急券:東京から名古屋、名古屋から大阪

これにより、名古屋に立ち寄って1泊や2泊することが可能です。

(東京から名古屋に到着して改札を出る際に乗車券のみ回収されず、改札機から出てきます)

このように有効期間内であれば途中下車ができますが、次のことに注意しなければなりません。

乗車券の有効期間
  • 途中下車ができるのは営業キロが101キロ以上
  • 営業キロが100キロ以下の場合は途中下車不可
  • 往復乗車券の場合は有効期間は片道乗車券の2倍となる

運賃に関してもう1つ注意しなければならないことがあります。

JRには「大都市近郊区間」という特定のエリアが5都市あります。

大都市近郊区間
  • 東京
  • 大阪
  • 福岡
  • 新潟
  • 仙台

この5都市に関しては、在来線の運賃が実際の乗車ルートに関わらず、最短経路で運賃が計算されるルールとなっています。

これは営業キロが100キロを超えたとしても有効期間は1日となり、途中下車が不可となります。

これはどういうことかというと次のような場合です。

例えば、品川から東京に行く場合、山手線で2駅、運賃は170円となります。

一般的な乗車ルートは赤色の線で描いた通りです。

運賃計算 大都市近郊区間

出典:JR東日本「運賃計算の特例」

しかし、東京近郊には様々な路線が通っており、次のようなルートでも品川発、東京着の乗車ルートを組むことができます。

品川から茅ケ崎方面に向かい、その後、八王子、高崎、小山、安孫子、千葉、船橋を経由して東京に行くルートです。

運賃計算 大都市近郊区間

出典:JR東日本「運賃計算の特例」

大都市近郊区間に定められている東京エリアでは、このルートで乗車しても品川から東京の乗車ルートの運賃は最短経路の運賃で計算しますというルールになります。

そのため、これだけ乗車しても170円ということになります。

もちろん、条件があります。

大都市近郊区間のポイント
  • 乗車券の有効期間は1日のみ
  • 途中下車不可

例えば、この乗車ルートで東京に着く前に高崎で改札を出てしまった場合は、品川から高崎までの乗車運賃を請求されます。

JR運賃計算:料金(特急券など)の有効期間

自由席特急券に関しては、有効期間は1日となります。

また、指定席特急券はその指定車両を乗り過ごしてしまった場合、その日の同じ種類の列車の自由席に乗ることが可能となります。

JR運賃計算:特定都区市内

先程は大都市近郊区間、次は「特定都区市内」と似たような名前ですが、特定都区市内は運賃計算の特例になります。

「特定都区市内」は全国に11都市あります。

特定都区市内 中心駅
札幌市内 札幌駅
仙台市内 仙台駅
東京都区内 東京駅
横浜市内 横浜駅
名古屋市内 名古屋駅
京都市内 京都駅
大阪市内 大阪駅
神戸市内 神戸駅
広島市内 広島駅
北九州市内 小倉駅
福岡市内 博多駅

これらの都市では次の条件が特例として認められています。

特定都区市内
  • 中心駅から営業キロ200キロを超える(201キロ以上)駅との運賃は中心駅からの営業キロで計算する。
  • 特定都区市内で下車した場合は無効となる。

これはどういうことかというと、例を挙げてみましょう。

大阪から新幹線で東京に戻ってきた際、もし都内23区に住んでいる場合は山手線などに乗り換えます。

その際、新幹線の改札から山手線に向かう際、乗車券はずっと改札機から出てきて回収します。

そして、その乗車券で山手線に乗って新宿や池袋まで行くことができます。(山手線の切符を買う必要がない)

新幹線の乗車券の券面には「区 東京都区内」と記載しています。

東京都区内では次の駅が対象駅となります。

運賃計算 特定都区市内

出典:JR東日本「特定の都市区内ゾーン」

総合旅行業務取扱管理者の試験では次のような図式で出題されます。

運賃計算 特定都区市内

ポイントとしては、「※赤羽は東京都区内の駅」と記載があります。

この文言を見た時に「特定都区市内」と思い出さなければなりません。

この場合は、中心駅の東京からの営業キロにて運賃計算をすることになるため、京都から東京の区間の営業キロを確認する必要があります。

特定都区市内の条件でもある201キロ以上という条件に京都から東京の営業キロは当てはまっているため、運賃計算は京都から東京の「513.6km」のみを使用することになります。

この例は東京から赤羽までの区間が特例として運賃に含まれないため、得した気分になります。

しかし、逆に得と感じない場合もあります。

例えば、次のような場合です。

運賃計算 特定都区市内

赤羽から矢吹まで行く場合、営業キロは190.2kmとなります。

一見、特定都区市内に当てはまらないと思いがちですが、「※赤羽は東京都区内の駅」という文言に気付かなければなりません。

その場合、特定都区市内となることから「中心駅からの営業キロ」にて計算することになるため、

東京から赤羽:営業キロ 13.2km + 赤羽から矢吹:営業キロ 190.2km

となり、合計の営業キロは203.4kmとなります。

そのため、端数を切り上げて204kmにて運賃計算をすることになります。

ツバサ
ツバサ

令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験では、特定都区市内の例外規定が出題されました。その例外規定は「その都市内の外を経てから再びその都市内を通過する場合(または都市内を通過し、外を経てから再びその都市内に戻る場合)」で、この場合は特定都区市内を適用しないという問題でした。受験生にとっては難問でした。

以上となります。

今回のJR運賃計算⑤では、似たような専門用語がいくつか出てきましたが、文言とルールをしっかり覚えておけば、試験でもしっかりと点数を取ることができます。

それでは、良い一日を!