航空券を予約する際のパスポートの名前ってどうすればいいの?一文字でも違うと搭乗できないって聞くし。。。。旧姓や外国人と結婚した場合はどの名前で予約すればいいのかな。。。。
この記事は、そんな疑問に答えます。
✔ 本記事の内容
- 航空券予約の際にパスポートの名前が大事な理由
- 航空券予約の際にパスポートの名前が特殊な場合に気を付けること
こんにちは、ツバサです。
先日、トラベルボイスでパスポートの別名併記について外務省が公式サイトで説明したニュースを見ました。とてもわかりやすい内容でした。
トラベルボイス記事
海外旅行に行く際、空港でチェックインをしたところ、航空会社職員から「搭乗できません!」と言われたことはありますか?僕自身はありませんが、旅行会社で仕事をしていると稀にこのトラブルに遭遇します。
このトラブルの原因は、航空券予約の際にパスポートのローマ字の名前を誤ってしまい、そのまま航空券を発券してしまったからです。つまり、パスポート記載のローマ字の名前と航空券に記載のローマ字の名前が異なっているということです。旅行会社でパッケージツアーを販売していると一番神経を使うところでもあります。
この記事では、「航空券予約の際の名前」について詳しく解説したいと思います。
航空券予約の際にパスポートの名前が大事な理由
一文字間違いで別人扱いとなる
航空券予約をする際、パスポートに記載のローマ字の名前は非常に大事です。
なぜならパスポート記載のローマ字の名前と航空券に記載のローマ字の名前が一文字でも異なっていると同一人物とみなされないからです。
通常、パスポートのローマ字の名前はヘボン式ローマ字表記を使用しますが、最近では非ヘボン式ローマ字表記を使用したパスポート所持者が非常に多くなりました。
日本語名 | ヘボン式ローマ字表記 | 非ヘボン式ローマ字表記 |
佐藤(さとう) | SATO | SATOH |
大野(おおの) | ONO | OONO |
島田(しまだ) | SHIMADA | SIMADA |
裕子(ゆうこ) | YUKO | YUUKO |
このように一文字違いで航空会社にチェックインすることすらできなくなります。そして、氏名の変更手数料が必要になったり、航空券を買い直しとなる場合もあります。性別を誤ってしまった場合も変更手数料の対象になったり、航空券を買い直しとなる場合があります。
ただし、航空会社の対応によっては、航空券の券面は誤ったローマ字表記のままでも、航空会社のシステム内の予約記録の備考欄に正しいローマ字の情報を入力してくれる場合があり、チェックイン及び搭乗することができることもあります。しかし、チェックイン時に免責同意書にサインをしなければならず、現地でトラブルになった場合は自己責任となります。
結婚して新姓になった場合や離婚して旧姓に戻った場合
結婚して新姓に変わったとしても、パスポートの苗字の変更手続きをしなければ、旧姓のままで航空券を予約しなければなりません。一方でパスポートの苗字の変更手続きをした場合は追記欄に新姓のローマ字の表記を印刷されます。その場合は航空券も新姓にて予約をしなければなりません。
もし離婚をしてしまった場合はどうかというと、これも同じ要領でパスポートの苗字の変更手続きをしたかどうかがポイントとなります。離婚しても苗字を前の姓に戻していなければ、航空券も離婚前の苗字にて予約となります。もしパスポートの苗字を旧姓に戻す手続きをした場合は、追記欄に旧姓のローマ字表記を印刷され、航空券予約も旧姓にて予約をしなければなりません。
ここでも必ずパスポート記載のローマ字と航空券に記載のローマ字は同じでなければなりません。
航空券予約の際にパスポートの名前が特殊な場合に気を付けること
今回、外務省が公式ホームページで旧姓や外国人配偶者の名前の場合について詳しく説明をしました。
上記をまとめると、
- パスポートは戸籍に記載されている氏名を使う。
- 公的機関が発行した書面があれば戸籍上の氏名と別の氏名を併記してもよい。
- 併記の場合は括弧を使う。
- パスポート、ビザ、航空券に記載されている氏名は同一でなければならない。
- 括弧書きは特殊な対応のため、海外では認知されておらず、なぜ氏名の併記をしているのかを自分で説明しなければならない場合がある。
ということです。
外国人配偶者の姓が記載された日本旅券
これはまだわかりやすい表記です。外国人配偶者がいる場合に配偶者の別姓が括弧内に記載されているパターンです。
このイメージ例の場合、航空券予約は「GAIMU/HANAKO MS」のローマ字名で予約します。
二重国籍者の他の国における姓及び名の記載された日本旅券
これは括弧が2つもあり、一見複雑に見てしまいます。別姓、別名の両方がある人はまれなケースかと思われます。
このイメージ例の場合でも航空券予約は「GAIMU/HANAKO MS」のローマ字名で予約します。
旧姓の記載された日本旅券
旧姓を括弧内に記載して残すパターンまで現在はあるようです。これは旅行会社の社員を混乱させるかもしれません。基本的に新姓や旧姓は追記欄で対応するということを念頭に置いています。また、新姓に変更する際は追記欄で対応せず、パスポート自体の取り直しをする人もいるため、その場合は旧姓について一切記載されないものと思っています。このケースは旧姓がパスポート上に記載が残る形となり、混乱してしまいます。
しかし、このイメージ例の場合でも航空券予約は「GAIMU/HANAKO MS」のローマ字名で予約します。
航空券予約のローマ字の名前の確認の仕方
旅行会社の社員がパッケージツアーや航空券の予約を受ける際、非ヘボン式ローマ字表記を使っていたり、上記のようなイレギュラーな名前の表記をしている場合は、極力パスポートコピーを確認させて頂くことが多いです。
最近では個人情報の取り扱いに厳しくなっていることもあり、パスポートコピー自体を取り寄せることが難しくなってきてはいますが、確実にミスを防ぐにはパスポートコピーを確認することが最善策です。
旅行会社の社員はパスポートコピーのどこを確認しているかというと下記画像の赤枠の部分となります。
赤枠内の文字は「P<JPNGAIMU<<HANAKO<<<<」と記載されています。
最初の「P」は文書の種類を表し、パスポートの意味を表します。
その次の「<」はスペースのような意味合いとなります。
続いて「JPN」はパスポート発行国を表し、JPNは日本の意味となります。
最後に「GAIMU<<HANAKO」は姓、名となります。
あとは性別を確認したり、追記のページに何か記載があるかを確認する場合もあります。
上記により、航空券予約の際は、「GAIMU/HANAKO MS」にて予約をします。そのため、括弧表記が発生しても、実は航空券予約にはあまり関係ないこととなります。どちらかというとイミグレーションで「この括弧内の名前は何?」って聞かれることの方が多いかもしれません。
ちなみに航空券の予約の際、文字数は50文字前後まで入力が可能です。航空会社により規定が異なり、例えば全日空であれば48文字まで、日本航空であれば53文字までとなります。
僕の友人にスリランカ人の友人がいますが、氏名が長すぎて50文字前後に収まらず、氏名の一部を省いて航空券予約をする人もいます。
参考ページ:全日空
以上となります。
航空券の予約の際はパスポート記載のローマ字表記の名前に注意しなければなりません。しかし、航空券の予約に必要なローマ字の名前についてはパスポートの写真のページのバーコード部分を見れば簡単にわかります。
一文字間違いも許されないため、必ず確認の上、航空券を予約しましょう。
それでは、良い一日を!
1:日本の旅券は,ICAO(国際民間航空機関)文書第9303号に準拠して作成され,旅券面の氏名は,戸籍に記載されている氏名を記載することとしています。ただし,旅券申請者からの申出を受け,外務大臣又は領事官が,公の機関が発行した書類等により戸籍に記載されている氏名以外の氏及び(又は)名を確認し,申請者の海外渡航や外国での生活等の便宜から特に必要と判断した場合に,戸籍に記載されている氏名に加えて併記を認めることがあります。この場合,戸籍上の氏名に続けて,括弧書きで氏及び(又は)名(注)が記載されます。
(注)主に以下の別名があります。
(1)外国人配偶者の氏
(2)二重国籍者の他の国籍の氏名
(3)旧姓
2:括弧書きによる別名の併記はICAO文書第9303号には規定されていない例外的な措置であるため,ICチップ及びMRZ(Machine Readable Zone)には別名が記録されません。渡航先への入国可否は渡航先国の入国管理当局が判断します。入国審査では,旅券のICチップ及びMRZに記録されている氏名,ビザ(米国のESTA等を含む)に記載された氏名,航空券に記載された氏名が照合されますので,これら3つの氏名は一致している必要があります。このため,旅券面に別名が記載されていたとしても,ビザ及び航空券を別名で取得することはできませんので,御注意ください。
3:また,渡航先国の出入国管理当局等は,必ずしも日本旅券の別名併記制度に精通していないことから,旅券に括弧書きで記載された別名の意味が理解されず,説明を求められる場合があります。このような場合,まずは旅券の所持人が御自身で旅券に併記された氏及び(又は)名について御説明いただく必要があります。その際には以下にあります英語版資料を御活用ください。
引用先:外務省ホームページ