総合旅行業務取扱管理者の国際航空運賃で見落としがちな5つのポイント!

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総合旅行業務取扱管理者の国際航空運賃で見落としがちな5つのポイント! 総合・国内旅行業務取扱管理者

総合旅行業務取扱管理者の国家試験に出題される国際航空運賃が難しくて、いつも間違えてしまう。国際航空運賃のポイントがあれば詳しく知りたいな。

この記事は、そんな疑問に答えます。

本記事の内容

・総合旅行業務取扱管理者の国際航空運賃の見落としがちな5つのポイント

こんにちは、ツバサです。

総合旅行業務取扱管理者の国家試験で不合格になる人のほとんどが海外実務の問題で点数を落としています。

海外地理は膨大な量の試験範囲のため、他の科目で点数を確保しなければいけません。

特に海外実務に含まれている英語が苦手な人にとっては、他の国際航空運賃出入国法令旅券法などの問題を満点近く取らなければとても厳しくなります。

この記事では、海外実務のキーポイントとなる国際航空運賃の見落としがちなポイントについて詳しく解説します。

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総合旅行業務取扱管理者の国際航空運賃の見落としがちな5つのポイント

国際航空運賃の問題を解くに当たって、見落としがちな5つのポイントを紹介します。

国際航空運賃のポイント

1:日数の数え方

2:シーズナリティ

3:乗り継ぎ便とストップオーバー(途中降機)

4:問題を解く際の3つのチェック項目

5:航空券の払い戻し

それぞれ詳しく解説していきます。

日数の数え方

国際航空運賃で日数を数える項目は主に3つあります。

日数を数える項目

・予約・発券期限

・必要旅行日数

・最長旅行日数

日数の数え方を間違ってしまうと、利用する航空券の選択を間違ってしまうため、十分に注意が必要です。

予約・発券期限の日数の数え方

各航空運賃規則には予約・発券期限のルールがあります。

予約は旅行開始日の〇〇日前までに行う、発券は旅行開始日の△△日前までに行うというように決められています。

例を挙げてみます。

予約期限日の例
  • 予約は旅行開始日の7日前までに行う
    旅行開始日:8月15日
    ⇒予約期限日:8月8日まで

  • 予約は旅行開始日の1カ月前までに行う
    旅行開始日:7月10日
    ⇒予約期限日:6月10日まで

  • 予約は旅行開始日の1カ月前までに行う
    旅行開始日:2月29日
    ⇒予約期限日:1月31日まで

上記のように単純に日数を引くことで期限日がわかりますが、月末の場合のみ注意が必要です。

月末旅行開始日で1か月前が予約期限日の場合は前月の月末の日が予約期限日になります。

続いて、発券期限日の条件についても注意が必要です。

発券期限日の条件は主に2種類あります。

発券期限の種類

・予約完了後、○○日以内に発券

・旅行開始日の△△日前までに発券

次のような例となります。

発券期限の例
  • 発券期限日は予約完了後3日以内
    旅行開始日:7月10日
    予約完了日:6月15日
    ⇒発券期限日は6月18日

  • 発券期限日は旅行開始日の7日前までに発券
    旅行開始日:7月10日
    予約完了日:6月15日
    ⇒発券期限日は7月3日

この発券期限日については、上記2つが含まれた発券期限の条件が課されることもあります。

重複した発券条件
  • 発券期限日は予約完了後3日以内、ただし旅行開始日の7日前までに発券
    旅行開始日:7月20日
    予約完了日:7月9日
    ⇒発券期限日は7月12日

  • 発券期限日は予約完了後3日以内、ただし旅行開始日の7日前までに発券
    旅行開始日:7月20日
    予約完了日:7月11日
    ⇒発券期限日は7月13日
    ※予約後3日以内と旅行開始日7日前の両方の条件を満たさなければなりません。

必要旅行日数

国際航空運賃で思わぬ落とし穴があるとすれば、この必要旅行日数です。

必要旅行日数というのは、航空券の種別によって最低何日間は海外に滞在しなければならないという条件が課されています。

例えば、必要旅行日数が「3日発・開始」ということであれば、国際線旅行開始日の翌日から起算して3日目の午前0時にならないと復路を出発できないというものです。

必要旅行日数の例
  • 3日発・開始
    旅行開始日:7月20日
    復路出発可能日:7月23日

  • 2日発・開始
    旅行開始日:7月20日
    復路出発可能日:7月22日

  • 1日発・開始
    旅行開始日:7月20日
    復路出発可能日:7月21日

このように航空券の種類によって、最低何日は海外に滞在してくださいという条件が課されています。

必要旅行日数で最も注意が必要なのは、現地滞在について条件が課されている時です。

必要旅行日数の注意点
  • 3日発・開始、ただし目的地で土曜日の滞在が含まれていること
    旅行開始日:7月20日(木曜日)
    復路出発可能日:7月23日(日曜日)

  • 3日発・開始、ただし目的地で土曜日の滞在が含まれていること
    旅行開始日:7月17日(月曜日)
    復路出発可能日:7月23日(日曜日)
    ※7月22日(土曜日)の滞在をして後にしか復路出発ができません。

このような条件は運賃が安い航空券を諒する場合に課されていることが多いです。

最長旅行日数

最長旅行日数についても、必要旅行日数と似たような日数の数え方となります。

航空券によって、最長何日間まで旅行ができますといった条件となります。

最長旅行日数の例
  • 7日発・開始
    旅行開始日:7月20日
    復路出発可能日:7月27日
    =7月27日中に復路の出発を行う

  • 1カ月発・開始
    旅行開始日:7月20日
    復路出発可能日:8月20日
    =8月20日中に復路の出発を行う

  • 2カ月発・開始
    旅行開始日:7月31日
    復路出発可能日:9月30日
    =9月30日中に復路の出発を行う

ここで注意点が2つあります。

最長旅行日数の注意点
  • あくまでも復路の出発を行うという条件で、日本に到着しなければならないということではありません。
    例)最長旅行日数が「7日発・開始」の場合でNH850便利用の場合
    ※NH850便バンコク発21:45、羽田着05:55+1(翌日着)

    旅行開始日:7月10日
    最長旅行日数:7日発・開始
    ⇒7月17日のNH850便に搭乗して現地を出発すればよい。(日本到着は7月18日でもOK)

  • 日本国内線が含まれている場合は国内線区間を含めて旅行開始日の翌日から起算します。
    例)札幌⇒羽田の国内線から成田⇒バンコクの国際線の搭乗する場合

    7月9日・札幌⇒羽田
    7月10日・羽田⇒バンコク
    最長旅行日数:7日発・開始
    ⇒旅行開始日は7月9日となるため、復路便の国際線は7月16日に搭乗する必要があります。

ポイントは「現地発の日を最終日としてカウントすること」と「往路国内線が含まれる場合は国内線の日から日数を数えること」です。

シーズナリティ

シーズナリティとは航空券の適用期間のことです。

イメージとしては、繁忙期と閑散期で料金が違うイメージです。

航空券には主に2つのシーズナリティの条件が課されています。

シーズナリティの条件

・往路の国際線出発日を基準として全旅程に適用する場合

・往路と復路で別々の運賃を適用する場合

それぞれ、例を挙げながら解説します。

往路の国際線出発日を基準として全旅程に適用する場合

国際運賃計算をする際、間違えやすいポイントの1つにこの「往路の国際線出発日を基準として全旅程に適用する」という条件があります。

これは、簡単に説明すると復路の日程のシーズナリティが異なって、往路のシーズナリティの運賃を見るということです。

往路が基準になる場合

往路:7月10日(土)
復路:7月27日(火)

【適用期間条件】
往路の国際線出発日を基準として全旅程に適用する。

 

ウィークエンド W

ウィークデイ X

往路

土~月

火~金

復路

金・土

日~木

 

7/1~7/15

120000

110000

7/16~7/25

130000

120000

7/26~7/31

140000

150000

この場合、往路はW運賃、復路はX運賃になります。
そして、往路の国際線出発日を基準として全旅程に適用するという条件になっているため、運賃を確認する際は次のようになります。

【往路】※W運賃
シーズナリティ:7/1~7/15
適用運賃:120000円

【復路】※X運賃
シーズナリティ:7/1~7/15
適用運賃:110000円
⇒シーズナリティ7/26~7/31の運賃ではない。

往路と復路で別々の運賃を適用する場合

ほとんどの国際運賃計算は往路と復路で別々のシーズナリティを使うことが多いです。

往路の曜日とシーズナリティ、復路の曜日とシーズナリティを調べて運賃を確認します。

運賃規則表には次のように記載されます。

  • 往路:日本国内の最終地点を出発曜日を基準とし1/2往復運賃を適用する
  • 復路:現地最終地点を出発する曜日を基準とし1/2往復運賃を適用する

あるいは、

  • 往路:往路の最初の国際線搭乗日を基準として往路の旅程に適用する
  • 復路:復路の最後の国際線搭乗日を基準として復路の旅程に適用する

それでは、例を挙げてみます。

往路と復路が別々になる場合

往路:7月10日(土)
復路:7月27日(火)

【適用期間条件】
往路:往路の最初の国際線搭乗日を基準として往路の旅程に適用する
復路:復路の最後の国際線搭乗日を基準として復路の旅程に適用する

 

ウィークエンド W

ウィークデイ X

往路

土~月

火~金

復路

金・土

日~木

 

7/1~7/15

120000

110000

7/16~7/25

130000

120000

7/26~7/31

140000

150000

この場合、往路はW運賃、復路はX運賃になります。
そして、往路及び復路の運賃はそれぞれのシーズナリティを核にします。

【往路】※W運賃
シーズナリティ:7/1~7/15
適用運賃:120000円

【復路】※X運賃
シーズナリティ:7/26~7/31
適用運賃:150000円

乗り継ぎ便とストップオーバー(途中降機)

国際運賃計算の際、往路と復路の単純な運賃以外にかかる費用が発生する時があります。

例えば、途中降機代金(ストップオーバー)特定便加算代金国内線加算代金などがあります。

その中でも途中降機代金(ストップオーバー)については注意が必要です。

総合旅行業務取扱管理者の国家試験では、旅程に含まれるフライト情報が資料として記載されていますが、内容をチェックする際、単純にフライトが乗継地を通過しているからといって途中降機になるわけではありません。

例を見ていましょう。

【例①】

旅程 出発日 便名 出発時刻 到着時刻
HKT-BKK 10MAY(WED) TG218 19:15 20:40
BKK-NRT 10MAY(WED) TG642 23:45 07:40+1

この旅程は一見すると2区間あるため途中降機に見えますが、TG218からTG642に同日(24時間以内)に乗り継いでいるため、途中降機ではなく「乗り継ぎ」扱いとなり、途中降機代金は不要となります。

【例②】

旅程 出発日 便名 出発時刻 到着時刻
HKT-BKK 10MAY(WED) TG218 19:15 20:40
BKK-NRT 11MAY(THU) TG642 23:45 07:40+1

この旅程は同じTG218とTG642便が含まれていますが、TG218からTG642への接続が24時間以上あいているため、BKK(バンコク)での途中降機扱いとなります。

そのため、国際航空運賃の計算の際、途中降機代金を加算しなければなりません。

このように日付けが異なっても、必ず接続時間もチェックしないと途中降機なのか、乗り継ぎなのかを把握することはできないため、注意が必要です。

問題を解く際の3つのチェック項目

これは全日空の「Value」の運賃規則表です。

問題を解く際の3つのチェック項目

問題を解く際の3つのチェック項目

実際の試験本番の際、国際航空運賃の問題を解くには時間がかかってしまいます。

練習ではできたのに本番になると焦ってしまうのは皆同じです。

国際航空運賃の問題は、必ず最初に3つのポイントを重点的にチェックしましょう。

3つのチェック項目

・予約・発券期限

必要旅行日数

・最長滞在日数

必ず最初にこの3つをチェックしましょう。

それにより、どの航空券運賃を適用できるのかが7割くらいはわかります。

  • 予約・発券期限=設問に記載の航空券の予約日や往路出発日をチェックする
  • 必要旅行日数=復路の現地出発日をチェックする
  • 最長滞在日数=往路と復路の出発日の期間をチェックする(往路に国内線がある場合は必ずチェック)

問題によってはさらにチェックが必要な場合もあります。

難易度が高い問題のチェック項目

・途中降機

・乗り換え

・経路規定

・結合可能運賃

「予約・発券期限」「必要旅行日数」「最長滞在日数」の3つをチェックしても、まだ航空券種別が絞れない場合は、途中降機や乗り換え、経路規定、結合可能運賃をチェックしましょう。

問題によっては、片道ごとに予約クラスや運賃種別が異なる場合があります。

  • 途中降機=旅程に何回途中降機が含まれるかチェック(乗り継ぎに注意)
  • 乗り換え=何回、そしてどこで乗り換えが可能かをチェック
  • 経路規定=コードシェア便が可能かどうかをチェック
  • 結合可能運賃=往復で運賃種別が異なってもよいかどうか、どの項目を往路と復路で適用するのかをチェック

項目が多くなりますが、焦らず1つずつ条件が合致するかをチェックすれば問題は解けます。

実際に運賃を計算する際は、必ず「運賃計算例外規定」の欄(上記全日空Valueには記載なし)をチェックし、マイルチェックHIPチェックをした上で計算します。

航空券の払い戻し

航空券の払い戻しについても試験では出題される可能性が高いです。

各航空券には必ず航空券の取消の際の「払い戻し」についての規定が記載されています。

上記の全日空「Value」の運賃規則表内の払い戻し規定には次のように記載がされています。

  • 払い戻し
    出発前 手数料20000円
    出発後 不可

文章を読むと、「出発前は手数料が20000円必要で出発後は払戻しが不可」ということが読み取れます。

本番の試験では次のように出題されます。

出題例

旅程の往復に全日空「Value」運賃を適用して航空券を発券した後、往路の最初の区間の予約便出発時刻までに取り消しの連絡を行わずに旅客の都合により旅行を中止して、1週間後の日に航空券の払い戻しの手続きをする場合、航空券の払い戻しに関する記述のうち、正しいものはどれでしょう?

1:全額払い戻しが行われる。
2:航空券が20000円の取消手数料を収受し、払い戻しが行われる。

3:払い戻しは不可である。

問題の文章を読むと「予約便出発時刻までに取り消しの連絡を行わずに」と記載があるため、払い戻し規定の「出発後」に該当すると思う人がほとんどだと思います。

しかし、航空券の規則では「実際に搭乗者が旅行に出発したのかどうか」がポイントになるため、上記の問題例では搭乗予定者は飛行機に乗って出発をしていないため、取り消しのタイミングが往路の予約便出発時刻の後でも「出発前」として取り扱われ、払い戻し規定の出発前の「手数料20000円」となり、問題例の回答は「2」ということになります。

払い戻しのポイント

実際に搭乗者が旅行に出発したのかどうかをチェックする

以上となります。

総合旅行業務取扱管理者の国家試験の中でも点数を落とせないのが国際運賃計算の問題です。

ポイントをおさえた上で、焦らず問題を解きましょう。

試験当日の朝に過去問題を1問か2問解いてから、試験会場に向かいましょう。

それでは、良い一日を!