【令和2年度】総合旅行業務取扱管理者試験の過去問を解説・法令編

※本ページは広告が含まれています。
※本ページは広告が含まれています。
【令和2年度試験】総合旅行業務取扱管理者の過去問を解説! 総合・国内旅行業務取扱管理者

総合旅行業務取扱管理者の試験勉強をしてるけど、過去問の解答はあっても解説がないからだれか教えてくれないかな。

この記事は、そんな疑問に答えます。

こんにちは、ツバサです。

総合旅行業務取扱管理者の試験勉強をしていると必ずやることが過去問を解くです。

日本旅行業協会(JATA)のホームページに過去5年分のデータがありますが、解答はあっても解説がないという受験生にとってはとても気になるところです。

この記事では、令和2年度に実施された総合旅行業務取扱管理者試験の過去問解説と問題を解く際のテクニックについて紹介したいと思います。

この記事を書いている人

ブログ運営者のツバサが書いています。
次の旅行関係の資格を持っています。

  • 総合旅行業務取扱管理者
  • 国内旅行業務取扱管理者
  • 旅程管理主任者(国内)
  • 旅行サービス手配業務取扱管理者
  • インバウンド実務主任者
  • インバウンドビジネスクリエイター

★関連記事★
【2024年】旅行業務取扱管理者の通信・通学講座6社を比較

☆令和5年度版☆
☆合格者が作ったツナグ旅オリジナル☆
☆直前対策向け教材&問題集☆
累計販売数1,000部突破

合格者のツバサ自身が試験勉強をもとに
ポイントまとめや問題集を作りました

<合格者の声>
こちらから

【国内地理オリジナル問題集】
購入はこちらから

【法令・約款ポイントまとめ】
購入はこちらから

【海外地理オリジナル問題集】
購入はこちらから

【JR運賃計算オリジナル問題集】
購入はこちらから

★ツナグ旅大学インスタグラム★
フォローするだけで
総合・国内旅行業務取扱管理者の問題を
ストーリーのクイズで勉強ができます

ツナグ旅大学をフォローする

総合旅行業務取扱管理者の過去問解説:法令編

総合旅行業務取扱管理者試験の科目の中でも点数をしっかりと取らなければいけないのが「法令」の問題です。

配点は4点x25問=100点となっており、6割以上の点数を取らなければいけません。

それでは、令和2年度の総合旅行業務取扱管理者試験の「法令」の問題について解説していきます。

※引用:一般社団法人 日本旅行業協会

法令の問題①:旅行業法の目的

問1. 次の記述から、「法第 1 条(目的)」に定められているものだけをすべて選んでいるものはどれか。

(ア) 旅行業等を営む者が組織する団体の適正な活動の促進
(イ) 旅行業務に関する取引の公正の維持
(ウ) 旅行業等を営む者の利便の増進
(エ) 旅行業等を営む者の業務の適正な運営の確保

a. (ア) (イ) b. (イ) (ウ) c. (ア) (イ) (エ) d. (ア) (ウ) (エ)

答え:c

問題①の解説

(ウ)の選択肢は、旅行業等を営む者の利便の増進が誤り。利便の増進は旅行者のためであり、旅行業者のためではない。
旅行業法の目的では必ず6個の目的を覚えること。

【旅行者のため】

  1. 取引の公正の維持
  2. 旅行の安全の確保
  3. 旅行者の利便の増進

【旅行会社のため】

  1. 登録制度
  2. 業務の適正な運営を確保
  3. 団体の適正な活動を促進

法令の問題②:登録の拒否事由

問2. 次の記述のうち、旅行業又は旅行業者代理業の登録の拒否事由に該当しないものはどれか。

a. 法人であって、その役員のうちに申請前5年以内に道路交通法に違反して、罰金の刑に処せられた者があるもの
b. 暴力団員等がその事業活動を支配する者
c. 精神の機能の障害により旅行業又は旅行業者代理業を適正に遂行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
d. 旅行業者代理業を営もうとする者であって、その代理する旅行業を営む者が以上であるもの

答え:a

問題②の解説

(a)の選択肢は、道路交通法に違反しての罰金刑は旅行業登録の拒否事由には該当しない。罰金刑に関しては、旅行業法に違反したことによる罰金刑のみ登録の拒否事由となる。

法令の問題③:営業保証金

問3. 営業保証金に関する次の記述から、正しいものだけをすべて選んでいるものはどれか。

(ア) 旅行業者代理業者は、所属旅行業者を通じて、当該所属旅行業者の主たる営業所の最寄りの供託所に、営業保証金を供託しなければならない。
(イ) 営業保証金の額は、国土交通省令で定める場合を除き、前事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引額に応じ、登録業務範囲の別ごとに定められている。
(ウ) 旅行業者は、営業保証金の供託をした旨を登録行政庁に届出をした後でなければ、その事業を開始してはならない。

a. (ア) (イ) b. (ア) (ウ) c. (イ) (ウ) d. (ア) (イ) (ウ)

答え:c

問題③の解説

(ア)の選択肢は、旅行業代理業者が営業保証金の供託の手続きを行うことが誤り。旅行業代理業者は営業保証金の供託の手続き自体がありません。

法令の問題④:旅行業務取扱管理者

問4. 旅行業務取扱管理者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

a. 複数の営業所を通じて1人の旅行業務取扱管理者を選任することができるのは、地域限定旅行業者又は地域限定旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者であって、国土交通省令で定める要件を満たす場合に限られる。
b. 本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所においては、必ず、総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者で、法第6条第1項第1号から第6号までのいずれにも該当しない者を旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。
c. 旅行業者等は、その営業所の旅行業務取扱管理者として選任した者の全てが欠けるに至ったときは、新たに旅行業務取扱管理者を選任するまでの間は、その営業所において旅行業務に関する契約を締結してはならない。
d. 旅行業者等は、旅行業務取扱管理者について、5年ごとに、旅行業務に関する法令、旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため、旅行業協会が実施する研修を受けさせなければならない。

答え:b

問題④の解説

(b)の選択肢は、「本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所においては、必ず、総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者」内にある「必ず」という表現が誤り。

法令の問題⑤:旅行業務取扱管理者

問5. 次の記述のうち、旅行業務取扱管理者が管理及び監督しなければならない職務として定められていないものはどれか。

a. 法第12条の5の規定による書面の交付に関する事項
b. 法第12条の7及び法第12条の8の規定による広告に関する事項
c. 法第12条の9の規定による標識の掲示に関する事項
d. 旅行に関する苦情の処理に関する事項

答え:c

問題⑤の解説

(c)の選択肢は、標識の掲示については職務に含まれていない。
職務は全部で10個。必ず出題されるため、全て暗記する必要があります。

  1. 旅行に関する計画の作成
  2. 料金の掲示
  3. 旅行業約款の掲示および備え置き
  4. 取引条件の説明
  5. 書面の交付
  6. 広告に関する事項
  7. 企画旅行の円滑な実施のための措置
  8. 苦情の処理
  9. 契約の内容に関わる重要な事項についての明確な記録または関係書類の保管
  10. 取引の公正、旅行の安全および旅行者の利便を確保するため必要な事項として観光庁長官が定める事項

法令の問題⑥:旅行業務取扱料金

問6. 旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)に関する次の記述から、正しいものだけをすべて選んでいるものはどれか。

(ア) 旅行業者は、旅行業務の取扱いの料金をその営業所において、旅行者に見やすいように掲示しなければならない。
(イ) 旅行業者代理業者は、自ら旅行業務の取扱いの料金を定めて、その営業所において旅行者に見やすいように掲示しなければならない。
(ウ) 旅行業務の取扱いの料金は、契約の種類及び内容に応じて定率、定額その他の方法により定められ、旅行者にとって明確なものでなければならない。
(エ) 旅行業者は、事業の開始前に、旅行業務の取扱いの料金を定め、登録行政庁に届け出なければならない。

a. (ア) (イ) b. (ア) (ウ) c. (ア) (イ) (エ) d. (イ) (ウ) (エ)

答え:b

問題⑥の解説

(イ)の選択肢は、旅行業代理業者が取扱料金を定めると記載しているため誤り。旅行業代理業者は取扱料金を定めることはできない。
(エ)の選択肢は、取扱料金の届出が誤り。取扱料金は登録行政庁への届出や認可は不要。

法令の問題⑦:旅行業約款

問7. 旅行業約款に関する次の記述から、誤っているものだけをすべて選んでいるものはどれか。

(ア) 登録行政庁が旅行業約款を認可するときの基準の一つとして、旅行業者の正当な利益を害するおそれがないものであることが定められている。
(イ) 旅行業者が現に認可を受けている旅行業約款について、契約の解除に関する事項を変更する場合は、登録行政庁の認可を受ける必要はない。
(ウ) 旅行業者代理業者は、所属旅行業者の旅行業約款をその営業所において、旅行者に見やすいように掲示し、又は旅行者が閲覧することができるように備え置かなければならない。
(エ) 旅行業者が、標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めたときは、その旅行業約款については、登録行政庁の認可を受けたものとみなされる。

a. (ア) (イ) b. (ア) (エ) c. (ウ) (エ) d. (ア) (イ) (ウ)

答え:a

問題⑦の解説

(ア)の選択肢は、旅行業者の正当な利益を害するおそれがないものであることが誤り。旅行者の正当な利益を害するおそれがないことが正しい。
(イ)の選択肢は、契約の解除に関する事項を変更した場合は認可を受ける必要がないが誤り。契約の解除に関しての変更は必ず認可を受ける必要がある。

法令の問題⑧:取引条件の説明

問8. 取引条件の説明、及び取引条件の説明をする際に交付する国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

a. 旅行業者等は、対価と引換えに旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合でも、旅行者に対し取引条件の説明書面を交付しなければならない。
b. 旅行業者は、旅行に関する相談に応ずる行為に係る旅行業務について契約を締結しようとするときは、取引条件の説明をしなければならない。
c. 旅行業者等は、書面に代えて、当該書面に記載すべき事項を国土交通省令・内閣府令で定める情報通信の技術を利用する方法により提供するときは、あらかじめ旅行者の承諾を得ることを要しない。
d. 旅行業者等は、旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては、旅行地における企画者との連絡方法を記載した書面を交付しなければならない。

答え:b

問題⑧の解説

(a)の選択肢は、対価と引換えに旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合は取引条件の説明書面の交付は不要。

(c)の選択肢は、書面に代えて症状通信の技術を利用する方法で提供する時はあらかじめ旅行者の承諾を得る必要がある。
(d)の選択肢は、旅行地における企画者との連絡方法を記載した書面を交付しなければならないのは取引条件の書面ではなく、契約書面での記載事項となる。

法令の問題⑨:外務員証

問9. 外務員に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

a. 外務員とは、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、旅行業者等の役員又は使用人のうち、その営業所以外の場所でその旅行業者等のために旅行業務について取引を行う者をいう。
b. 外務員は、旅行者から請求があったときに限り、国土交通省令で定める様式による外務員の証明書を提示しなければならない。
c. 旅行業者等は、外務員の証明書を携帯させた者でなければ、外務員としての業務に従事させてはならない。
d. 外務員は、旅行者が悪意であったときを除き、その所属する旅行業者等に代わって、旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなされる。

答え:b

問題⑨の解説

(b)の選択肢は、旅行者から請求があった時に限りが誤り。外務員証の提示は、営業所以外の場所で旅行業務の取引を行う者は請求の有無にかかわらず必ず提示が必要。

法令の問題⑩:企画旅行の円滑な実施

問10. 企画旅行の円滑な実施のための措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

a. 旅行業者は、企画旅行を実施する場合においては、当該旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならない。
b. 旅行業者は、旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行開始前に必要な予約その他の措置を講じなければならない。
c. 旅行業者は、本邦内の旅行であって、契約の締結前に旅行者に旅程管理のための措置を講じない旨を説明し、かつ、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合は、当該サービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続きの実施その他の措置を講じることを要しない。
d. 旅行業者は、本邦外の旅行についても、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合は、旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続きの実施その他の措置を講じることを要しない。

答え:d

問題⑩の解説

(d)の選択肢は、本邦外の旅行についてはサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合でも代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続きの実施その他の措置を講じる必要がある。

法令の問題⑪:受託契約

問11. 受託契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

a. 受託契約においては、委託旅行業者を代理して契約を締結することができる受託旅行業者又はその受託旅行業者代理業者の営業所を定めておかなければならない。
b. 旅行業者代理業者は、その所属旅行業者の承諾を得れば、他の旅行業者と直接受託契約を締結することができる。
c. 旅行業者は、他の旅行業者が実施する企画旅行を取り扱う際には、当該他の旅行業者の旅行業者代理業の登録を受けた上で、受託契約を締結しなければならない。
d. 地域限定旅行業者は、第1種旅行業者を委託旅行業者とする受託契約を締結することはできない。

答え:a

問題⑪の解説

(b)の選択肢は、旅行業代理業者は他の旅行業者と直接受託契約は締結できないが正しい。
(c)の選択肢は、旅行業者が受託契約を締結する場合は旅行業者代理業の登録は不要が正しい。
(d)の選択肢は、地域限定旅行業者でも第1種旅行業者と受託契約が締結できる。

法令の問題⑫:業務改善命令

問12. 次の記述のうち、登録行政庁が旅行業者等に命ずることができる措置(業務改善命令)として定められていないものはどれか。

a. 旅行業務の取扱いの料金又は企画旅行に関し旅行者から収受する対価を変更すること。
b. 旅行業務取扱管理者を解任すること。
c. 旅程管理のための措置を確実に実施すること。
d. 旅行業協会の保証社員になること。

答え:d

問題⑫の解説

(d)の選択肢は、旅行業協会の保証社員になることは業務改善命令に含まれていない。業務改善命令は6個。必ず覚えましょう。

  1. 旅行業務取扱管理者の解任
  2. 取扱料金や収受する対価の変更
  3. 旅行業約款の変更
  4. 旅程管理の措置を確実な実施
  5. 旅行者に生じた損害を賠償するための保険契約を締結
  6. 業務の運営の改善に必要な措置

法令の問題⑬:旅行サービス手配業

問13. 旅行サービス手配業に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

a. 地域限定旅行業者は、旅行サービス手配業の登録を受けてなくても、旅行サービス手配業務を取り扱うことができる。
b. 旅行サービス手配業者は、国土交通省令で定める要件を満たす場合、複数の営業所を通じて1人の旅行サービス手配業務取扱管理者を選任することができる。
c. 旅行サービス手配業務取扱管理者が管理及び監督すべき職務として、旅行に関する計画の作成に関する事項が定められている。
d. 旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務を他人に委託する場合においては、他の旅行サービス手配業者のみに委託しなければならない。

答え:a

問題⑬の解説

(b)の選択肢は、旅行サービス手配業務取扱管理者は複数の営業所の兼任が不可が正しい。
(c)の選択肢は、旅行サービス手配業務取扱管理者の職務に旅行に関する計画の作成は含まれていないが正しい。
(d)の選択肢は、旅行サービス手配業務を他人に委託する場合、他の旅行サービス手配業者または旅行業者に委託しなければならないが正しい。

法令の問題⑭:旅行業協会

問14. 次の記述から、旅行業協会が適正かつ確実に実施しなければならない業務として定められているものだけをすべて選んでいるものはどれか。

(ア) 旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する指導
(イ) 旅行業務に関し社員である旅行業者との取引で運送等サービスを提供した者に対しその取引によって生じた債権に関し弁済をする業務
(ウ) 旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業者等又は旅行サービス手配業者の取り扱った旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決
(エ) 訪日外国人旅行者の増加のための諸施策の推進

a. (ア) (ウ) b. (イ) (ウ) c. (ア) (イ) (エ) d. (イ) (ウ) (エ)

答え:a

問題⑭の解説

(イ)の選択肢は、運送等サービスを提供した者に対しその取引によって生じた債権に関し弁済をする業務は誤り。弁済業務は旅行者に対してのみ行われるが正しい。
(エ)の選択肢は、訪日外国人旅行者の増加のための諸施策の推進は旅行業協会の業務に含まれていない。

旅行業協会の業務は主に5個。

  1. 苦情の解決
    ※旅行者からの苦情および旅行業者以外のホテルや送迎会社などからの苦情も対応する
  2. 研修
    ※旅行業協会に所属していない旅行業者に対しても行う
  3. 弁済業務
    ※旅行業協会に所属している旅行業者に対してのみ行う
  4. 指導
    ※旅行業協会に所属していない旅行業者に対しても行う
  5. 取引の公正の確保、調査、研究、広報

法令の問題⑮:苦情の解決

問15. 旅行業協会が行う苦情の解決に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

a. 旅行業協会は、苦情の解決について申出があったときは、必ず文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めなければならない。
b. 旅行業協会は、旅行業務又は旅行サービス手配業務に関する苦情についての解決の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について、社員及び社員以外の旅行業者等に周知させなければならない。
c. 旅行業者等又は旅行サービス手配業者は、旅行業協会から苦情の解決について、文書若しくは口頭による説明、又は資料の提出の求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
d. 旅行業協会は、社員以外の旅行業者等が取り扱った旅行業務に関する苦情について、旅行に関するサービスを提供する者から、解決の申出があったときは、その相談に応じなければならない。

答え:d

問題⑮の解説

(a)の選択肢は、必ず文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めなければならないは誤り。必ずするのではなく、文書や口頭による説明を求めたり、資料の提出を求めることができるが正しい。
(b)の選択肢は、社員及び社員以外の旅行業者等に周知させなければならないは誤り。周知させるのは社員のみで、社員以外に周知させる義務はないが正しい。
(c)の選択肢は、正当な理由がないのに、これを拒んではならないは誤り。社員以外の旅行業者や旅行サービス手配業者は拒むことができる。(社員は正当な理由がない場合は拒むことはできない=正当な理由があれば拒むことができる)

法令の問題⑯:弁済業務保証金

問16. 弁済業務保証金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

a. 旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を実行しようとする旅行者は、その債権について旅行業協会の認証を受けなければならない。
b. 旅行業協会に加入しようとする旅行業者は、その加入しようとする日までに、弁済業務規約で定める額の弁済業務保証金分担金を旅行業協会の最寄りの供託所に供託しなければならない。
c. 保証社員又は当該保証社員を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と旅行業務に関し取引をした旅行者は、その取引によって生じた債権に関し、旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
d. 旅行業協会から還付充当金を納付するよう通知を受けた保証社員は、その通知を受けた日から7日以内に、その通知された額の還付充当金を旅行業協会に納付しないときは、旅行業協会の社員の地位を失う。

答え:b

問題⑯の解説

(b)の選択肢は、弁済業務保証金分担金を旅行業協会の最寄りの供託所に供託しなければならないは誤り。旅行業協会に納付するが正しい。

法令の問題⑰:旅行業の登録

問17. 報酬を得て、次の行為を事業として行う場合、旅行業の登録を受けなければならないものをすべて選びなさい。

a. 宿泊事業者が、インターネットを利用して予約を受け付け、自ら経営する旅館の宿泊サービスを提供する行為
b. 留学をあっせんする事業者が、留学希望者の依頼を受けて、国際線の航空券及びホテルを手配する行為
c. タクシー会社が、自社のタクシーを使用して、昼食付きの日帰りツアーを実施する行為
d. 結婚式場が、提携している旅行業者の募集パンフレットを配布し、旅行の申込みを受け付け、申込金を収受する行為

答え:b、d

問題⑰の解説

(b)の選択肢は、国際線の航空券とホテルの手配は旅行業に該当する。
(d)の選択肢は、旅行の申込みを受け付けてお金を収受しているため旅行業に該当する。

法令の問題⑱:旅行業の登録

問18. 旅行業又は旅行業者代理業の登録に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。

a. 旅行業の登録の有効期間は、登録の日から起算して5年である。
b. 旅行業者代理業者が、第3種旅行業への変更登録をしようとするときは、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に申請をしなければならない。
c. 第1種旅行業者の営業所において、選任されている旅行業務取扱管理者に変更があったときは、その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
d. 地域限定旅行業の登録を申請する者が、100万円以上の基準資産額を有しない場合は、登録を拒否される。

答え:a、d

問題⑱の解説

(b)の選択肢は、第3種旅行業への変更登録は誤り。新規登録申請が正しい。
(c)の選択肢は、観光庁長官に届け出なければならないは誤り。旅行業務取扱管理者の変更については届出の必要はない。

法令の問題⑲:契約書面

問19. 旅行業務に関し契約を締結したときに交付する書面に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。

a. 旅行業者等は、国土交通省令で定める場合を除き、旅行業務に関し取引をする者(旅行者を除く。)と旅行業務に関し契約を締結したときに遅滞なく交付する書面には、当該契約に係る旅行業務を取り扱う営業所の名称及び所在地を記載しなければならない。
b. 旅行業者等は、企画旅行契約を締結した場合で、旅程管理業務を行う者が同行しないときは、旅行地における企画者との連絡方法を書面に記載しなければならない。
c. 企画者以外の者が企画者を代理して旅行者と企画旅行契約を締結した場合は、その旨並びに当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに登録番号を書面に記載しなければならない。
d. 旅行に関する相談に応ずる行為に係る旅行業務について旅行者と契約を締結したときは、旅行業者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号を書面に記載しなければならない。

答え:a、b、c

問題⑲の解説

(d)の選択肢は、旅行相談業務については契約書面自体の交付は不要。

法令の問題⑳:広告の表示事項

問20. 次の記述のうち、企画旅行に参加する旅行者を募集するための広告の表示事項として定められているものをすべて選びなさい。

a. 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項
b. 旅程管理業務を行う者の同行の有無
c. 旅行中の損害の補償に関する事項
d. 旅行の目的地及び日程に関する事項

答え:a、b、d

問題⑳の解説

(c)の選択肢は、損害の補償については広告の表示事項に定められていません。
広告の表示事項は8個。

  1. 企画者の氏名又は名称、住所、登録番号
  2. 旅行の目的地及び日程
  3. 運送、宿泊又は食事のサービスの内容
  4. 対価(ツアー代金)
  5. 旅程管理業務を行う者の同行の有無
    (添乗員がいるかどうか)
  6. 最少催行人員
  7. 運送サービスが含まれる場合の輸送の安全
    (貸し切りバスツアーなど)
  8. 取引条件の説明

法令の問題㉑:誇大広告

問21. 次の記述のうち、旅行業務について広告するときに誇大表示をしてはならない事項として定められているものをすべて選びなさい。

a. 感染症の発生の状況その他の旅行地における衛生に関する事項
b. 旅行業者等の業務の範囲、資力又は信用に関する事項
c. 旅行者に対する損害の補償に関する事項
d. 旅行地の景観、環境その他の状況に関する事項

答え:a、b、c、d

問題㉑の解説

全て正しい。
誇大広告は8個。

  1. サービスの品質
  2. 旅行者の安全の確保
  3. 感染症の発生の状況その他の旅行地における衛生
  4. 景観、環境その他の状況
  5. 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価
  6. 旅行中の旅行者の負担
  7. 旅行者に対する損害の補償
  8. 旅行業者等の業務の範囲、資力又は信用

法令の問題㉒:禁止行為

問22. 旅行業者等がしてはならない行為に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。

a. 旅行業者等が、運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し、輸送の安全の確保を不当に阻害する行為は、禁止行為に該当する。
b. 旅行業者等は、旅行業務に関し取引した者に対し、いかなる理由があっても、その取引によって生じた債務の履行を遅延する行為をしてはならない。
c. 旅行業者等は、登録行政庁に届け出ていれば、その名義を他人に旅行業又は旅行業者代理業のために利用させることができる。
d. 旅行業者等は、旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反する行為を行うことをあっせんし、又はその行為を行うことに関し便宜を供与することは、禁止行為に該当する。

答え:a、d

問題㉒の解説

(b)の選択肢は、いかなる理由があっても、その取引によって生じた債務の履行を遅延する行為をしてはならないは誤り。正当な理由があれば遅延してもよいが正しい。
(c)の選択肢は、名義を他人に旅行業又は旅行業者代理業のために利用させることができるは誤り。名義貸しや営業の貸渡しは禁止行為に該当する。

法令の問題㉓:旅行業者代理業

問23. 旅行業者代理業に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。

a. 旅行業者代理業の登録の有効期間は、登録の日から起算して5年である。
b. 旅行業者代理業者は、旅行業務に関し取引をしようとするときは、所属旅行業者の氏名又は名称及び旅行業者代理業者である旨を取引の相手方に明示しなければならない。
c. 所属旅行業者は、いかなる場合も旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責めに任ずる。
d. 旅行業者代理業者は、その行う営業が旅行業であると誤認させ、又は所属旅行業者を誤認させるような表示、広告その他の行為をしてはならない。

答え:b、d

問題㉓の解説

(a)の選択肢は、旅行業者代理業者は登録の有効期間はない。
(c)の選択肢は、旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責めに任ずるは誤り。所属旅行業者が旅行業者代理業者に対し、相当の注意をし、損害発生の防止に努めた時はその限りではないが正しい。

法令の問題㉔:取消事由

問24. 次の記述のうち、登録の取消しの事由に該当するものをすべて選びなさい。

a. 旅行業者等が、下請代金支払遅延等防止法若しくは同法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
b. 旅行業者等が、引き続き年以上事業を行っていないと認められるとき。
c. 旅行業者等の役員が、公職選挙法に違反して罰金の刑に処せられたとき。
d. 旅行業者等が、不正の手段により新規登録を受けたとき。

答え:b、d

問題㉔の解説

(a)の選択肢は、下請代金支払遅延等防止法若しくは同法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反しても旅行業登録の取消事由にはならない。

(c)の選択肢は、役員が公職選挙法に違反して罰金の刑に処せられても旅行業登録の取消事由にはならない。

法令の問題㉕:雑則及び罰則

問25. 雑則及び罰則に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。

a. 観光庁長官は、法令違反行為を行った者に意見を述べる機会を与えなくても、当該法令違反行為を行った者の氏名を一般に公表することができる。
b. 観光庁長官は、法令に基づき必要かつ適当であると認めるときは、旅行業法又は旅行業法に基づく命令に違反する行為を行った者の氏名又は名称を、必ずインターネットにより一般に公表しなければならない。
c. 登録行政庁の行う登録を受けず旅行業又は旅行業者代理業を営んだ者は、1年以下の懲役若しくは 100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
d. 観光庁長官の行う登録を受けず旅行サービス手配業を営んだ者又は不正の手段により旅行サービス手配業の登録を受けた者については、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、罰金刑を科する。

答え:d

問題㉕の解説

(a)の選択肢は、法令違反行為を行った者に意見を述べる機会を与えなくてもは誤り。出頭を求めて、釈明及び証拠の提出の機会を与えるが正しい。

(b)の選択肢は、必ずインターネットにより一般に公表しなければならないは誤り。インターネットに限らず、一般に公表することができるが正しい。

(c)の選択肢は、登録行政庁の行う登録を受けずは誤り。観光庁長官の行う登録を受けずが正しい。

総合旅行業務取扱管理者試験の法令対策をするには?

総合旅行業務取扱管理者試験の法令対策をするには

総合旅行業務取扱管理者試験の法令は、選択肢が長く、単語や言い回しがとても難しいです。

試験対策としては6つあります。

  • 法令の条文を全部覚えようとしないこと(出題されるところが決まっているため)
  • 言い回しに注意すること
  • 問題の説明文にキーワードが必ず書かれているため、それから記憶を引っ張り出すこと
  • 問題の選択肢で正しいものは必ず読み込んで覚えること
  • 誤りの選択肢のどこが間違っているかを調べること
  • 法令の改正に気を付ける(過去問やる時も注意)

これらを意識しながら勉強すると法令の試験対策がうまくできるようになります。

法令の出題ポイントを把握することや法改正の対応などは市販のテキストだけの独学では難しいこともあるため、一発合格したい人は通信講座の受講や資格学校の通学ができるなら、検討をした方がよいです。

2,000円程の市販のテキストを使って苦労しながら試験勉強するか、自己投資も含めて数万円を使って通信講座や資格学校で効率よく勉強をするかの2択であれば、後者の方が圧倒的に合格に近道です。

僕は都内に住んでいることもあり、週末の土曜日だけ資格学校に通学し、平日や日曜日は家で勉強してました。

最後に独学、通信講座、通学の3つの違いを表で紹介します。

★関連記事★
【2024年】旅行業務取扱管理者の通信・通学講座6社を比較

比較 通学講座 通信講座 独学
勉強スケジュール
解説の手寧さ
解く問題の数
講師への質問
動画コンテンツ
スマホ学習アプリ
試験のポイント
法改正の対応
模試

以上となります。

法令の過去問をしっかりと理解して、選択肢の長さや出題傾向などの特徴をしっかりと理解しましょう!

約款の過去問解説は下記リンクから。

★約款の過去問解説★
【令和2年度】総合旅行業務取扱管理者の過去問を解説・約款編

それでは、良い一日を!