【旅行会社社員が教える】旅行会社の手配ミスによるトラブル事例

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【旅行会社社員が教える】旅行会社の手配ミスによるトラブル事例 旅行会社&旅行業界

旅行会社を使って海外旅行をしたいけど、旅行会社の手配ミスのトラブルはあるのかな。航空券や宿泊の手配ミスの話は聞いたことがあるけど、一体どんな手配ミスなんだろう。

この記事は、そんな疑問に答えます。

本記事の内容
  • 旅行会社の手配ミスによるトラブルは意外に多い?
  • 旅行会社の手配ミスによる実際のトラブル事例
  • 旅行会社の手配ミスの際の対応

こんにちは、ツバサです。

海外旅行に行く際、パッケージツアーを旅行会社に申し込むことがあると思いますが、稀に旅行会社側の手配ミスにより、旅行内容を変更せざるを得ない時があります。

旅行前の最高潮に気分が盛り上がっている時に手配ミスが発覚すると気分はまさに急降下。

そんな経験をした人が少なからずいるかもしれません。

僕自身、旅行業界で長く働いていますが、手配ミスによるトラブルをたくさん経験してきました。

小さなミスから大きなミスまで様々です。

空港までお詫びに行ったことやお客様の自宅までお詫びに行ったこともあります。

この記事では、「旅行会社の手配ミス」に関して詳しく解説したいと思います。

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旅行会社の手配ミスによるトラブルは意外に多い?

旅行会社の手配ミスによるトラブルは意外に多い?

海外旅行の際、手配によるトラブルを経験している人は全体の10%くらいと言われています。観光産業ニュースを発信しているトラベルボイスにも以前記事が出ていました。

関連記事★
外部サイト:海外旅行の手配トラブル経験者は1割、最多は「飛行機、宿泊先の手配ミス」 ―日本法規情報

主に飛行機や宿泊先の手配ミスや飛行機や宿泊先の環境が伝えられていたものと異なったというトラブルが多いようです。

飛行機の手配ミスでは、予定していた日に出発できないこともあり、旅行自体を取り消さなければならない場合があります。また、手配ミスによりマイレージが付かなかったなどもあります。

ホテルの手配ミスに関しては、折角事前にたくさん悩んで決定したホテルを直前になって変更しなければならず、事前に考えていた「やることリスト」を一から考え直さなければならない場合があります。

10%の人が旅行会社の手配ミスによるトラブルを経験しているとなると、10人に1人の割合で起こっているということです。そう考えると、トラブルの頻度は比較的多い印象です。

旅行会社の手配ミスによる実際のトラブル事例

旅行会社の手配ミスによる実際のトラブル事例

旅行会社の手配ミスには様々な種類があります。ここでは、僕の旅行業界での経験から具体的な事例を紹介します。

航空券の手配ミス:日付け間違い

航空券を予約する際、搭乗者のローマ字の名前の一文字違いなどのトラブルが有名ですが、意外に多いトラブルは深夜便利用の際の日付け間違いです。

「日付け間違い」
最近では深夜に日本を出発するフライトが非常に多くなりました。中距離路線の場合、早朝に現地に到着するため、現地では朝からアクティブに行動できます。そのため、深夜便需要が非常に高まってきました。その深夜便というのは、深夜0時30分などの日付けが変わった後に出発することが多いです。航空券の予約の際、「5月1日の深夜に出発したい」と旅行会社に伝えたところ、航空券の予約は5月1日の0時30分のフライトを予約され、出発当日まで間違いに気付かないということがあります。「5月1日の深夜」というのは一般的には5月1日の23時や24時の解釈となります、5月1日の0時30分のフライトの場合、実際には4月30日の夜には空港に行かなければなりません。

航空券の手配ミス:経由フライトの間違い

航空券の手配ミスに経由便のフライトを誤って予約してしまう手配ミスもあります。

「経由フライトの間違い」
旅行会社が航空券予約システムで飛行機の予約をする際に「日付け」「区間」「航空会社」の情報を入力し、該当のフライトを検索します。直行便が飛んでいる区間であれば、直行便が優先して検索結果に表示されるのですが、稀にどこかを経由していく便も直行便のような表示の仕方をすることがあり、誤って経由便のフライトを予約してしまうことがあります。なぜ直行便のような表示の仕方をするのかというと、出発空港⇒経由地⇒最終目的地までの全区間を同じフライト便名で飛んでいるためです。

航空券の手配ミス:発着地間違い

航空券の予約システムを使用していると、フライトの検索結果画面にいくつかのフライトパターンが表示されます。その際に発着地を誤って予約してしまうことがあります。

「発着地間違い」
予約すべき航空券が「成田発着」のフライトだった場合、航空券の予約システムでは往路は「成田から〇〇都市」、復路は「〇〇都市から成田」というようにそれぞれフライトを検索します。その際、往路は成田発〇〇都市行きのフライトに空席があり予約が可能でしたが、復路は〇〇都市発成田行きのフライトが満席の表示になっており、2つ目に表示されたフライトパターンに空席があったため、そのフライトを予約しました。しかし、その2つ目のフライトは成田行きのフライトではなく、羽田行きのフライトでした。このように表示されたものが全て成田行きのフライトと思い込んだことにより、誤って航空券を予約してしまう手配ミスとなります。

航空券の手配ミス:MCT割れ

最近「MCT」に関する手配ミスは少ないと思いますが、航空券を予約する際、乗継便利用であれば、乗り継ぎ地の空港での「最低乗り継ぎ時間」が必ず定められています。

「MCT]とは?
MCTとは「Minimum Connecting Time」の略で最低乗り継ぎ時間の意味となります。各空港ではフライトの乗り継ぎの際に最低〇〇時間は確保して乗り継ぎをしてくださいというルールがあります。そのMCTのルールはターミナルごと、航空会社ごと、国際線・国内線ごとに全て決められています。

例えば、タイ・バンコクの空港で乗り継ぎをする場合、国際線から国内線に乗り継ぎをするのであれば、MCTを2時間以上あけてくださいというようなルールとなります。

航空券の予約システムでフライトを検索する際、MCTを守ったフライトしか検索結果に表示されないため、基本的には問題ありません。

しかし、区間ごとでフライトを検索し、バラバラで航空券を予約した場合、MCTを割っているケースがあります。例えば、MCTが2時間必要でも実際に予約した航空券の乗り継ぎ時間は1時間半しかなかったなど。

その場合、乗り継ぎができなかったとしても航空会社は補償しません。

航空券の手配ミス:経験からくる「コミット」

これは旅行会社あるあるの1つです。「コミット」という言葉は、旅行会社ではよく使われる言葉です。その意味は次の通りです。

「コミット」とは?
航空券の残席がないにも関わらず、長年の経験から後日空席が出ると予想し、顧客には予約OKと伝えること。

とても危険だ!」「空いていないのに予約を受け付けているのか!」と思うかもしれませんが、これは旅行会社あるあるです。

旅行会社のスタッフは過去の経験からこの「コミット」をしていますが、最終的にはほとんどの座席を確保しています。しかし「ほとんど」です。

稀に空席が出ない時があり、その場合はエコノミークラスでも料金の高い航空券で予約をすることがあります。同じエコノミークラスのため、顧客には全くバレません。ただし、本当に取れない時は、最悪ビジネスクラスを取る時もあります。その時は顧客側がラッキーです。

また、最終的に予約が取れない時は、別の航空会社で代案提示をする時があります。その際は、マイレージの問題なども発生し、問題を大きくしてしまいます。

旅行会社の手配ミスの際の対応

旅行会社の手配ミスの際の対応

旅行会社の手配ミスは「旅程保証」対象?

旅行会社の手配ミスの際、よくある誤解が「旅程保証」についてです。

国土交通省が定めている「標準旅行約款・募集型企画旅行契約の部」では、次のように記載があります。(一部を抜粋します)

第七章 責任
(当社の責任)
第二十七条 当社は、募集型企画旅行契約の履行に当たって、当社又は当社が第四条の規定に基づいて手配を代行させた者(以下「手配代行者」といいます。)が故意又は過失により旅行者に損害を与えたときは、その損害を賠償する責に任じます。ただし、損害発生の翌日から起算して二年以内に当社に対して通知があったときに限ります。

(旅程保証)
第二十九条 当社は、別表第二上欄に掲げる契約内容の重要な変更(次の各号に掲げる変更(運送・宿泊機関等が当該旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず、運送・宿泊機関等の座席、部屋その他の諸設備の不足が発生したことによるものを除きます。)を除きます。)が生じた場合は、旅行代金に同表下欄に記載する率を乗じた額以上の変更補償金を旅行終了日の翌日から起算して三十日以内に支払います。ただし、当該変更について当社に第二十七条第一項の規定に基づく責任が発生することが明らかである場合には、この限りではありません。

一 次に掲げる事由による変更
イ 天災地変
ロ 戦乱
ハ 暴動
ニ 官公署の命令
ホ 運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止
ヘ 当初の運行計画によらない運送サービスの提供
ト 旅行参加者の生命又は身体の安全確保のため必要な措置

引用:日本旅行業協会・標準旅行約款

つまり、旅行会社の手配ミスについては「旅程保証」は適用されず、損害賠償責任になるということです。そのため、損害賠償請求をしましょう。

「旅程保証」とは?
旅程保証とは、募集型企画旅行および受注型企画旅行において、契約書面どおりにサービスの提供がなされなかった場合に、旅行会社が旅行者に対し変更補償金を支払う、標準旅行業約款に定められた旅行会社の責任の一つで、天災地変などの免責事由以外で、契約書面に記載された航空会社やホテルなどのオーバーブックによる変更や、旅行サービスの中止などがその対象となり、旅行業者の無過失責任に伴う見舞金の性格がある。

商品の品質の高さを示す観点から、旅程保証の変更補償金の支払い利率を高めに設定している旅行会社もある。自家保険で対応する旅行会社がほとんど。なお、旅行会社または手配代行会社が故意または過失により、旅行者に損害を与えた場合や内容に重要な変更が生じた場合は、旅程保証ではなく損害賠償の対象となる。

引用:JTB総合研究所

旅行会社の手配ミスの告知は出発の1~2週間前

旅行会社が手配ミスをしてしまった場合、顧客にどのタイミングで伝えるかというと、出発の1~2週間前がほとんどです。

なぜなら、出発の1~2週間前には「最終日程表」の送付作業があるためです。最終日程表は確定書面となるため、その前に手配ミスの告知をするということです。

実際に旅行会社の手配ミスの経験がある方は、出発の1~2週間前に告知をされたことがほとんどかと思います。そのため、出発直前に気分を害されるというような状況になってしまうわけです。

最後は割り切るしかない

旅行会社も人の子です。手配ミスをしてはいけない立場ですが、人が作業を行っている以上、ミスは出てしまうものです。

もし旅行会社の手配ミスに直面してしまったら、まずは損害賠償請求をしましょう。明らかに金銭面で差が出るような内容であれば、差額分は必ず返金してもらいましょう。

ホテルの手配ミスの場合は、客室カテゴリーを上げてもらうことやホテル内でのプライベートディナーを特別にアレンジしてもらうなどの交渉がよいと思います。それらは現実的に旅行会社が補償としてできそうなことです。

あとは最後は割り切るしかありません。手配ミスの告知が出発間近ということもあり、この状況から少しでもプラスにもっていき、旅行の出発日を迎えたいものです。

以上となります。

旅行会社の手配ミスは様々です。旅行会社の過失によるミスもありますが、航空会社やホテル側の手違いでトラブルになるケースもあります。出発間近に手配ミスを告知されてしまったら、そこからポジティブにどう持っていくかは自分次第です。

旅の思い出は後々思い返せば全て笑い話です!

それでは、良い一日を!