今、旅行会社で働いているけど、本当大変だ。。。。。正直退職したい。。。旅行会社を退職した人にはどんな理由があるんだろう。。。。。
この記事は、そんな疑問に答えます。
✔ 本記事の内容
- 旅行会社入社前の熱い想い
- 旅行会社の理想のキャリア像
- 旅行会社を退職したい理由
- 旅行会社を退職した後の転職
こんにちは、ツバサです。
僕自身、旅行業界に15年以上携わっていますが、「旅行会社は夢を売る仕事だ!」とよく言ったものです。しかし、現実は「形のない商品」を販売する旅行会社は意外と地味です。
僕が旅行会社を退職した理由は、旅行会社の大変さとかではなく、海外赴任後、日本の本社側が成長していないと感じ、そして海外赴任の経験を活かせないと思い、退職をしました。しかし、旅行会社の業務は今でも好きです。
旅行業界は退職率が高いとよく言われますが、確かにそうかもしれません。若手とベテランの社員の二極化が起こり、中堅社員が中抜けしているような旅行会社は非常に多いです。
この記事では、「旅行会社の退職理由」について詳しく解説したいと思います。
旅行会社入社前の熱い想い
今では大学3年生になれば就職活動をスタートしますが、旅行業界を目指す学生もたくさんいます。就職情報サイトのマイナビ2020と日本経済新聞のスペシャルコンテンツで発表された2019年卒版・就職企業ランキング「文系総合ランキング」ではトップ10に旅行業界が2社も入っていました。
1位 | 全日本空輸(ANA) |
2位 | 日本航空(JAL) |
3位 | 東京海上日動火災保険 |
4位 | JTBグループ |
5位 | オリエンタルランド |
6位 | エイチ・アイ・エス(H.I.S) |
7位 | ソニー |
8位 | 損害保険ジャパン日本興亜 |
9位 | 伊藤忠商事 |
10位 | 資生堂 |
このように旅行業界はとても人気があり、たくさんの人が「夢を売る仕事」に携わりたいということがわかります。
旅行会社への入社前には、カウンターセールスで旅行を販売したい、ツアープランナーとして旅行を企画したい、ツアーコンダクターとして添乗をしたいなどの希望を持っていると思います。また、この国が好きだからこの国のツアーを作りたいなど、とても具体的な想いを持っている人もいると思います。
旅行会社の理想のキャリア像
旅行会社での理想のキャリアを考えた場合、僕の経験上、次のようなキャリアを目指すと旅行業の醍醐味を全て経験することができると思います。
【旅行会社での理想のキャリア】
入社1~3年目 | カウンターセールスで顧客対応を経験することで、旅行の販売の面白さ、大変さを学ぶ。 |
入社4~6年目 | ツアープランナーとして旅行企画に携わることで旅行がどのように作られるのかを学ぶ。また仕入れ業務にも携わることで取引先との商談も経験する。 |
入社7~9年目 | 海外支店あるいは海外の旅行会社で働き、現地で日本人観光客の受け入れを経験する。また、海外に身を置き、他国のマーケットと競合する経験をする。 |
このような順序を踏んでいけば、旅行会社の業務を十分に楽しむことができると思います。旅行を「売る」「企画する」「現地斡旋する」、この3つを経験できればどの旅行会社に行ってもやっていけると思います。
旅行会社を退職したい理由
旅行業界は退職率が高いと言われますが、一体どのような退職理由があるのかを見ていきましょう。
- 希望の部署に配属されなかった
- 残業が非常に多い
- ルーティンワークに将来性がない
- クレームが多い
- 給料が上がらない
希望の部署に配属されなかった
旅行会社に入社後、担当部署へ配属されますが、配属の際にモチベーションを下げてしまう社員がいます。その理由は「担当部署の取り扱うデスティネーションが好きではないから」という理由です。
僕も入社後の配属では希望していた担当部署に配属されませんでした。希望は留学をしていたオーストラリアのあるオセアニア地区を希望していたのですが、実際の配属はアジア課でタイやベトナム、カンボジアなど旅行をしたこともない国を取り扱う部署でした。
このように学生の頃に思い入れがある国を販売したり、企画したりするイメージが強すぎるあまり、配属後の部署によっては大きくモチベーションを下げてしまいます。
また、大手旅行会社の場合はグループ会社にホールセールの会社やランドオペレーターの会社があり、入社後の配属先がグループ会社になることで大きなギャップを感じてしまうこともあります。
残業が非常に多い
旅行会社は「夢を売る」仕事と言われますが、実際の業務はとても地味です。
旅行という「形のないもの」を販売するために、カウンター接客に出たり、電話やメールでやり取りをしたりと忙しく日中を過ごす一方で、お客様に送る予約確認書や最終日程表を作成したりと事務作業が非常に多い職業です。
また、旅行会社の規模によっては、「製販分離」の体制なのか、あるいは「製販一体」の体制なのかによっても業務量が非常に変わってきます。
旅行繁忙期の予約の受け付け期間は、日中は朝から晩まで接客対応に追われます。カウンター接客が絶えず、デスクに戻ると電話が鳴りっぱなしなんていうこともあります。営業時間が終わり、ようやく事務作業に取り掛かれる状態になり、残業中に最終日程表を一件一件作成して、気付けば終電前ということもあります。
残業が多い場合、折角の休みの日も廃人のようになってしまい楽しむことができません。
ルーティンワークに将来性がない
最近、旅行会社の予約受注はインターネットからの受注がとても多くなってきました。先日、旅行会社最大手のJTBがカウンター接客による旅行の相談に関して、旅行業務取扱料金表に基づいて、旅行相談料金の徴収を試験的に導入をしました。今後もインターネットからの旅行予約はますます増えていく傾向にあります。
そのため、内勤営業の場合、日中の作業は主に電話対応やメール対応が多くなります。つまり、コールセンターのようなイメージです。コールセンターのような内勤営業の場合は、基本的には受け身の営業となり、電話やメールが来なければ旅行のセールストークすらできません。そのため、外回りの営業のような俗に言う「営業」という自発的なものとは全く異なります。
旅行会社の男性社員に多い事例が、この内勤営業を続けていると30歳手前で将来が見えなくなることが多々あります。「30代になっても電話を毎日取り続けなければならないのか。。。」というように思ってしまい、結果退職する人が多いです。
クレームが多い
「旅行」というものは「人生の分岐点」にもなるような大きなイベントです。例えば、ハネムーンや記念日の旅行、家族旅行や学生の卒業旅行もそうです。旅行に行って、たくさんの思い出をパートナーや家族、友人と作りたいと思うものです。そのため、旅行というものはとてもセンシティブなものです。
その旅行で1つのミスが起これば、全てが台無しになることがあります。旅行会社のミスの場合もあれば、ホテルや現地のツアー会社のミスの場合もあります。また、台風などの天候不良のような外的要因により旅行サービスが提供できず、旅行内容に影響を及ぼしてしまうことでクレームになる場合もあります。
1つのミスやトラブルはクレームに発展することが多く、旅行前のトラブルであれば電話で怒鳴られることもあり、旅行中のトラブルであれば現地から怒りの電話がかかってくることもあります。帰国後にスーツケースを持ったまま旅行会社のカウンターに駆け込んでくることもあります。
給料が上がらない
旅行会社の給料は、初任給が良かったとしても、そこから基本給を上げていくことはとても難しいです。毎年の昇給は微々たるもので基本給が低いまま、すぐに30代を迎えてしまいます。
旅行会社で働く上で給料を上げるためには、「役職を上げていく」のみとなります。役職が付くことで役職手当が支給され、支給額は増えていきます。また、ボーナスに関しても役職手当を含んだ額として支給額が計算されるため、年収も上がっていきます。
平社員のまま何年も働いているとジリ貧となり、結婚資金すら貯まりません。
注意すべきことは、旅行会社は退職金制度が非常に脆弱です。退職金は基本的には基本給の〇〇ヶ月分という計算方法になりますが、そこに役職手当は含まれません。そのため、退職金は雀の涙程度です。
旅行会社を退職した後の転職
僕は旅行会社を退職した後、旅行業界に残り、現在は海外のホテルに対してコンサルティングを行っています。僕の旅行業界の友人は、旅行会社退職後は別の旅行会社で働いている人が多いです。
ここでは、旅行会社退職後の転職について解説します。
- 同じ会社で異動希望を出す
- 別の旅行会社に転職する
- 航空会社やホテル、観光局を目指す
- 起業する
同じ会社で異動希望を出す
旅行会社に勤めているなら、一度は希望する部署への異動願いを出すことをお勧めします。なぜなら、働きながらの転職活動は非常に大変でストレスも溜まります。現在旅行会社で働いていて、やりたい業務がその会社にある場合は、チャレンジしたい旨を一度は会社に伝えてみましょう。
それからでも転職活動は遅くありません。
別の旅行会社に転職する
航空会社やホテルで働いている人が別の航空会社やホテルに転職するように、旅行会社の社員も別の旅行会社へ転職する人はとても多いです。
また、海外旅行専門の旅行会社で働いていた人が転職を機に訪日旅行専門の旅行会社に転職することがあり、その逆もあります。
旅行会社の業務内容はどの旅行会社に行ってもほとんど同じで、違うことは社内のシステムくらいです。そのため、旅行会社での経験をそのまま次のところでも活かせます。ただし、給与面などの待遇はあまり変わらない可能性があります。
そのため、転職活動をする前に一度自分自身の経歴が市場でどれくらいの価値があって、評価されるべきかをチェックしてみてください。
無料ツール:MIIDAS(ミイダス)
MIIDAS(ミイダス)では、 類似した経歴を持っている人が実際はどれくらいの年収をもらっているのかを調べることができます。また、自分の行動特性やパーソナリティについても分析することができます。
航空会社やホテル、観光局を目指す
旅行会社の経験を活かして、航空会社やホテル、観光局へ転職する人もいます。
特に旅行会社で企画や仕入れ業務を行っている人の場合は航空会社やホテルとの商談が多いため、人脈もたくさん作れます。それを頼って、転職していく人もいます。
また、デスティネーションに思い入れがある人であれば、観光局を目指す人もいます。観光局はどちらかというとPRの部分が多い業務で、旅行会社出身者にとっては新しく覚えることもたくさんありますが、デスティネーションを世に広めたいと思う人には最適です。
起業する
旅行業の経験を活かし、起業する人もいます。僕自身もそうですし、僕の先輩も訪日旅行専門の旅行会社を立ち上げました。チャレンジしてみたい人にはお勧めします。
以上となります。
旅行会社を退職する理由は様々です。業務内容が理由の時もあれば、給料が理由の時もあります。そして、将来が見えないという理由の時もあります。
どんな職業であれ、大切なことはその仕事を「好き」になって、一度はとことんやってみることです。良いパフォーマンスをするにはポジティブにいつも考えて動かなければなりません。また、どの会社でも100%満足している人はいませんし、誰でも不満は少なからずあります。そのため、ポジティブに働けるかどうかは自分次第です。
それでは、良い一日を!