宮城県の東松島にSDGsに取り組んでいる「キボッチャ」という宿泊施設があるみたいなんだけど、どんなところなんだろう。行ったことある人に話聞いてみたい。
この記事は、そんな疑問に答えます。
- SDGs型宿泊施設の「キボッチャ」とは?
- キボッチャのSDGsの取り組み事例
- キボッチャの宿泊施設を徹底解説
- キボッチャの営業時間や定休日は?
- キボッチャへのアクセス方法
- キボッチャのレンタルサイクル情報
こんにちは、ツバサです。
最近、旅行業界でもSDGsの取り組みについて話題になることが多くなりました。
そんな時にこのツナグ旅のブログを通して、SDGsに取り組んでいる宿泊施設「キボッチャ」の代表と知り合いました。
意気投合し、実際に宮城県東松島まで足を運んで宿泊し、施設見学等をしていきました。
この記事では、子供未来創造校「キボッチャ」について紹介します。
SDGs型宿泊施設の「キボッチャ」とは?
宮城県東松島の野蒜(のびる)にある「キボッチャ」は、子供未来創造校としてSDGsに取り組み、未来につなげる防災教育やリユース・リサイクルを行っている宿泊施設です。
キボッチャの建物はもともとは野蒜小学校の校舎でした。
野蒜のエリアは、忘れもしない2011年に起きた東日本大震災で被災したエリアであり、野蒜小学校も津波の被害を受けました。
震災の記憶と伝承をテーマに未来の子供たちへ向けて防災教育を行っています。
もちろん大人も防災教育のプログラムを受けることができます。
また、校舎を手直しして宿泊施設に生まれ変わらせたリユースの施設となっています。
宿泊施設内では割り箸や紙コップなどの使い捨てのものは使わず、ゴミのリサイクルも行っています。
また、地産地消の食材を使っており、特に「鳴瀬の牡蠣」は他の地域で食べる牡蠣とは味が全く違う絶品です。
その牡蠣の養殖の時に使う竹の廃材を利用して「竹灯りアート」として再利用したり、海岸に打ち上げられた砂を「サンドアート」に使用するなどして、いらないと思われたものでも再利用する取り組みを行っています。
- 未来につなげる防災教育
- リユースとリサイクルの循環型の取り組み
- 地産地消の食材の利用
- 廃材や砂を使ったアートの取り組み
キボッチャのSDGsの取り組み事例
キボッチャのSDGsの取り組みの1つでもある「未来につながる防災教育」について紹介します。
僕自身も滞在中に一部防災教育を体験させてもらいました。
キボッチャには元自衛官の人が働いており、現役時代は実際に救助活動などを行っていたそうです。
キボッチャの館内には次のような防災教育用の施設があります。
- 語り部ルーム
- デジタル資料館
- シアタールーム
- 室内パーク
- 学習ルーム
語り部ルームには、実際に東日本大震災の時の時間が止まった時計や1階の職員室にあった黒板などが展示されています。
また、被災時に必要となるロープの結び方や担架の作り方、心臓マッサージの仕方などを実際に教えてもらうことができます。
特に印象に残っているのは、布で担架を作って実際に人に乗ってもらった時の重さにはびっくりしたことや火災発生地ではできる限り低い姿勢で進む練習です。
室内パークは、子供が遊具を使いながら防災教育を受けることができたり、社員研修でも防災訓練の一環として使われています。
室内パークの遊具は3つのエリアに分かれていて、「街の被災地」「海」「山」をイメージして作られています。
それぞれの場面で被災にあった場合、どのように対処していくのかを学ぶことができます。
元自衛官のスタッフの方に教えてもらった1つに被災地や遭難で一番役に立つものは「100円ライター」と教わりました。
例えば、遭難した時、自衛隊が上空からヘリで捜索しますが、一番発見しやすいのが「煙」のようです。
鏡で光を反射させたり、懐中電灯や携帯のライトで照らしたりして場所を知らせることができますが、上空からそれらを見つけるのは非常に難しいようです。
しかし「煙」に関しては、上空からでも発見できるようです。
煙をたたせるには火が必要になりますが、その時に一番役に立つのが100円ライターです。
この話を聞いた時、本当納得しました。
キボッチャの館内には他にも防災教育に役立つものがたくさんあります。
例えば、電気が失われた時でも使える自動販売機が設置されていたり、東日本大震災に実際に人を救った当時の道具の1つでもある消火用のホースが残っていたりします。
こういった防災教育を一人でも多くの人に伝えていき、「自ら判断し、自ら行動できる人作り」をキボッチャは行っています。
この防災教育は2時間のプランから1泊2日のプランなど柔軟にプログラムが組んでもらえるため、学校の課外授業の一環で利用したり、企業研修やチームビルディングでも利用できます。
キボッチャの宿泊施設を徹底解説
キボッチャの宿泊施設を詳しく紹介していきます。
ここでは、客室、お風呂、レストラン、食事、バーベキュー、グランピングについて取り上げます。
キボッチャの客室
キボッチャには、3種類の客室タイプがあります。
- 1人~2人部屋
- 4人部屋
- ドミトリー(最大8人)
もともと小学校だった建物のため、各部屋にはトイレやシャワー、バスタブはありません。
歯ブラシや髭剃りが必要な人はチェックインの際にフロントのスタッフに伝えましょう。
フロアの中央のエリアに男子トイレ、女子トイレがあります。
出典:楽天トラベル
【1人~2人部屋】
客室数:6部屋
階数:3階
特徴:入り口側にテーブルやテレビがあり、奥のスペースは段差があり、畳のスペースになっています。畳のスペース側に布団を敷いて寝ることになります。窓からは野蒜ののどかま街の風景を見ることができます。
【4人部屋】
客室数:2部屋
階数:3階
特徴:ベッドが4台あるため、子供連れのファミリーや大人3人~4人の場合におすすめの客室です。客室も広々としているため、とても過ごしやすくなっています。
【ドミトリー】
客室数:6部屋(1部屋につき最大8人)
階数:3階
特徴:1部屋につき2段ベッドが4台あり、最大8人が入室可能です。1人旅の人がドミトリーを共有したり、子供連れのファミリーで1室使うのもおすすめです。また、ドミトリーの各ベッドにはテレビが備え付けられているのも特徴的です。
ホテル情報 | |||
チェックイン | 15:00 | 食事時間(朝) | 7:00~9:00 |
チェックアウト | 10:00 | 食事時間(夕) | ~21:00 (LO 20:00) |
大浴場 | 15:00~24:00 06:00~09:00 | コロナ感染対策 | 〇 |
客室設備 | |||
トイレ | 共同 | 浴室 | 大浴場 |
タオル | 〇 | インターネット | Wifi |
歯ブラシ | フロントで無料 | ドライヤー | 〇(大浴場) |
シャンプー | 〇(大浴場) | 髭剃り | フロントで無料 |
ボディーソープ | 〇(大浴場) | シャワーキャップ | X |
キボッチャのお風呂
キボッチャは学校だった建物を使っているため、それぞれの客室にはトイレもお風呂もありません。
その代わり、館内1階に大浴場があります。
温泉ではありませんが水素風呂となっていて、槇の木を使った作りが温かさを感じさせてくれます。
大浴場にはシャンプーやコンディショナー、ボディシャンプーが置いてあるため、特に持参する必要はありません。ドライヤーも大浴場に完備されているため、使うことができます。
脱衣所には鍵付きロッカーがあるもの嬉しいところです。
シティホテルの大浴場にありがちな、男女入れ替え制ではなく、きちんと男湯と女湯に分かれているため、大浴場の営業時間中はいつでも入れます。
キボッチャのレストラン「森のキッチン」での食事
キボッチャの1階にあるレストラン「森のキッチン」では、東松島はもちろん地元の食材を使った美味しい料理を食べることができます。
さすが海の近くということのあり、海鮮丼やマグロ丼、イクラ丼、バラちらし寿司なんていうものもあります。
もちろん定食や麺類なども充実しているので1泊や2泊では食に飽きることありません。
また、キボッチャには子供たちもたくさん訪れるため、キッズメニューもあります。
子供連れのファミリーで宿泊しても、食事の心配はありません。
キボッチャに行ったら、是非追加で注文できるか聞いてもらいたいのが「鳴瀬の牡蠣」です。
僕は、生牡蠣が苦手で蒸し牡蠣かカキフライしか食べれないんですが、鳴瀬の牡蠣を蒸し牡蠣で食べたところ、とても美味でした。
牡蠣のシーズン(10月~3月頃)に足を運んだら、是非キボッチャのスタッフに聞いてみてください。
出典:キボッチャ公式ホームページ
出典:キボッチャ公式ホームページ
キボッチャのバーベキュー
キボッチャは小学校をリユースした施設だけではなく、SDGsの取り組みの1つで海辺に溜まった砂を再利用するために敷地内に「林間ビーチ」というエリアを作っています。
木々に囲まれたエリアは砂で敷き詰められていて、まるでビーチにいるかのような場所です。
その林間ビーチのエリアには、バーベキューエリアとグランピングエリアがあります。
バーベキューは2部制になっていて、ランチタイムの11時~15時、ディナータイムの17時~21時となっています。
バーベキューのプランは「スタンダードタイプ」と「デラックスタイプ」の2種類あります。
料金 | スタンダード | デラックス |
大人料金(手ぶら) | 3,300円 | 4,950円 |
子供料金(手ぶら) | 1,650円 | 2,750円 |
大人料金(持込み) | 1,650円 | 2,750円 |
子供料金(持込み) | 550円 | 1,650円 |
食材 | 牛肉 豚肉 鶏肉 野菜盛り合わせ | 牛肉 豚肉 鶏肉 野菜盛り合わせ 魚介類 |
スペース | 一般席 (キャンプチェアー) | 特別席 (ソファー) |
レンタル機材は次のものが含まれています。
- バーベキューコンロ
- テントスペース
- テーブル
- 椅子
- 炭
- 着火剤
- チャッカマン
- 軍手
- 炭用トング
- 紙皿
- 割り箸
- 包丁
- まな板
- トング
- おしぼり
- ゴミ袋
- 内輪
上記の他に食材の追加注文やアルコール飲み放題(2時間2,200円)、ソフトドリンク飲み放題(550円)もあります。
出典:キボッチャ公式ホームページ
キボッチャのグランピング
林間ビーチのエリアにグランピング施設もあります。
最大4名まで宿泊できるグランピング用のテントは、分厚いマットレスをベッドに使用しているため、寝心地も抜群です!
夜には満天の星が見え、夏の家族旅行の思い出や小グループでの夏旅の思い出にぴったりの宿泊になります。
また、このグランピングのもう1つ良いところは、ペットのワンちゃんも一緒に泊まれるということです。
もちろんテント内に一緒に宿泊ができます!
ワンちゃんを飼っている人にとっては、一度はワンちゃんと一緒に旅行したいですよね。
キボッチャの営業時間や定休日は?
キボッチャには施設の休館日があります。
毎週火曜日がキボッチャの休館日になります。
ただし、夏休みなどの繁忙期は毎日営業していることがあります。
旅行の計画をする際、休館日に注意しましょう。
キボッチャへのアクセス方法
キボッチャに行く方法は2つあります。
- 電車でJR野蒜駅まで行き、徒歩でキボッチャへ
- マイカーあるいはレンタカーで直接キボッチャへ
僕は、東京から新幹線で行ったこともあり、宮城県に入ってからも電車で移動しました。
仙台から塩釜、松島海岸に立ち寄った後、JR仙石線の野蒜駅まで行き、駅からは歩いてキボッチャまで行きました。
野蒜駅からは徒歩で約5分から6分です。
もし荷物が多いなどがあれば、事前にキボッチャに連絡を入れて、野蒜駅まで車(ワゴン)で迎えに来てもらうようにお願いしましょう。
- JR野蒜駅に到着
JR野蒜駅は出入口が一つです。
駅を出ると左手に進みま、茶色い建物があるのでそこを左に曲がります。 - 公園が見えるまで真っすぐ歩きます
茶色い建物を左に曲がったら、真っすぐの道が続くので歩いていきます。
途中左手に赤いポストがあります。
左手に自動販売機が見えたら、そこが公園になります。 - 自動販売機のある公園の階段を下ります
左手に自動販売機が見えたら、公園の入口があるので入ります。
公園に入ると前方に下りる階段があります。 - 階段を下りたら、道路を渡って左に進みます
階段を下りたら、横断歩道がなくて危ないかもしれませんが、車が来てなければ道路を渡って、左に進みます。
道路を渡れなくても手前側で左に進んでも大丈夫です。 - まっすぐ進みます
真っすぐ進むと高架の下を通り、右側に茂みがあるのでそれがなくなるまで歩いていきます。
そうすると突然キボッチャが右手に現れます。 - 右手にキボッチャがあります
茶色と肌色の建物が右手に見えるので、それがキボッチャになります。
キボッチャの入口は逆側になるため、一度キボッチャを通り過ぎてから敷地内に入っていきます。 - キボッチャ到着
建物の前に自動販売機があるので、その左手に建物の入口があります。
復路はキボッチャの車に空きがあれば、4名以上に限り、松島駅・松島海岸駅・矢本駅・石巻駅までの無料送迎も行っています。
マイカーやレンタカーでキボッチャに来た場合は、建物の前のエリア(もとも校庭だった場所)が駐車場になっていて、無料で駐車が可能です。(最大100台まで)
キボッチャのレンタルサイクル情報
キボッチャでは自転車や電動バイク(50㏄)のレンタルができます。
キボッチャの周辺には野蒜海岸や旧野蒜駅跡にある東松島市震災復興伝承館がありますが、歩いていくには少し遠いため、自転車や電動バイクがあれば気軽に行くことができます。
料金は、大人用自転車と子供用自転車共に午後5時までの返却で1台500円、電動バイクは1台当たり2時間2,000円、30分延長ごとに500円の追加代金となります。
ガソリンを使ったバイクではなく電動自転車を使っているところにも環境への配慮が感じられるサービスです。
東日本大震災を忘れないために様々なものが展示されている旧野蒜駅跡にある東松島市震災復興伝承館には、是非足を運んでみてください。
野蒜のエリアは津波の浸水した高さが3.7メートルもあったそうです。
現地の復興の力強さを感じることができました。
以上となります。
キボッチャの「宿泊x防災教育xリユース」のSDGsの取り組みはいかがでしたか?
循環型のサーキュラーエコノミーも取り入れた様々な取り組みを是非現地に足を運んで体験してみてください。
それでは、良い一日を!