海外旅行中に現地の空港が閉鎖したら、どうしたらいいんだろう。。。海外のニュースを見ているととても心配になる。。。実際にそういう場面に直面したら、何か対処法とかはあるのかな。。。
この記事は、そんな疑問に答えます。
✔ 本記事の内容
- 空港閉鎖はどういう時に起こる?
- もし日本出発前に空港閉鎖が起きてしまったら?
- もし現地滞在中に空港閉鎖が起きてしまったら?
- 海外旅行保険は帰国が伸びたらどうするの?
- 空港の駐車場は帰国が伸びたらどうするの?
こんにちは、ツバサです。
香港の空港閉鎖が大きなニュースになっていましたが、海外旅行にとって空港が閉鎖されるというのは本当に大変な出来事です。
僕自身、旅行会社で長年勤めていましたが、空港閉鎖のトラブルに直面したことがあります。それは、2008年11月に起きたタイ・バンコクのスワンナプーム国際空港が閉鎖された事件です。あの時は、空港に向かう高速道路までデモ隊が占拠して、空港まで辿り着けない状況でした。どのように対応したのかは記事内で書きたいと思います。
この記事では、「空港が閉鎖された時の対応」について詳しく解説したいと思います。
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空港閉鎖はどういう時に起こる?
空港が閉鎖される状況というのは、一言で言うと危機的状況の時です。例えば、災害が発生した時やデモ隊が占拠した時です。
空港が閉鎖した事例は次の通りです。
- 新千歳空港が地震被害のため閉鎖
- 仙台空港が津波被害のため閉鎖
- 関西国際空港が台風被害のため閉鎖
- タイ・スワンナプーム国際空港がデモ隊占拠のため閉鎖
- バリ島・デンパサール国際空港が火山の影響のため閉鎖
- フィリピン・マニラ国際空港が台風の影響のため閉鎖
- 香港国際空港がデモ隊占拠のため閉鎖
このように自然災害やデモ隊占拠により空港が閉鎖します。
空港が閉鎖してしまうと、全便欠航になってしまうため、出発できない、帰国できないという状況になってしまいます。
もし日本出発前に空港閉鎖が起きてしまったら?
もし日本出発前に空港閉鎖が起きてしまったら、どのように対応するのかを見ていきましょう。
日本出発前に日本の空港が閉鎖されてしまった場合
日本の空港が閉鎖されるということは自然災害が起きない限り滅多にありませんが、万が一、空港が閉鎖されてしまったら、次のような対応となります。
【航空券のみの購入の場合】
基本的に日付変更などにて対応。空港閉鎖は航空会社の免責事項でもあり、返金対象となるかどうかは航空会社の対応次第。
【海外のホテルを購入している場合】
海外のホテルについては、基本的にキャンセル料の対象となる。海外のホテルは日本の空港が閉鎖されていても免責事項となる。ただし、ホテルによっては1カ月以内や半年以内の日程に予約を変更するなどの対応をしてくれるところもある。
【旅行会社を通してパッケージツアーを購入している場合】
旅行会社でパッケージツアーを購入している場合は、国が定める標準旅行業約款や旅行会社ごとの旅行条件書に基づいて対応することになります。もし空港が閉鎖されている場合は、パッケージツアーに含まれている飛行機のサービス提供ができないことになり、パッケージツアーの催行ができなくなります。その場合は、「解除権」が発生し、パッケージツアー代金の全額返金が可能となります。
日本出発前に海外の空港が閉鎖されてしまった場合
日本出発前に海外の空港が閉鎖されてしまった場合は、日本の空港が閉鎖されてしまった場合と同様の対応となります。
【航空券のみの購入の場合】
基本的に日付変更などにて対応。空港閉鎖は航空会社の免責事項でもあり、返金対象となるかどうかは航空会社の対応次第。
【海外のホテルを購入している場合】
海外のホテルについては、基本的にキャンセル料の対象となる。海外のホテルは日本の空港が閉鎖されていても免責事項となる。ただし、ホテルによっては1カ月以内や半年以内の日程に予約を変更するなどの対応をしてくれるところもある。
【旅行会社を通してパッケージツアーを購入している場合】
旅行会社でパッケージツアーを購入している場合は、国が定める標準旅行業約款や旅行会社ごとの旅行条件書に基づいて対応することになります。もし空港が閉鎖されている場合は、パッケージツアーに含まれている飛行機のサービス提供ができないことになり、パッケージツアーの催行ができなくなります。その場合は、「解除権」が発生し、パッケージツアー代金の全額返金が可能となります。
もし旅行先を変更してでも海外旅行に行きたいということであれば、次のような手順となります。
- 前に申し込んでいたパッケージツアーの解除権発生
- 前に申し込んでいたパッケージツアー代金の全額返金
- 当日出発や翌日出発できる旅行先に変更依頼及び旅行金額の見積もり
- 前のパッケージツアーの全額返金分と新しい旅行の見積額の差額分を返金又は追加支払い
- 新しい旅行の航空券やホテルの手配
- 新しい旅行の出発
新しい旅行先にもよりますが、当日出発分や翌日出発分の航空券の価格は高いため、差額分を計算した時に追加支払いが発生することが多いです。
※パッケージツアー用の格安航空券は出発の7日前や14日前までに発券しなければならない条件があるため、当日出発や翌日出発の航空券としては発券ができません。
日本出発前に日本あるいは海外の空港が閉鎖されてしまった場合は、日本にいるということもあり、日本語も通じるため、まだ対応がしやすいです。しかし、日本の空港が閉鎖されるということになった場合は、危機的状況には間違いないため、旅行どころではないかもしれません。
もし現地滞在中に空港閉鎖が起きてしまったら?
現地滞在中に空港が閉鎖されてしまうと非常に大問題です。なぜなら、日本に帰国ができないからです!
まず実際に僕自身が旅行会社時代に対応に追われたタイ・バンコクのスワンナプーム国際空港の事例を紹介します。
このように修羅場となります。情報は錯綜し、正しい情報を掴むことに苦労しました。その時に提案できるものが最善でも、翌日には変わるような状況です。
それでは、それぞれの対応を見ていきましょう。
現地滞在中に日本の空港が閉鎖されてしまった場合
現地に滞在している時に日本の空港が閉鎖された場合は、現地でもインターネットニュースなどで日本の情報を入手しやすいため、比較的状況を理解しやすいです。対応は次の通りです。
【航空券のみの購入の場合】
基本的に日付変更などにて対応。空港閉鎖は航空会社の免責事項となる。別ルートで帰国をしようとした場合、未使用の復路航空券の返金は不可。現地の航空会社のカスタマーセンターに電話をしても99%繋がらない状況となる。
また、現地のホテルの延泊については、自分でホテルを探して手配する必要があり、費用は自己負担となる。
【旅行会社を通してパッケージツアーを購入している場合】
旅行会社のパッケージツアーに参加をしている場合は、旅行会社の現地支店や委託先の旅行会社が航空券の変更や延泊になった際のホテル手配に奔走してくれる。ただし、延泊のホテル代金については自己負担となる。
もし、別ルートで日本への帰国を希望した場合は、復路未使用の航空券の返金はなし、そして別ルートで手配した車や飛行機などは別途支払いが必要となる。
現地滞在中に現地の空港が閉鎖されてしまった場合
一番悲惨なパターンが現地滞在中に現地の空港が閉鎖された場合です。詳しい情報も入ってこず、現地のテレビを見ても現地語のため理解ができず、何が起こっているのかが全く分からない状況となります。また、宿泊ホテル近辺などは普段と変わらない街の風景のため、本当に空港が閉鎖されているのかというような疑問も持ってしまいます。
【航空券のみの購入の場合】
基本的に日付変更などにて対応。空港閉鎖は航空会社の免責事項となる。別ルートで帰国をしようとした場合、未使用の復路航空券の返金は不可。現地の航空会社のカスタマーセンターに電話をしても99%繋がらない状況となる。
また、現地のホテルの延泊については、自分でホテルを探して手配する必要があり、費用は自己負担となる。
【旅行会社を通してパッケージツアーを購入している場合】
旅行会社のパッケージツアーに参加をしている場合は、旅行会社の現地支店や委託先の旅行会社が航空券の変更や延泊になった際のホテル手配に奔走してくれる。ただし、延泊のホテル代金については自己負担となる。
もし、別ルートで日本への帰国を希望した場合は、復路未使用の航空券の返金はなし、そして別ルートで手配した車や飛行機などは別途支払いが必要となる。
個人手配で英語ができなければ壊滅的状況になる
このように現地滞在中に空港が閉鎖してしまった場合は、情報の入手が困難で動きようがなくなってしまいます。最近では個人手配で海外旅行をする人が多くいますが、個人手配の場合、全て自分で動かなければなりません。不用意にデモ隊のいるエリアに近づかないようにしなければなりませんし、それと同時に航空券の変更や延泊のホテル手配なども行わなければなりません。英語ができない人にとっては壊滅的状況です。
一方で旅行会社のパッケージツアーに参加している人は、現地旅行会社のスタッフに航空券の変更も延泊のホテル手配もお願いができるため、気分的には楽です。
別ルートを選択した場合は全て自己負担&自己責任
帰国が伸びることで仕事に影響が出てしまう人にとっては、1日も早く帰国をしたいものです。別ルートで帰国をしようと思っても、1人当たり10万円以上の費用が発生することもあります。全て自己負担となります。別ルートを選択して、新しい航空券などを購入した後に空港閉鎖が解けたということもあり得ます。
そこの判断は全て自己責任になるため、慎重に行わなければなりません。
海外旅行保険は帰国が伸びたらどうするの?
海外旅行にはクレジットカード付帯の保険と任意の海外旅行保険をセットで持っていくことは必須ですが、実際に海外旅行が空港閉鎖により日数が伸びた場合はどうなるのかという心配があります。
実際に空港が閉鎖してフライトが欠航となった場合、海外旅行保険の取扱いはどうなるのかというと、三井住友海上では次のように対応しています。
その他海外旅行保険も「72時間」を限度に保険期間の自動延長をしているところがほとんどです。
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空港の駐車場は帰国が伸びたらどうするの?
もう1つ心配なことは、空港に車で行って、海外旅行中はずっと車を駐車場に置きっぱなしにしている時に車が撤去されないか、駐車場の延長が大丈夫かということです。
基本的には駐車場の延長は可能ですが、必ず駐車場の事務所まで連絡を入れましょう。
駐車場によっては連絡があった場合となかった場合の延滞料金が異なります。
成田空港周辺にある駐車場の対応を参考にしてみましょう。
旅行会社のパッケージツアーに参加している人であれば、旅行会社のスタッフが駐車場に連絡を入れてくれる場合もあるため、相談してみましょう。
以上となります。
海外旅行の際に空港が閉鎖されたら、まずは臨機応変に対応しましょう。怒りの矛先を向けるところがありませんが、あくまでも冷静に対処しましょう。
また、海外旅行では海外旅行保険は必須です。僕は大丈夫、私は大丈夫は後で命取りになるので必ず事前に加入するようにしましょう。
それでは、良い一日を!
標準旅行業約款
第十七条
当社は、次に掲げる場合において、旅行者に理由を説明して、旅行開始前に募集型企画旅行契約を解除することがあります。
七 天災地変、戦乱、暴動、運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止、官公署の命令その他の当社の関与し得ない事由が生じた場合において、契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極めて大きいとき。