海外赴任をしたいけど、海外で病気になった場合、どうすればいいんだろう。。。。どこの病院に行けばいいかわからないし、保険とかはどうすればいいんだろう。。。。医療費も高そう。。。
この記事は、そんな疑問に答えます。
✔ 本記事の内容
- 海外赴任前に保険は加入するの?
- 海外赴任がスタートしたら確認するべきこと
- 海外赴任中にもし病気になったら?
こんにちは、ツバサです。
海外赴任をする前の心配事の1つとして、海外で病気になった時にどうしたらよいかということがあります。僕も海外で6年弱生活をしていて、何度も病気になり、現地で病院に行きました。一度入院もしたことがあります。
海外で病院に行く際、医療関係の言葉は外国語ではわからないし、ドクターの話す内容も理解できるのかなと心配になります。また、治療の内容も理解できるのかと心配事は増えるばかりです。
海外での医療費は日本よりも高いことが多いと言われており、保険が使えるのか、支払いはどうすればよいのかとわからないことだらけの状況になりがちです。
この記事では、「海外で病気になった場合の対応や保険、支払い」などについて、経験をもとに詳しく解説したいと思います。
海外赴任前に保険は加入するの?
海外赴任をする際、基本的には日本にある企業に所属しており、就労している状態ですが、その場合は派遣元企業が海外駐在員保険の加入を会社負担で行ってくれることがほとんどです。
海外駐在員保険と海外旅行保険の違いは?
海外駐在員保険は海外旅行保険は補償項目がほとんど同じとなりますが、2つだけ異なるものがあります。それは次の2つです。
- 海外駐在員保険には生活用動産の補償特約が含まれている。
- 海外駐在員保険には家族総合賠償責任の補償特約が含まれている。
このように海外赴任者は派遣元の企業が海外駐在員保険を会社負担で加入してくれます。海外駐在員保険を1年間加入する場合は駐在員本人が約30万円から40万円、帯同者は約20万円から30万円の保険料となります。(派遣国や補償内容により異なります)
現地採用の場合の保険はどうなるの?
ここで1つ疑問です。日本から派遣される海外赴任者ではなく、現地採用として雇用される人はどうなるのかということです。
基本的に海外駐在員保険は日本から出発することが条件で保険期間を決めます。また、海外旅行保険も同様で日本から出発することと帰国日を決めることが条件となります。
そのため、現地採用の場合は海外駐在員保険も海外旅行保険も加入することができません。
つまり、現地採用の場合は現地の健康保険に加入しなければならないということになります。
海外赴任がスタートしたら確認するべきこと
海外駐在員保険に加入している人が確認するべきこと
海外赴任がスタートしたら、現地の住んでいるエリアにある病院をまずはチェックしましょう。チェック項目は次の通りです。
- 住んでいるエリアに病院はあるかどうか。
- 病院があれば、海外駐在員保険が使える病院かどうか。
- 海外赴任先に日本人会があれば、日本人会診療所があるかどうか。
- 海外赴任先に日系の病院アシスタンスサービスがあるかどうか。
ここで覚えておきたいことは、「海外駐在員保険に加入する=病院でキャッシュレス対応ができる」ということです。しかし、その「キャッシュレス対応」は、海外にある全ての病院ではできず、保険会社が提携している病院に限ります。
例えば、AIG損保の海外提携先の病院はこちらから確認ができます。東京海上日動の海外提携先の病院はこちらから確認ができます。海外提携先の病院一覧に病院名がなくても、保険会社と病院のやり取り次第ではキャッシュレス対応が可能な場合もあります。ただし、キャッシュレス対応ができるようになるまで時間がとてもかかります。
旅行会社で働いていると、保険会社の海外提携先の病院のリストは非常に大切です。なぜなら、どこの病院でキャッシュレス対応ができるのかを把握するためです。
海外赴任先に日本人会診療所があれば、日本人医師が常駐している可能性もあるため、安心です。日本人会診療所で対応ができない場合は、現地の大病院への紹介状を書いてくれたり、入院の場合は事前に転院先の病院に連絡等も入れてくれるため、海外では本当頼りになります。
また、海外赴任先の都市によっては、日系企業が「ジャパニーズヘルプデスク」として医療通訳のサービスや保険会社とのやり取りをサポートしてくれるサービスを行っているところもあります。
現地採用の人が確認するべきこと
もし現地採用として海外で働く場合は、海外での就職先でいち早く現地の健康保険の加入の手続きを進めてもらわなければなりません。ただし、就労許可書や就労ビザがなければ手続きを進めることができないため、注意が必要です。
また、海外での就職先の企業が福利厚生の一環として「ヘルスカード」を社員に提供しているかどうかを確認しましょう。これは可能であれば、就職前に確認しておきたいことでもあります。ヘルスカードというのは医療保険のようなもので診察を受けた場合や手術をした場合などに上限はありますがサポートをしてくれるものです。
海外赴任中にもし病気になったら?
海外赴任をしていると、まず3か月目に疲れがピークに達して、体調を壊したり、病気になる人がいます。僕も3カ月目でダウンしました。緊張状態が続き、疲れが溜まっていても気付かず、一気に爆発して体調を崩すようなイメージです。
もし体調を壊したり、病気になった場合は、悪化する前に必ず病院に行きましょうか。言葉がわからないから、病院に行き辛いかもしれませんが、その場合はオフィスから現地スタッフに同行してもらえばよいです。
海外の薬局で市販されている薬は日本の薬よりもきついとよく言いますが、それに頼らず、病院で診察をしてもらい、適切な薬を処方してもらいましょう。
海外で病院に行った際の手続きの流れ
海外での病院の流れは次のような流れとなります。
- 病院の救急に行き、診察を受ける
- 海外駐在員保険のアシスタンスサービスへ連絡を入れる
- ドクターから処方箋をもらう
- 病院での支払いは保険会社のキャッシュレス対応となる
- 薬局で薬を購入する
本来、海外駐在員保険を加入している場合、保険会社の手引きでは、まず保険会社のアシスタンスサービスに連絡を入れ、保険会社から近くの病院等を紹介される流れとなっています。
しかし、実際に病気になった場合、保険会社に電話なんてしていられない、早く病院に行きたいとなります。いち早くドクターに診てもらいたいと思うものです。
そのため、前項でも書いたように海外赴任がスタートした段階で保険会社の海外提携先病院を先に調べておくのです。
僕が約6年間、海外に住んでいた時は、とにかく病院に行って、病院での待ち時間の間に保険会社へ連絡を入れていました。キャッシュレス対応にするためには保険会社と病院側が連絡を取り合い、保険会社が病院に対しクレジットレター(支払い確約書)を発行しなければなりません。その作業に時間が掛かるため、病院で診察を受けてからも待ち時間が発生する場合があります。
もしキャッシュレス対応ができない場合は、一旦自己負担で支払い、後日保険会社に請求をすることになります。
一方で現地採用の人は現地の健康保険に加入していることになるため、日本で病院に行く時と同じように、その都度、実費払いとなります。
海外での医療費はどれくらいかかる?
海外の医療費がどれくらいかかるのかはとても気になることです。国別に例を挙げてみます。
比較項目 | 日本 | アメリカ | フランス | タイ | シンガポール | |
救急車 | 公営 | 無料 | 123,000円 | 5,900円~7,300円 | 無料 | 無料 |
民営 | なし | 123,000円 | 5,900円~7,300円 | 7,200円~15,000円 | なし | |
初診料 | 2,820円 | 15,400円~16,400円 | 11,500円~17,200円 | 3,000円~4,500円 | 6,700円~9,000円 | |
入院費 | 個室 | 30,000円~100,000円 | 204,900円 | 126,100円 | 33,500円~40,100円 | 30,000円 |
ICU | 80,000円~100,000円 | 1,024,700円 | 286,700円 | 55,400円 | 64,800円 | |
虫垂炎手術 | 600,000円 | – | 1,089,200円 | 480,000円 | 1,110,500円~1,676,600円 | |
骨折治療費 | 20,000円 | – | 40,100円~45,900円 | 30,000円 | 34,300円~53,300円 |
引用先:価格.com保険
このように海外で病院に入院することや手術することは非常に高額な費用がかかります。そのため、海外駐在員保険がなければ、膨大な費用の自己負担となってしまいます。
海外駐在員保険で対象とならない病気もあります。例えば、既往症や歯科疾病、妊娠や出産に関しては、保険対象外となります。
以上となります。
海外赴任中に病気になっても、海外駐在員保険があれば安心です。高額な医療費負担になることもなく、現地で治療を受けることができます。
海外赴任の準備段階やスタートしたタイミングで現地の病院関係は必ず調べておきましょう。何事も備えあれば憂いなしです。
それでは、良い一日を!
生活用動産と携行品は異なります。携行品は身に付けているものや持ち歩いているものを指しますが、生活用動産は携行品以外にも海外赴任中に暮らしている住居に置いているものや保管しているものも含みます。