総合旅行業務取扱管理者の国家試験が近づいてきた。JRの運賃計算の問題は全問正解しないと厳しいな。グランクラスの計算方法のポイントは何だろう?
この記事は、そんな疑問に答えます。
ツナグ旅ではJR運賃計算を9記事にわたって解説しています。
- 運賃や料金の定義、年齢、路線、専門用語
- 運賃計算の基本ルール
- 境界駅
- 特急料金、グリーン料金、寝台料金
- 往復割引、学生割引、有効期間、特定都区市内
- 払い戻し、乗継割引、連絡会社線
- 新幹線のルール
- グランクラス
- 山形&秋田新幹線の注意点
この記事では(8)を解説しています。
こんにちは、ツバサです。
秋になると総合旅行業務取扱管理者の国家試験の本番が近づいてくるので、試験勉強のラストスパートの時期になります。
国内旅行業務取扱管理者の試験では出題されなかったJR運賃計算の「グランクラス」の問題は、総合旅行業務取扱管理者の試験で必ずと言っていい程、出題される可能性があります。
JRのルールをまた覚えなければなりませんが、JR運賃計算の問題は全問正解を目指して準備しましょう。
この記事では、総合旅行業務取扱管理者の国家試験に出題されるJR運賃計算のグランクラスについて勉強のポイントを紹介したいと思います。
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総合旅行業務取扱管理者のJR運賃計算:グランクラス
JR運賃計算のグランクラスについて、注意するべき点は3つです。
- グリーン車とグランクラスを乗り継ぐ場合は全乗車区間に対するグリーン料金とグランクラスの乗車区間に対するグランクラスとグリーン車の差額が必要
- グランクラスA料金とグランクラスB料金を乗り継ぐ場合はグランクラスA料金で計算
- JR東日本とJR西日本をまたぐ上越妙高駅が出てきたら要注意で「-1,050円」ずつが必要。
それでは、それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
グリーン車とグランクラスを乗り継ぐ場合
上記のようにグリーン車とグランクラスを乗り継ぐ場合は、
- 全区間のグリーン車の料金を計算する
- グランクラスの乗車区間に対して、グランクラスの料金からグリーン料金を引いて差額を計算する
- 全区間のグリーン車の料金にグランクラスの乗車区間の差額を足す
この2つの作業が必要です。実際に計算してみましょう。
■JR東日本内相互発着区間及びJR西日本内の北陸新幹線(上越妙高~金沢間相互発着区間)のグリーン料金・グランクラス料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 | |
グランクラス料金 | A | 6,540円 | 8,040円 | 9,430円 | 10,640円 | 10,840円 |
B | 4,450円 | 5,950円 | 7,340円 | 8,550円 | 8,750円 |
全区間のグリーン車の料金を計算する
まずは高崎から上越妙高の通しの営業キロから全区間のグリーン料金を計算します。
高崎から長野の営業キロ:117.4キロ
長野から上越妙高の営業キロ:59.5キロ
合計:176.9キロ
端数整理して、177キロ
177キロのグリーン料金は、200キロまでの料金を見ればよいので2,800円となります。
グランクラスとグリーン車の差額を確認する
グランクラスの乗車区間に対して、グランクラスとグリーン車の差額を計算します。
※グランクラスはA料金とします。
長野から上越妙高の営業キロ:59.5キロ
端数整理して、60キロ
100キロまでのグランクラスの料金とグリーン料金は、
グランクラス料金:6,540円
グリーン料金:1,300円
差額:5,240円
全区間のグリーン車の料金にグランクラスの乗車区間の差額を足す
全区間のグリーン料金:2,800円
グランクラスの乗車区間の差額:5,240円
合計:8,040円
このようにグリーン車とグランクラスを乗り継ぐ場合は計算します。
※特急料金は通しで計算して「530円」引けばOKです。
グランクラスAとBを乗り継ぐ場合
グランクラスにはA料金とB料金の2種類があります。
- グランクラスA料金:飲料・軽食あり
- グランクラスB料金:飲料・軽食なし
グランクラスは食事があるかないかで料金が変わります。
JRの時刻表の読取り問題も総合旅行業務取扱管理者の国家試験では出題されますが、グランクラスのA料金(高い方)は黒マーク、B料金(安い方)は白マークになります。
僕は「ブラックカードの方がお金持ち」と頭の中に記憶しているので、黒マークが高い方と覚えています。
グランクラスのA料金とB料金を乗り継ぐ場合は、料金の高いA料金で計算をします。
例を挙げながら、実際に見てみましょう。
■JR東日本内相互発着区間及びJR西日本内の北陸新幹線(上越妙高~金沢間相互発着区間)のグリーン料金・グランクラス料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 | |
グランクラス料金 | A | 6,540円 | 8,040円 | 9,430円 | 10,640円 | 10,840円 |
B | 4,450円 | 5,950円 | 7,340円 | 8,550円 | 8,750円 |
まず高崎から長野、長野から上越妙高は共に「下り」です。
そのため、通しの営業キロを確認します。
高崎から長野の営業キロ:117.4キロ
長野から上越妙高の営業キロ:59.5キロ
合計:176.9キロ
端数整理して177キロ
続いて、今回は高崎から長野はグランクラスB、長野から上越妙高はグランクラスAとなります。
上位クラスに合わせて通しで計算するため、高崎から上越妙高をグランクラスのA料金で確認します。
営業キロ177キロのため、200キロまでのグランクラスA料金となり、8,040円となります。
※特急料金は通しで計算して「530円」引けばOKです。
上越妙高をまたぐ場合は要注意
なぜ上越妙高をまたぐ場合は要注意なのかと言うと、JR東日本とJR西日本をまたぐためです。
- 東京から上越妙高:JR東日本
- 上越妙高から金沢:JR西日本
例えば、下記のような乗車ルートです。
この乗車ルートの場合、
長野から上越妙高:JR東日本
上越妙高から金沢:JR西日本
となります。
そのため、グランクラスの料金を確認する際は、長野から上越妙高と上越妙高から金沢の区間に分けて計算をしなければなりません。
実際に計算してみましょう。
■JR東日本内相互発着区間及びJR西日本内の北陸新幹線(上越妙高~金沢間相互発着区間)のグリーン料金・グランクラス料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 | |
グランクラス料金 | A | 6,540円 | 8,040円 | 9,430円 | 10,640円 | 10,840円 |
B | 4,450円 | 5,950円 | 7,340円 | 8,550円 | 8,750円 |
上越妙高から金沢の営業キロ:168.6キロ
端数整理して、60キロ=グランクラスA料金:6,540円
長野から上越妙高の営業キロ:59.5キロ
端数整理して、169キロ=グランクラスA料金:8,040円
それぞれの区間のグランクラス料金を確認できたら、ここからが注意です。
合算する時にそれぞれ「1,050円」を引かなければなりません。
(6,540円ー1,050円)+(8,040円ー1,050円)=12,480円
※特急料金は通しで計算して「530円」引けばOKです。
まずは、グランクラスについてここまで理解するようにしましょう。
続いて、グランクラスの応用編の解説をしたいと思います。
総合旅行業務取扱管理者のJR運賃計算:グランクラス応用編
グランクラス応用編①
グランクラスA料金とB料金を乗り継ぎ、上越妙高をまたいでいる場合を計算してみましょう。
一見すると複雑そうですが、落ち着いて見るとグランクラスの計算方法を理解することができます。
こういった問題が本番の試験で出題された場合は、一度深呼吸をして下記のポイントをチェックしましょう。
- 上越妙高をまたいでいるかどうか
⇒またいでいた場合、JR東日本とJR西日本に分ける - グランクラスAとBが混在しているかどうか
⇒上位クラスに合わせる
この2つをチェックするだけで簡単に理解することができます。
2つのチェックをすると次のような図になります。
ここまでできれば、グランクラスの料金を簡単に求めることができます。
■JR東日本内相互発着区間及びJR西日本内の北陸新幹線(上越妙高~金沢間相互発着区間)のグリーン料金・グランクラス料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 | |
グランクラス料金 | A | 6,540円 | 8,040円 | 9,430円 | 10,640円 | 10,840円 |
B | 4,450円 | 5,950円 | 7,340円 | 8,550円 | 8,750円 |
まずは大宮から上越妙高までを計算してみましょう。
大宮から上越妙高の営業キロ:251.6キロ(192.1キロ+59.5キロ)
端数整理して、252キロ=グランクラスA料金:9,430円
続いて、上越妙高から金沢までを計算しましょう。
上越妙高から金沢の営業キロ:168.6キロ
端数整理して、169キロ=グランクラスA料金:8,040円
そして、JR東日本とJR西日本のグランクラスを合算する場合は「1,050円」をそれぞれから引いて合算します。
(9,430円ー1,050円)+(8,040円ー1,050円)=15,370円
※特急料金は通しで計算して「530円」引けばOKです。
あっという間に大宮から金沢までのグランクラスの料金が出ました。
それでは、さらにもう1段階レベルを上げた応用編を見てみましょう。
グランクラス応用編②
応用編②はグランクラスのA料金とB料金の乗り継ぎがあり、上越妙高をまたぎ、さらにグリーン料金の区間がある場合です。
この乗車ルートも一見するととても複雑そうに見えますが、下記のポイントをチェックしましょう。
- 上越妙高をまたいでいるかどうか
⇒またいでいた場合、JR東日本とJR西日本に分ける - グランクラスAとBが混在しているかどうか
⇒上位クラスに合わせる - 上りと下りの切り替え地点があるかどうか
⇒切り替え地点で分ける
上記3つのチェックをすると次のような図になります。
ここまで把握できれば、あとは計算をするだけです。
■JR東日本内相互発着区間及びJR西日本内の北陸新幹線(上越妙高~金沢間相互発着区間)のグリーン料金・グランクラス料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 | |
グランクラス料金 | A | 6,540円 | 8,040円 | 9,430円 | 10,640円 | 10,840円 |
B | 4,450円 | 5,950円 | 7,340円 | 8,550円 | 8,750円 |
まずは金沢から上越妙高までを計算してみましょう。
金沢から上越妙高の営業キロ:168.6キロ
端数整理して、169キロ=グランクラスA料金:8,040円
続いて、上越妙高から高崎までを計算しましょう。
上越妙高から高崎の営業キロ:176.9キロ(59.5キロ+117.4キロ)
端数整理して、177キロ=グランクラスA料金:8,040円
最後に高崎から新潟までの計算をしましょう。
高崎から新潟の営業キロ:228.9キロ
端数整理して、229キロ=グリーン料金:4,190円
グランクラスの部分では、JR東日本とJR西日本のグランクラスを合算する場合の「1,050円」をそれぞれから引いて合算します。
(8,040円ー1,050円)+(8,040円ー1,050円)+4,190=18,170円
※特急料金は金沢から高崎を通しで計算、高崎から新潟は別途計算する必要があります。それぞれの区間に対して「530円」引けばOKです。
以上となります。
JR運賃計算のグランクラスは一見複雑そうに見ますが、チェックポイントをしっかり確認することで簡単に計算することができます。
ルールだけしっかり覚えれば大丈夫です。
それでは、良い一日を!