総合旅行業務取扱管理者の国家試験に出題される山形新幹線と秋田新幹線のJR運賃計算が複雑だよ。特に新幹線のグリーン料金の運賃計算がよくわからない。運賃計算のポイントはあるのかな?
この記事は、そんな疑問に答えます。
ツナグ旅ではJR運賃計算を9記事にわたって解説しています。
- 運賃や料金の定義、年齢、路線、専門用語
- 運賃計算の基本ルール
- 境界駅
- 特急料金、グリーン料金、寝台料金
- 往復割引、学生割引、有効期間、特定都区市内
- 払い戻し、乗継割引、連絡会社線
- 新幹線のルール
- グランクラス
- 山形&秋田新幹線の注意点
この記事では(9)を解説しています。
こんにちは、ツバサです。
JR運賃計算のルールはたくさんありますが、頭に知識を詰めれば詰める程、どのルールがどの時に必要なのかが複雑になってきます。
特に山形新幹線と秋田新幹線のグリーン車の運賃計算は、乗車ルートが上りなのか、下りなのかを判断しなければならないため複雑です。
この記事では、そんな山形新幹線と秋田新幹線のJR運賃計算についてポイントをまとめたいと思います。
2022年の春のJR運賃改定で山形新幹線と秋田新幹線の運賃計算方法が大きく変わりました。秋の試験に向けて、要注意の内容です。前の計算方法で覚えたままだと本番の試験で大きくつまづいてしまうので必ずアップデートしましょう!
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JR運賃計算は複雑?山形&秋田新幹線の試験問題のポイント
いろんなJR運賃計算のパターンを解説してきましたが、「JR運賃計算編⑦」では全国の新幹線、「JR運賃計算編⑧」では上越新幹線の上越妙高駅をまたがる場合の特殊な運賃計算を解説しました。
今回は山形新幹線や秋田新幹線のグリーン車の計算方法について解説していきます。
山形新幹線と秋田新幹線の路線図
まずは山形新幹線と秋田新幹線の路線図を確認しましょう。
- 福島から新庄に向かう路線
- 東京や宇都宮、郡山から福島経由で新庄に向かう「下り&下り」ルート
- 新青森や盛岡、仙台から福島経由で新庄に向かう「上り&下り」ルート
- 盛岡から秋田に向かう路線
- 東京や福島、仙台から盛岡経由で秋田に向かう「下り&下り」ルート
- 新青森や八戸から盛岡経由で秋田に向かう「上り&下り」ルート
上記のポイントをしっかりおさえておきましょう。
「上り」と「下り」を乗り継ぐ乗車ルート
総合旅行業務取扱管理者の国家試験で出題されるJR運賃計算では、「上り&下り」ルートを頻繁に出題してきます。
新幹線の運賃計算の際に「上り」と「下り」を乗り継ぐ乗車ルートの場合は、必ず別々の区間として計算しなければなりませんが、山形新幹線や秋田新幹線の場合、途中駅が上りなのか下りなのかを判断することが意外と難しいです。
例えば、
- 盛岡⇒福島⇒新庄:上り&下り
- 郡山⇒福島⇒山形:下り&下り
- 仙台⇒福島⇒米沢:上り&下り
- 仙台⇒盛岡⇒秋田:下り&下り
- 一ノ関⇒盛岡⇒秋田:下り&下り
- 八戸⇒盛岡⇒大曲:上り&下り
このように福島や盛岡を前後する駅が上りなのか下りなのかを判断することが非常に難しいです。
主要駅が福島と盛岡に対して上りにあるのか、下りにあるのかをある程度覚えておくようにしましょう。
それでは、グリーン料金の運賃計算を見ていきましょう。
グリーン料金やグランクラスの運賃計算
山形新幹線と秋田新幹線の運賃計算をする際、下記のルールを覚えましょう。
- 直通乗車の場合は通しのグリーン料金を適用
例)
「つばさ」で東京⇒福島⇒山形(下り+下り)
「こまち」で東京⇒盛岡⇒秋田(下り+下り) - 改札を出ない&同一方向に向かう当日乗り継ぎは通しのグリーン料金を適用
例)
「はやぶさ」で仙台⇒盛岡、「こまち」で盛岡⇒秋田
「やまびこ」で大宮⇒福島、「つばさ」で福島⇒新庄
直通乗車の場合は通しのグリーン料金を適用
例えば、新幹線「つばさ」で大宮から福島経由、新庄まで行く直通乗車の場合は、大宮から新庄までの通しのグリーン料金を使うことができます。
計算方法は次のようになります。
■JR東日本内相互発着区間のグリーン料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 |
大宮~福島の営業キロ:242.5キロ
福島~新庄の営業キロ:148.6キロ
合計:391.1キロ(242.5キロ+148.6キロ)
端数整理して、392キロ
グリーン料金を確認すると4,190円となります。
改札を出ない&同一方向に向かう当日乗り継ぎは通しのグリーン料金を適用
続いて、改札を出ない&同一方向に向かう当日乗り継ぎの場合も通しのグリーン料金を使います。
例えば、仙台から盛岡は「やまびこ」、盛岡から角館は「こまち」を乗り継ぐ場合、当日乗り継ぎ&改札を出ない、そして下りと下りの同一方向ということで通しのグリーン料金を使うことができます。
計算方法は次のようになります。
■JR東日本内相互発着区間のグリーン料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 |
仙台~盛岡の営業キロ:183.5キロ
盛岡~角館の営業キロ:58.8キロ
合計:242.3キロ(183.5キロ+58.8キロ)
端数整理して、243キロ
グリーン料金を確認すると4,190円となります。
上り&下りの場合は要注意
山形新幹線と秋田新幹線の一番の注意点は「上り&下り」ルートです。
例えば、次のような乗車ルートの場合は注意が必要です。
仙台から「やまびこ」に乗って福島へ、当日乗り継ぎで福島から「つばさ」に乗って大石田へ行く乗車ルートです。
この場合、仙台から福島は「上り」、福島から大石田は「下り」となるため、通しのグリーン料金は使えません。
そのため、それぞれの区間のグリーン料金を計算しなければなりません。
まずは仙台から福島までのグリーン料金を計算します。
■JR東日本内相互発着区間のグリーン料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 |
仙台~福島の営業キロ:79.0キロ
末尾がゼロのため、端数整理しても79キロ
グリーン料金を確認すると1,300円となります。
続いて、福島から大石田までのグリーン料金を計算します。
福島~大石田の営業キロ:126.9キロ
端数整理して、127キロ
グリーン料金を確認すると2,800円となります。
最後に両方のグリーン料金を足して、1,300円+2,800円=4,100円となります。
もう1つ例を挙げてみたいと思います。
八戸から「はやぶさ」に乗って盛岡へ、当日乗り継ぎで盛岡から「こまち」に乗って秋田へ行く乗車ルートです。
この場合、八戸から盛岡は「上り」、盛岡から秋田は「下り」となるため、通しのグリーン料金は使えません。
そのため、それぞれの区間のグリーン料金を計算しなければなりません。
まずは八戸から盛岡までのグリーン料金を計算します。
■JR東日本内相互発着区間のグリーン料金
営業キロ | 100キロ まで |
200キロ まで |
400キロ まで |
600キロ まで |
700キロ まで |
|
グリーン料金 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 |
八戸~盛岡の営業キロ:96.6キロ
端数整理して、97キロ
グリーン料金を確認すると1,300円となります。
続いて、盛岡から秋田までのグリーン料金を計算します。
盛岡~秋田の営業キロ:127.3キロ
端数整理して、128キロ
グリーン料金を確認すると2,800円となります。
最後に両方のグリーン料金を足して、1,300円+2,800円=4,100円となります。
このように通しでグリーン料金を計算できる場合と「上り」と「下り」の乗車ルートのように別々でグリーン料金を計算する場合があるため、山形新幹線と秋田新幹線の運賃計算の際は注意が必要です。
また、山形新幹線と秋田新幹線につながる福島駅と盛岡駅の前後にある途中駅を路線図を見て、少しでも覚えれるようにしておきましょう。
以上となります。
JR運賃計算はとにかくいろんな乗車パターンの運賃計算をして慣れるしかありません。
実際に自分で乗車ルートを考えて、運賃計算をしてみる練習をするのが一番覚えます。
それでは、良い一日を!