宿泊約款とは?ホテルや旅館の契約の成立やキャンセル料

宿泊約款とは?ホテルや旅館の契約の成立やキャンセル料総合旅行業務取扱管理者

総合旅行業務取扱管理者の試験勉強をしていると宿泊約款についての問題が出てきた。宿泊約款について詳しくまとめた資料とかないのかな。

この記事は、そんな疑問に答えます。

✔ 本記事の内容

  • 宿泊約款とは?

こんにちは、ツバサです。

総合旅行業務取扱管理者の試験にも出題されるホテルや旅館の宿泊約款は、宿泊に関するいろんな取り決めをしたものとなります。

実際にホテルを予約する時に「到着時間」を聞かれますが、なぜだか知っていますか?

適当に到着時間を書いてしまうと後で痛い目に遭います。さてなぜでしょうか?!

この記事は、宿泊約款について詳しく解説します。

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宿泊約款とは?

宿泊約款は、旅行の標準旅行業約款のように契約に関する様々なことを定めています。

総合旅行業務取扱管理者の国家試験に出題されそうなところだけ抜粋して、ポイントをまとめていきます。

参考資料:国土交通省モデル宿泊約款

宿泊契約の申込み

ホテルや旅館の予約をする際、次の事項が必要になります。

  • 宿泊者名
  • 宿泊日
  • 到着予定時刻

到着予定時刻が必要なところがポイントです。

もし宿泊中に延泊の申し出があった場合は、第2条第2項に定められています。

第2条第2項
宿泊客が、宿泊中に前項第2号の宿泊日を超えて宿泊の継続を申し入れた場合、当ホテル(館)は、その申し出がなされた時点で新たな宿泊契約の申し込みがあったものとして処理します。

延泊の申し出があった時に新しい宿泊契約の申し込みがあったものとして取り扱われることになります。これはつまり、延泊分の日程の空き状況により、延泊できるか、延泊できないかがその時に分かるということになります。

宿泊契約の成立

宿泊契約の成立は「ホテルあるいは旅館が申し込みを受託した時」に成立します。

例えば、電話でも口頭でホテル側が「空室があるので受け付けました」と言えば、宿泊契約の成立となります。

宿泊契約の申込金

旅行業の場合は申込金を受理した時が契約の成立でしたが、宿泊の場合は次のように定められています。

  • 申込金の設定をするかどうかはホテルや旅館次第。
  • 宿泊予約の申込時にホテルや旅館が申込金の設定をしていない場合は申込金の設定のない予約として取り扱う。
  • 申込金の設定をしている場合は契約成立後に宿泊期間の基本宿泊料を限度として、指定する期日までに支払う。
  • ただし、申込金の上限は3泊分の基本宿泊料までとする。
    ※5泊でも3泊分の金額しか申込金の設定ができない。

例えば、ホテルが予約を受け付けた際にそのまま電話を切ったら、申込金の設定がないということになります。

基本宿泊料」とは?
基本的な考えは、ホテルの場合は「室料」旅館の場合は「室料+朝食等の飲食料(基本2食)」となります。税金やサービス料は含まれません。

宿泊客の宿泊契約の解除権

旅行業約款に解除権があるように宿泊約款にも宿泊契約の拒否、つまり解除権があります。

宿泊客の解除権で注意しなければならない条文があります。

第6条第3項
当ホテル(館)は、宿泊客が連絡をしないで宿泊日当日の午後〇〇時(あらかじめ到着予定時刻が明示されている場合は、その時刻を△△時間経過した時刻)になっても到着しないときは、その宿泊契約は宿泊客により解除されたものとみなし処理することがあります。

これはつまり、宿泊予約をする際に到着予定時刻の申し出なければなりませんが、その時間になってもホテルに到着しなかった場合、宿泊客は契約解除したものとして取り扱われるということです。

実際は数時間後に契約解除とみなされますが、その数時間後という時間の設定はホテルや旅館でそれぞれ設定ができます。

例えば、1時間経過後に解除とみなす取り決めをしているホテルであれば、到着予定時刻の1時間後には予約はキャンセル扱いとなり、他の人に客室を販売することができます。

そのため、予約時の到着予定時刻は適当には伝えるのはやめましょう!

ホテルや旅館の宿泊契約の解除権

ホテルや旅館は次の時に宿泊予約を解除することができます。

  • 宿泊客が法令の規定、公の秩序、善良の風俗に反する行為があるとき。
  • 宿泊客が反社会的勢力だったとき。
  • 他の宿泊客に迷惑を及ぼすとき。
  • 伝染病感染者であるとき。
  • 過度な要求があるとき。
  • 天災等不可抗力が発生したとき。
  • 寝たばこや消防用設備等に対するいたずらをしたとき。

このような理由によりホテルや旅館が契約を解除した場合は、宿泊客がまだサービスを受けていないものに対しての宿泊サービス料金は収受できません。

宿泊契約の違約金(キャンセル料)

ホテルや旅館の違約金(キャンセル料)については、それぞれのホテルや旅館が定めています。

違約金について特殊なケースが2つあります。

  • 契約日数を短縮した場合

    ⇒ 契約日数が短縮した場合は、短縮した日数に関わりなく、宿泊業者は初日の1泊分の違約金を収受することになります。

    例)当初の宿泊契約は5泊 ⇒ 変更後は3泊のみ
    短縮した日数は2泊だが、1日分(初日)のみの違約金対象となる。2泊分の違約金対象ではない。

    ※注意点は契約の一部短縮となり、契約を全て解除する場合はこのケースには該当しません。

  • 団体客の一部キャンセルの場合

    ⇒ 宿泊に関して団体客とは15名以上と決められています。その一部の契約解除をする場合は、宿泊の10日前における宿泊人数の10%に当たる人数については違約金を収受しないことになっています。

    宿泊約款とは
    また、10日前よりも後に申込みを引き受けた場合は、その引き受けた日における宿泊人数の10%に当たる人数については違約金を収受しません。

    宿泊約款とは

宿泊の登録

宿泊客は宿泊の当日にホテルフロントにて次の事項の登録が必要になります。

  • 宿泊客の氏名、年齢、性別、住所、職業
  • 外国人観光客は、国籍、旅券番号、入国地及び入国年月日
  • チェックイン時に現金で精算しない場合はクレジットカードの呈示する。

客室の使用時間

客室の使用時間はそれぞれのホテルや旅館がチェックインは〇〇時、チェックアウトは○○時と定めています。

また、連続して客室を使用する場合は、到着日と出発日を除き、終日使用することができます

追加料金を支払うことで時間外の客室の使用をすることができます。

超過3時間まで室料金の3分の1
(又は室料相当額の〇〇%)
超過6時間まで室料金の2分の1
(又は室料相当額の〇〇%)
超過6時間以上室料金の1分の1(100%)
(又は室料相当額の〇〇%)

※室料相当額(室料+2食)=基本宿泊料の70%
⇒ 70%という根拠は室料を70%、食事を30%と仮定しているため。

例)室料が15000円のチェックアウト時間は午前10時。
客室を午後12時まで使いたい場合:
2時間の超過のため室料の3分の1が追加料金となる。
15000円x3分の1=5000円

客室を午後2時まで使いたい場合:
4時間の超過のため室料の2分の1が追加料金となる。
15000円x2分の1=7500円

客室を午後5時まで使いたい場合:
7時間の超過のため室料の1分の1が追加料金となる。
15000円x1分の1=15000円

料金の支払い

宿泊約款の第12条第3項に次のような文章が記載されています。

第12条第3項
当ホテル(館)が宿泊客に客室を提供し、使用が可能になったのち、宿泊客が任意に宿泊しなかった場合においても、宿泊料金は申し受けます。

この意味は、宿泊客がチェックインの手続きをして、部屋を使わずにどこかへ行ってしまった場合でも宿泊料金は支払わなければならないということです。

稀にチェックインだけして、部屋には宿泊しなかった客が部屋は使っていないのだから返金してくれという申し出があります。しかし、それでも支払いはしなければなりません。

客室の提供ができないときの取扱い

万が一、ホテルや旅館側が宿泊契約をした客室を提供できない時は次のように対応します。

  • 宿泊業者側に原因があってもなくても、宿泊客の了解を得て、できる限り同一の条件による他の宿泊施設を「あっ旋」する。
  • あっ旋ができない場合は、違約金相当額の補償料を宿泊客に支払う。(補償料は損害賠償額に充当する)
  • ただし、宿泊業者側の責めに帰すべき事由がない時は補償料を支払わない

注意するポイントは、客室が用意できない場合は、いずれにしても他のホテルを探さなければなりません。それでも他ホテルが見つからない場合は、宿泊業者側に落ち度や原因がない場合は補償料を支払わないということです。

子供料金

宿泊における子供の取扱いは次のようになります。

大人:中学生以上の宿泊客
子供:小学生以下の宿泊客
大人と準じる食事と寝具を提供した場合大人料金の70%
子供用の食事と寝具を提供した場合大人料金の50%
食事なしで寝具のみを提供した倍大人料金の30%

貴重品の取扱い

  • フロントに預けた場合

    毀損等が発生した場合は、不可抗力の場合を除き、その損害を賠償します。
    ただし、現金などについては宿泊業者側がその種類や価額の「明告」を求めたにもかかわらず、宿泊客がそれを行わなかった時は宿泊業者側は○○円のみの損害を賠償するのみとなる。(金額は宿泊業者側が決めることができる)

  • フロントに預けなかった場合

    故意や過失による毀損が発生した場合は、損害を賠償する。
    ただし、宿泊客からあらかじめ種類及び科学の「明告」がなかったものについて、宿泊業者側の故意または過失がない場合は宿泊業者側が○○円を限度として損害を賠償するのみとなる。

手荷物及び携帯品の保管

宿泊客がホテルに何かを忘れてしまった場合は、「発見日を含めて、7日間保管する」。

それでも持ち主が現れなかった場合は、最寄りの警察署へ届けられる

駐車場での責任

ホテルの駐車場における車両の管理責任は宿泊業者側は負いません。

宿泊業者側の故意または過失によって損害を与えた場合のみ、賠償責任を負います。

以上となります。

宿泊約款は標準旅行業約款よりも簡単な内容です。

ポイントのみを覚えておけば大丈夫です。

それでは、良い一日を!