総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務の試験範囲がとてつもなく広くて、どうやって対策したらいいのかわからない。過去問をやってみても解説がないからわからない。
この記事は、そんな疑問に答えます。
ツナグ旅では令和2年度の総合旅行業務取扱管理者試験の問題解説を9記事にわたって解説しています。
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務(国内観光地理)
- 国内旅行実務(宿泊料金計算、JR運賃計算、国内航空運賃、貸切バス運賃計算)
- 海外旅行実務(国際航空運賃)
- 海外旅行実務(旅券法、出入国法令)
- 海外旅行実務(英語)
- 海外旅行実務(海外観光地理)
- 海外旅行実務(海外実務)
この記事では(9)を解説しています。
こんにちは、ツバサです!
総合旅行業務取扱管理者の試験科目で意外とやっかいなのが「海外旅行実務」です。
その中でも「海外実務」と呼ばれる問題は全部で8問、時差や3レター、2レター、空港の乗り継ぎ時間の問題は毎年出題傾向がありますが、それら以外は全く何が出題されるかわかりません。
世界の鉄道が出るのか、シェンゲン協定が出るのか、ヨーロッパの通貨が出るのか、クルーズ用語が出るのか、ホテル用語が出るのか、範囲が広すぎて対策がとても立て辛いです。
さらに厄介なのが1問5点もあるということです。
とにかく暗記物が多く、覚えた者勝ちなところがあります。
この記事では、令和2年度に実施された総合旅行業務取扱管理者試験の海外実務の問題の解説をしていきます。
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総合旅行業務取扱管理者の過去問解説:海外旅行実務編
総合旅行業務取扱管理者試験の海外実務問題の配点を再度確認しましょう。
海外旅行実務:200点満点(合格点は120点以上)
- 国際航空運賃問題:5点x8問=40点
– 出入国法令問題:5点x8問=40点
- 語学問題(英語):5点x8問=40点
- 海外観光地理問題:2点x20問=40点
– 海外旅行実務問題:5点x8問=40点
1問5点となっており、全部で8問出題されます。
令和2年度の試験では、次のテーマで8問出題されました。
- 時差問題
- 時差問題
- 時差&乗り継ぎ問題
- 世界の鉄道問題
- 3レター問題
- 2レター問題
- クルーズ用語問題
- ホテル用語問題
僕が試験勉強をした時は、ある程度3レターと2レターは頭に入っていたため、時差、乗り継ぎ、世界の鉄道、クルーズ用語、ホテル用語、シェンゲン協定、ヨーロッパの通貨、EU加盟国を重点的に勉強しました。
それでも試験で出題された問題には、シェンゲン協定やヨーロッパの通貨、EU加盟国は出題されず、点数が取れると思っていた2レターの問題「RA=ネパール航空」は初見でわからず、クルーズ用語問題「リド=デッキ後部のプールなどの部分」はカバーしきれずで間違ってしまいました。
他の選択肢はわかっていただけにとても悔しい思いをしました。
それだけ、試験範囲が広く、対策が難しい科目となります。
しかし、1問当たりの点数が5点もあるため、時差や乗り継ぎ問題では必ず正答し点数を取れるようにしましょう。
それでは、実際の過去問の解説をしていきます。
※引用:一般社団法人 日本旅行業協会
※問題の資料を開きながら過去問の解説を読みましょう(資料はこちらから)
海外旅行実務の問題①:時差問題
東京が2020年11月1日(日)正午(12時)のとき、次の各都市の現地時刻のうち、正しいものはどれか。
a:クライストチャーチ(CHC)11月1日午後3時
b:シアトル(SEA)10月31日午後7時
c:ムンバイ(BOM)11月1日午前8時30分
d:ローマ(ROM)11月1日午前5時
解答:c
資料4:「OAG International Time Calculator(抜粋)」から時差を計算しましょう。
クライストチャーチ(CHC):
New ZealandのMainland except Chatham Islandを確認して、11月1日はサマータイムに該当するため、「+13」の時差となる。
シアトル(SEA):
USAのPacific Timeを確認して、サマータイムに該当するため、「-7」の時差となる。
ムンバイ(BOM):
Indiaを確認して、「+5.30」の時差となる。
ローマ(ROM):
Italyを確認して、サマータイムに該当しないため、「+1」の時差となる。
東京はJapanを確認して、「+9」の時差となる。
東京が11月1日の正午12時の場合、それぞれの都市の時間は次のようになる。
クライストチャーチ:12時+(13時-9時)=16時
シアトル:12時+(-7時-9時)=前日10月31日の20時
ムンバイ:12時+(5.30時-9時)=8時30分
ローマ:12時+(1時-9時)=4時
上記から選択肢(c)のムンバイが正解。
海外旅行実務の問題②:時差問題
2020年10月25日(日)に大阪(KIX)をAF291便で出発し、途中パリ(CDG)にてAF1532便に乗り継ぎ、アテネ(ATH)まで行く場合、次のAF291便とAF1532便のそれぞれの所要時間の組合せのうち、正しい組合せはどれか。
大阪(KIX)AF291 23:35発 パリ(CDG)04:15+1着
パリ(CDG)AF1532 09:20+1発 アテネ(ATH)13:35+1着
AF291便の所要時間 - AF1532便の所要時間
a:11時間40分 − 3時間15分
b:11時間40分 − 4時間15分
c:12時間40分 − 3時間15分
d:12時間40分 − 4時間15分
解答:c
フライトの所要時間を計算する時は、ロンドンの標準時間に直してから計算する。
資料4:「OAG International Time Calculator(抜粋)」から時差を確認する。
<AF291便>
大阪23:35⇒日本は「+9」のため、ロンドンの標準時間に合わせると23:35-(+9)=14:35
パリ04:15+1=28:15⇒フランスは10月26日はサマータイム外となるため「+1」となり、、ロンドンの標準時間に合わせると28:15-(+1)=27:15
※「+1」の表記がある場合は24を足す。
27:15-14:35=11:40=12時間40分
<AF1532便>
パリ09:20+1=33:20⇒フランスの10月26日はサマータイム外となるため「+1」となり、ロンドンの標準時間に合わせると33:20-(+1)=32:20
アテネ13:35+1=37:35⇒アテネの10月26日はサマータイムがいとなるため「+2」となり、ロンドンの標準時間に合わせると37:35-(+2)=35:35
35:35-32:20=3:15=3時間15分
上記から選択肢(c)が正しい。
海外旅行実務の問題③:乗り継ぎ時間問題
2020年10月11日(日)に、東京発の航空機でロンドンを経由して、当日中にそれぞれの目的地に乗り継ぐ場合、資料 5「OAG Minimum connecting times(抜粋)」に適合しているものだけをすべて選んでいるものはどれか。(すべての乗継便は、10月11日に運航しているものとする。)
東京〜ロンドン | 最終目的地 | 乗り継ぎ |
便名(着ターミナル、着時刻) | 便名(発ターミナル、発時刻) | |
(ア) JL041(LHR5 06:25) | エディンバラ(EDI) | BA1432(LHR5 07:30) |
(イ) BA008(LHR5 13:10) | ダブリン(DUB) | BA5907(LGW 15:15) |
(ウ) NH211(LHR2 16:10) | ニース(NCE) | BA356(LHR5 17:45) |
a: (ア) (イ) b:(ア) (ウ) c:(イ) (ウ) d:(ア) (イ) (ウ)
解答:b
資料5「OAG Minimum connecting times(抜粋)」の各空港の最低乗継時間(Minimum Connecting Times)を確認する。
選択肢(ア)は、JL国際線にてLHR5=ロンドンヒースロー空港のターミナル5に6時25分に到着、BA国際線にてLHR5=ロンドンヒースロー空港のターミナル5からエディンバラに向けて7時30分に出発する。資料5からLHR Terminal5内の乗り継ぎは「1hr」となっているため、1時間以上の乗り継ぎ時間があれば可能。到着から出発までの時間は1時間5分となっているため、選択肢(ア)は正しい。
選択肢(イ)は、BA国際線にてLHR5=ロンドンヒースロー空港のターミナル5に13時10分に到着、BA国際線にてLGW=ガトウィック空港からダブリンに向けて15時15分に出発する。資料5からLHRからLGWへの乗り継ぎは「2hr 30mins」となっているため、2時間30分以上の乗り継ぎ時間があれば可能。到着から出発までの時間は2時間5分となっており、乗り継ぎができないため、選択肢(イ)は誤り。
選択肢(ウ)は、NH国際線にてLHR2=ロンドンヒースロー空港のターミナル2に16時10分に到着、BA国際線にてLHR5=ロンドンヒースロー空港のターミナル5からニースに向けて17時45分に出発する。資料5からLHR2からLHR5への乗り継ぎは「1hr 30mins」となっているため、1時間30分以上の乗り継ぎ時間があれば可能。到着から出発までの時間は1時間35分となっているため、選択肢(ウ)は正しい。
海外旅行実務の問題④:世界の鉄道問題
鉄道に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
a:ボストン(BOS)〜ワシントン DC(WAS)間を結ぶアセラエクスプレス(Acela)は、アムトラック(Amtrak:National Railroad Passenger Corporation)が運行する高速列車である。
b:ツェルマット〜サンモリッツ間を結ぶグレッシャー エクスプレス(Glacier Express)は、夏季(5月〜10 月)のみ季節運行するパノラマ観光列車である。
c:香港のエアポートエクスプレス(Airport Express)は、機場駅(Airport)と九龍駅(Kowloon)、香港駅(Hong Kong)を結んでいる。
d:ユーロスター(Eurostar)のパリでの発着駅は、北駅(Gare du Nord)である。
解答:b
選択肢(b)は、グレッシャー エクスプレス(Glacier Express)はスイスの氷河特急として有名な列車。運行区間はツェルマットからサンモリッツ。運行時期は通年運航している。そのため、季節運航は誤り。
海外旅行実務の問題⑤:3レター問題
次の国名と都市コードとの組合せのうち、2つの都市コードの両方が当該国の都市として所在している組合せをすべて選びなさい。
a:カンボジア − PNH − REP
b:トルコ − ANK − IST
c:ブラジル − RIO − SAN
解答:a、b
PNH=プノンペン(カンボジア)
REP=シェムリアップ(カンボジア)
ANK=アンカラ(トルコ)
IST=イスタンブール(トルコ)
RIO=リオデジャネイロ(ブラジル)
SAN=サンディエゴ(アメリカ)
上記から選択肢(a)(b)が正しい。
海外旅行実務の問題⑥:2レター問題
次の航空会社コードと航空会社名との組合せのうち、正しい組合せをすべて選びなさい。
a:AI − Air India
b:MM − MIAT Mongolian Airlines
c:RA − Nepal Airlines
解答:a、c
AI=エアインディア
MM=ピーチ
RA=ネパール航空
上記から選択肢(a)(c)が正しい。
MIATモンゴル航空の2レターは「OM」。
ピーチの2レターの覚え方は「MoMo(桃)」。
海外旅行実務の問題⑦:クルーズ用語問題
クルーズ用語に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
a:ドレスコード(Dress Code)とは、夕方からの船内ナイトライフの服装基準のことをいう。
b:ホテルディレクター(Hotel Director)とは、クルーズ船のホテル部門の最高責任者のことをいう。
c.:リド(Lido)とは、デッキ後部のプールなどがある部分を指す。
解答:a、b、c
全て正しいので選択肢をそのまま覚えましょう。
海外旅行実務の問題⑧:ホテル用語問題
ホテル用語に関する次の記述のうち、誤っているものをすべて選びなさい。
a:「ジャーマンツイン」とは、1名用の部屋に補助ベッドを入れ2名用にした部屋のことをいう。
b:「コネクティングルーム」とは、客室間を相互に往来できるよう内部のドアでつながっている隣り合わせの部屋のことをいう。
c:「アメリカンブレックファスト」とは、ホテルの宿泊料金に含まれた、パンとコーヒーか紅茶のみの簡単な朝食のことをいう。
解答:a、c
選択肢(a)は、ジャーマンツインはマットレスは2つ、しかしヘッドボードは1つを共用しているタイプのツインのことが正しい。
選択肢(c)は、アメリカンブレックファストはコンチネンタルブレックファーストに卵料理やハムやベーコンなどの肉料理が加わった朝食のことが正しい。
以上となります。
総合旅行業務取扱管理者試験の海外旅行実務は、ジャンルが多岐にわたって出題されます。
時差問題や乗り継ぎ問題は確実に得点を取れるように試験勉強をしましょう。
それでは、良い一日を!