【旅行会社社員が教える】海外旅行の二重予約によるトラブル

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【旅行会社社員が教える】海外旅行の二重予約によるトラブル トラブル

海外旅行を予約したけど、二重予約になっちゃった。。。。どっちかキャンセルしないといけないな。。。。このまま両方の予約をキープしてても大丈夫なのかな。。。。

この記事は、そんな疑問に答えます。

✔ 本記事の内容

  • 海外旅行の二重予約がバレる仕組み
  • 海外旅行の二重予約によるトラブル

こんばんは、ツバサです。

海外旅行の航空券やパッケージツアーをいろいろ探していると、取消料がかからない日程であれば、いくつかの旅行会社に予約しちゃえ!と思っていませんか?

実は、これは超危険行為です!

旅行業界ではこの二重予約のことを「デュープ」(英語ではDuplication)と言うのですが、特に繁忙期のシーズンは「あのお客さん、デュープしてる!!!」という声がオフィス内でよく聞こえてきます。それだけ二重予約をしている人が多いということであり、それらは旅行会社にはバレているということです。デュープはトラブルの原因にもなり、デュープを解決するためには時間もかかる場合があるため、必ずしないようにしましょう。

この記事では、「海外旅行の二重予約」に関して詳しく解説します。

海外旅行の二重予約がバレる仕組み

海外旅行の二重予約がバレる仕組み

海外旅行の二重予約は十分に気を付けなければなりません。特に航空券に関しては、航空会社側の重複予約チェックがとても厳しいです。この二重予約のチェックのことを旅行業界では「デュープチェック」と言いますが、デュープチェックがしっかりしていることもあり、すぐにバレます。ホテルに関しては、経験上、そこまでデュープチェックは厳しくありません。

二重予約がバレてしまう仕組みは次の通りです。

航空券はローマ字の氏名のみで予約可能

旅行会社が航空券を予約する際、航空券予約システムを使いますが、その航空券予約システムで航空券を予約する際の流れは次の通りです。

  1. 該当する日程のフライトの空席状況を調べる
  2. 空席があれば、フライト便名、日付け、区間、予約クラス、人数を指定する
  3. 搭乗者のローマ字氏名を入力する
  4. 旅行会社情報(旅行会社名や電話番号、担当者名)を入力する
  5. 航空券の種別によっては料金に関わるコードを入力する
  6. 全ての入力が終わったら、システムを通して航空会社に予約を送る
  7. 航空会社からすぐに予約番号が付与される

このように、フライト情報などは必要なものの、顧客情報に関わるものはローマ字の氏名のみで航空券予約が可能となります。

そのため、旅行会社に見積もり依頼をする際、全参加者の氏名を聞いてくる旅行会社は航空券を予約している場合があります。

航空券予約情報はシステム管理されている

航空会社側では各日程の各フライトに対して、顧客のローマ字氏名から予約の重複チェックをすることが可能です。航空会社は一席でも多く座席を販売したいため、同姓同名の搭乗者には厳しく二重予約のチェックをしています。

二重予約とみなされる例としては次の通りです。

  • 二社以上の旅行会社にて同じローマ字氏名で同じ旅程の航空券を予約をする
  • 同じ旅行会社でも同じローマ字氏名で同じ旅程の航空券を予約する
  • 同じローマ字氏名で同じ旅程の予約をエコノミークラスとビジネスクラスの両方で予約をする
  • 全旅程が同じではなくても、一部の区間を同じローマ字氏名で予約をする

このようにシステム内ではすぐに重複がバレてしまいます。

稀に本当に同姓同名の別の人が同じ旅程あるいは一部区間を予約していることがありますが、本当に稀です。

航空会社側で二重予約を見つけたら旅行会社へすぐ通達される

旅行会社と航空会社は航空券予約システムで繋がっています。そのため、航空券予約に関わるメッセージはその航空券予約システム内でやり取りが行われます。そのメッセージをチェックすることを旅行業界では「キューチェック」と言います。

旅行会社の航空券手配担当スタッフが航空券予約システム内で日々キューチェックをしていると、以前予約していた航空券予約が突然キャンセルをされているというメッセージを確認することがあります。旅行会社側としては突然のことでびっくりしますが、航空会社からのメッセージには「二重予約のためキャンセルとなりました」と書かれています。

二重予約の場合は突然キャンセルされる場合もありますが、航空会社によっては旅行会社に確認を取ってもらうために数日猶予を設けるところもあります。

いずれにしても、二重予約の情報は航空会社側ですぐにバレてしまい、旅行会社に通達される仕組みとなっています。

海外旅行の二重予約によるトラブル

海外旅行の二重予約によるトラブル

海外旅行を探している時、いろんな旅行会社のパッケージツアーをチェックします。ツアー内容やツアー特典、ツアー料金など比較検討することが多いです。また、航空券だけの予約の場合もいろんな旅行会社の航空券代金をチェックします。

「海外旅行の希望日程がまだまだ先だから取消料もかからないし、とりあえず予約しておこう」と思うかもしれません。この「とりあえず予約」が後々トラブルになることがよくあります。

トラブル① 旅行会社から二重予約のため予約ができないと言われた

二社以上の旅行会社に「とりあえず予約」をした場合、後から予約した旅行会社の担当スタッフから連絡があり、

お客様の旅行予約が二重予約になっており、弊社では手配ができない状態です。他旅行会社で同じような予約をされていらっしゃいますか?

他旅行会社でお客様のお名前で予約が入っており、弊社では手配を進めることができません

と言われることがあります。まさに二重予約のトラブルです。先に予約された方が優先順位が高いため、後から予約しようとしてもできないということになります。

二社以上の旅行会社に予約をしている人はまさに「ドキッ?!」「なんでバレるの」となる瞬間です。

トラブル② 他社をキャンセルしたのにまだ二重予約をしていると言われる

二重予約の片方をキャンセルしたにも関わらず、まだ二重予約になっていると言われることがあります。

例えば、先に旅行会社Aへ航空券を予約し、後日旅行会社Bの航空券が安かったため、旅行会社Bにも同じ航空券を予約した場合、旅行会社Bから「二重予約となっています」と連絡が入ります。その後、旅行会社Aには正式にキャンセルする旨の連絡を入れ、旅行会社Bには「他旅行会社の予約はキャンセルをしました」と伝えたにも関わらず、その数日後、旅行会社Bから「まだ二重予約になっています」と言われることがあります。

顧客の立場ではすでに一社の旅行会社にしか旅行予約をしていないにも関わらず、二重予約が解消しないというトラブルです。

この原因はいくつかパターンがあります。

パターン① 旅行会社側がキャンセル手続きをしていない

例えば、顧客が旅行会社Aにキャンセルの連絡を入れて、旅行会社Aとのやり取りは終わったとしても、実は旅行会社A側が座席のキープをしておきたい場合や座席の再販をしたい場合、予約をしたまま残しておくことがあります。

この場合、予約記録が残っているため、旅行会社Bはまだ手配ができない状態が続きます。

パターン② 旅行会社の手配先がキャンセル手続きをしていない

これはホテルの手配の時によく起こります。例えば、旅行会社Aは海外にある旅行会社Cを通してホテルの手配をしている場合、顧客が旅行会社Aにキャンセルの連絡を入れた後、旅行会社Aは海外にある旅行会社Cにキャンセルの連絡を入れます。しかし、旅行会社Cはホテル側にキャンセルの連絡を入れずに予約を残している場合があります。

この場合、予約記録がホテル側に残っているため、旅行会社Bはまだ手配ができない状態が続きます。また、旅行会社Aは旅行会社Cに対してはキャンセル手続きをすでに行っているため、旅行会社Aから顧客への案内としては「すでにキャンセル済みです」となります。しかし、顧客が旅行会社Bに「他旅行会社をキャンセルをしたので手配を進めてください」とお願いをしても、旅行会社Bは手配ができない状態が続いているため、「キャンセルをしたのに二重予約が解消されない」という状況に陥ります。

このケースは顧客のイライラもピークに達することが多く、犯人探しが始まります。この状況を解消するには、旅行会社Aに対して、ホテル側までキャンセルが伝わっているのかどうかを粘り強く確認していくしかありません。

トラブル③ 二重予約のペナルティにより旅行がキャンセルされる

航空券を二重予約している場合は、航空会社の対応も非常に厳しく、旅行会社経由の予約にも関わらず、航空会社は二重予約の航空券予約をキャンセルする場合があります。

旅行会社側は使用している航空券予約システム内に航空会社からのメッセージで航空券予約が二重予約のためにキャンセルしたことを知ることになります。

二重予約により、片方の予約あるいは両方の予約をいきなりキャンセルされる場合があります。

トラブル④ キャンセルしたのに再手配をしたら座席が取れない

これは航空券でよくあることですが、顧客から旅行会社Aにはキャンセルの連絡を入れ、そして旅行会社Bに手配を進めてほしいことを伝えた後、旅行会社Bから「座席の確保ができませんでした」と連絡がくることがあります。

ここで注意したいことは、旅行会社Aの予約をキャンセルしても、その座席は旅行会社Bの予約へは移行できないということです。

航空券の予約をキャンセルした後、即時に航空券予約システム上に空席が反映される場合もあれば、一旦航空会社側に吸収され、システム上、空席が出ない場合があります。前者の場合は空席が出た瞬間に他の旅行会社が座席を予約した可能性もあります。また、後者の場合は、キャンセル待ちをしている人に座席が割り振られた可能性もあります。

そのため、旅行会社Aの予約をキャンセルしたにも関わらず、旅行会社Bでは座席確保ができなかったという状況が発生します。

これは二重予約がもたらす最悪なケースです。旅行会社には非はないため、二重予約をした顧客の自己責任となります。

以上となります。

このように二重予約は良いことないですね。「二重予約=仮予約」でもあり、稀に重複予約の数が多すぎて、予約したことを忘れている人もいるくらいです。二重予約は航空会社や旅行会社にはすぐにバレてしまうため、注意しましょう。

それでは、良い一日を!