総合旅行業務取扱管理者試験に出題される国際航空運賃の問題がとても苦手。令和3年度の過去問をやっていたけど全然わからない。過去問の解説を読んでみたい。
この記事は、そんな疑問に答えます。
ツナグ旅では令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験の問題解説を9記事にわたって解説しています。
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務(国内観光地理)
- 国内旅行実務(宿泊料金計算、JR運賃計算、国内航空運賃、貸切バス運賃計算)
- 海外旅行実務(国際航空運賃)
- 海外旅行実務(旅券法、出入国法令)
- 海外旅行実務(英語)
- 海外旅行実務(海外観光地理)
- 海外旅行実務(海外実務)
この記事では(5)を解説しています。
こんにちは、ツバサです。
総合旅行業務取扱管理者試験の国際航空運賃の問題に苦手意識を抱いている人は多いと思います。
僕自身も配点が大きいし、いろんなルールをチェックしないといけないので苦手意識がありました。
苦手意識を克服するには問題の解き方のパターンを作ることです。
そしたら、複雑そうに見える問題でも淡々と解けるようになります。
この記事では、令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験に出題された国際航空運賃の問題について詳しく解説していきます。
ブログ運営者のツバサです。総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者共に全科目受験で同年に1発合格。国内旅行業務取扱管理者の試験は90%の正答率、総合旅行業務取扱管理者の試験では85%の正答率でした。格段にレベルが上がったと言われている2020年度の総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務では200点満点中、自己採点で175点を獲得。
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総合旅行業務取扱管理者の過去問解説:国際航空運賃編
総合旅行業務取扱管理者試験では、毎年国際航空運賃の問題が8問出題されます。
1問5点となり8問で40点、是が非でも30点以上は取りたいところです。
それでは、令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験に出題された国際航空運賃の問題の解説をしていきます。
海外旅行実務の問題:国際航空運賃①
運賃計算上の留意点
・各設問について、途中降機料金(S)及び特定便追加運賃(Q)が必要な場合は、計算式に含めること。
- クラス・人員:エコノミークラス・大人1名
- 適用運賃
JL エコノミークラス特別運賃Semi-Flex M
JL エコノミークラス特別運賃Standard L - 運賃・規則:資料編参照(資料1.及び資料3.)
- 運賃計算上の折り返し地点:各設問に記載
- 航空券の予約完了日・発券日:2021年5月15日(土)
- 航空券の発券・販売:日本
-
その他:運賃は本来 NUC 額にて算出するが、計算簡素化のため円貨額にて算出するものとする。
※資料はこちら。
問1:この旅程において、BCNを運賃計算上の折り返し地点として、往路・復路ともStandard L運賃を適用した場合の運賃算出のための計算式はどれか。
- 往路:230,000円×1/2+5,000円
復路:230,000円×1/2+5,000円 - 往路:230,000円×1/2+5,000円+10,000円
復路:230,000円×1/2+5,000円+10,000円 - 往路:230,000円×1/2+5,000円
復路:270,000円×1/2+5,000円 - 往路:230,000円×1/2+5,000円+10,000円
復路:270,000円×1/2+5,000円+10,000円
解答:c
往復共にLクラスを利用するシンプルな問題です。
まずは旅程を書き起こします。これは見直しをする際に時間短縮ができる方法になります。
次に「途中降機」や「運賃計算規定」を確認します。
途中降機:ヨーロッパ内で往路・復路各1回可能(1回につき10,000円)。ただし、ヘルシンキ、マドリードでの途中降機は無料で可。
運賃計算規定:指定経路型運賃であり、距離計算、HIPチェックは適用しない。
上記から一部都市を除いてS/Oは1回10,000円がかかること、マイレージやHIPチェックは不要ということがわかります。
次に「適用期間・運賃」の条件を確認します。
Standard Lの運賃では、
往路:往路の国際線出発日を基準として往路の旅程に適用する。
復路:復路のヨーロッパ国内の最終地点の出発日を基準として復路に適用する。
ウィークデイとウィークエンドについては、
往路:日本国内の最終地点を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
復路:ヨーロッパ国内の最終地点を出発する曜日を基、1/2往復運賃を適用
となります。
往路JL043便、復路JL044便利用となるため、「JL041便以外利用」の表を確認し、往路は東京発8月2日(月)となることからウィークデイ(X)、復路はロンドン発8月15日(日)となることからウィークデイ(X)となります。
Standard Lの運賃表を確認し、
往路:230,000円、復路:270,000円
の料金がわかります。
特定便追加運賃を確認するとJL043便、JL044便をMクラスまたはLクラスを利用すると片道5,000円かかることがわかります。
途中降機の確認をすると復路MADで途中降機をしていますが、ヘルシンキ、マドリードでの途中降機は無料となることから途中降機代金は不要となります。
運賃をまとめると、
往路:230,000円÷2+5,000円
復路:270,000円÷2+5,000円
となります。
上記から選択肢cが正解となります。
海外旅行実務の問題:国際航空運賃②
問2:この旅程において、MADを運賃計算上の折り返し地点として、往路・復路ともSemiFlex M運賃を適用した場合の運賃算出のための計算式はどれか。
- 往路:295,000円×1/2+5,000円
復路:295,000円×1/2+5,000円+10,000円 - 往路:315,000円×1/2+5,000円+10,000円
復路:295,000円×1/2+5,000円 - 往路:295,000円×1/2+5,000円
復路:335,000円×1/2+5,000円+10,000円 - 往路:315,000円×1/2+5,000円+10,000円
復路:335,000円×1/2+5,000円
解答:d
往復共にMクラスを利用するシンプルな問題です。
まずは旅程を書き起こします。
次に「途中降機」や「運賃計算規定」を確認します。
途中降機:ヨーロッパ内で往路・復路各1回可能(1回につき10,000円)。ただし、ヘルシンキ、マドリードでの途中降機は無料で可。
運賃計算規定:指定経路型運賃であり、距離計算、HIPチェックは適用しない。
上記から一部都市を除いてS/Oは1回10,000円がかかること、マイレージやHIPチェックは不要ということがわかります。
次に「適用期間・運賃」の条件を確認します。
Semi-Flex Mの運賃では、
往路:往路の国際線出発日を基準として往路の旅程に適用する。
復路:復路のヨーロッパ国内の最終地点の出発日を基準として復路に適用する。
ウィークデイとウィークエンドについては、
往路:日本国内の最終地点を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
復路:ヨーロッパ国内の最終地点を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
となります。
往路JL043便、復路JL044便利用となるため、「JL041便以外利用」の表を確認し、往路は東京発8月2日(月)となることからウィークエンド(W)、復路はロンドン発8月15日(日)となることからウィークデイ(X)となります。
Semi-Flex Mの運賃表を確認し、
往路:315,000円、復路:335,000円
の料金がわかります。
特定便追加運賃を確認するとJL043便、JL044便をMクラスまたはLクラスを利用すると片道5,000円かかることがわかります。
途中降機の確認をすると往路BCNで途中降機をしているので、途中降機代金10,000円が必要となります。
運賃をまとめると、
往路:315,000円÷2+5,000円+10,000円
復路:335,000円÷2+5,000円
となります。
上記から選択肢dが正解となります。
海外旅行実務の問題:国際航空運賃③
問3:この旅程において、BCNを運賃計算上の折り返し地点として、往路にSemi-Flex M運賃、復路にStandard L運賃を適用した場合の運賃算出のための計算式はどれか。
- 往路:295,000円×1/2+5,000円
復路:230,000円×1/2+5,000円+10,000円 - 往路:315,000円×1/2+5,000円+10,000円
復路:230,000円×1/2+5,000円 - 往路:315,000円×1/2+5,000円
復路:270,000円×1/2+5,000円 - 往路:295,000円×1/2+5,000円+10,000円
復路:270,000円×1/2+5,000円+10,000円
解答:c
往路Semi-Flex M、復路Standard Lの結合運賃になります。
まずは旅程を書き起こします。
次に「途中降機」や「運賃計算規定」を確認します。
途中降機:(Semi-Flex M、Standard L共に)ヨーロッパ内で往路・復路各1回可能(1回につき10,000円)。ただし、ヘルシンキ、マドリードでの途中降機は無料で可。
運賃計算規定:(Semi-Flex M、Standard L共に)指定経路型運賃であり、距離計算、HIPチェックは適用しない。
上記から一部都市を除いてS/Oは1回10,000円がかかること、マイレージやHIPチェックは不要ということがわかります。
次に「適用期間・運賃」の条件を確認します。
Semi-Flex M、Standard L共に、
往路:往路の国際線出発日を基準として往路の旅程に適用する。
復路:復路のヨーロッパ国内の最終地点の出発日を基準として復路に適用する。
ウィークデイとウィークエンドについては、
往路:日本国内の最終地点を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
復路:ヨーロッパ国内の最終地点を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
となります。
往路JL043便、復路JL044便利用となるため、「JL041便以外利用」の表を確認し、往路はMクラスとなるため東京発8月2日(月)はウィークエンド(W)、復路はLクラスとなるためロンドン発8月15日(日)はウィークデイ(X)となります。
Semi-Flex MとSrtandard Lの運賃表を確認し、
往路:315,000円、復路:270,000円
の料金がわかります。
特定便追加運賃を確認するとJL043便、JL044便をMクラスまたはLクラスを利用すると片道5,000円かかることがわかります。
途中降機の確認をすると復路MADで途中降機をしていますが、ヘルシンキ、マドリードでの途中降機は無料となることから途中降機代金は不要となります。
運賃をまとめると、
往路:315,000円÷2+5,000円
復路:270,000円÷2+5,000円
となります。
上記から選択肢cが正解となります。
海外旅行実務の問題:国際航空運賃④
問4:上記問3で算出した運賃及びその航空券に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- この航空券を2021年5月15日(土)に予約を完了した場合、発券期限は2021年5月21日 (金)である。
- この航空券に適用する運賃で、最も短い旅行日数の旅程を手配する場合、MAD−LON間BA461便の旅行開始日は2021年8月5日(木)、LON−TYO間JL044便の旅行開始日は2021年8月6日(金)となる。
- この航空券を2021年5月15日(土)に発券後、日本航空が2021年7月1日(木)に日本政府の認可を受け、2021年7月17日(土)出発分からJL043便・JL044便の特定便追加運賃(Qサーチャージ)を改定した場合においても、差額調整は行われない。
解答:c
選択肢aは発券期日を問われているため、結合可能運賃の条件を確認します。「発券、必要旅行日数、最長旅行期間、取り消し、払い戻しについては結合されるより厳しい運賃規則が全旅程に適用される」と記載があります。Semi-Flex M、Standard Lの発券期日について確認すると共に「予約が最初の国際線搭乗日の29日以前:予約完了後7日以内」となっているため、8月2日の国際線に対して5月15日に予約を完了している場合は、予約完了後7日以内となるため、発券期日は5月22日となります。そのため、誤りとなります。
選択肢bは必要旅行日数を問われているため、結合可能運賃の条件を確認します。「発券、必要旅行日数、最長旅行期間、取り消し、払い戻しについては結合されるより厳しい運賃規則が全旅程に適用される」と記載があります。Standard Lの必要旅行日数は3日発・開始、ただし復路のヨーロッパ内最終地点の出発は最初の日曜日以降の条件となり、Semi-Flex Mの条件よりも厳しいため、Standard Lの条件で確認します。往路が8月2日(月)となるため、+3日をすると8月5日(木)となります。しかし、復路のヨーロッパ内最終地点の出発は最初の日曜日以降の条件があるため、最短でも日曜日以降となる8月8日(日)となります。そのため、誤りとなります。
選択肢cは、適用運賃や規則を問われているため、資料3の運賃計算の基本規則を確認します。資料には「運賃・規則は、航空券の第一区間の旅行開始日に適用される、航空券発券日に有効な運賃・規則を使用する。発券日から旅行開始日までの間に運賃・規則の変更があった場合でも、発券日に有効な運賃・規則が適用される。」と記載があります。そのため選択肢cの文章内にある発券後に差額調整は行われないは正しいとなります。
海外旅行実務の問題:国際航空運賃⑤
運賃計算上の留意点
・各設問について、途中降機料金(S)及び特定便追加運賃(Q)が必要な場合は、計算式に含めること。
- 旅程:各設問に記載
- クラス・人員:エコノミークラス・大人1名
- 適用運賃
NHエコノミークラス特別運賃Basic M
NHエコノミークラス特別運賃Value Q
NHエコノミークラス特別運賃Value V - 運賃・規則:資料編参照(資料2.及び資料3.)
- 運賃計算上の折り返し地点:各設問に記載
- 航空券の予約完了日・発券日:各設問に記載
- 航空券の発券・販売:日本
- その他: 運賃は本来NUC額にて算出するが、計算簡素化のため円貨額にて算出するものとする。ただし、問5.に関しては、eチケットに記載される運賃計算内訳表示を求めるためNUC額にて算出すること。
※資料はこちら。
問5:以下の条件(1.〜 4.)において、往路にValue Q運賃、復路にValue V運賃を適用した場合、発券されたeチケットの運賃計算情報(Fare Calculation)欄に表示されるものは次のうちどれか。
- 運賃計算上の折り返し地点:MNL
- 航空券の予約完了日・発券日:2021年5月15日(土)
- 換算レート(ROE):NUC=JPY100.000000
- 04SEP21 HKD NH X/TYO NH MNL 605.00 NH X/TYO Q40.00 NH HKD 605.00
NUC1250.00END ROE100.000000 - 04SEP21 HKD NH X/TYO NH MNL 705.00 NH X/TYO Q40.00 NH HKD 605.00
NUC1350.00END ROE100.000000 - 04SEP21 HKD NH X/TYO NH MNL Q40.00 705.00 NH X/TYO Q40.00 NH HKD
605.00 NUC1390.00END ROE100.000000 - 04SEP21 HKD NH X/TYO NH MNL 705.00 NH X/TYO Q40.00 NH HKD 705.00
NUC1450.00END ROE100.000000
解答:b
往路Value Q、復路Value Vの結合運賃になります。eチケットの運賃計算情報の選択肢になりますが、焦らずいつも通りに運賃計算をしていきます。
まずは旅程を書き起こします。
次に「途中降機」や「運賃計算規定」を確認します。
途中降機:(Value Q、Value V共に)マニラで往路・復路各1回可(1回につき7,000円)
運賃計算規定:(Value Q、Value V共に)指定経路型運賃であり、距離計算、HIPチェックは適用しない。
上記からマニラでのS/Oは1回7,000円がかかること、マイレージやHIPチェックは不要ということがわかります。
次に「適用期間・運賃」の条件を確認します。
Value Q、Value V共にウィークデイとウィークエンドについては、
往路:日本国内の最終地点を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
復路:日本国内の最終国際線区間を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
となります。
往路は東京発9月5日(日)はウィークエンド(W)、復路はマニラ発9月10日(金)はウィークエンド(W)となります。
Value QとValue Vの運賃表を確認し、
往路:131,000円、復路:111,000円
の料金がわかります。
特定便追加運賃を確認するとNH870便を利用すると片道4,000円かかることがわかります。
日本国内の函館~東京間のアッドオン運賃を確認すると往復で10,000円かかることがわかります。
運賃をまとめると、
往路:(131,000円+10,000円)÷2=70,500円
復路:(111,000円+10,000円)÷2+4,000円=60,500円+4,000円(あえてアッドオン運賃は合算せずに記載します)
となります。
換算レート1NUC=JPY100と注釈があるため、往路は705(70,500÷100)、復路は605(60,500÷100)、40(4,000÷100)ということがわかります。
上記情報から選択肢bを確認すると、
NH X/TYO NH MNL 705.00
NH X/TYO Q40.00 NH HKD 605.00
NUC1350.00
となっており、運賃計算の数字と合います。
※問題文の冒頭に「運賃計算上の留意点、各設問について、途中降機料金(S)及び特定便追加運賃(Q)が必要な場合は、計算式に含めること。」と記載があり、「Q」が特定便追加運賃ということがわかります。
上記から選択肢bが正解となります。
海外旅行実務の問題:国際航空運賃⑥
問6:以下の条件(1.〜 3.)において、往路・復路ともValue V運賃を適用した場合の運賃算出のための計算式はどれか。
- 運賃計算上の折り返し地点:往路の終点をCEB、復路の始点をMNLとするオープンジョー旅行
- 航空券の予約完了日・発券日:2021年5月15日(土)
- 往路:117,000円×1/2+4,000円
復路:117,000円×1/2 - 往路:117,000円×1/2+4,000円
復路:111,000円×1/2+4,000円 - 往路:117,000円×1/2+7,000円+4,000円
復路:111,000円×1/2 - 往路:117,000円×1/2+7,000円+4,000円
復路:117,000円×1/2+4,000円
解答:c
往復共にVクラスを利用する運賃で旅程にオープンジョーが含まれた内容の問題です。
まずは旅程を書き起こします。
次に「途中降機」や「運賃計算規定」を確認します。
途中降機:マニラで往路・復路各1回可(1回につき7,000円)
運賃計算規定:指定経路型運賃であり、距離計算、HIPチェックは適用しない。
上記からマニラでのS/Oは1回7,000円がかかること、マイレージやHIPチェックは不要ということがわかります。
次に「適用期間・運賃」の条件を確認します。
ウィークデイとウィークエンドについては、
往路:日本国内の最終地点を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
復路:日本国内の最終国際線区間を出発する曜日を基準、1/2往復運賃を適用
となります。
往路は東京発9月3日(金)はウィークデイ(X)、復路はマニラ発9月9日(木)はウィークデイ(X)となります。
Value Vの運賃表を確認しますが、旅程がOJのため、往路はCEBの運賃、復路はMNLの運賃を確認します。
往路:117,000円、復路:111,000円
の料金がわかります。
往路MNLで途中降機をしているため、途中降機代金が7,000円必要となります。
特定便追加運賃を確認すると往路NH869便を利用すると片道4,000円かかることがわかります。
運賃をまとめると、
往路:117,000円÷2+7,000円+4,000円
復路:111,000円÷2
となります。
上記から選択肢cが正解となります。
海外旅行実務の問題:国際航空運賃⑦
問7:以下の条件(1.〜 4.)において、全旅程に適用できる最も安価な運賃算出のための計算式はどれか。
- 運賃計算上の折り返し地点:CEB
- 航空券の予約完了日・発券日:2021年5月15日(土)
- 空席状況:往路・復路とも全クラスに空席があるものとする。
- 往路:117,000円×1/2
復路:117,000円×1/2+7,000円 - 往路:137,000円×1/2
復路:137,000円×1/2+7,000円 - 往路:215,000円×1/2
復路:117,000円×1/2+7,000円 - 往路:215,000円×1/2
復路:137,000円×1/2+7,000円
解答:d
この問題は、運賃計算上の折り返し地点がCEBと決まっており、旅程や条件から最安値の運賃を調べる問題になります。この手の問題にも焦らず、旅程を書き起こすルーティンをしましょう。
まずは旅程を書き起こします。
※この問題では運賃の種類に関わらず、ウィークエンドとウィークデイの条件が同じのため、旅程を書き起こす際にWと書いています。
次に旅程内の注釈を確認すると「NH5323便はフィリピン航空(PR)運航のコードシェア便である」という記載があります。経路規定を確認すると次のように書かれています。
【Mクラス】
日本発着国際線区間は全日空(NH)に限る。他社が運行するコードシェア便の利用も可。
【Q/Vクラス】
日本発着国際線区間は全日空(NH)に限る。ただし、他社が運行するコードシェア便はエアジャパン(NQ)に限る。
上記から往路NH5323便はフィリピン航空のコードシェア便のため、Mクラス利用ということがわかります。
次に結合可能運賃の条件を確認してみるとMクラスと併用できる運賃は「Value Qとの片道ずつの利用可」という記載があります。この時点で復路Vクラスの可能性はなくなり、Qクラスが適用できるかを旅程から判断します。
MNLで途中降機、フィリピン国内線はフィリピン航空利用、航空券の予約完了日、必要旅行日数、最長旅行日数、いずれもQクラスの条件に合います。
往路Mクラス、復路Qクラスがわかったので運賃計算をしていきます。
ここからは同じ手順です。
「途中降機」や「運賃計算規定」を確認します。
途中降機:マニラで往路・復路各1回可(1回につき7,000円)
運賃計算規定:指定経路型運賃であり、距離計算、HIPチェックは適用しない。
上記からマニラでのS/Oは1回7,000円がかかること、マイレージやHIPチェックは不要ということがわかります。
往路はMクラスの運賃、復路はQクラスの運賃を確認します。
往路:215,000円、復路:137,000円
の料金がわかります。
復路MNLで途中降機をしているため、途中降機代金が7,000円必要となります。
運賃をまとめると、
往路:215,000円÷2
復路:137,000円÷2+7,000円
となります。
上記から選択肢dが正解となります。
海外旅行実務の問題:国際航空運賃⑧
問8:以下の条件(1.〜 4.)において、全旅程に適用できる最も安価な運賃算出のための計算式はどれか。
- 運賃計算上の折り返し地点:MNL
- 航空券の予約完了日・発券日:2021年5月月15日(土)
- 空席状況:往路・復路とも全クラスに空席があるものとする。
- 往路:111,000円×1/2+4,000円
復路:111,000円×1/2+7,000円 - 往路:131,000円×1/2+4,000円
復路:111,000円×1/2+7,000円 - 往路:111,000円×1/2+4,000円
復路:209,000円×1/2+7,000円 - 往路:131,000円×1/2+4,000円
復路:209,000円×1/2+7,000円
解答:d
この問題は、運賃計算上の折り返し地点がCEBと決まっており、旅程や条件から最安値の運賃を調べる問題になります。この手の問題にも焦らず、旅程を書き起こすルーティンをしましょう。
まずは旅程を書き起こします。
※この問題では運賃の種類に関わらず、ウィークエンドとウィークデイの条件が同じのため、旅程を書き起こす際にXとWと書いています。
次に旅程内の注釈を確認すると往路NH869便はMNLまでの直行便のためMクラス、Qクラス、Vクラスの可能性があります。続いて復路の経路を見るとHKGで途中降機していること、「NH1932便はエアジャパン(NQ)運航のコードシェア便である」という記載があることから、途中降機と経路規定を確認します。
【Mクラス】
途中降機:マニラ、香港で往路・復路1回可(1回につき7,000円)
経路規定:日本発着国際線区間は全日空(NH)に限る。他社が運行するコードシェア便の利用も可。その他の区間は全日空(NH)、フィリピン航空(PR)、キャセイパシフィック航空(CX)、香港航空(HX)などの指定航空会社に限る。
【Q/Vクラス】
途中降機:マニラで往路・復路1回可(1回につき7,000円)
経路規定:日本発着国際線区間は全日空(NH)に限る。ただし、他社が運行するコードシェア便はエアジャパン(NQ)に限る。
上記から復路はMクラスというのがわかります。復路がMクラスとわかったら、結合可能運賃を確認すると「Value Qとの片道ずつの利用可」となるため、往路NH869便のMNLへの直行便はQクラスで可能となります。
念のため航空券の予約完了日、必要旅行日数、最長旅行日数、いずれもQクラスの条件に合います。
往路Qクラス、復路Mクラスがわかったので運賃計算をしていきます。
ここからは同じ手順です。
「途中降機」や「運賃計算規定」を確認します。
途中降機:マニラ・香港で往路・復路各1回可(1回につき7,000円)
運賃計算規定:指定経路型運賃であり、距離計算、HIPチェックは適用しない。
上記から香港でのS/Oは1回7,000円がかかること、マイレージやHIPチェックは不要ということがわかります。
※念のため、結合可能運賃の条件に「適用期間、途中降機、乗り換え、経路規定、運賃計算規定、予約変更、経路変更についてはフェアコンポーネント(運賃計算区間)ごとの規則が適用される」という文章を確認しておきましょう。
往路はQクラスの運賃、復路はMクラスの運賃を確認します。
往路:131,000円、復路:209,000円
の料金がわかります。
復路HKGで途中降機をしているため、途中降機代金が7,000円必要となります。
特定便追加運賃を確認すると往路NH869便を利用すると片道4,000円かかることがわかります。
運賃をまとめると、
往路:131,000円÷2+4,000円
復路:209,000円÷2+7,000円
となります。
上記から選択肢dが正解となります。
以上となります。
国際航空運賃の計算は確認事項が多いため、取りこぼしの内容にしましょう。
また、1問に時間をかけすぎてしまうと全体的に時間が足りなくなってしまうので注意しましょう。
※目標は8問を30分で解く。
国際航空運賃の問題を繰り返し行って慣れて、そうすれば6割以上の点数が取れるようになります。
それでは、良い一日を!