総合旅行業務取扱管理者試験の科目の中でも海外旅行実務の問題が本当苦手。時差問題とか3レターとかクルーズ問題とか本当内容が多岐にわたっているから対策ができない。過去問もやってみたけど、解説ないから本当わかんない。
この記事は、そんな疑問に答えます。
ツナグ旅では令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験の問題解説を9記事にわたって解説しています。
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務(国内観光地理)
- 国内旅行実務(宿泊料金計算、JR運賃計算、国内航空運賃、貸切バス運賃計算)
- 海外旅行実務(国際航空運賃)
- 海外旅行実務(旅券法、出入国法令)
- 海外旅行実務(英語)
- 海外旅行実務(海外観光地理)
- 海外旅行実務(海外実務)
この記事では(9)を解説しています。
こんにちは、ツバサです。
総合旅行業務取扱管理者試験に出題される科目の中でも試験対策が困難な科目が「海外旅行実務」の問題です。
時差問題、2レター、3レター、世界の鉄道、査証、クルーズなど、どんなジャンルの問題が出題されるのかがわかりません。
そんな対策が困難な海外旅行実務でも6割以上の点数を取ろうと思ったら、8問中5~6問は正解したいところです。
過去問をやっていても、こんな問題は勉強していないというような問題も出題されます。
この記事では、令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験に出題された海外旅行実務の問題を解説していきたいと思います。
ブログ運営者のツバサです。総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者共に全科目受験で同年に1発合格。国内旅行業務取扱管理者の試験は90%の正答率、総合旅行業務取扱管理者の試験では85%の正答率でした。格段にレベルが上がったと言われている2020年度の総合旅行業務取扱管理者の海外実務では200点満点中、自己採点で175点を獲得。
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総合旅行業務取扱管理者の過去問解説:海外旅行実務編
総合旅行業務取扱管理者試験の海外旅行実務の科目は、5種類の問題から構成されています。
海外旅行実務:200点満点(合格点は120点以上)
- 国際航空運賃問題:5点x8問=40点
– 出入国法令問題:5点x8問=40点
- 語学問題(英語):5点x8問=40点
- 海外観光地理問題:2点x20問=40点
– 海外旅行実務問題:5点x8問=40点
ここでは海外旅行実務問題の解説をしますが、5点x8問=40点もあるため、語学(英語)が苦手な受験生にとっては、是が非でも海外旅行実務問題で30点は欲しいところです。
それでは、過去問の解説をしていきます。
海外旅行実務の問題①:時差問題
次の組合せのうち、都市(A)が2021年10月30日(土)13時(午後1時)のとき、都市(B)の現地時刻が誤っているものはどれか。
※資料はこちら。
※都市(A)- 都市(B)都市(B)の現地時刻
- グアム(GUM)− ホノルル(HNL)10月29日17時(午後5時)
- コロンボ(CMB)− シドニー(SYD)10月30日17時30分(午後5時30分)
- ラスベガス(LAS) − ワシントンD.C.(WAS)10月30日16時(午後4時)
- マドリード(MAD) − ブエノスアイレス(BUE)10月30日時(午前8時)
解答:b
資料を確認しながら時差を計算しましょう。
時差の2地点間の時差の求め方の公式は「GMTの大きい方ーGMTの小さい方」で求めた数字を基準となる時間に対して足すあるいは引きます。
選択肢(a):グアム「+10」、ホノルル「-10」
(+10)-(-10)=20時間
グアムのGMTの方が大きいので、グアムの時間から20時間巻き戻してみましょう。
※腕時計を見ながら13時からマイナス20時間してみるとわかりやすいです。
13時ー20時=前日10月29日午後17時
選択肢(b):コロンボ(スリランカ)「+5.30」、シドニー(オーストラリアのCapital Territory, NSW)「+11」(サマータイム)
(+11)-(+5.30)=5.30時間
シドニーのGMTの方が大きいので、コロンボの時間に5.30時間足してみましょう。
※腕時計を見ながら13時からプラス5.30時間(5時間半)してみるとわかりやすいです。
13時+5.30時=18時30分
選択肢(c):ラスベガス(USAのPacific Time)「-7」(サマータイム)、ワシントンD.C.(USAのEastern Time)「-4」(サマータイム)
(-4)-(-7)=3時間
ワシントンD.C.のGMTの方が大きいので、ラスベガスの時間に3時間を足してみましょう。
※腕時計を見ながら13時からプラス3時間してみるとわかりやすいです。
13時+3時=16時
選択肢(d):マドリード(Mainland)「+2」(サマータイム)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)「-3」
(+2)-(-3)=5時間
マドリードのGMTの方が大きいので、マドリードの時間から5時間巻き戻してみましょう。
※腕時計を見ながら13時からマイナス5時間してみましょう。
13時-5時=8時
上記から選択肢(b)が誤りとなります。
★総合旅行業務取扱管理者の試験対策は空港コードと時差を一緒に覚える!
海外旅行実務の問題②:時差問題
2021年10月30日(土)に東京(HND)を NH203便で出発し、途中フランクフルト(FRA)にてLH856便に乗り継ぎ、レイキャビク(KEF)まで行く場合、次のNH203便とLH856便のそれぞれの所要時間の組合せのうち、正しいものはどれか。
※資料はこちら。
東京(HND)NH203 00:10発 フランクフルト(FRA)05:20着
フランクフルト(FRA)LH856 10:30発 レイキャビク(KEF)12:10着
NH203便の所要時間 – LH856 便の所要時間
- 12時間10分 − 2時間40分
- 12時間10分 − 3時間40分
- 13時間10分 − 2時間40分
- 13時間10分 − 3時間40分
解答:b
資料を確認しながら時差を計算しましょう。
飛行機の所要時間を計算する場合はGMT時刻に直してから計算します。
東京:「+9」
フランクフルト:「+2」(サマータイム)
レイキャビク:「GMT」
※レイキャビクはアイスランドの首都です。
次に出発時刻、到着時刻をGMTの時刻にします。
計算式は「時刻-(GMT時差)」になります。
NH203便
出発時刻00:10 -(+9)=15時10分
※00時10分は24時10分で考えるとわかりやすいです。
到着時刻05:20-(+2)=03時20分
ここで注意が必要です。
出発時刻から計算したGMT時刻は前日10月29日の15時10分、到着時刻から計算したGMT時刻は10月30日の3時20分になります。
つまり、10月29日を基準として考えてわかりやすく修正すると到着時刻は27時20分になります。
そして、到着時刻から出発時刻を引きます。
27時20分-15時10分=12時間10分
LH856便
出発時刻10:30-(+2)=8時30分
到着時刻12:10-(GMT)=12時10分
12時10分-8時30分=3時間40分
上記から選択肢(b)が正解となります。
海外旅行実務の問題③:査証
20歳以上の日本国籍を有する者が、アメリカのビザ免除プログラム(VWP)を利用して渡米する場合に取得する電子渡航認証システム(ESTA:Electronic System for Travel Authorization)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 出発前の事前申請が義務付けられており、承認されたESTAを持っていない場合はアメリカ行きの航空機への搭乗を拒否される。
- アメリカへの渡航目的が、第三国へ向かう際の乗り換え(トランジット)、又は滞在期間が90日以下の短期商用・観光に限られる。
- ESTA認証の有効期限は、渡航認証の許可を受けた日から2年間となるが、アメリカ滞在中にESTA認証の有効期限を迎える場合は、有効期限内に新たにESTA申請をしなければならない。
- ESTAは、家族又はグループによる最大50人まで、その代表者が一括して申請することができる。
解答:c
選択肢(c)は、有効期限内に新たにESTA申請をしなければならないが誤り。
ESTAの認証はアメリカ入国時に有効であれば大丈夫です。アメリカ滞在中に有効期限を迎えても認証を再度申請する必要はありません。
海外旅行実務の問題④:クルーズ
クルーズ又は宿泊に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 「スターボードサイド」とは、船首に向かって右舷(進行方向の右側)をさす。
- 外国船籍、日本船籍を問わずクルーズ船に常設された「カジノ」では、公海上において、現金や換金可能なチップを利用したギャンブルが認められている。
- 「オールインクルーシブ」とは、宿泊料にその宿泊施設でとる食事、アクティビティ、リラクゼーション施設の基本利用料金を含めた宿泊料金プランのことをいう。
- 「コンチネンタルブレックファスト」とは、パン類とコーヒー又は紅茶を組み合わせた朝食のことをいい、それにコールドミール(火を通さない冷たいメニュー)やジュースが加わることがある。
解答:b
選択肢(b)は、日本国籍船を問わずギャンブルが認められているが誤りとなります。
日本国籍船のクルーズは日本の法律が適用されるため、ギャンブルは認められていません。また、外国籍船であっても日本の領海(12マイル以内)にいる時は日本の法律が適用されるため、カジノは禁止となります。
海外旅行実務の問題⑤:3レター
次の国名と都市コードとの組合せのうち、2つの都市コードの両方が当該国の都市として所在しているものをすべて選びなさい。
- アメリカ − MSY − ORL
- アラブ首長国連邦 − AUH − DXB
- ニュージーランド − CHC − OAK
解答:a、b
選択肢(a)は、MSY:ニューオリンズ、ORL:オーランド。
選択肢(b)は、AUH:アブダビ、DXB:ドバイ。
選択肢(c)は、CHC:クライストチャーチ、OAK:オークランド。
上記から選択肢(a)(b)は当該国の都市、選択肢(c)はクライストチャーチがニュージーランド、オークランドがアメリカとなります。
海外旅行実務の問題⑥:2レター
次の航空会社コードと航空会社名との組合せのうち、正しいものをすべて選びなさい。
- QR − Qatar Airways
- SB − Aircalin(Air Caledonie International)
- VN − Vietnam Airlines
解答:a、b、c
選択肢(a)は、カタール航空。
選択肢(b)は、エアカラン。
選択肢(c)は、ベトナム航空。
全て正しいとなります。
海外旅行実務の問題⑦:世界の鉄道
鉄道に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 上海トランスラピッド(Shanghai Maglev Train)は、浦東空港(PVG)から上海市街地を経由して、虹橋空港(SHA)までを高速で結ぶリニアモーターカーである。
- AʼREX(Airport Railroad Express)は、仁川空港(ICN)からソウル市内を経由して、金浦空港(GMP)までを結ぶ空港間鉄道である。
- 桃園メトロ(Taoyuan Airport MRT)は、桃園空港(TPE)第2ターミナル駅、第1ターミナル駅から台北駅まで直通運行している。
解答:c
選択肢(a)は、上海トランスラピッドは浦東空港から上海市街地を結ぶリニアモーターカーとなります。虹橋空港には行きません。
選択肢(b)は、A‘REXは仁川空港から金浦空港を経由してソウル市内を結ぶ空港鉄道となります。
選択肢(c)は、桃園メトロは桃園空港から台北市内を結ぶ鉄道となります。
上記から選択肢(c)が正しいとなります。
海外旅行実務の問題⑧:機内持ち込み
次の物品(出国手続き後の出発ロビー内店舗で購入したものを除く。)のうち、日本発の国際線客室内に持ち込むことができるものをすべて選びなさい。(いずれも再封可能な容量1リットル以下のジッパーの付いた透明プラスチック製の袋に余裕をもって入れたものとする。)
- 容量200mlのペットボトルに入った緑茶100ml
- 容量100ml のプラスチック容器に入った味噌80g
- 容量50mlのチューブに入った歯磨き粉30g
解答:b、c
国際線の機内持ち込みできる液体物の基本ルールは3つとなります。
①容器1つにつき100ミリリットル以下
②複数容器の場合は1リットル以下、縦横の合計が40センチ以内のジッパー付き透明ビニール袋に入れる
③1人1袋に限る
また、歯磨きやヘアジェルのようなジェル状のもの、エアゾール、スプレーなども含まれます。
上記から選択肢(b)(c)を持ち込めるとなります。
以上となります。
総合旅行業務取扱管理者試験の海外旅行実務の科目は内容が多岐にわたるため、試験対策が本当に難しです。
時差問題で確実に点数を取ること、そして海外旅行実務の中でも自分の得意分野を伸ばすことが良いと思います。
それでは、良い一日を!