旅行会社で働きたいけど、どんなクレームがあるんだろう。旅行に関わることだから、とても大きなクレームばかりなのかな。残業も多いって聞くし、病んでしまわないかな。
この記事は、そんな疑問に答えます。
- 旅行会社のクレーム:顧客とのやり取り編
- 旅行会社のクレーム:航空券編
- 旅行会社のクレーム:ホテル編
- 旅行会社のクレーム:オプショナルツアー&ガイド&送迎編
- 旅行会社のクレーム対応のポイント
こんにちは、ツバサです。
旅行会社で働くことは「夢」を売る仕事だと一見華やかに聞こえますが、実際はとても地味でルーティンワークや残業が多く、気付いた時には社畜になっています。
旅行は人生の分岐点になり得るほど、とても大事なライフイベントになりますが、そんな大事な旅行の手配でミスをしてしまったら、クレームの嵐です。クレームが長引けば、会社に行く足も重たくなり、どんどん病んでいくという負のスパイラルになります。
この記事では、旅行会社のクレームについて紹介したいと思います。
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旅行会社のクレーム:顧客とのやり取り編
サービス業であれば、顧客とのやり取りは必ず発生しますが、旅行会社での顧客とのやり取りにおけるクレームは次のようなクレームがあります。
約束した期日までに連絡を忘れる
これは繁忙期によくあることですが、
- 折り返しの電話を忘れる
- 期日までに手配できたかどうかの回答をしない
- 最終日程表の送付が遅れる
などです。
新入社員の時は質問を受けても知識がなく即答ができないため、折り返しの電話がたまりがちになります。忙しくなると人間は忘れるもの。気付いた時には顧客からクレームの電話が入ります。
言った言わないの平行線
顧客とやり取りした内容が履歴に残っていないということがよくあります。
電話で込み入った話をした際、後日一部内容について言った、言わないのこじれた話になることがあります。
例えば、
- 通路側の席のリクエストをお願いした、そんなリクエスト聞いてない
- マイレージが付くって言われた、そんなこと言ってない
- ツインベッドを希望した、そんな希望聞いてない
- パスポートの残存期間が必要と説明した、そんなこと聞いてない
- 事前にビザの取得が必要と説明した、そんなこと聞いてない
などです。
履歴が残っていない分、話が平行線でどっちかが折れるまで続きます。
連絡をしてはいけない時間帯に連絡してしまう
これは、日中仕事をしている人や何か理由がある人の場合、〇〇時に連絡をくださいと事前に言われていたにもかかわらず、全然違う時間帯に電話をしてしまい、クレームになることがあります。
また、メールでのやり取り希望の人に電話をしてしまい、クレームになることもあります。
書類送付不可の顧客に書類を送ってしまう
旅行会社に勤務していると訳アリ旅行の手配もよく対応します。つまり不倫旅行です。
そういった顧客には書類送付はNGです。電話やメールでやり取りをするか、来店のみで対応をするかのいずれかとなります。
そういった顧客に書類送付をしてしまったら、完全アウト!大クレームです。
また、顧客の中には会社宛にのみ書類送付可能という人もいますが、それも訳アリ旅行が多いです。
不倫旅行の予約をしているんじゃないかと疑った身内が電話をかけて予約があるかどうかの確認をしてくるケースもあります。
旅行会社のクレーム:航空券編
旅行会社のクレームの中で致命的なクレームになり得るのが航空券に関してのクレームです。
航空券のクレームが発生するということは、航空券手配のミスが起こっていることが多く、最悪旅行に行けないということがあります。
ローマ字の名前や性別を間違える
航空券の予約の際にローマ字のスペルを間違ったり、性別の表記を間違うと飛行機に搭乗することができず、最悪、出発日のチェックインカウンターから大クレームの電話がきます。
なぜこのようなミスが起こるかというと、例えば、電話のやり取りで旅行の予約を受けた際、名前だけ聞いて先入観で性別を判断してしまったり、名前の伸ばす表記でもある「H」のありなしを聞かなかったりするとミスがよく起こります。
- 大野さん → ONO あるいは OHNO
- 伊藤さん → ITO あるいは ITOH
- かおるさん → 女性と思っていたら、実は男性だった
1文字でも異なると飛行機は搭乗できないため、大クレームです。
マイレージが付かない
これは、予約時にマイレージが付くと言われたから予約したのに実際は付かなかったというクレームです。航空券を事前送付した後や旅行終了後にクレームがきます。
マイレージを貯めている人にとっては、マイレージが加算できなかったら死活問題です。
マイレージは航空券の予約クラスに加算率が紐づいています。なぜマイレージが付かなくなったのかというと、例えば、同じフライトの航空券が後日キャンペーンで安くなり、旅行会社が利益を増やすために安いキャンペーンの航空券に予約を入れ替えてしまったことにより、結果としてマイレージ加算対象外になってしまったというようなケースです。
マイレージのクレームは非常に解決が難しく、お金では解決できないこともあります。
フライトの日付け間違い
これも稀にあるクレームですが、航空券予約の日付けを間違えてしまい、クレームに発展することがあります。
よくある間違いは、「JUN(6月)」と「JUL(7月)」の間違いです。
往復共に間違えるパターンと往路あるいは復路のいずれかを間違えるパターンです。
1文字違いということもあり、意外と気が付きません。
気付いた時には時すでに遅しで、航空券発券後や顧客がチャックインカウンターに来た後、最悪なケースは顧客が現地にいる時に発覚です。
実は航空券が取れていなかった
旅行会社によっては、空席がないにもかかわらず、後日空席が出ると見込んで予約を受けることがあります。
キャンセル待ちで予約を受けたらいいところを受注したいがために空席があると言って予約を受けることがあります。
長年の経験や勘から後日空席が出てくる自信があったのでしょう。しかし、結果として空席が出ず、他の航空会社に誘導したり、日程を1日ずらして誘導することになり、大クレームに発展します。
このクレームは空港に出向いて謝罪しなければならかなったり、損害賠償を請求されるケースもあります。
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旅行会社のクレーム:ホテル編
ホテル手配のクレームは、ハネムーナーやカップルのホテル手配を行う際やファミリーのホテル手配を行う際によく起こります。
リクエストしたベッドタイプではない
旅行会社がホテル予約を行う際、事前にベッドタイプの指定ができないことがほとんどです。(契約料金の条件が指定できないようになっていることが多いです)
そのため、顧客からのベッドタイプの希望に関しては、あくまでもホテル側に希望を伝えますが現地でどのベッドタイプになるかが決まります、という風に説明をしなければなりません。
しかし、顧客側は旅行会社に希望を伝えた、希望通りになるだろうという期待を持ちます。
結果、現地ホテルにチェックインしてみると、カップルなのにツインベッド、同性なのにダブルベッドになってしまい、話が違うというクレームに発展します。
事前説明された景観と違う
ホテルの客室からの景観は旅行者にとって大事なポイントです。
特にリゾート地に旅行に行ったら、客室から海を見たい、客室から山を見たいなど、滞在中のハイライトになることは間違いありません。
旅行の予約時に海が見える客室と聞いて予約をしたにも関わらず、バルコニーに出ないと海が見えないとなれば、現地から電話が掛かってくるほどの大クレームになります。
旅行会社のスタッフは「パーシャルオーシャンビュー」という言葉にとても注意を払います。なぜなら、客室の主要部分から実際に海が見えなかったり、前述のようにバルコニーに出ないと海が見えないことがあるためです。
また、木々が生い茂る自然の中にある客室の場合、海が見えるものの、成長した木々が邪魔をしてしまい、海が少ししか見えないというクレームもあります。
さらに、通路から客室が見える、隣の客室から見えるなどもプライベート感がなかったということでクレームになることがあります。
ツアーのホテル特典の内容が違っていた
旅行会社が取扱うパッケージツアーにはホテル特典が付いていることが多いです。
例えば、
- ロマンティックディナー
- スパ&マッサージ
- シャンパン
- ワイン
- アフタヌーンティー
- ハネムーンセットアップ
- シュノーケリングツアー
など。
宿泊する泊数や時期など特定の条件を満たす顧客のみが現地滞在中に無料でサービスを受けることができるものです。
しかし、稀に旅行会社側の手配ミスやホテルの諸条件の誤認識により、現地でサービスを受けることができなかったというクレームが発生します。
ハネムーナーの場合は大クレームになることが多いです。「一生に一度のハネムーンを台無しにされた」という言葉をよく言われます。
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旅行会社のクレーム:オプショナルツアー&ガイド&送迎編
現地滞在中のオプショナルツアーやガイド、送迎でもクレームが発生することがあります。
観光ツアーの一部観光地に行けなかった
これはよくあることですが、現地観光ツアー中に観光地に到着すると観光地が閉まっていた、博物館が閉まっていたなどが稀にあります。
これは、現地旅行会社(ランドオペレーター)が事前確認を怠ったが故に起こるクレームです。
日本の観光地や博物館でもありますが、定休日や閉館日以外に、例えばメンテナンスやレイアウト変更などの理由でイレギュラーで休みになることがあります。
そのため、現地旅行会社は観光ツアーの予約が入っている場合は、事前に営業の可否を確認しなければなりません。
観光地まで行ったのに開いていない場合は現地で大クレームです。
観光ツアーの食事が美味しくなかった
現地滞在中に観光ツアーを組み込んでいる場合、ランチやディナーの食事が含まれている場合があります。
混載観光ツアーでは原価を抑えるために食事の価格もギリギリまでコストダウンすることがあります。そういった場合は、食事の質も落ちてしまい、品数が少なかったりするケースがほとんどです。結果、クレームになります。
また、秘境などに行く観光ツアーでは観光地周辺にレストランがないことも多く、その場合はランチボックスを手配することがあります。日中暑い中、ランチボックスを持ち運ぶと食べ物が腐ってしまい、それを食べた場合、食中毒になる場合があります。そうなると大クレームです。帰国後に補償の問題等に発展します。
ガイドがいない
これもよくありますが、集合時間にガイドがいない、待ち合わせ場所にガイドがいないというクレームです。
特に日本から海外に到着して、空港からホテルまでの送迎の際にガイドが空港にいなかった場合は最悪です。その場合は、タクシー等を使ってホテルに行ってもらうしかありません。
海外に到着して最初の印象が手配ミスということになり、「到着早々、旅行を台無しにされた」というクレームに発展します。
送迎の際に行き先を間違える
意外となさそうであるのが、送迎の行き先を間違えてしまうクレームです。
最近は似たような名前のホテルが多くなったり、頻繁にホテル名が変わったりすることで、旅行会社側のシステムに登録されているホテル名のアップデートが遅れてしまうケースがあります。
渋滞を抜けてようやく辿り着いたホテルが違ったなんてことになれば大クレームです。
旅行中の時間は貴重なため、真摯な対応が求められます。
旅行会社のクレーム対応のポイント
いろんな種類のクレームがありますが、旅行会社の社員は残業が多くすでに社畜の状態で病んでいるところにクレームが発生するとさらに追い打ちをかけられてしまいます。
クレーム対応のポイントは3つです。
- 相手の話をしっかりと聞く(相手の話を折らない)
- 嘘をつかない
- 間違ったことに関してはきちんと認めて謝罪する
相手の話をしっかりと聞く(相手の話を折らない)
これは基本中の基本です。相手の話をしっかりと聞くことです。
クレームを言う人には、まず全部話してもらうことが優先です。
クレームを言われている時は言い返したくなる時もありますが、相手の話を折らないようにすることが大切です。
嘘をつかない
これはクレームを未然に防ぐためのものですが、嘘をつかないということです。
旅行の案内をする際、全世界のことなんて誰にもわかりませんし、覚えていません。そのため、わからない質問をされた時は正直にわかりません、調べますと答えるのが良いです。そこで、ないものをあると伝えてしまったり、あるものをないと伝えてしまうと、後々クレームになります。
間違ったことに関してはきちんと認めて謝罪する
クレームが発生した時に大事なことは、ミスがあれば素直に認めて謝罪することです。
相手側に落ち度があっても、もしこちら側にも落ち度があれば、それを認めて謝罪することが良いです。
きちんとお詫びすれば、費用負担があった場合もその割合を減らすことができる場合があります。
以上となります。
クレームはどんな業種であっても発生します。大切なことはクレームが発生した時の初動です。
それでは、良い一日を!