総合旅行業務取扱管理者試験の約款の科目がとても難しいな。令和3年度の過去問をやってみたけど解説がないからわからない部分があるよ。
この記事は、そんな疑問に答えます。
ツナグ旅では令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験の問題解説を9記事にわたって解説しています。
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務(国内観光地理)
- 国内旅行実務(宿泊料金計算、JR運賃計算、国内航空運賃、貸切バス運賃計算)
- 海外旅行実務(国際航空運賃)
- 海外旅行実務(旅券法、出入国法令)
- 海外旅行実務(英語)
- 海外旅行実務(海外観光地理)
- 海外旅行実務(海外実務)
この記事では(2)を解説しています。
こんにちは、ツバサです。
総合旅行業務取扱管理者試験の科目の1つで旅行業の実務にも大きくかかわるのが「約款」です。
旅行会社で働いていると人だと比較的理解しやすいですが、旅行業に携わっていない人にとってはいろんなルールが混在しているため、とても難しく感じるかもしれません。
試験勉強では過去問を必ず解いてみることが必要ですが、解答はあっても解説がないため、しっかりと理解することができない人もいます。
そこで、この記事では令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験の約款の解説をしていきたいと思いまう。
ブログ運営者のツバサです。総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者共に全科目受験で同年に1発合格。国内旅行業務取扱管理者の試験は90%の正答率、総合旅行業務取扱管理者の試験では85%の正答率でした。格段にレベルが上がったと言われている2020年度の総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務では200点満点中、自己採点で175点を獲得。
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- 総合旅行業務取扱管理者の過去問解説:約款編
- 約款の問題①:募集型企画旅行
- 約款の問題②:契約書面と確定書面
- 約款の問題③:契約の変更
- 約款の問題④:旅行開始前の旅行者の解除
- 約款の問題⑤:旅行開始前の旅行業者の解除
- 約款の問題⑥:旅程管理
- 約款の問題⑦:募集型企画旅行契約における責任
- 約款の問題⑧:特別補償
- 約款の問題⑨:特別補償
- 約款の問題⑩:旅程保証
- 約款の問題⑪:契約の締結
- 約款の問題⑫:受注型企画旅行契約
- 約款の問題⑬:募集型企画旅行契約と受注型企画旅行契約の相違点
- 約款の問題⑭:手配旅行契約
- 約款の問題⑮:旅行代金の払い戻し
- 約款の問題⑯:団体・グループ契約
- 約款の問題⑰:渡航手続代行契約と旅行相談契約
- 約款の問題⑱:旅行開始後の旅行業者の解除
- 約款の問題⑲:旅行代金の払い戻し
- 約款の問題⑳:旅程保証
- 約款の問題㉑:日本航空の国際運送約款
- 約款の問題㉒:日本航空の国際運送約款
- 約款の問題㉓:日本航空の国際運送約款
- 約款の問題㉔:日本航空の国際運送約款
- 約款の問題㉕:日本航空の国際運送約款
- 約款の問題㉖:日本航空の国内旅客運送約款
- 約款の問題㉗:日本航空の国内旅客運送約款
- 約款の問題㉘:日本航空の国内旅客運送約款
- 約款の問題㉙:一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款
- 約款の問題㉚:宿泊約款
総合旅行業務取扱管理者の過去問解説:約款編
令和3年度の総合・国内旅行業務取扱管理者試験の法令の問題について解説していきます。
今回の法令の問題は比較的解きやすい問題もありましたが、強制送還の問題が出たりで令和2年度よりも若干難しかった印象です。
それでは、1問目から解説をしていきます。
約款の問題①:募集型企画旅行
問1:募集型企画旅行契約の部に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 「国内旅行」とは、本邦内のみの旅行をいい、「海外旅行」とは、本邦外のみの旅行をいう。
- 旅行の参加に際し、特別な配慮を必要とする旅行者は、契約の申込時に申し出なければならないが、この申出に基づき、旅行業者が旅行者のために講じた特別な措置に要する費用は、旅行業者の負担となる。
- 旅行業者は、国内旅行の契約の履行に当たって、手配の全部を手配を業として行う者その他の補助者に代行させることはできない。
- 旅行業者が法令に反せず、かつ、旅行者の不利にならない範囲で書面により特約を結んだときは、その特約が約款の定めに優先する。
答え:d
選択肢(a)は、海外旅行とは本邦外のみの旅行が誤り。正しくは国内旅行以外の旅行。
選択肢(b)は、旅行業者の負担が誤り。正しくは旅行者の負担。
選択肢(c)は、手配の全部を手配を業として行う者その他の補助者に代行させることはできないが誤り。正しくは手配の全部でも一部でも代行させることができる。
約款の問題②:契約書面と確定書面
問2:募集型企画旅行契約における契約書面及び確定書面に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 旅行業者は、契約の締結前に、旅行者に、旅行日程、旅行サービスの内容、旅行代金その他の旅行条件及び旅行業者の責任に関する事項を記載した契約書面を交付しなければならない。
- 旅行業者は、契約書面において、確定された旅行日程、運送若しくは宿泊機関の名称を記載できない場合には、当該契約書面において利用予定の宿泊機関及び表示上重要な運送機関の名称を限定して列挙することができる。
- 旅行業者は、確定書面を交付するときは、必ず旅行開始日の前日までの契約書面に定める日までに交付しなければならない。
- 旅行業者が、契約書面又は確定書面の交付に代えて情報通信の技術を利用する方法により当該書面に記載すべき事項を提供するときは、旅行者の承諾を要しない。
答え:b
選択肢(a)は、契約の締結前が誤り。正しくは契約成立後に契約書面を速やかに交付する。
選択肢(c)は、必ず旅行開始日の前日までの契約書面に定める日までに交付しなければならないが誤り。正しくは旅行開始日の前日までの契約書面に記載した期日までに交付するが、旅行の申込みが旅行開始日の7日前以降になされた場合は旅行開始日の当日までの契約書面に記載した期日までに交付する。
選択肢(d)は、旅行者の承諾を要しないが誤り。正しくは旅行者の承諾を得なければならない。
約款の問題③:契約の変更
問3:募集型企画旅行契約における契約の変更に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 旅行業者は、旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合で、旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは、契約内容を変更できるが、必ず旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が旅行業者の関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明しなければならない。
- 確定書面に利用航空会社として記載したA航空の過剰予約受付により、座席の不足が発生したため契約内容を変更してB航空を利用した結果、旅行の実施に要する費用が増加した場合、旅行業者は当該契約内容の変更の際に増加した範囲内で旅行代金を増額することができる。
- 旅行者が、旅行業者の承諾を得て、契約上の地位を第三者に譲り渡した場合、契約上の地位を譲り受けた第三者が残りの旅行代金を支払う義務を負う。
- 利用する運送機関について適用を受ける運賃・料金の減額がなされたときは、それが通常想定される程度を大幅に超えるものでない場合であっても、旅行業者はその減少額だけ旅行代金を減額しなければならない。
答え:c
選択肢(a)は、必ず旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が旅行業者の関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明しなければならないが誤り。正しくは緊急時の場合は変更後に説明をすることが可能。(説明自体は省略できない)
選択肢(b)は、旅行代金を増額することができるが誤り。正しくは航空会社のオーバーブッキングの場合は旅行代金は変更できない。
選択肢(d)は、大幅に超えるものでない場合であってもが誤り。正しくは大幅に超える場合に旅行業者はその減少額だけ旅行代金を減額しなければならない。
約款の問題④:旅行開始前の旅行者の解除
問4:次の記述から、旅行者が旅行開始前に募集型企画旅行契約を解除するに当たって、取消料の支払いを要するものだけをすべて選んでいるものはどれか。(いずれも取消料の支払いを要する期間内の解除とする。)
(ア) 確定書面に記載された入場予定の美術館の入場が不可能となったとき。
(イ) 一親等の親族が死亡したため、旅行者が契約の解除を申し出たとき。
(ウ) 旅行の目的地において大地震が発生し、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となるおそれが極めて大きいとき。
(エ) 旅行者が旅行の開始地である空港に行くために利用した交通機関が大幅に遅れたことにより、搭乗予定便の出発時刻に間に合わないことが判明したとき。
a. (ア) (イ) b. (ア) (ウ) c. (イ) (エ) d. (イ) (ウ) (エ)
答え:c
選択肢(イ)は、旅行者の自己都合による旅行契約の解除のため、通常通り取消料の支払いが必要。
選択肢(エ)は、開始地である空港に行くまでの交通機関の遅延により最初の旅行サービスの飛行機に搭乗できなかった場合は、旅行開始前及び旅行者の遅刻扱いとなり、通常通り取消料の支払いが必要となる。
約款の問題⑤:旅行開始前の旅行業者の解除
問5:募集型企画旅行契約における旅行開始前の旅行業者による契約の解除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(いずれも旅行者に理由を説明しているものとする。)
- 旅行開始日がピーク時でない海外旅行において、旅行者の数が契約書面に記載した最少催行人員に達しないため契約を解除するときは、旅行業者は、旅行開始日の前日から起算してさかのぼって23日目に当たる日より前に、旅行者に旅行を中止する旨を通知しなければならない。
- 旅行業者は、旅行者が病気により旅行に耐えられないと認められるときは、旅行者の承諾を得なければ契約を解除することができない。
- 旅行業者は、旅行者があらかじめ旅行業者が明示した参加旅行者の条件を満たしていないことが判明した場合でも、契約成立後は契約を解除することができない。
- スキーを目的とした国内日帰り旅行において、滑降に必要な積雪量が不足しているという理由で契約を解除するときは、旅行業者は、旅行開始日の前日から起算してさかのぼって3日目に当たる日より前に、旅行を中止する旨を旅行者に通知しなければならない。
答え:a
選択肢(b)は、旅行者の承諾を得なければ契約を解除することができないが誤り。正しくは旅行者の病気の場合、旅行業者は旅行者に理由を説明した上で旅行契約を解除することができる。(旅行者の病気は旅行業者の旅行開始前の解除権に該当)
選択肢(c)は、契約成立後は契約を解除することができないが誤り。正しくは参加旅行者の条件を満たしていない場合、旅行業者は旅行者に理由を説明した上で旅行契約を解除することができる。(参加旅行者の条件を満たしていないことは旅行業者の旅行開始前の解除権に該当)
選択肢(d)は、旅行業者は、旅行開始日の前日から起算してさかのぼって3日目に当たる日より前に、旅行を中止する旨を旅行者に通知しなければならないが誤り。正しくはスキーを目的とした旅行の実施条件が成就しない場合、通知期限なしに旅行者に旅行の中止を通知することが可能。
約款の問題⑥:旅程管理
問6:募集型企画旅行契約における旅程管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 旅行業者は、代替サービスの手配を行うに際し、旅行日程を変更するときは、変更後の旅行日程が当初の旅行日程の趣旨にかなうものとなるよう努めなければならない。
- 旅行者は、旅行開始後旅行終了までの間において、団体で行動するときは、旅行を安全かつ円滑に実施するための旅行業者の指示に従わなければならない。
- 旅行業者は、旅行の内容により添乗員その他の者を同行させ、旅程管理業務その他当該旅行に付随して旅行業者が必要と認める業務の全部又は一部を行わせることがある。
- 旅行業者は、旅行中の旅行者が、疾病、傷害等により保護を要する状態にあると認めたときは、必要な措置を講ずることがあり、この場合、当該措置に要した費用は常に旅行業者の負担となる。
答え:d
選択肢(d)は、旅行業者の負担となるが誤り。正しくは旅行者の負担となる。
約款の問題⑦:募集型企画旅行契約における責任
問7:募集型企画旅行契約における責任に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 旅行者は、契約を締結するに際しては、旅行業者から提供された情報を活用し、旅行者の権利義務その他の契約の内容について理解するよう努めなければならない。
- 手配代行者の過失(重大な過失がある場合を除く。)により旅行者1名がその手荷物②個に損害を被った場合、旅行業者は、手荷物1個につき15万円、合計30万円を限度として賠償しなければならない。
- 旅行者が旅行参加中に、旅行業者の過失により身体に傷害を被ったときは、損害発生の翌日から起算して2年以内に旅行業者に対して通知があったときに限り、旅行業者はその損害を賠償する責に任じる。
- 旅行業者は、旅行者が運送機関の旅行サービス提供の中止等の旅行業者又は手配代行者の関与し得ない事由により損害を被った場合は、その損害を賠償する責に任じない。
答え:b
選択肢(b)は、手荷物1個につき 15 万円、合計 30 万円を限度として賠償しなければならないが誤り。正しくは旅行者1人につき15万円を限度として賠償しなければならない。(※補足:故意または重大な過失の場合は限度額無制限となる)
約款の問題⑧:特別補償
問8:特別補償に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 海外企画旅行に参加した旅行者が、添乗員から解散を告げられたのち、帰宅途中に交通事故に遭い死亡した場合、旅行業者は死亡補償金を支払わない。
- 旅行業者は、旅行業者又は手配代行者に故意又は過失があった場合に限り、旅行者が企画旅行参加中にその生命、身体又は手荷物の上に被った一定の損害について、あらかじめ定める額の補償金及び見舞金を支払う。
- 旅行者1名に対し入院見舞金と後遺障害補償金を重ねて支払うべき場合、旅行業者は後遺障害補償金の額から入院見舞金の額を控除した残額を旅行者に対して支払う。
- 旅行者があらかじめ定められた企画旅行の行程から離脱する場合において、離脱及び復帰の予定日時をあらかじめ旅行業者に届け出ていたときは、旅行業者は、当該旅行者がその離脱中に事故により負傷して入院したときに要した治療費及び入院諸費用を支払う。
答え:a
選択肢(b)は、旅行業者又は手配代行者に故意又は過失があった場合に限りが誤り。正しくは故意又は過失の有無にかかわらず。
選択肢(c)は、後遺障害補償金の額から入院見舞金の額を控除した残額を旅行者に対して支払うが誤り。入院見舞金と後遺障害補償金は重複して支払われる。
選択肢(d)は、治療費及び入院諸費用を支払うが誤り。正しくは入院見舞金を支払う。
約款の問題⑨:特別補償
問9:特別補償規程における最初の運送・宿泊機関等の「サービスの提供を受けることを開始した時」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(添乗員、旅行業者の使用人又は代理人によって受付が行われない場合とする。)
- 運送・宿泊機関等が鉄道であるときは、改札の終了時又は改札のないときは当該列車の出発時
- 運送・宿泊機関等が船舶であるときは、乗船手続の完了時
- 運送・宿泊機関等が宿泊機関であるときは、当該施設への入場時
- 運送・宿泊機関等が航空機であるときは、乗客のみが入場できる飛行場構内における手荷物の検査等の完了時
答え:a
選択肢(a)は、改札のないときは当該列車の出発時が誤り。正しくは改札のないときは当該列車の乗車時。
約款の問題⑩:旅程保証
問10:旅程保証に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 確定書面が交付された場合には、契約書面の記載内容と確定書面の記載内容との間又は確定書面の記載内容と実際に提供された旅行サービスの内容との間に変更補償金の支払い対象となる契約内容の重要な変更が生じたときは、それぞれの変更につき1件として取り扱う。
- 旅行業者は、旅行者1名に対して1企画旅行につき支払うべき変更補償金の額が1,000円未満であるときは、変更補償金を支払わない。
- 変更補償金の支払いが必要となる場合、変更補償金の算定において適用される1件当たりの率は、旅行開始前と旅行開始後で異なるが、「旅行開始前」とは、当該変更について旅行開始日の前日までに旅行者に通知した場合をいい、「旅行開始後」とは、当該変更について旅行開始当日以降に旅行者に通知した場合をいう。
- 旅行業者が支払うべき変更補償金の額は、旅行者1名に対して1企画旅行につき、旅行代金に15% 未満の旅行業者が定める率を乗じた額をもって限度とする。
答え:d
選択肢(d)は、旅行代金に15%未満の旅行業者が定める率を乗じた額をもって限度とするが誤り。正しくは旅行代金の15%以上で旅行会社が定めた額を限度とする。
約款の問題⑪:契約の締結
問11:受注型企画旅行契約における契約の締結に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 旅行業者は、企画書面において、旅行代金の内訳として企画に関する取扱料金(企画料金)の金額を明示することがある。
- 旅行業者が、契約により手配し旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲は、企画書面に記載するところによる。
- 企画書面に記載された企画の内容に関し、旅行業者に通信契約の申込みをしようとする旅行者は、会員番号その他の事項を旅行業者に通知しなければならない。
- 旅行業者は、契約書面において、確定された旅行日程、運送若しくは宿泊機関の名称をすべて記載した場合は、旅行者に対し確定書面の交付を要しない。
答え:b
選択肢(b)は、企画書面に記載するところによるが誤り。正しくは契約書面に記載するところによる。
約款の問題⑫:受注型企画旅行契約
問12:受注型企画旅行契約に関する次の記述から、誤っているものだけをすべて選んでいるものは どれか。
(ア) 旅行業者は、契約責任者からの求めにより添乗員を同行させて旅程管理業務を行わせ るときは、旅行代金とは別に当該添乗員の同行に係る費用を収受することができる。
(イ) 利用する宿泊機関の料金が、契約を締結した時点のものに比べて通常想定される程度を大幅に超えて増額されるときは、旅行業者は旅行開始前にその旨を旅行者に通知すれば旅行代金の額を変更することができる。
(ウ) 旅行業者が旅行代金の内訳として企画料金の金額を明示した企画書面を旅行者に交付したときは、旅行者からの申込みの有無にかかわらず、旅行業者は当該企画料金を収受することができる。
a. (ア) (イ) b. (ア) (ウ) c. (イ) (ウ) d. (ア) (イ) (ウ)
答え:d
選択肢(ア)は、旅行代金とは別に当該添乗員の同行に係る費用を収受することができるが誤り。正しくは当該添乗員の同行に係る費用を含める。
選択肢(イ)は、旅行業者は旅行開始前にその旨を旅行者に通知すれば旅行代金の額を変更することができるが誤り。正しくは宿泊機関の料金が増額されたとしても旅行代金の変更はできない。
選択肢(ウ)は、旅行者からの申込みの有無にかかわらず、旅行業者は当該企画料金を収受することができるが誤り。正しくは契約が成立すれば、旅行者が契約を解除しても企画料金分の取消料を収受することができる。
約款の問題⑬:募集型企画旅行契約と受注型企画旅行契約の相違点
問13:募集型企画旅行契約と受注型企画旅行契約の相違点に関する次の記述から、正しいものだけ をすべて選んでいるものはどれか。
(ア) 募集型企画旅行契約においては、契約書面のツアー・タイトル中に記載があった重要な契約内容の変更は旅程保証の対象となるが、受注型企画旅行契約においては、同様の規定はない。
(イ) 受注型企画旅行契約においては、旅行者が旅行業者に対し契約の内容を変更するよう求めることができるが、募集型企画旅行契約においては、旅行者が旅行業者に対し契約の内容を変更するよう求めることができる規定はない。
(ウ) 旅行者が旅行開始後、疾病、傷害等により保護を要する状態にあると認められたとき、募集型企画旅行契約においては、旅行業者の判断により必要な措置を講ずることがあるが、受注型企画旅行契約においては、旅行業者は契約責任者の承諾を得た上でなければ必要な措置を講ずることはできない。
(エ) 募集型企画旅行契約においては、旅行開始前に、旅行者が旅行業者があらかじめ明示した参加旅行者の条件を満たしていないと判明したときは、旅行業者は契約を解除することがあるが、受注型企画旅行契約においては、同様の規定はない。
a. (ア) (ウ) b. (イ) (エ) c. (ア) (イ) (エ) d. (ア) (ウ) (エ)
答え:c
選択肢(ウ)は、受注型企画旅行契約においては、旅行業者は契約責任者の承諾を得た上でなければ必要な措置を講ずることはできないが誤り。正しくは受注型企画旅行契約においても旅行中の旅行者が、疾病、傷害等により保護を要する状態にあると認めたときは、旅行業者の判断により必要な措置を講ずることがある。
約款の問題⑭:手配旅行契約
問14:手配旅行契約に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 旅行業者は、書面による特約をもって、申込金の支払いを受けることなく、契約の締結の承諾のみにより契約を成立させることがあるが、この場合、契約の成立時期は、当該書面において明らかにする。
- 旅行代金とは、旅行業者が旅行サービスを手配するために、運賃、宿泊料その他の運送・宿泊機関等に対して支払う費用及び企画料金をいう。
- 旅行業者は、宿泊サービスの手配のみを目的とする契約であって旅行代金と引換えに当該旅行サービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付するものについては、旅行者からの口頭による申込みを受け付けることがある。
- 旅行業者は、精算旅行代金が旅行代金として既に収受した金額に満たないときは、旅行者にその差額を払い戻す。
答え:b
選択肢(b)は、費用及び企画料金をいうが誤り。正しくは費用及び旅行業務取扱料金をいう。
約款の問題⑮:旅行代金の払い戻し
問15:次の手配旅行契約において、旅行者が(1)及び(2)のそれぞれの状況で契約を解除した場合に、旅行業者が当該旅行者に払い戻すべき金額の組合せのうち、正しいものはどれか。(旅行代金はいずれも全額収受済とする。)
- 旅行サービスに係る運送・宿泊機関等に支払う費用:120,000円
- 旅行業務取扱料金(変更手続料金及び取消手続料金を除く。):10,000円
- 取消手続料金:10,000円
- 旅行者がすでに提供を受けた旅行サービスの対価:50,000円
- 旅行者がいまだ提供を受けていない旅行サービスに係る 運送・宿泊機関等に支払う取消料・違約料:30,000円
(1) 旅行業者の責に帰すべき事由により、旅行者が旅行開始後に契約を解除した場合 (旅行業者に対する損害賠償の請求は考慮しないものとする。)
(2) 旅行者の都合で、旅行者が旅行開始後に契約を解除した場合
選択肢内の順番:(1)の場合の払戻し額、(2)の場合の払戻し額
- 80,000円 30,000円
- 80,000円 20,000円
- 70,000円 30,000円
- 70,000円 20,000円
答え:a
まずこの手の問題は先に旅行代金がいくらなのかを計算する。「旅行サービスに係る運送・宿泊機関等に支払う費用」が120,000円、「旅行業務取扱料金(変更手続料金及び取消手続料金を除く。)」が10,000円となり、旅行代金の合計130,000円。
(1)の場合は、旅行業者に責任があるため、旅行代金の払戻しの計算方法は旅行代金からすでに提供を受けたサービスの対価を引いたものとなるため、旅行代金130,000円から旅行者がすでに提供を受けた旅行サービスの対価50,000円を引いて80,000円となる。
(2)の場合は、旅行者の都合のため(旅行業者に責任がないため)、旅行代金の払戻しの計算方法は旅行代金から「すでに提供を受けたサービスの対価」「旅行者がいまだ提供を受けていない旅行サービスに係る運送・宿泊機関等に支払う取消料・違約料」「取消手続料金」「旅行業務取扱料金」を引いたものとなるため、旅行代金130,000円から50,000円、30,000円、10,000円、10,000円を引いて30,000円となる。
そのため、選択肢(a)が正解
約款の問題⑯:団体・グループ契約
問16:団体・グループ契約、団体・グループ手配における契約責任者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 募集型企画旅行契約において、旅行業者は、契約責任者が団体・グループに同行しない場合、旅行開始後においては、あらかじめ契約責任者が選任した構成者を契約責任者とみなす。
- 受注型企画旅行契約において、構成者は、契約責任者の承諾を得なければ、契約上の地位を第三者に譲り渡すことができない。
- 受注型企画旅行契約において、旅行業者は、契約責任者が構成者に対して現に負い、又は将来負うことが予測される債務又は義務については、何らの責任を負うものではない。
- 手配旅行契約において、契約責任者は、旅行業者が定める日までに、旅行業者に、構成者の名簿を提出し、又は人数を通知しなければならない。
答え:b
選択肢(b)は、契約責任者の承諾を得なければが誤り。正しくは旅行業者の承諾を得なければならない。
約款の問題⑰:渡航手続代行契約と旅行相談契約
問17:渡航手続代行契約及び旅行相談契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 渡航手続代行契約は、電話等の通信手段による契約の申込みを受け付ける場合を除き、旅行業者が契約の締結を承諾し、旅行者から所定の申込金を受理した時に成立する。
- 旅行業者は、渡航手続代行契約により、実際に旅行者が旅券等を取得できること及び関係国への出入国が許可されることを保証するものではない。
- 旅行相談契約の履行に当たって、旅行業者が故意又は過失により旅行者に損害を与えたときは、損害発生の日から起算して6ヵ月以内に旅行業者に対して通知があったときに限り、旅行業者はその損害を賠償する責に任じる。
- 旅行者の相談内容が旅行地において施行されている法令に違反するおそれがあるものであっても、旅行業者は、旅行相談契約の締結に応じなければならない。
答え:b
選択肢(a)は、旅行者から所定の申込金を受理した時に成立するが誤り。正しくは旅行業者が承諾して申込書を受理した時に成立する。(通信手段による申込みの場合は、旅行業者が承諾した時に成立する。)
選択肢(c)は、損害発生の日から起算して6月以内が誤り。正しくは損害発生の翌日から起算して6か月以内。
選択肢(d)は、法令に違反するおそれがあるものであっても、旅行業者は旅行相談契約の締結に応じなければならないが誤り。法令に違反するおそれがある場合、旅行業者は旅行相談契約の締結に応じなくてよい。
約款の問題⑱:旅行開始後の旅行業者の解除
問18:募集型企画旅行契約における旅行開始後の旅行業者による契約の解除に関する次の記述のうち、誤っているものをすべて選びなさい。(いずれも旅行者に理由を説明しているものとする。)
- 旅行者が暴力団員であることが判明し、契約の一部を解除したときは、旅行者がいまだその提供を受けていない旅行サービスに関する旅行業者の債務については、有効な弁済がなされたものとする。
- 旅行者が病気により旅行の継続に耐えられないため、契約の一部を解除したときは、旅行者がいまだその提供を受けていない旅行サービスに係る部分に係る金額から、当該旅行サービスに対して取消料、違約料その他の既に支払い、又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものを旅行者に払い戻す。
- 運送機関の旅行サービス提供の中止により旅行の継続が不可能となり、契約の一部を解除したときは、旅行業者と旅行者との間の契約関係は将来に向かってのみ消滅する。
- 旅行者が団体行動の規律を乱し、旅行の安全かつ円滑な実施を妨げたため、契約の一部を解除したときも、旅行業者は、当該旅行者の求めに応じて、旅行の出発地に戻るために必要な旅行サービスの手配を引き受けなければならない。
答え:a、d
選択肢(a)は、旅行者がいまだその提供を受けていない旅行サービスに関する旅行業者の債務については、有効な弁済がなされたものとするが誤り。正しくは旅行者がすでに提供を受けた旅行サービスに関する旅行業者の債務は有効な弁済がなされたものとする。
選択肢(d)は、旅行の出発地に戻るために必要な旅行サービスの手配を引き受けなければならないは誤り。正しくは帰路手配に応じる義務はない。
約款の問題⑲:旅行代金の払い戻し
問19:募集型企画旅行契約における旅行代金の払戻しに関する次の記述のうち、誤っているものをすべて選びなさい。(いずれも通信契約でない場合とし、旅行代金は全額収受済とする。)
- 旅行業者の責に帰すべき事由により、契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の実施が不可能となったため旅行開始前に旅行者が契約を解除した場合で、旅行業者が所定の期日までに旅行者に対し旅行代金全額を払い戻したときは、旅行業者は損害賠償の責に任じない。
- 海外旅行において、旅行地で暴動が発生して旅行の継続が不可能となったため、旅行業者が契約の一部を解除したことにより、契約書面に記載された日程より帰国日が早まった場合で、旅行者に対し払い戻すべき金額が生じたときは、旅行業者は、旅行者の帰国した日の翌日から起算して30日以内に旅行者に対し当該金額を払い戻さなければならない。
- 参加旅行者の数が契約書面に記載した最少催行人員に達しなかったため、旅行業者が契約を解除した場合、旅行業者は、解除の翌日から起算して7日以内に旅行者に対し旅行代金を払い戻さなければならない。
- 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日目にあたる日より前に旅行者から契約解除の申し出があった場合、旅行業者は、契約書面に記載した旅行開始日までに旅行者に対し旅行代金を払い戻さなければならない。
答え:a、b、d
選択肢(a)は、旅行業者は損害賠償の責に任じないが誤り。正しくは旅行代金全額を払い戻したとしても損害賠償の責任を負う。
選択肢(b)は、解除の翌日から起算して30日以内に旅行者に対し旅行代金を払い戻さなければならないが誤り。正しくは契約書面に記載した旅行終了日の翌日から起算して30日以内に払い戻さなければならない。
選択肢(d)は、契約書面に記載した旅行開始日までに旅行者に対し旅行代金を払い戻さなければならないが誤り。正しくは解除の翌日から起算して7日以内に払い戻さなければならない。
約款の問題⑳:旅程保証
問20:旅程保証に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。
- 利用航空便の大幅な遅延により、契約書面に記載した入場する観光施設に入場できなかった場合、旅行業者は旅行者に対し変更補償金を支払う。
- 確定書面に記載したレストランの過剰予約受付により、旅行開始前に旅行業者が他のレストランに変更したため、旅行者が契約を解除した場合、旅行業者は当該旅行者に対して変更補償金を支払わない。
- 変更補償金を支払うべき契約内容の変更が生じ、旅行の実施に要する費用が減少した場合で、旅行業者が旅行者に対しその減少額の払戻しをしたときは、旅行業者は当該旅行者に対して変更補償金を支払わない。
- 旅行業者が旅行者に対し変更補償金を支払った後に、当該契約内容の重要な変更について旅行業者の過失が明らかになった場合には、旅行者は当該変更に係る変更補償金を旅行業者に返還する義務を負う。
答え:b、d
選択肢(a)は、利用航空便の大幅な遅延は、旅行業者の免責事項の1つの「当初の運航計画によらない運送サービスの提供」に該当するため、変更補償金の支払いは不要となる。
選択肢(d)は、変更補償金を旅行業者に返還する義務を負うが誤り。正しくは損害賠償金の額と旅行者が返還すべき変更補償金の額とを相殺した残額を支払う。
日本航空の国際運送約款に関する問21〜問25について、その内容がその内容が正しいものにはaを、誤っているものにはbを選びなさい。
約款の問題㉑:日本航空の国際運送約款
問21:航空券は、航空券の有効期間満了日の24時に失効するため、各搭乗用片による旅行は、航空会社規則に別段の定めのない限り、満了日の24時までに最終目的地に到達しなければならない。
答え:b
満了日の24時までに最終目的地に到達しなければならないが誤り。正しくは有効期間満了日の24時までに搭乗しなければならない。(例:機内泊のフライトの場合、23時に出発して、翌朝の6時に到着などがある)
約款の問題㉒:日本航空の国際運送約款
問22:最初の国際線の運送区間の搭乗用片が使用されておらず、旅客がその旅行をいずれかの予定寄航地から開始する場合であっても、航空会社は、その航空券の使用を認める。
答え:b
使用を認めるが誤り。正しくは予約事項通りに使用しなければ無効となる。
約款の問題㉓:日本航空の国際運送約款
問23:旅客が、航空会社の許可なく、機内で、携帯電話機、携帯ラジオ、電子ゲーム等電子機器を使用する場合、航空会社は航空会社の相当なる判断の下に、当該旅客の運送を拒否し、又は、当該旅客を降機させることができる。
答え:a
正しいのでそのまま覚えましょう。
約款の問題㉔:日本航空の国際運送約款
問24:通過国又は到達国への旅客の入国不許可により、航空会社が適用法令等によりその旅客を出発地又はその他の地点へ送還する場合には、旅客は、適用運賃、料金及び費用を支払わなければならない。
答え:a
正しいのでそのまま覚えましょう。
約款の問題㉕:日本航空の国際運送約款
問25:航空会社に対する責任に関する訴は、到達地への到達の日、航空機が到達すべきであった日又は運送の中止の日から起算して6ヵ月以内に提起しなければならない。
答え:b
到達地への到達の日、航空機が到達すべきであった日又は運送の中止の日から起算して6月以内に提起しなければならないが誤り。正しくは、到達地への到達の日、航空機が到達すべきであった日又は運送の中止の日から起算して2年以内に提起しなければならず、その期間の経過後は提起することができない。
日本航空の国内旅客運送約款に関する問26〜問28について、その内容がその内容が正しいものにはaを、誤っているものにはbを選びなさい。
約款の問題㉖:日本航空の国内旅客運送約款
問26:航空会社は、一旅客に対して二つ以上の予約がされており、且つ旅客が予約のすべてに搭乗すると合理的に考えられないと判断した場合は、旅客の予約の全部又は一部を取り消すことができる。
答え:a
正しいのでそのまま覚えましょう。
約款の問題㉗:日本航空の国内旅客運送約款
問27:受託手荷物の引渡しを行う場合には、航空会社は、手荷物合符の持参人が、当該手荷物の正当な受取人であるか否かを確かめなかったことにより生ずる損害に対し、賠償の責に任じる。
答え:b
賠償の責に任じるが誤り。航空会社は手荷物合符の持参人が当該手荷物の正当な受取人であるか否かを確認する義務を負わず、正当な権利者であるか否かを確かめなかったことにより生ずる損害に対して賠償の責に任じません。
約款の問題㉘:日本航空の国内旅客運送約款
問28:航空会社は、身体障がい者が自身のために同伴する盲導犬、介助犬及び聴導犬の機内への持込みを認めている。
答え:a
正しいのでそのまま覚えましょう。
一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款に関する問29について、その内容が正しい場合にはaを、誤っている場合にはbを選びなさい。
約款の問題㉙:一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款
問29:バス会社が収受する運賃及び料金は、乗車時において地方運輸局長に届け出て実施しているものによる。
答え:a
正しいのでそのまま覚えましょう。
モデル宿泊約款に関する問30について、その内容が正しい場合にはaを、誤っている場合にはbを選びなさい。
約款の問題㉚:宿泊約款
問30:宿泊客が、宿泊中に宿泊契約の申込み時に申し出た宿泊日を超えて宿泊の継続を申し入れた場合、ホテル(旅館)は、その申し出がなされた時点で当初の宿泊契約が継続されたものとして処理する。
答え:b
宿泊契約が継続されたものとして処理するが誤り。正しくは新たな宿泊契約の申込みがあったものとして取扱う。
以上となります。
令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験の約款の問題の解説でした。
次の記事では、令和3年度の総合旅行業務取扱管理者試験の国内旅行実務(国内観光地理)の問題の解説をしたいと思います。
それでは、良い一日を!