異国の地での海外赴任は大変なんだろうな。ストレスもたくさんありそう。海外赴任で活躍している人はどうやってストレスを発散しているんだろう。
この記事は、そんな疑問に答えます。
- 海外赴任中のストレスの原因
- 海外赴任中のストレスの発散方法
僕自身、海外赴任を約6年間経験して、赴任中はたくさんのストレスと戦ってきました。
特に赴任1年目のストレスは本当凄まじいものでした。
途中で諦めて日本に帰りたいと思ったこともあります。
ストレスと向き合うのは自分自身です。
ストレスが溜まり過ぎると、気付いた時にはいきなり心がポキっと折れる感覚になります。
そうならないためにも、ストレスをどう発散していくかを自分自身で考えて行動を起こしていかなければなりません。
この記事では、「海外赴任中のストレスの原因」と「海外赴任中のストレスの発散方法」について、実体験に基づいて詳しく解説したいと思います。
現在海外赴任中でストレスで悩んでいる人やこれから海外赴任を目指す人に是非お勧したい記事です。
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海外赴任中のストレスの原因
言葉やコミュニケーションの問題
まずは何と言っても、言葉ができないというストレスです。
- スピーキングができない=自分の気持ちを伝えれない
- リスニングができない=相手の言っていることがわからない
- ライティングができない=メールや文書を作成できない
- リーディング=大事な書類が読めない
人とのコミュニケーションは言葉で行うものです。それができないとなるとストレスそのものでしかありません。職場にいてもスタッフと会話ができず、指導等もできません。外出しても買い物をすることすら怯えたりもします。
日本人は言葉がわからない時に笑ってごまかす人が多く、それが相手に誤解を生じさせることもあります。まさに「Noと言えない日本人」です。
現地に赴任した際に住居用のコンドミニアムの賃貸物件を契約をしたり、家事手伝いをしてくれるメイドを雇用する時があります。海外では全て契約社会のため、契約書を使って賃貸契約をしたり、メイドの雇用契約をします。
食生活や生活習慣の違い
食生活や生活習慣の違いは、毎日ジャブを打たれているような感覚で、気付いた時にはものすごいストレスになっています。
海外赴任先に日本食レストランがない、それだけでストレスを感じる人はいるでしょう。
イスラム圏の国などに行くとまだまだ日本食がないことも多いです。
現地の食事を毎日食べるしかない場合、胃もたれも避けることができません。
バスルームにバスタブがなくシャワーオンリーしかない国も多いです。
僕の海外赴任時は約6年間シャワーオンリーでした。
東南アジアに赴任すると常夏のためか、年中ゴキブリがいます。
夜道はとにかく危険で至る所から出現します。
僕の海外赴任時の最高記録は50メートルほどの道で7匹のゴキブリに遭遇しました。
また、海外では夜の街灯にナトリウムランプを使っている国が多く、光の色がオレンジ色です。
そのオレンジ色がさらにゴキブリを際立たせます。
治安の心配
海外赴任先が銃社会の国であれば、治安はとても心配になります。
特に一人で歩いている時や夜に出かける時は注意をしなければなりません。
つまり、いつも気が休まらず、常に緊張状態でストレスが溜まります。
僕がフィリピンに海外赴任をしていた際は、オフィスから徒歩5分のところで銃殺事件、徒歩15分のところで誘拐事件がありました。
明日は我が身と思ってしまう程の近所でそういう事件が起こった時はとてもストレスを感じました。
新しい業務や業務量
海外赴任中は日本での業務とは異なる業務をすることになります。
また、その業務量も多く、多岐に渡る業務を毎日行わなければなりません。
新しいプロジェクトのために海外赴任をしたなら、毎日失敗を繰り返し、悪戦苦闘するでしょう。
管理職として海外赴任したなら、慣れない経理や労務などの管理業務に悪戦苦闘するでしょう。
さらに会計士とも打ち合わせをしたり、専門用語が飛び交う会議にも出なければなりません。
人間はわからないことがあるとストレスを感じます。
それが毎日続くとストレス満載で仕事のことが嫌いになるかもしれません。
途中で仕事を投げ出したくなるかもしれません。
僕自身、海外赴任中の業務は大変でしたが、ストレスはあったものの、それなりに楽しんだつもりでした。
しかし、経理業務が本当に最後まで好きにはなれませんでした。
経理スタッフの方には尊敬の念しかありません。
現地スタッフの文化や習慣の違い
仕事で一番何が大変かと言われたら、おそらく「人の管理」だと思います。
それは日本でも海外でも同じじゃないでしょうか。
同じ国で育った日本人スタッフの管理ですら大変ですが、それが異国の異文化で育った現地スタッフを管理するとなると、それは本当に大変でストレスです。
物の価値観、時間の価値観、仕事の価値観など全てが異なります。
海外赴任で特に海外赴任者が悩むのは次のことです。
- 遅刻や欠勤の多さ
- 仕事のミスを隠す
本当にこの2つに尽きます。
日本では電車やバスの時刻表があって時間通りに来ることを考えると、やっぱり日本はすごいんです。
海外では雨が続くと遅刻が増えますし、祝日が来ると欠勤が増えます。
仕事のミスも最後まで隠して、気付いた時には手遅れということもよくあります。
外国人であるという疎外感
海外赴任中の僕たちは、現地では「外国人」です。
現地スタッフは、海外赴任者の僕たちのことを外国人として見ます。
「なんでこの国に来たんだろう」、「なんでこの国を選んだんだろう」、「日本人はどんな仕事をするんだろう」と少し距離を置いて、僕たちを観察します。
最初の頃は仕事の後に晩御飯に誘っても遠慮されたり、こっちが気付くほどの距離感を取られます。
また、現地の言葉がわからない僕たちにとっては、現地語で話をされると全く分からず、もしかしたら目の前で悪口を言われているかと思うと、とてもストレスを感じてしまいます。
辛い時も誰も助けてくれない、誰も理解してくれないと思ってしまい、オフィス内にいても疎外感や孤独感を感じます。
過度のストレスからオフィスに行くのが嫌になったりする時もあります。
日本側との対立
海外赴任をしていると、「日本」から来たのに「日本」が敵に見える時があります。
これは単純な理由で、日本は「現場を知らない」からです日本で海外についての会議をする際はほとんどが「机上の空論」です。
毎日海外で身を粉にしながら働いている社員と出張で2泊、3泊してすぐに帰国してしまう社員とではもちろん温度差があります。
良い例は、現地で何かトラブルが起こった際、日本に報告をすると「現地側で何とかしろ!!!」の一言で終了する時があります。
日本の人達はこんなに冷たかったっけ?!と思う瞬間です。
特に日本の経営陣が海外赴任経験者がいないとなると、さらに事がややこしくなります。
全く理解し合えずということもあります。ストレスの何物でもありません。
マネジメントの難しさ
管理職として海外赴任をする人にとっては、現地の支店を任されるという難しさに直面します。
異国の地での会社運営というのは、とてもハードルが高く、苦労するものです。
異国での事業推進の難しさ、事業拡大の難しさ、現地スタッフを統率する難しさなど、日本では経験することができないようなことが日々起こります。
それは、海外赴任者にとってはとてもストレスが溜まる日々です。
特にストレスのある業務は「資金繰り」です。
資金繰りというのは会社の先々の売り上げや経費を予想し、日々の資金を確保するということです。つまり、会社を存続させるために必要なことです。
現地スタッフの給料を払えなかったり、取引先に支払いができないとなると会社の信用問題となります。
給料などの固定費を下げることはできないため、何とかしてお金をかき集めて支払いができるようにしなければなりません。
資金繰りからくるストレスはとてつもなく大きく、同時にプレッシャーも大きいです。
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海外赴任中のストレスの発散方法
海外赴任中にストレスが溜まってきた時は、必ずストレスを発散できる方法を1つ、2つ持っておかなければなりません。
それが何かというと、単純に「好きなことをやる」、それだけです。
そして、それをやることでたくさん笑えればよいのです。
笑うとストレスが飛んでいきます。
僕自身が海外赴任中にストレス発散していた方法は次の通りです。
日本人のコミュニティを見つける
やっぱり日本語で日本人に話すということはとても安心することです。
言葉も同じであれば、細かく状況を伝えることができるため、いろいろ溜まっていたことを話せる機会になります。
また、人間が落ち着く時というのは、同調されたり、同じ境遇の人に会った時です。
そのため、僕がストレスを発散する方法として使ったのは、「同じ海外赴任をしている人と意見交換をする」ということです。
例えば、「こういった状況の時はそちらの海外支店ではどういう対応をしていますか」などを聞くと、だいたい同じような問題で悩んでおり、同調されます。
そういう時というのは、解決策が見つかるか、見つからないかは別としても、同じ悩みを持っている人がいるんだという安心感に包まれます。
同じ趣味を持った人が集まるコミュニティは居心地が良いですよね。それと同じです。
言葉をがむしゃらに勉強する
海外赴任のストレスの原因一つに「言葉」がありますが、言葉を克服するには継続した勉強しかありません。
それだけ、言葉というものは難しいのです。
何もしなければ、何も覚えません。
単語を覚える、文法を勉強する、洋楽を聴く、英語の字幕を付けて映画を観てみる、何でもいいので毎日続けることが大事です。
現地スタッフに毎日30分や1時間程の個人レッスンをお願いしてみるのも良いですし、英語のチューターを雇って始業前に1時間レッスンをしてもらうのも良いと思います。
言葉を少しでも覚えてきたら、会話もできるようになり、笑い話の1つや2つはできるようになります。
ジムに行って汗を流す
海外赴任中は、会社が現地の住居補助することが多いです。また海外への派遣ということもあり、セキュリティの高いコンドミニアムを住居にすることが一般的です。
そういったコンドミニアムはホテルのようなジムやプールなどの施設が備わっています。
もちろん無料で利用することができ、いつでもジムに行くことができます。
体を動かして汗をかくということは、気分もすっきりして体もリフレッシュできます。
毎日朝30分ジムを利用する、夜仕事が終わったら30分利用するなど、最初は2日に1回など自分が継続できるペースを作ることが大切です。
たくさん汗をかいてリフレッシュできれば、自然と笑顔になれます。
マッサージやスパに行く
これは東南アジア圏に海外赴任した人の特権でもありますが、仕事終わりや休みの日はマッサージに行ったり、スパに行くことでリフレッシュができます。
1時間1,000円程でマッサージができるため、毎日行ってもいいくらいです。
マッサージやスパは、体をほぐしてもらうことでとても気持ちいいのもありますし、優しく触ってもらうことで安心感もあります。
仕事で酷使した体にも癒しは必要です。
ホームパーティーをする
現地スタッフとの距離を縮めるためには、ホームパーティーが一番お勧めです!何かプロジェクトが終わった後にみんなで外食もいいですが、ホームパーティーでも良いと思います。
僕は海外赴任中に現地スタッフと鍋パーティーをしていました!
その時は、日本の鍋って本当に便利だなと改めて痛感しました。
1つの鍋をみんなで囲んで食べることは、やっぱり親近感を持てますし、一気に距離が縮まります。
また、鍋は味の素の「ほんだし」の粉さえあれば、どんな具を入れても味はパーフェクトです。
現地スタッフにも毎回好評でした。
みんなでワイワイと楽しむことでストレス発散ができます。
日本映画やドラマをたくさん見る
僕が一番していたのは休みの日は引き籠って、日本のドラマや映画を一日中観ることです。
それがかなりのストレス発散になっていました。
当時、東南アジアに海外赴任していた際、市場などで海賊版の映画などがたくさん売られていました。
日本のドラマや映画などもたくさんあり、海外赴任をした当初はたくさん買って、休みの日に全部見ることを繰り返していました。
ストレスが溜まった時にいつも見ていたのは「半沢直樹」です。
あれを観ると、毎回すっきりした気持ちになりました。
おそらく20回以上は観ています。
また、「ウォーキングデッド」も全シリーズ観てました。
ただ、海賊版の映画などを買っているとものすごいCDの枚数になってしまうため、毎回処分に困り、最後には現地スタッフに全部上げてました。
そのため、海外赴任の後半はアマゾンプライムのネット配信ドラマや映画を観ていました。
最近ではいろんなツールが出ていて、映画やドラマ以外にも日本の雑誌なども見ることができるため、無料視聴期間があるものを活用して、いろいろ試してみることをお勧めします。
アマゾンプライム(30日間の無料体験あり)
日本のバラエティ番組は本当おもしろいですし、笑いが絶えないのでストレス発散にもなります。
また、日本の雑誌を見ることができれば、日本のトレンドをアップデートすることができます。
国内旅行や近隣諸国を旅行する
ストレス発散をする時は、やっぱり旅行業なだけに旅行を楽しんでいました。
赴任先の国内旅行はもちろん、近隣諸国への海外旅行もしていました。
海外赴任をしている人は近隣諸国への海外旅行を楽しむ人が多いです。
特に東南アジアに海外赴任をしている人は旅行もしやすく、週末利用の旅行でもいろんなところに行くことができます。
僕は東南アジアに海外赴任をしている時に香港やシンガポール、フィリピン、マレーシアなどを旅行をしました。
また、旅行会社で働いているとホテルで働いている知人も増えるため、時と場合によっては無料で宿泊をさせてくれたり、ホテルのレストランでご飯を提供してくれたりと旅行会社の特権を使って良い思いもしていました。
ただその場合、仕事観が抜けなかったり、ホテルの知人やそのボスが挨拶に来てくれたりするため、完全なプライベート旅行にはなりません。
本当に仕事から離れてリラックスしたい時は、旅行会社の特権を使わずに普通に自分で航空券やホテルを探して旅行をしていました。
もちろん、その時は全て自己手配で旅行会社は使いませんでした。
航空券の値段やホテルの値段をチェックしていたのは次のツールです。
僕が一番好きな旅行は、やっぱり綺麗なビーチを見ながら、バナナシェークを飲む旅です!
海外では全て割り切る
最後は「海外では全て割り切る」ということです。
これは、「受け入れる」ということでもあります。
- 外国人の自分を受け入れる
- 現地スタッフの文化や習慣を受け入れる
- 海外赴任の業務を受け入れる
- 語学の難しさを受け入れる
それにより、海外赴任中に起こることに対して、割り切って対応ができます。
僕が海外赴任をしている時に現地スタッフからある言葉を言われました。
「Forgive and Forget」
直訳すると、許して忘れなさい、ということです。
とても便利な言葉ですよね。
ミスをしても許して忘れなさい、何か悪いことが起こっても許して忘れなさい、こういう風に現地の人達は考えていたんだと思うと遅刻が続いても許せるのか、そういった文化なのかと理解ができます。
日本で当たり前のことが、海外では当たり前ではありません。
海外で当たり前のことが、日本では当たり前ではありません。
そのため、海外では全て割り切るということが大切です。
それにより、日々のストレスの感じ方も変わってくるかと思います。
以上となります。
海外赴任中のストレスは様々です。
いろんな原因や状況がストレスを作っています。
しかし、ストレスに負けては海外赴任へのチャレンジも台無しです。
そのため、海外赴任中のストレス発散方法をできるだけ早く見つけて、海外での生活を少しでも楽しめるようにもっていくことが大切です。
自分が好きなことを探す、そしてそれを継続する。それが自然とストレス発散になります。
それでは、良い一日を!
海外旅行をする時、旅行条件書や約款などをきちんと読む人はほとんどいません。おそらく何かトラブルがあった時に初めて読むようなイメージです。しかし、海外では、英語の契約書でも隅々まで頑張って読もうとします。(稀に何も読まずサインをする人がいます。とても危険です。)