海外赴任の任期満了まであと1年。帰任後はみんなどんなキャリアを歩んでるんだろう?やりがいやモチベーションはどうなんだろうか。自分のやりたいことをきちんと考えないといけないな。
この記事は、そんな疑問に答えます。
- 海外赴任の帰任が近づいてきたらやるべき3つのこと
- 帰国後のキャリアの5つのギャップ
こんにちは、ツバサです。
今回は海外赴任関連の記事を書きたいと思います。
僕自身、海外赴任を約6年間しました。
海外赴任中のやりがいや挑戦はとても大きく、完全燃焼するくらいの勢いで仕事に打ち込んでいました。
今でもその時の様々なシーンを覚えています。
日本に帰任後は、その年度中に会社を退職し、2か月後に起業をしました。
起業後はとても大変でしたが、2020年現在、3期目となっています。
この記事では、海外赴任の帰国後のキャリアについて、分かりやすく解説したいと思います。
海外赴任の期間満了が近づいている人、海外赴任からの帰国後に悩んでいる人などは是非この記事を読んでみてください。
★著者が読んだ海外赴任向けの本★
【海外赴任者が教える】海外赴任が決まったら読むべきおすすめの本
【総合旅行取扱管理者を目指そう】
【完全マニュアル】総合旅行業務取扱管理者を独学で合格するには?
【私は海外赴任からの帰国後に退職をした】キャリアの在り方は?
海外赴任後に会社を退職してしまう人は、年内に12%、翌年に13%、要するに2年間で25%は退職しているというデータがあります。
★参考記事★
ダイアモンドオンライン:海外赴任者が帰国後に退職してしまう理由
人それぞれではありますが、海外赴任を終えて帰国後のキャリアの在り方について、いろいろ考えるのは間違いありません。
それでは、海外赴任中にやるべきことから解説します。
海外赴任の帰任が近づいてきたらやるべきこと
海外赴任契約は2年から3年が一般的で、長い人では5年~6年もあります。
「石の上にも三年」と言われるように海外赴任も3年間の海外赴任が理想です。
- 1年目:現地での仕事の在り方を学ぶ
- 2年目:業務を円滑に回して安定性を持たせる
- 3年目:挑戦をテーマにチャレンジしてみる
海外赴任はいつか終わりが来るものです。終わりが来るということは始まりもあるということ。
今まで自分が全力を尽くしてきた業務を後任に引継ぎをしなければなりません。
帰任の6か月~1年前くらいには次の確認を始めましょう。
後任の選定
会社には人事部があるため、人事に関して一社員の意見は通ることはほぼありません。
ただ、現場でやっているからこその視点で自分の後任にはどういった社員がいいのかを声に出して伝えたほうがよいです。
できれば、スタッフ名を挙げるくらいの意見を言っても良いと思います。
トップが変わると会社や部署が180度変わるように、海外赴任の後任次第でも大きく変わります。
安定を継続してくれる後任、チャレンジしてくれる後任、衰退させてしまう後任、それは様々です。
日本の人事部は海外のことを理解していない場合が多く、現場からの意見が何よりも説得力があるため、声を大にして言っていきましょう。
- 半年から1年前頃から後任の推薦をする
- 人事部に直接言えない場合は上司や役員に伝えてもよい
- 日本の人事部は海外のことを知らない
後任のトレーニング期間
2年、3年と海外赴任をすると海外での仕事の仕方に慣れ、それが普通になります。
しかし、新しく赴任してくる後任に関しては異国の地でのスタートとなり、一からのスタートになります。
業務の引継ぎを考えると、一般社員で最低1か月、管理職で最低3ヵ月は時間を掛けた方がよいです。
日本から遠隔で指示も出せますが、極力同じオフィスにいる際に1~10まで落とし込みをしたいところです。
引継ぎ期間に関しても具体的に計画を立て、必要な期間を人事部や直属の上司に伝えることが大事です。
- 引継ぎ期間は一般社員で最低1か月、管理職で最低3ヵ月必要
帰任後の業務やポジションの確認
帰任が近づいてきたら、自分自身の帰国後の具体的な業務やポジションも確認した方がよいです。
日本企業の海外赴任で帰任後にありがちなことは次のようなことです。
- 帰任前に帰国後の部署や業務がなかなか決まらない
- 帰任後、海外赴任前の業務に戻ってしまう
- 帰任後の役職が不透明
帰任前に帰国後の部署や業務がなかなか決まらない
これは海外赴任ではあるあるです。
なぜこのようなことが起こるかというと、人事部が海外を理解していないからです。
帰国後の部署が決まるのは帰国の1か月前や2週間前なんていうこともあります。
さらに帰国後の業務やミッションなどが不透明な時も多いです。
現地で支店長や拠点長をしている人であれば社長から直々に帰国後のミッションを与えるべきところを、そういったこともないまま帰国を迎えてしまう人もいます。
帰任後、海外赴任前の業務に戻ってしまう
結果として、帰国後も海外赴任前の業務に戻ってしまう人も多く、海外赴任中に得た経験や知識を活かせない人もいます。
また、企業によっては日本側の成長が止まっていたり、組織体制が以前のままであったりするがために、海外赴任経験者を受け入れる適切な部署や業務がないということもよくあります。
帰任後の役職が不透明
海外赴任中は「Manager(マネージャー)」や「General Manager(ジェネラルマネージャー)」の役職だった人が、帰国後に役職格下げなんていうことはよくあることです。
もともと海外赴任時に役職が上がって赴任する人が多く、帰任後の組織体制ではもとの役職に戻ることがよくあります。
この場合、日本の取引先の人からは帰任後に役職が下がったと思われることがよくあります。
本来であれば、海外赴任中に実績を残し活躍した社員は、異国の地で会社の発展のために奔走してくれたことを考えるとそれなりの役職を準備して日本側は受け入れるべきですが、そういったことも現実少ないです。
上記から海外赴任期間が終わる前に人事部や上司、又は社長に直訴してでも帰国後の業務やポジションを明確にした方がよいです。
そのためには日本出張の時間を作って直談判が必要な時もあります。
- 帰任後の部署や業務について人事部や上司に確認する
- 帰任後のミッションについては社長に直談判して確認してもよい
- 直接話した方がよいため日本出張を入れて一時帰国するべき
帰国後のキャリアの5つのギャップ
帰国後のキャリアの在り方について、とても悩む人が多いです。
ここでは、具体例も挙げながら解説したいと思います。
帰国後のポジションや配属
前章でも少し触れましたが、帰国後のポジションや配属、役職などにギャップを感じる人が多く、失望してしまうことも多いです。
例えば、僕自身が海外赴任中に知り合った人の帰任後のポジションや業務です。
【赴任前】マネージャー⇒【赴任中】ジェネラルマネージャー⇒【帰任後】マネージャー
【赴任前】一般社員⇒【赴任中】アシスタントマネージャー⇒【帰任後】一般社員
これはよくある事例です。
海外では役職をとても重んじますが、海外で知り合った取引先には自分はジェネラルマネージャーというポジションで知ってもらえたにも関わらず、帰国後にマネージャーの役職になり、「何かあったのか?」と心配されたりすることがよくあります。
【赴任前】商品開発⇒【赴任中】拠点長⇒【帰任後】商品開発
【赴任前】営業販売⇒【赴任中】部署長⇒【帰任後】システム課
海外赴任からの帰任後に前の業務に戻ったり、帰国後、全く別の業務になったりと様々です。
本来であれば、海外赴任中の経験や知識を活かすには、海外赴任後は営業企画や事業企画、経営本部などのポジションが適任と思われます。
挑戦性のある仕事ではなくなった
海外赴任中は、現場最前線で現地スタッフをまとめながら陣頭指揮を取り、事業を進めていくことになります。
異国の地で外国人の立場として現地のスタッフと働くということはとても苦労があります。
その反面、とてもやりがいがあり、マネジメントの経験も培われ、視野も広がります。
しかし、海外赴任を終えて、帰国後の業務はというと、一社員の業務に戻ったり、海外赴任前の業務に戻ったりと、海外赴任していたことをまるで否定されたかのような環境に戻ることもあります。
実際にそれらのギャップに悩む人がとても多いです。
旅行業に関して言えば、次のような例があります。
【赴任中】
・現地支店の立ち上げや運営
・現地を飛び回り視察
・ホテルやサプライヤーとの商談
・現地の自治体との交渉
・観光省へのプレゼンや商談
【帰任後】
・販売店舗の支店長
・営業現場のリーダー
・カウンターセールスなどの営業販売
・ランドオペレーターの営業
・1つのデスティネーションの商品企画
このような状況になってしまうと燃え尽き症候群のようになってしまいます。
新しい視点が生み出す違和感
海外赴任中は、他国のマーケットに視野を向けたり、海外から日本を見たりすることで自分自身の視野がとても広がります。
それはグローバル人材を育成するにあたっても必要なことで、そういった視点をもった社員が日本に帰国した後に活躍していくというのが本来の理想像です。
しかし現実はそのようにはいきません。
帰国後の業務やポジションが曖昧で海外経験が活かされないことも多く、グローバルな視点を持って帰任した社員にとっては「いったい何のために帰任したんだろうか」「この会社で海外経験は活かせるのだろうか」とギャップに悩む人がとても多くいます。
また、海外赴任のミッションとして現地支店の立ち上げや新しいプロジェクトの立ち上げを経験した人にとっては、帰国後に日本の現場に戻った際、「日本側は成長していない」と感じたり、経営会議や企画会議に出席しても「机上の空論ばかりだ」と感じることも多いです。
【赴任中】
荒波にもまれながら世界を知り、視野や考え方が広がる
【帰任後】
机上の空論ばかりの会議が続く
一社員に戻るという空虚感
海外赴任から帰国すると、一社員に戻ってしまうという空虚感やそのギャップに悩む人もいます。
これは一般社員が海外赴任をして、現地でアシスタントマネージャーとして活躍した社員が帰任した際に陥ることが多いです。
海外赴任中は、現地スタッフとチームを組んでアシスタントマネージャーの立場として業務を落とし込んだり、対外交渉をするような業務に当たっていたにもかかわらず、帰国後は営業の一社員に戻ってしまうというようなことです。
せめて帰国後はプロジェクトリーダーなどのポジションを用意してあげるべきです。
【赴任中】
自分が中心となって事業やプロジェクトを推し進める
【帰任後】
たくさんいる社員の一人に戻ってしまう
自分自身がこのままでいいのかという自問自答
海外赴任を通して、いろんな業務経験や視野を持つことができ、海外の人と働くことで自信も付きます。
「もっと上の舞台で働きたい」、「もっと世界の舞台で働きたい」と思う人も多いはずです。
海外赴任中は自分で何度も考えて、失敗を重ね、試行錯誤しながら業務を達成させるために、またプロジェクトを成功させるために自分の判断や決断で物事を進めなければなりません。
まずはやってみるということが大切で、その繰り返しとなります。
しかし、日本に帰任してみると、自分の企画を通そうとしても上司、役員、社長と段階的に承認を得なければならず、チャレンジすらさせてもらえないことも多いです。
挙句の果てに企画自体を180度ひっくり返されることもあります。
まずはやってみるということができないのです。
日本には社長や上司に「おれが責任を取るから、全力でやってこい」と言えるような人が圧倒的に少ないのです。
そのため、帰任後に映る日本は行動する前から結論付けてしまう、何も成長していないと映ってしまいます。
「この会社に居続けていいのか」と自問自答する日々が始まります。
【赴任中】
自分の判断や決断で物事を進める
何に対しても何度も考え、失敗を重ね、試行錯誤をしながら達成する
まずはやってみることが大切
【帰任後】
上司、役員、社長と承認を取らなければならない
180度ひっくり返されることがある
まずはやってみるということすらしない
自分の経歴の本来の評価を知るべき
海外赴任からの帰任後は将来のキャリア形成を慎重に行う必要があります。
そのためには海外赴任を経験した自分自身の経歴が市場でどれくらいの価値で本来評価されるべきかを知っておく必要があります。
一度、自分のビジネスマンとしてのスキルやパーソナリティを診断・分析をしみてください。
ツール:MIIDAS(ミイダス)
※MIIDAS(ミイダス)では、今持っている経歴をもとに年収レベルを調べることができ、自分自身の行動特性やパーソナリティを分析することができます。適正な年収を今の会社が出してくれているのかどうかがわかります。
本来これくらいの年収をもらってもしかるべきというのが分かった時は行動を起こす時です。
以上となります。
このように海外赴任を経験した人は、いろんなギャップに悩み、存在意義を疑い、自分の経験をどう活かしていくのかを考え始めます。
会社自体が海外赴任者が帰任した際に「どのようなポジションを用意するのか」、「どういったキャリアアッププランを準備するのか」を真剣に考え、海外赴任者を日本に迎え入れてあげなければいけません。
そうしなければ、海外赴任者が優秀であればあるほど退職します。
つまり、会社として人材を失うということに繋がります。
私は海外赴任からの帰国後、日本で業務を行いましたが、8か月後に退職をしました。
退職理由は、海外赴任の経験を活かしたかったことや日本側の成長が見られなかったことが理由です。
それでは、良い一日を!
「志を立てるのに、老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ず開けるのである。」