海外赴任したら成長できるかな?もし成長できなかったらどうしよう。成長できない人の特徴はどんな人だろう?実際に海外赴任をしている人に聞いてみたいな。
この記事は、そんな疑問に答えます。
- 海外赴任で成長できない人の7つの特徴
1)コミュニケーション能力が低い人
2)学ぶことをしない人
3)決断ができず優柔不断な人
4)役職や地位に溺れる人
5)業務管理ができない人
6)責任という重さを理解できない人
7)チャレンジを見せない人
僕自身、約6年間の海外赴任を通して、約50名のスタッフのいる海外支店の拠点長をしていました。
海外支店や新規事業の立ち上げを経験する中でたくさんの失敗を繰り返しましたが、失敗をした後にいつも思うことは、「あの時こうしていればよかった」と思うことばかりです。
それでもその失敗から学び、改善をしていくことが成長するためには大事なことです。
また、成長するためには自分自身の強い意志を持ち続けなければなりません。
考え続ける意志、行動を起こす意志、伝える意志、チャレンジする意志など、自分自身のモチベーションは他人には変えることができず、自分自身でモチベーションを作って上げていくしかありません。
この記事では、海外赴任がうまくいかない人や成長できない人の7つ特徴を詳しく解説します。
これから海外赴任にチャレンジする人や今海外赴任中でうまくいっていない人に是非読んでもらいたい記事です。
海外赴任で成長できない人の7つの特徴とは?
海外赴任で成長できない人の特徴は7つあります。
- コミュニケーション能力が低い人
- 学ぶことをしない人
- 決断ができず優柔不断な人
- 役職や地位に溺れる人
- 業務管理ができない人
- 責任という重さを理解できない人
- チャレンジを見せない人
この7つの特徴について詳しく見ていきましょう。
コミュニケーション能力が低い人
海外赴任中は、僕らが外国人として現地の人と働くことになりますが、「コミュニケーション能力」はとても重要です。
ここでいうコミュニケーション能力は英語力ではなく、「伝える力」です。
例えば、日本で働いている時に外国人スタッフが入社したとします。
そしたら、僕らは「あの外国人スタッフ、なんで入社したんだろ」「どんな業務をするんだろ」と思うはずです。
それと同じように現地スタッフは外国人の僕らがオフィスに来たら、「何しに来たんだろう」「なんでこの国に来たんだろう」と思っています。
まず着任したら、自分はどんなミッションを持ってこのオフィスに来たのかをしっかり現地スタッフに伝え、日々の業務においても彼らの立場に立ってわかりやすく説明することが重要です。
また仕事上、何かをミスした時にただ叱るだけではなく、このミスがどういった影響を及ぼすのか、どんな形で取引先に迷惑がかかるのか、次回どのようにミスを事前に防ぐのかをきちんと伝える必要があります。
伝える力がない人は、外国人スタッフと面と向かって話をすることが少なく、同じオフィスにいるにも関わらず、スカイプなどのチャット機能を使ってスタッフに指示を出したり、スタッフの評価面談の時にはスタッフ全員に同じようなことしか言えなかったりします。
伝える力を意識しない人は海外赴任で成長できません。
- コミュニケーション能力=英語力ではなく伝える力
- 日系企業であっても海外赴任中は僕らが外国人
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学ぶことをしない人
海外赴任中に仕事がうまくいかない人をよく見ます。
その人たちの共通していることは「学ぶことをしていない」ということです。
例えば、海外に行くと日本の就業規則とは全く異なります。
残業代の計算方法だったり、休暇の種類だったり、有給や退職の規定だったり、全く違います。
それをわからないと言っている人は現地の労働基準法すら読むことをしていません。
つまりそういった努力をしていないということです。
旅行業でよくあることが、「ホテルについてわからない」「空港の乗り継ぎの仕方がよくわからない」などと言うスタッフがいますが、ホテルについて実際に調べたり、足を運んで視察をしたり、空港に実際に行って乗り継ぎの順路を調べたりすることを怠っているだけです。
管理職の人で現地のスタッフの扱い方がわからないと言っている人は、スタッフに面と向かって聞き取りをしていない、自分自身を現場介入させていないということが多いです。
また、海外赴任中に現地スタッフとうまくわかり合えていない人は、現地スタッフの文化や習慣をきちんと学んでいないからです。
わかり合えていないということはスタッフからの信頼がないということになります。
海外の日系企業で現地スタッフの退職者が続く時は日本人の拠点長やマネージャー職のスタッフが現地スタッフのことをきちんと理解していないということがほとんどです。
学ぶことをしない人は海外赴任で成長できません。
- 現地でわからないことがあった場合、とことん調べて学ぶことが大事
- わからないという時間があれば学ぶアクションを起こそう
- 僕ら外国人が現地スタッフに理解してもらうにはまず僕らが彼らを知るべき
決断ができず優柔不断な人
これは、現地の拠点長や支店長の立場として海外赴任した人に当てはまりますが、決断ができず優柔不断な人は、すぐに現地スタッフに見限られます。
例えば、拠点長として赴任したにもかかわらず、現地スタッフからの質問に毎回答えれなかったら、スタッフはどう思いますか?
現地スタッフからしたら、会社のトップが答えられないというように映り、「じゃあ、誰に聞けばいいの?」となってしまいます。
また、現地支店として事業を進めていく上で何かの選択に迫られる時があります。
その時、判断するのは拠点長や支店長のあなた自身です。
もしかしたら、今すぐに答えを出さないといけないかもしれません。
そんな時に「どうしよう。。。」「どっちにしよう。。。」と迷っているとスタッフは途方に暮れてしまいます。
旅行業で例を挙げてみると、ゲストの送迎時に車が故障して止まってしまい、ツアーガイドから緊急で電話が入り、「ボス、どうしたらいいですか?」を聞かれたとします。
そこで、ツアーガイドに対してすぐに的確なアドバイスを与えられるかどうかであなたのスキルや判断力が決まります。
そこで「わからないから、スタッフに確認して折り返し電話をする」なんていう回答をしたら、ゲストの目の前にいるツアーガイドは二度とあなたの会社の仕事を請け負ってくれないでしょう。
決断をしていく、それができないと海外赴任で成長できません。
- 現地スタッフからしたら、拠点長のあなたがトップです
- すぐに判断して、決断をしなければならない時がある
- 決断するには日頃の「学び」が必要
役職や地位に溺れる人
日本から海外赴任をすると、役職が上がった状態で海外赴任になることが多いです。
例えば、このような役職になることが多いです。
【赴任前】マネージャー⇒【赴任中】ジェネラルマネージャー
【赴任前】一般社員⇒【赴任中】アシスタントマネージャー
その時、誤解をする人がいます、「私は偉くなった」と。
特にジェネラルマネージャーになった人に誤解をしている人が多く見られます。
ジェネラルマネージャーになったから、「業務は全部部下にやらせる」「私は実務はしない」とまるでデスクであぐらをかくような社長のような振る舞いをする人がいます。
海外赴任中のジェネラルマネージャーは「プレイングマネージャー」であるべきで、それと同時に「ジェネラリスト」でなければなりません。
それは、現地スタッフを引っ張っていく最前線にいながら、学びから得た豊富な知識や経験をもとに的確な指示出しや適切な業務の割り振りを行い、スピーディーな決断や意思決定をしながら会社に利益をもたらす役割があります。
そのため、海外赴任は業務量が多く、業務内容も多岐に渡るのです。
毎日オフィスの席に座って、ずっとパソコンの画面を見つめている拠点長や支店長はいません。
もし自分自身がそうだとしたら、海外赴任では成長できません。
- 役職や地位が上がる = 仕事量も多く、多岐に渡る
- プレイングマネージャーとジェネラリストであれ!
業務管理ができない人
海外赴任は仕事量も多く、多岐に渡りますが、業務管理ができていない人が多いです。
目の前に次々と舞い込んでくる仕事を全て中途半端に手を付けてしまい、結果終わらないというまさに負のスパイラルです。
業務管理ができないと、例えば、マネージャーとして決断をしなければならないことを部下に決断させたりしてしまい、結果大きなミスにつながります。
また、就業規則になるような大事な会社のルールの決定を部下にさせてしまうなどもやってはいけません。
後々必ずトラブルになります。
業務管理は意外と簡単にできます。
例えば、午前は実務に時間を使う、午後の2時間は部下の指導をする、夕方の2時間は管理業務を行うなど、スケジュールを1日の初めに組めばよいです。
あるいは、新入社員のようにやることリストを毎日作ればいいのです。
それでも業務管理ができない人は重症です。
そして、海外赴任では成長できません。
- 業務管理は毎日やることリストを作る
- 間違っても部下に大事な案件の判断や決断をさせてはならない
責任という重さを理解できない人
いろんな業務に責任がありますが、ここでいう責任は現地スタッフに対しての責任です。
マネージャー職で海外赴任をすると現地で人事に関する業務も行います。
例えば、採用面接や評価面談などがそれに当たります。
現地スタッフからすると大学を卒業して、ようやく就職が決まった会社がこの日系企業の会社だったかもしれません。
もしかしたら、地方から引っ越してきたスタッフもいるかもしれませんし、大学の奨学金の返済があってすぐにでも働きたかったスタッフもいるかもしれません。
また、親が病気で働くことができず、家族を支えるために働き始めたスタッフもいるかもしれません。
スタッフによってはいろんなバックグランドがあると思いますが、採用通知を出した側からすると、そのスタッフの人生を預かったことになります。
まさに人生の分岐点に関わったということです。
国によっては試用期間が決まっており、それを過ぎると正社員雇用を必ずしなければならないというところもあります。
正社員雇用をしてしまうと、よっぽどの理由がない限りは会社側から解雇ができなくなるため、試用期間満了前に解雇する会社も多々あります。
いろんな経営手法がありますが、スタッフの人生に関わったならば、精一杯そのスタッフへの指導をして、全員正社員にするくらいの熱い想いが欲しいところです。
遅刻や欠勤が多く、どうしても試用期間満了前に解雇をしなければならない場合もあります。
それでも、試用期間中にそのスタッフのためにもう少し何かできなかっただろうかと思えるくらいの責任感を持たなければなりません。
また、雇用期間が長くなるとスタッフもルーティンワークに飽きがきてしまいます。
そういった時にスタッフがもっと成長できるように会社自体が新しいプロジェクトにチャレンジするなどして、会社として底上げをしていけるようにアクションを起こさなければなりません。
責任という重さを理解できない人は、海外赴任では成長できません。
- 雇用する=スタッフの人生に関わる
- 解雇する=スタッフの人生に関わる
- 採用の重さを知ることが大事
チェレンジを見せない人
チャレンジを見せない人の周りにはチャレンジする人は集まりません。
これはどんな仕事でも当てはまりますが、会社は成長し続けなければなりません。
海外赴任でも同じです。
常にチャレンジし続けなければなりません。
海外赴任の最初の1年目は現地の文化や仕事のやり方などを学び慣れなければなりませんが、2年目は業務を安定させると共にチャレンジへの準備をしていかなければなりません。
オフィス内のトップの人間がチャレンジすることでオフィス内の部下全員にもそれが伝わり、良い刺激になります。
これは特に勤務年数が長いスタッフに対してはとても効果的です。
毎日のルーティンワークで変化のない日々を送っている社員は、「ボスがチャレンジしているのだから、私たちもチャレンジしなきゃ!」と思うのです。
さらにボスのチャレンジに部下を巻き込めばよいのです。
そうするとそのチャレンジが成功した時には部下と共に喜びを分かち合えます。
ジェネラルマネージャーの中には「チャレンジするにも経費がかかるし」と言う人も多くいますが、そういうジェネラルマネージャーに限って、自分では稼げないジェネラルマネージャーなのです。
経費が掛かってでも現地スタッフと共にチャレンジをしていく、経費が掛かるならジェネラルマネージャーがその分稼いだらいいのです。
チャレンジを見せない人は、海外赴任で成長できません。
- ボスのチャレンジに部下を巻き込むのがベスト
- 経費がかかるならボスがその分稼ぐ
以上となります。
海外赴任で成長できない人にはそれなりのマイナスな理由や原因があります。
成長できる、成長できないは自分次第です。やる、やらないも自分次第です。
モチベーションは自分でしか上げることはできません。
海外赴任で成長できるようにアクセルを120%踏み続けるくらいの勢いで行きましょう。
それでは、良い一日を!
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【私は海外赴任からの帰国後に退職をしました】キャリアの在り方は?
僕自身が海外赴任中に重要な判断に迫られた時がありました。それはチャーター便のプロジェクト(4泊5日の旅程)でゲストが現地のビーチリゾート地に滞在中、台風の接近のニュースが入った時です。台風の予想進路を確認すると帰国便の前日の夜に直撃するものでした。その時、決断が迫られました。選択肢は2つ。
①予定通り5日目の朝に島を出発し空港を目指す
②4日目の午後に島を出発し、空港近くのホテルで5日目のフライト時間まで夜通し待機する
僕は②を決断しました。4日目のお昼過ぎに190名のゲストに台風接近の旨を伝え、「夕方前に島を出ます」とこちらからゲストにお願いをしました。それは190名のゲストを帰国便に乗せることを優先させたためです。
結果として、当初予定をしていた5日目の朝に島を出発していたら、190名全員が帰国便に乗れないという事態になっていました。なぜなら島から出るフェリーが強風の影響で5日目の朝も欠航していたためです。もしゲストがビーチリゾート地でできるだけ長く滞在できるようにと思って①を選択していたら、最悪の事態になっていました。
4日目の午後に島を出る決断をしたということが、190名のゲストが全員帰国便に搭乗できる結果に繋がりました。