海外で働いてみたいけど、海外赴任している人はどんな人が選ばれているんだろう?英語もあまり自信がないし、海外赴任した人にやりがいとかいろいろ聞いてみたいな。
この記事は、そんな疑問に答えます。
- 海外赴任のやりがい
- 海外赴任に選ばれる人
- 海外赴任の取り巻く環境
- 海外赴任が決まったら何をすべきか
そこで今回は、「海外赴任のやりがい」や「海外赴任に選ばれる人」、「海外赴任の取り巻く環境」、「海外赴任が決まったら何をすべきか」について、分かりやすく解説したいと思います。
とても大変だった6年間、いろんな経験をした6年間、価値観が変わった6年間、完全燃焼した6年間と今振り返っても、内容のとても濃い海外赴任だったと思います。
僕自身、旅行会社の社員として海外支店の立ち上げのミッションのため、東南アジアに約6年間、海外赴任をし、海外で2拠点運営、スタッフは約60名いました。
また、世界で活躍するためにはSDGsビジネスのマインドや知識が必要です。
海外赴任をしたいと思っている方や海外赴任したいけど不安を感じている方は、是非この記事を読んでみてください。
ツナグ旅のブログを運営するツバサです。海外赴任は6年弱の経歴があります。海外赴任時はローカルスタッフと2名で新規事業をスタートし、帰任時には2拠点運営及び60名弱のスタッフのいる規模まで拡大させました。現地では支店設立から採用や実務まで経験しています。
★著者が読んだ海外赴任向けの本★
【海外赴任者が教える】海外赴任が決まったら読むべきおすすめの本
★世界で活躍するために必要な本★
SDGsビジネスの知識を勉強したい人向けのおすすめの本
海外赴任のやりがいとは?
「海外赴任」と聞くと、「かっこいい」とか「すごいチャレンジ」というようなイメージを持ちますが、言葉も文化も異なる地に飛び込んでいくため、現実はとてつもなく大変です。
しかし、仕事の面ではとてもやりがいがあり、言葉も文化も異なる人たちと大きなプロジェクトをやり遂げた時には、嬉しさが2倍にも3倍にも大きなものとなります。
僕自身の海外赴任の経験を元に、「海外赴任のやりがい」をまとめてみます。
- 英語で仕事ができる
- 異国の人達と働くことができる
- 競合他社は世界が相手
英語で仕事ができる
海外赴任といえば、やっぱり英語を使って働くということです。
スタッフとの会話も英語、書面も英語、電話も英語、メールも英語と毎日英語に接する機会があります。
英語に自信のない人もいるかもしれませんが、仕事で使う英語は同じような単語を頻繁に使うため、最初に頑張れば後は楽になると思います。
しかし、スタッフの評価面談やトピックが多岐に渡る世間話については、いつまで経っても難しいと感じるはずです。
英語力に関しては別記事で書いていますので、是非ご覧ください。
【旅行会社社員が教える】旅行会社や旅行業界で必要な英語力は?
【海外赴任者が教える】英語が話せない時にやるべき8つのこと
旅行会社の海外赴任では、Reservation(予約)やFinal(最終確認)、Reconfirm(再確認)、Double Check(二重チェック)、Over Booking(予約超過)など、意外と日本語のカタカナ単語で使われているものも多いです。
英語で仕事をする上で特に気を付けることは、次の4つです。
- とにかく英語を使って間違ってもいいから話す
- 聞き取れない時は、遠慮せず聞き直す
- 電話の後はメールで話した内容を再度伝えておく
- 日本で習った英語が必ずしも正しいとは限らない
海外の人達と英語を使って仕事をして、日々コミュニケーションを取るということは、とても楽しくやりがいがあります。
半年もすれば、夢も英語で見るようになるよ!
異国の人達と働くことができる
言葉も文化も異なる人達と一緒に働くということは、日本では想像もできないことが起こります。
日本で当たり前のことが海外では当たり前ではありません。
例えば、僕自身が海外赴任中に経験したことを紹介したいと思います。。
- お昼休憩以外におやつタイムがある
- オフィスの掃除はしない
- 遅刻の理由は毎回渋滞
- 雨の日は遅刻者が多い
- 遅刻の連絡が来ない時は携帯電話代金を払っていない
- 連休後は欠勤されることが多い
- ミスした後の一言目は言い訳
- 会社のイベントはとても大切にし全力で楽しむ
- 宗教心がとても強い
- ゴキブリが怖くない
他にもまだまだたくさんありますが、海外赴任中は驚きの連続です。
育った環境も違えば、教育の受け方も違います。
郷に入っては郷に従えと言いますが、まさにその通りで、それらの驚きを受け入れていくことが海外赴任中に順応していくポイントとなります。
言葉が違っても、文化が違っても、同じ目標に向かって毎日デスクを並べて働くということは何事にも代えがたい経験になり、達成感も2倍、3倍に感じます。
携帯代払ってないから、遅刻しましたっていうことをスタッフに言われても驚かないように!
競合他社は世界が相手
海外に出てみると、競合他社もいろんな国の企業が相手となります。
海外旅行に行って世界のいろんな景色を見て世界は広いと感じるように、仕事でも海外で働いてみると世界は広いと感じます。
旅行会社の海外赴任では、海外での競合相手は日系企業ではありません。
韓国、中国、台湾、香港、ロシア、ヨーロッパなどの企業が競合他社になります。国が違うと仕入れの仕方も異なり、販売方法も異なります。
旅行業においては、特に中国や韓国の戦略はとても勉強になりますし、あの積極性は日本にはないものです。
例えば、日本ではチャーター便のプロジェクトに対して、とても慎重で保守的な考えから議論がスタートします。
日本では、売り切るという前向きな戦略を考えることに重点を置くのではなく、売れ残りの場合のリスクに関しての議論に重点を置いてしまいます。
しかし、中国は東南アジア圏にチャーター便を売り切る仕入れからスタートして飛ばします。
その後、季節限定で行うスケジュールチャーターに繋がて行くような勢いがあります。
そういった世界の競合他社を知ることができるということは、海外赴任のやりがいの一つになります。
日本人の特徴の1つに数をコミットメントしなくてリスクばっかり話することは海外では非常に嫌われます。そのうちビジネスパートナーとして見てもらえなくなるので注意しましょう!
海外赴任に選ばれる人とは?
海外赴任に選ばれる人とはどんな人なのかを見ていきましょう。
会社からの辞令を受けて海外赴任をする人は次のような社員が多いです。
- 英語に対してどちらかと言うとあまり抵抗がない
- 日本の業務において結果を残している
- 環境への適応能力がある
- クリエイティビティがある
英語に対してどちらかと言うとあまり抵抗がない
海外赴任をするには、英語に対して拒絶反応があれば、最初の一歩すら踏み出せないかもしれません。
海外赴任がしたい、でも英語にあまり自信がないと思ったとしても、「日常会話であれば少しくらいなら大丈夫です」くらいのことは会社には伝えておきましょう。
もしTOEICを受けたことがあるなら、その点数も基準になります。
僕自身は、外国語大学出身ということや留学経験があったため、海外に対して抵抗感はないと思われていました。
やっぱり外国人スタッフとの共通言語を話せるかどうかは大事です。日本人でよくあるのが外国人が参加している会議で日本人スタッフに対して日本語を話してしまうこと。これは非常に良くないです。外国人が参加している会議なら、意見を伝える相手が日本人であっても英語で話しましょう。
日本の業務において結果を残している
海外赴任に選ばれる人は、会社側から一定の評価を得ていることに間違いはありません。
今までの日本での業務において、プロジェクトを成功させたことや利益を増やしたことなど、会社側から見ても今後期待をしたい、ゆくゆくは経営幹部になってもらいたいなどの思いを持って社員を選び、海外赴任をさせています。
常日頃から全力投球ができている人は、海外赴任をしても全力投球で仕事ができます。
環境への適応能力がある
海外赴任は言葉も文化も異なる異国へ飛び込むことになるため、環境への適応能力を持っている人が適しています。
日本での業務においても、支店異動後もスムーズに業務ができたり、海外出張に行っても期待以上の成果を持って帰ってきたりと、環境が変わっても意志が固く、突き進んでいける人は海外赴任に向いています。
逆に観光の変化に弱く、ストレスを抱え込んでしまう人は、海外赴任中に鬱になったり、赴任期間満了前に退職したりすることが多いです。
★参考記事★
【海外赴任者が教える】海外赴任中にやるべきストレス発散方法とは?
クリエイティビティがある
クリエイティビティとは、新しいアイデアを出せたり、新しいアプローチができたりと新しい状況を作り出せることです。
特に海外赴任というのは、会社が海外へ投資をして支店を立ち上げたり、新しいプロジェクトを行ったりとゼロからのスタートの時が多いです。
そういった状況では、意志が強く、新しものを作り出せるクリエイティビティのある人が適任です。
日本ではスムーズに行くことが海外では全く進まないことが頻繁にあります。
特に日本式で業務を進めてしまうと逆効果になってしまい、うまくいかないことが多いです。
そういった時に新しいアイデアを出せたり、新しいアプローチをして軌道修正ができる人は、海外でも業務をやり遂げることができます。
社会人になると採用試験や昇格試験の際に性格診断テストを受けることがあります。
その性格診断テストでは行動特性や目標に対しての意志や意欲、感情のコントロールなどを調べることができますが、その際に自分自身にクリエイティビティがあるのかどうかをチェックしてみましょう。
海外赴任の取り巻く環境とは?
海外赴任が取り巻く環境を見ていきましょう。
次のような環境を打破できるかどうかも海外赴任に選ばれる人になれるかどうかを左右します。
- 重責な事業や業務がある
- 日本にいる時よりも立場や役職が上がる
- 管理部門を含めた幅広い業務
- 現地スタッフとの意思疎通の難しさ
- 自ら決断して物事を進める必要がある
上記のように海外赴任中の取り巻く環境はとても大変です。
★参考記事★
【海外赴任者が教える】海外赴任で成長できない人の7つの特徴とは?
【海外赴任者が教える】海外赴任中の生活や仕事への不安とは?
それぞれを簡単に説明すると次のようになります。
重責な事業や業務がある
海外赴任では、支店立ち上げや新規プロジェクトなど会社が投資をする案件が多々あります。
それだけ会社にとっても勝負に出ている時で、それを任される社員は重責を果たさなければなりません。
最近はあまり聞かなくなりましたが、「海外赴任は片道切符」とよく言われました。
プロジェクトに失敗したら戻る場所がなく、キャリアの道からも外れることになるかもしれません。
しかし、プロジェクトが成功したら、日本側が呼び戻してくれるでしょう。
それだけ海外赴任には重責な事業や業務があります。
日本にいる時よりも立場や役職が上がる
海外赴任をすると、日本での役職や立場よりも上になることは間違いありません。
例えば、中間管理職の社員が海外赴任をすると現地では拠点長などになり、一般社員が海外赴任をするとスーパーバイザー(主任レベル)やアシスタントマネージャー(係長レベル)などの管理職になることが多いです。
そのため、現地の会社運営をしたり、部下が増えたりと業務レベルも上がります。
日本で管理職の経験がないスタッフが海外赴任でいきなり管理職の業務をさせられることもよく聞きます。
日本にいる時よりも海外赴任中は役職が上がることが多く、そのため海外では外国人スタッフに普通に「ボス」とか言われます。そう呼ばれて満足してしまい、仕事もしないボスがたくさんいるのも事実です。
管理部門を含めた幅広い業務
海外赴任では、拠点の規模によっては日本人1人のみの場合や現地スタッフが数十名いるのに日本人スタッフはたったの2人の場合などよくあることです。
そのため、経理や総務、労務など管理部門も業務の1つとなります。
現地の外国人スタッフは現地での業務のことや支店運営に関わること、経理や総務、労務のことなどについて質問をしてくるでしょう。
質問をしてきたら、日本人スタッフは必ずそれらの質問全てに答えないといけません。
そのため、毎日が勉強です。
現地スタッフとの意思疎通の難しさ
言葉や文化も異なる現地スタッフとのコミュニケーションや意思疎通は非常に難しいです。
日本人は抽象的な表現でも伝わりますが、現地スタッフには1~10まできちんと指示を出さなければなりません。
そのため、コミュニケーションを取って、「伝える」ということを徹底しなければいけません。
また、英語だけでは現地スタッフに伝わり切らない場合があります。
英語のマニュアルは作成していても、現地語でマニュアルを作成していなかったため、業務中に事故が発生した場合、損害賠償請求を受けることもあります。
中小企業の海外支店では、就業規則すらないところもあります。
外国人がスタッフだとしても彼らは上司にしっかりと見てもらいたい、評価してもらいたいと思っているのは日本と同じです。評価面談などがあれば、しっかりと面と向かって話し合いましょう。僕はスタッフ全員と面談していました。
自ら決断して物事を進める必要がある
海外赴任をしてみると、日本側との距離を感じることが多々あります。
それは、海外の現地で実際に働いている社員と日本にいる社員とでは考え方に差があるということ、現地で実際に起こっていることを日本側に説明しても理解されないということです。
メーカーなどのモノづくりの企業では「現場」「現物」「現実」「原理」「原則」を大事にしていますが、旅行会社もまさにそうです。
現地に赴き、現物を見て、現実を知り、原理に則って、原則を作る、それが大切です。
机上の空論をしている日本側とは議論ができないということも多々あり、海外赴任中は自らが判断して物事を進める機会が多々あります。
そのため、自分で判断して行動に移せることができるかどうかも大切なポイントです。
海外赴任が決まったら何をすべきか
海外赴任の辞令は赴任の3~6カ月前に出ることが多いです。
赴任1か月前などに海外赴任の辞令を出す会社はブラック企業のため、赴任後にトラベルになる可能性が高いので気を付けましょう。
海外赴任が決まったら、赴任するまでに自分のスキルの向上に努めましょう。
その数カ月で海外赴任のスタート時に大きな差が出ます。
最低でもやるべきことは2つです。
- 英語の語学力のスキルアップをする
- 海外赴任の失敗事例を知る
- SDGsビジネスの基礎を必ず学ぶ
赴任前の数カ月でこの2つは必ずやりましょう。
英語の語学力のスキルアップをする
海外赴任が決まる前あるいは決まったらすぐ会社の海外赴任規定を必ずチェックしましょう。
通常、海外赴任をするスタッフは会社の福利厚生の一環として語学学校に通うための諸費用の全額補助あるいは一部補助を受けることができます。
その制度を利用して、海外赴任前の数カ月は語学学校に通うことで3つのことに慣れるようにしましょう。
- 英語を話すことに抵抗をなくす
- ネイティブの人と対面で話すことに慣れる
- 語彙力を増やす
この3つは非常に大事で海外赴任時にこの3つを克服できていない人は本当に苦労します。
赴任直後から外国人スタッフや取引先と英語で話をしないといけないためです。
また、海外赴任が決まったら、通勤時間を必ず有効活用してスマホで英語の勉強をするようにしましょう。
英語の勉強ができるスマホアプリはたくさんありますが、一番海外赴任者向けなのは「スタディサプリENGLISH・ビジネス英語コース」です。
月1回外食を減らしたり、飲み会を減らせば、アプリ代を払うことが簡単にできるので、その投資すらできない場合は語学力向上は難しいです。
海外赴任前に語学力向上の努力を怠り、赴任先で苦労している人をたくさん見てきました。
仕事が終わって自宅に帰った後や休みの日に勉強の時間を作るのはとても大変です。
通勤時間は仕事に行く上でのルーティンになるため、その時間を有効活用しましょう。
苦手だからじゃ済まされないので、できる限り勉強しましょう。
海外赴任の失敗事例を知る
海外赴任に関しての失敗事例や体験談の本はたくさんあります。
僕個人的に一番おすすめの本は「日本人が海外で最高の仕事をする方法」という本です。
★著者が読んだ海外赴任向けの本★
【海外赴任者が教える】海外赴任が決まったら読むべきおすすめの本
海外赴任時の失敗事例がたくさん紹介されているので海外赴任前の読んでおくととても勉強になります。
SDGsビジネスの基礎を必ず学ぶ
海外赴任が決まっても決まらなくても、今のご時世はSDGsビジネスのマインドがなければ、良いパートナーシップを構築できません。
よくある社会人の間違いが、「CSR=SDGs」と捉えている人が多く、「僕の会社はCSRやってるから、SDGsはしなくてもいい」といっている人がたくさんいます。
これは完全な間違いで、SDGsビジネスをしている人にとっては「この人、全く理解していないな」と思われてしまします。
まずはその違いをしっかりと勉強して理解しましょう。
世界ではSDGsビジネスが進んでおり、最近日本でも徐々に増えてきています。
SDGsビジネスのマインドを持つためには、「バックキャスティング思考」が必ず必要になります。
初めて聞いたという人は、すぐにでも本を買って勉強しましょう。
★SDGsマインドを持つために必要な本★
SDGsビジネスの知識を勉強したい人向けのおすすめの本
また、自分の価値観や日本と世界の未来情報の収集も行いましょう。
特に自分の価値観を自分自身が理解できていな人は、事業をしていてもすぐにぶれてしまいます。
商品・サービスの説明ばかりをしていては、良いパートナーシップを構築できないので価値観や理念をしっかり持てるようにしておきましょう。
以上となります。
海外赴任をしたいという方は、芯をしっかり持って日頃から努力をしておくと海外赴任に選ばれる人になります!
後ろを振り返らず、前だけを向いて突き進んでみてください!