旅行会社に就職したいけど、残業が多くて激務って聞くけど、実際はどうなんだろう。。。どんな業務が忙しいんだろう。。。旅行会社で働いている人に聞いてみたいな。。。
この記事は、そんな疑問に答えます。
✔ 本記事の内容
- 旅行会社の業務内容とは?
- 旅行会社が激務な理由とは?
- 激務の具体的事例とは?
こんにちは、ツバサです。
僕自身、旅行業界で長年働いてきて、おそらく入社3年目と海外赴任の時が一番忙しかったと思います。忙しいというよりも、まさに「激務」です。
入社3年目の時は半年間だけ販売店舗で働いていたのですが、1か月の内、半月程会社に泊まりました。海外赴任は「激務」覚悟で行ったので予想通りでしたが、1ヵ月に休みが2日あるいは3日あるかないかでした。
忙しいのは何かしらの理由があるのですが、会社が根本的な解決に動くかどうかで社内環境が大幅に変わります。
この記事では、「旅行会社の激務な理由」を詳しく解説したいと思います。
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旅行会社の業務内容とは?
旅行会社といっても様々な業務があります。営業やカウンターセールス、企画仕入れ、など業務内容も異なれば、働き方も異なります。それぞれの業務について見ていきましょう。
営業・販売
旅行会社の業務の中で一番イメージしやすい業務が販売店舗でのカウンターセールスです。ツアーカウンター越しに顧客対応し、旅行の予約を受け付ける業務となります。旅行の相談を受け、人数や日程、予算などをヒアリングしながら、旅行商品を紹介していきます。基本的には内勤営業の業務となります。
また、営業という面では外回り営業のある法人営業もあります。他の旅行会社へ旅行商品の代売を依頼する営業や企業や学校などの団体旅行の営業もあります。
予約・手配
旅行の受注をした後に航空券やホテル、観光ツアー、送迎などの予約手配を行う業務です。予約手配が独立した部署があるのは大手旅行会社に多いです。
中小旅行会社では基本的には予約受注も予約手配も同じスタッフが行うことが一般的です。
企画・仕入れ
旅行会社のパッケージツアー商品を造成する際に、航空券やホテル、観光ツアー、送迎などの仕入れ業務を行い、マーケットのニーズに合わせて旅行商品を企画する業務となります。
海外のホテルや旅行代理店との交渉や海外視察などもよくあります。
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旅行会社が激務な理由とは?
旅行会社には様々な業務がありますが、旅行会社を激務にしている理由は何でしょうか?
ポイントは、その旅行会社が「製販分離」をしているか、あるいは「製販一体」をしているかです。
製販分離がもたらす激務
大手旅行会社の場合は製販分離をしていることが多いです。例えば、旅行会社最大手のJTBでは、旅行企画や予約手配は天王洲アイルにある本社の企画部署が行っています。しかし、販売に関しては天王洲アイルの本社では行っておらず、各都市にある販売店舗にて行っています。
このように大手旅行会社では、販売、企画仕入れ、予約手配が分業となっています。
製販分離のメリットは、分業により業務を最大限に効率化できることです。しかし、それぞれの業務にも忙しさはあります。例えば、
- 販売
ゴールデンウィークや夏休み、年末年始などの旅行繁忙期の予約取り込み時期や旅行会社によって行う季節ごとのセールやキャンペーンの時期が忙しい。 - 企画仕入れ
半期や四半期ごとにパッケージツアー造成やパンフレット制作があり、ツアーの入稿時期やパンフレットの印刷前の最終稿の時期が忙しい。 - 予約手配
繁忙期の時期のリコンファーム(再確認)やファイナル(最終確認)の時期が忙しい。
そのため、分業にしていても忙しい時期は必ずやってきます。
製販一体がもたらす激務
世間一般的に「旅行会社は忙しい」と言われる理由は「製販一体」が原因です。僕が以前勤めていた旅行会社も「製販一体」の旅行会社でした。
旅行会社で言う「製販一体」とは、次のような業務を毎日行います。
- カウンターセールスや顧客の電話&メール対応
- 受注した旅行の予約手配
- 予約確認書や最終日程表の作成及び発送
- パッケージツアーの商品造成
- ホームページ内で行う特集企画のデータ作成
- 航空会社やホテルとの商談
- 海外視察や海外研修
「製販一体」の旅行会社では、スタッフに対して担当するデスティネーションを割り振ります。各スタッフは割り振られたデスティネーションの商品造成や仕入れ業務を行いながら、そのデスティネーションが属する担当エリアの受注も行わなければなりません。次のようなイメージです。
毎日どのような1日を送るのかというと、パッケージツアーのコスティングをしながら、ウェブサイトに掲載するためにツアーを入稿し、取引先が来社したら商談、一般のお客様から電話で旅行の問い合わせが来たら対応、もし来店の場合はカウンター接客。。。。。まさに激務です。何か業務をやっている時に別の業務が舞い込んでくる、そんな時間を毎日過ごします。
上記のスタッフAさんの例で言うと、朝出社してタイの商品造成の業務を始めたら、ベトナム旅行を検討している人が来店し接客対応、デスクに戻って商品造成の業務を再開しようとしたら、バリ島の問い合わせの電話対応。。。などなど。
そのため、「製販一体」の旅行会社のスタッフは、日中の営業時間内は問い合わせや受注対応に追われてしまい、商品造成等がまったくできず、営業時間が終了してから商品造成の業務に取り掛かることがほとんどです。つまり、帰宅は終電になるということです。
旅行会社の誤解とは?
「製販一体」を行う旅行会社はなぜ社員が疲弊しているにも関わらず「製販分離」にしないのかというと、会社の金銭面の事情でスタッフを追加雇用できないなどはあるかもしれませんが、それ以外の理由で多いのが「製販一体をすることで顧客の生の声が商品に活かせる」という理由です。
これは、経営者の完全なる誤解です。
「製販一体」にすることで、確かに顧客と接する分、旅行の動機や感想などの生の声を聞くことができます。企画を兼任していることもあり、生の声を企画に反映させることができるかもしれません。
しかしながら、現在の旅行会社では「帰国後アンケート」などを通して、顧客の生の声やフィードバックの情報を収集しています。その情報を管理及び共有をすれば問題ありません。
また、「製販一体」はその忙しさから担当者ベースで担当デスティネーションの情報アップデートが遅れる場合が多々あります。例えば、ホームページにリンク切れのツアーが掲載されていたり、特集ページの内容が古かったり、ホテルの名称が変更となっているのに前の名称のまま掲載を続けていたりとマイナス面が次々と出てきてしまいます。
旅行会社は旅行に関してのプロでなければなりません。そのため、旅行に関する情報をきちんと収集しアップデートする、そして市場の分析を行い、マーケットに合う商品造成を行う、それを行うためには「製販分離」の方が効率良く行えます。
激務の具体的事例とは?
これは僕自身の旅行会社での激務体験となります。ご参考までに。
以上となります。
旅行会社の一般的な激務の理由はわかりましたでしょうか?旅行会社が「製販分離」をしているのか、「製販一体」をしているのかがポイントとなります。
残業ありきの仕事は、どんな仕事であれ、何も良いことをもたらしません。
それでは、良い一日を!
製販分離とは、製造部門(作る側)と販売部門(売る側)を分けることです。業務分担を行い、業務の処理能力の向上や効率化を最大限に図ります。