旅行会社のカウンターセールスってどんなお仕事なんだろう。ツアーカウンターで接客をしているイメージだけど、他にも業務はあるのかな。
この記事は、そんな疑問に答えます。
- 旅行会社のカウンタースタッフとは?
- 旅行会社のカウンタースタッフの業務内容
- 旅行会社のカウンタースタッフの英語力
- 旅行会社のカウンタースタッフに向いている人
- 旅行会社のカウンタースタッフの大変なこと
- 旅行会社のカウンタースタッフの今後の課題
こんにちは、ツバサです。
僕自身、大卒で旅行会社に入社し、入社2日目からお客様対応をしていました。新入社員は「電話を1コールで出ろ!」と体育会系の指導で毎日電話を取って旅行の問い合わせ対応をしなければなりませんでした。
それと同時に来店接客も新入社員は率先して出なければなりません。来店したお客様の対応では、やはり旅行先に行ったことがあるかどうかで案内のクオリティーに天と地の差がありました。
この記事では、旅行会社のカウンタースタッフの業務を中心にカウンタースタッフについて詳しく解説しています。
これから旅行会社で働きたい人、今実際にカウンタースタッフをしている人などに是非読んでもらいたい記事です。
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旅行会社のカウンタースタッフとは?
旅行会社に就職する中で人気の職種の一つが「カウンタースタッフ」です。また、「カウンターセールス」とも言われることがあります。
カウンタースタッフとは、街中にある旅行会社を覗いてみるとツアーカウンター越しに接客をしているスタッフがいますが、そのスタッフがカウンタースタッフにあたります。基本的には内勤営業となり、外回りの営業などはありません。
旅行会社には様々な業務や部署がありますが、「販売」という面ではカウンタースタッフが最前線で働いており、お客様と接するという意味では「旅行会社の顔」でもあります。カウンタースタッフの印象がその旅行会社の印象にも繋がります。
「旅行商品は形のないもの」です。お客様によってはすでにパンフレットなどを見ていて旅行商品を事前に決めている方や旅行先がまだ決まっていない方、カウンタースタッフに相談したい方など様々で、いろんなニーズにカウンタースタッフは応えなければなりません。
旅行会社のカウンタースタッフの業務内容
それでは、旅行会社における「カウンタースタッフ」の業務内容を見ていきましょう。
・ツアーカウンターでの接客
・旅行の見積もり対応
・旅行保険の販売
・ツアーやホテルの手配
・日程表の作成
・店舗イベントの準備や実施
・海外視察や研修旅行
ツアーカウンターでの接客
カウンタースタッフは内勤営業として、お客様からの電話対応やメール対応、来店接客対応などを行います。
店頭にはたくさんのパンフレットが陳列されていますが、国内旅行はもちろん海外旅行のパッケージツアー販売を行っており、自社商品はもちろん、他の旅行会社のパッケージツアーの代売も行っています。パッケージツアー以外にはホテル単体の販売や新幹線などの鉄道のチケットなどの販売も行います。
旅行商品の空席状況確認では、自社の在庫管理システムを確認したり、航空券端末を使って空席状況を調べたりします。航空券端末のシステムは、「AXESS(アクセス)」、「INFINI(インフィニ)」、「AMADEUS(アマデウス)」などを主に使います。また、最近ではLCC(格安航空会社)の旅行商品も多くなっており、LCCの空席状況の確認はLCC独自のシステムやウェブサイトを使用することもあります。これらの航空券端末のシステムは旅行会社入社後に研修を受けることとなります。(実際は顧客対応をしてシステムを使いながら覚えていくことが多いです)
カウンター接客では開店後、お昼休み、夕方5時以降が特に忙しい時間帯となります。
・電話対応、メール対応、来店接客対応
・自社商品の販売と他社商品の代売
・航空券端末のシステムは主にAXESS(アクセス)「INFINI(インフィニ)」「AMADEUS(アマデウス)
・忙しい時間帯は開店後、お昼休み、夕方5時以降
旅行の見積もり対応
お客様によっては旅行プランも様々です。パンフレットの内容では希望に添えない場合も多々あります。
そういう時は、できる限り希望に沿う形のオリジナル旅行を作ります。航空会社やホテル、観光、送迎など、様々なパーツを組み合わせて旅行代金を見積もります。
見積もるに当たっては、何でも取り扱えるわけではありません。航空会社やホテルであれば、契約料金のあるものを使うことになります。旅行会社によっては、取り扱えないものがあるのも事実です。また、外務省発表の危険度情報が高いエリアへの旅行商品に関しても販売を控えます。
旅行保険の販売
旅行会社に勤務すると、海外旅行保険などの保険を販売する業務も行わなければなりません。
旅行保険を販売する上で、日本損害保険協会が発行する「損害保険募集人資格」が必要となります。
旅行会社に入社すると、会社によっては人事部から資格取得のための案内やテキストの配布がされ、試験の段取りまで全て行ってくれます。
試験の難易度はそこまで高くありません。テキストをきちんと読んでいれば合格できるレベルです。
この「損害保険募集人資格」を取得後、旅行保険の販売が可能となります。
※損害保険募集人資格の詳細についてはこちらから。
旅行保険の販売には損害保険募集人資格が必要
ツアーやホテルの手配
カウンタースタッフとして、お客様の旅行の予約を受注できた場合は、そのツアーに関わるホテルや観光ツアー、送迎などの手配を行わなければなりません。
大手旅行会社の場合は手配課という部署があり、全ての販売店舗のツアー予約に関わる航空券やホテルなどの手配しています。一方で中堅旅行会社などはカウンタースタッフが手配も行うことがほとんどで、予約を取っては手配の繰り返しです。
日程表の作成
パッケージツアーの予約後、出発の2~3週間ほど前に最終日程表や航空券をお客様に発送をしなければなりません。
大手旅行会社の場合は、システムがしっかりしていることもあり、システム内で最終日程表データを自動で作成することができます。中堅旅行会社などでは、カウンタースタッフが個々の予約記録ごとに最終日程表を作成しています。
航空券の発券業務は、技術職のような業務であるため、発券課という部署があります。
店舗イベントの準備や実施
カウンタースタッフは店舗で実施するイベントの準備等も行います。
例えば、支店オープンキャンペーンや〇〇周年キャンペーン、来店促進キャンペーンなど、様々なキャンペーンを試行錯誤しながら行い、集客を行います。
支店規模で行うキャンペーンでは、その地区で配布されているフリーペーパーとタイアップしたり、街頭でチラシを配布したりすることもあります。夏場には街頭で広告が記載されている内輪を配布することもあります。
海外視察や研修旅行
カウンタースタッフは海外視察や研修旅行にも参加をすることがあります。
例えば、観光省や航空会社が旅行会社のカウンタースタッフ用の海外視察や研修旅行を企画し、各旅行会社に参加募集を掛けることがあります。これらの視察旅行のことを「ファムトリップ」と言います。
海外視察では、現地のホテルの視察や観光地の視察を行います。また、ファムトリップの企画内容によっては、現地のホテルや旅行会社と商談会を行うこともあります。
旅行会社のカウンタースタッフの英語力
カウンタースタッフは英語が必要かどうかというと、英語を少しは話せた方がよいでしょう。最近では訪日旅行をする外国人観光客の数も右肩上がりで伸びており、特に国内旅行についての問い合わせ対応をする機会が増えています。
一方で海外旅行については、外国人旅行者は個人手配で旅行をすることが多く、旅行会社をあまり使いませんが、日本在住の外国人の旅行手配を受けることがあります。特にパッケージツアーよりも航空券の問い合わせの方が需要的には多いと思います。例えば、本国に一時帰国するための航空券などです。
ただし、旅行商品を販売する上で旅行条件書について、例えば、取り消しや変更に関する規定などを説明をしなければなりません。それらを英語で説明するとなるととても大変です。
最近では外国人スタッフの採用も多くなってきていることもあり、旅行会社によっては外国人専用の部署を設置しているところもあります。
旅行会社や旅行業界で必要な英語力を別記事でまとめていますので是非ご覧ください。
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旅行会社のカウンタースタッフに向いている人
カウンタースタッフの業務を中心に述べてきましたが、カウンタースタッフにはどのような人が向いているのかを見ていきましょう。
・旅行が人生の分岐点になることを理解している人
・お客様の旅行を自分の旅行のように取り扱える人
・わからないことをわからないとはっきり言える人
・帰国後のフォローアップができる人
もちろんカウンタースタッフには知識や経験も必要ですが、一番大事なことは上記の4つです。
旅行が人生の分岐点になることを理解している人
「旅行は人生の分岐点」になります。
例えば、訪問先での人との出会い、旅行先で見た景色、旅行中に体験したアクティビティなど、今後の人生に影響を与える可能性のあるものがたくさん旅行にはあります。
言い換えると、旅行手配のミスがその人の人生にどれくらい影響を及ぼしてしまうのかを理解している人は旅行予約を大切に管理します。予約内容のチェックはもちろん、些細なことでも現地側としっかり情報共有をするようになります。
例えば、プロポーズをするためにサプライズのロマンティックディナーの手配をカップルの男性から手配依頼を受けていた場合、くれぐれも同行者の女性には伝えないでほしいというような依頼はよくあることです。しかし、現地側にはサプライズの旨を伝えておらず、現地係員からディナーの件を女性に伝えてしまったら。折角男性が考えた貴重なプロポーズプランが台無しになってしまいます。
旅行は人生の分岐点であり、その後の人生に影響を与える可能性がある大切なライフイベントである
お客様の旅行を自分の旅行のように取り扱える人
旅行会社の役割は、基本的にはお客様の旅行手配を代理で手配をすることです。
旅行会社に勤めていると手配の間違いなども実際に起こってしまいます。そういった間違いやミスが起こる原因は、ダブルチェックをしていなかったなどのケアレスミスがほとんどです。日々業務がたくさんあり忙しいのはわかりますが、もし自分の旅行だったら何度もチェックしていたことでしょう。
お客様の旅行に関しても請け負った以上は内容のチェックをし過ぎてもよいくらいに取り扱えるかがポイントです。
・旅行会社は旅行手配の代理業者である
・旅行会社のミスはケアレスミスが多い
・自分の旅行だったら何度もチェックする
わからないことをわからないとはっきり言える人
これは特に海外旅行担当のカウンタースタッフがやりがちなことですが、「わからないことを知っているかのように伝えてしまう」ことがあります。
例えば、「ホテルにツインベッドはあるのかどうか?」という質問に対して、ホテルにツインベッドくらいはあるだろうと思い、「あります」と答えてしまうというようなことです。実際はホテルにツインベッドの客室がなく、現地に行ってからダブルベッドの客室に通され、結果クレームになるということはよくあります。
旅行会社のトラブルでは「言った」「言わない」のトラブルが非常に多いです。
お客様が望むことは「正しい情報」です。特に海外旅行では行ったことのない国に初めて行く人も多いでしょう。そこからくる心理状態は「不安」です。そのため、「正しい情報」が必要なのです。
カウンタースタッフも全世界を旅行しているわけではありません。もちろんパンフレットに掲載されている全ての旅行商品を経験しているわけでもありません。
そのため、わからないことがあれば正直に「わかりません」と伝え、そこで大事なことは「〇〇日までにお調べします」と約束して、最終的に正しい情報を案内することです。
・わからないことを知っているかのように伝えるとクレームになる
・お客様は正しい情報を望んでいる
・わからない場合は期日を指定してきちんと情報提供をする
帰国後のフォローアップができる人
カウンタースタッフは、旅行手配をしてお客様の帰国日を迎えても、それで終わりではありません。
必ず帰国後に今回の旅行の感想などを聞き取ることが大切です。
とても楽しかった、とてもリラックスできたなどのポジティブな意見もあれば、ホテルの部屋がよくなかった、現地のガイドが気が利かなかったなどのネガティブな意見もあります。
いずれの意見も真摯に受け止め、今後の旅行商品の改善に活かしていかなければなりません。ホテルの部屋がよくなかったのであれば企画部署にフィードバックする、現地のガイドが良くなかったのであれば現地支店や現地取引先にフィードバックするなど、改善に向けてのアクションを起こす必要があります。
旅行商品を販売していると同じカウンタースタッフに何度も旅行を予約するお客様がいます。それは毎回きちんとやり取りし、トラブルがあっても迅速に対応し解決するなどの行動が信頼に繋がっています。このカウンタースタッフに任せておけば、次の旅行も安心だと思われている証拠です。
帰国後のアクションこそ、次の旅行予約に繋がる
旅行会社のカウンタースタッフの大変なこと
カウンタースタッフは現場の最前線にいるため、来店接客が続くと日中デスクワークをすることができなくなり、業務が溜まっていくことがよくあります。
特に会社を挙げて大きなキャンペーンを行う際は、来店者数も増え、電話やメールでの問い合わせもたくさん来ます。それらを営業時間内に全て対応し、さらに受注した旅行予約の手配や最終日程表の作成などの業務も行わなければなりません。
大手旅行会社の場合は社内で分業がされていることが多いため、あれもこれもしなければならないということはあまりありませんが、中堅旅行会社の場合、「旅行会社は激務」と言われるように、そのような業務を受注担当者ベースで全て行っているケースが多いです。
また、お客様と接する立場にいるため、クレームが発生した時の対応も行わなければなりません。クレーム対応により1日潰れてしまうこともあります。お客様に怒鳴られることもあるでしょう。クレーム解決ができなければ、菓子折りを持ってお詫びに行ったり、出発当日の空港に出向き出発ぎりぎりまで対応することもあります。
・営業時間内は基本顧客対応、残業時間はその他業務
・クレーム対応も行う
旅行会社のカウンタースタッフの今後の課題
旅行会社のカウンタースタッフは、旅行会社の顔であり、現場最前線で働いていることがわかりました。また、接客業務以外にも旅行保険の販売や会社の規模によっては手配なども行い、業務が多岐に渡っています。
その中でカウンタースタッフが直面している課題はというと、「旅行商品に対する知識不足」です。
現在の旅行会社が取り扱う国や都市、ホテル、オプショナルツアーの数は、以前と比べてもとても多くなっています。それだけ世界の様々なところへのアクセスが可能となり、ホテルが建設され、観光整備がされています。それにより、旅行会社も様々な旅行商品を作るようになりました。お客様にとっては商品のラインナップが増えることは選択肢が増えるため嬉しい限りです。
しかし一方で、旅行会社側は販売店舗のカウンタースタッフの知識が追い付かないという現象が起こっています。
現在のお客様の知識量はインターネットの情報量と同じです。旅行会社のカウンタースタッフの知識がそれを上回れるかというと、そうではありません。お客様の中には「旅行会社のスタッフは知識がない」と言う人もいます。
そのため、以前旅行会社最大手のJTBがツアーカウンターでの旅行相談に関して、試験的に相談料を徴収する旨を発表した際、賛否両論となりました。
結果としては本格導入は見送られましたが、相談料の収受ができない厳しい状況だったのは間違いありません。
今後は旅行会社だけが持っている情報、旅行会社だからこそ案内できる情報を増やしていかなければなりません。
旅行会社や旅行業界の課題や問題点は別記事で詳しく書いていますので是非ご覧ください。
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以上となります。
旅行会社のカウンタースタッフは旅行商品を販売する華やかな職業です。また、業務内容も多岐に渡り、お客様と接することでたくさんのことを共有し、たくさんの経験を積むことができるでしょう。
ウェディングプランナーのようにお客様のライフイベントをプロデュースしたいという人には旅行会社のカウンターセールスは向いていると思います。
カウンターセールスの今後の課題もありますが、それは旅行業界全体で改善していかなければならない大きな課題と思います。
それでは、良い一日を!
ファムトリップは、観光省や航空会社が主体となり、観光地の誘致推進のためにターゲットとする国の旅行会社やメディアを現地に誘致し、視察をしてもらうツアーのことをいいます。